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第24話 マリーの抗議
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元の場所に戻ると、彼は、ニタニタと笑みを浮かべながら私を見ます。
「どうだ? 楽になっただろう?」
「はい……」
「あまり溜めると、身体に悪いし、美しさにも影響するからな。今後も滞るようなら、俺がマッサージしてやろう」
「……御主人様。私は、今後一切の飲食をお断りさせていただきます」
「それは困るな。目の前で出させるつもりはないと言っているだろう?」
「現在の御主人様が、そのようなつもりだとしても……私の恐怖心は拭えません」
「そうか……。仕方がない。お前が今後、一切反抗しないなら、強制的に出させることはないと約束してやってもいいぞ?」
「……そのお言葉を、信用してもよろしいのですね?」
「当然だ。俺は嘘を吐かない。吐く必要がないからな。その代わり……些細な反抗であっても、許さないからな?」
「……」
大変な弱みを握られてしまいました……。
私は、気持ちが落ち着かないまま、彼と共に、皆の所へ戻ります。
その夜、私は悪夢にうなされてしまいました。
彼だけでなく、大勢の人の前で、醜態を晒してしまう夢です。
飛び起きた際には、全身に汗をかいていました。
翌日の朝食の際、私は食事をする気分になれませんでした。
彼には、あのような恐ろしい技術がある、ということが分かったからです。
「ねえさま、お腹が空いてないの?」
マリーが、不思議そうに尋ねてきました。
「……そうじゃないの。心配しないで」
私は、無理に笑顔を作って答えます。
「どうした? 今から、出口のことの心配をしているのか?」
彼が、ニヤニヤと笑いながら言います。
その意味が分かったらしく、少女達が顔を赤くして俯きました。
本当に……最低の男です。
皆が食事をしている時に、一番してはならない話をするなんて……。
「そんなに睨むな。そういう趣味はないと言っただろう? 目の前で出させても楽しめるのは小便までだ」
彼は、下品極まりないことを言いながら、ゲラゲラと笑いました。
こんな時に、最低最悪の趣味を披露しないでほしいものです。
「……パパ、お食事中だよ?」
マリーが、少し怒った様子で言ったので、皆が驚いた顔をしました。
彼が創った人格が、彼を批判するのは、大変珍しいことなのでしょう。
「……とにかく、今はきちんと食べろ。お前は、これ以上痩せる必要がない」
彼が、顔を逸らしながら言いました。
「ありがとう、マリー」
私は、マリーに感謝しながら、食事に手を付けたのでした。
後のことを考えると、怖くないわけではなかったのですが……正直に言えば、お腹が空いてしまったのです。
「お前達。今日のうちに、マニが潜んでいる街に着くから、そのつもりでいろ」
朝食を終えた後で、彼はそう言いました。
何の心構えも出来ていなかった私は、その言葉に驚いてしまいます。
予想よりも、遥かに早い。
こんなに近くにいるなんて……本当に、マニはこの世界にたくさんいるようです。
「……この子達は、また戦うのですね」
私は、暗い気持ちになってそう言いました。
「それがどうした? 俺のコレクションは、マニ程度の魔物であれば、造作もなく始末するぞ?」
彼は、自慢げに言います。
この男には、小さな女の子を戦わせることについて、何の抵抗もないようです。
私は、心の中でため息を吐きました。
「……また、ミーシャに命じるのですか?」
「いや。今回は、ミーシャは使わないつもりだ。他の女に任せられるなら、その方がいいからな」
「それは……どういうことですか? ミーシャは、一度戦うと、次に戦えるようになるまで時間がかかるということでしょうか?」
「ミーシャだけではない。俺のコレクション達は、基本的に、短期間で繰り返し戦うことができない。お前も覚えておけ」
「かしこまりました」
このような重大な情報を、忘れるはずがありません。
私の妹達の、身の安全にかかわるのです。
「どうだ? 楽になっただろう?」
「はい……」
「あまり溜めると、身体に悪いし、美しさにも影響するからな。今後も滞るようなら、俺がマッサージしてやろう」
「……御主人様。私は、今後一切の飲食をお断りさせていただきます」
「それは困るな。目の前で出させるつもりはないと言っているだろう?」
「現在の御主人様が、そのようなつもりだとしても……私の恐怖心は拭えません」
「そうか……。仕方がない。お前が今後、一切反抗しないなら、強制的に出させることはないと約束してやってもいいぞ?」
「……そのお言葉を、信用してもよろしいのですね?」
「当然だ。俺は嘘を吐かない。吐く必要がないからな。その代わり……些細な反抗であっても、許さないからな?」
「……」
大変な弱みを握られてしまいました……。
私は、気持ちが落ち着かないまま、彼と共に、皆の所へ戻ります。
その夜、私は悪夢にうなされてしまいました。
彼だけでなく、大勢の人の前で、醜態を晒してしまう夢です。
飛び起きた際には、全身に汗をかいていました。
翌日の朝食の際、私は食事をする気分になれませんでした。
彼には、あのような恐ろしい技術がある、ということが分かったからです。
「ねえさま、お腹が空いてないの?」
マリーが、不思議そうに尋ねてきました。
「……そうじゃないの。心配しないで」
私は、無理に笑顔を作って答えます。
「どうした? 今から、出口のことの心配をしているのか?」
彼が、ニヤニヤと笑いながら言います。
その意味が分かったらしく、少女達が顔を赤くして俯きました。
本当に……最低の男です。
皆が食事をしている時に、一番してはならない話をするなんて……。
「そんなに睨むな。そういう趣味はないと言っただろう? 目の前で出させても楽しめるのは小便までだ」
彼は、下品極まりないことを言いながら、ゲラゲラと笑いました。
こんな時に、最低最悪の趣味を披露しないでほしいものです。
「……パパ、お食事中だよ?」
マリーが、少し怒った様子で言ったので、皆が驚いた顔をしました。
彼が創った人格が、彼を批判するのは、大変珍しいことなのでしょう。
「……とにかく、今はきちんと食べろ。お前は、これ以上痩せる必要がない」
彼が、顔を逸らしながら言いました。
「ありがとう、マリー」
私は、マリーに感謝しながら、食事に手を付けたのでした。
後のことを考えると、怖くないわけではなかったのですが……正直に言えば、お腹が空いてしまったのです。
「お前達。今日のうちに、マニが潜んでいる街に着くから、そのつもりでいろ」
朝食を終えた後で、彼はそう言いました。
何の心構えも出来ていなかった私は、その言葉に驚いてしまいます。
予想よりも、遥かに早い。
こんなに近くにいるなんて……本当に、マニはこの世界にたくさんいるようです。
「……この子達は、また戦うのですね」
私は、暗い気持ちになってそう言いました。
「それがどうした? 俺のコレクションは、マニ程度の魔物であれば、造作もなく始末するぞ?」
彼は、自慢げに言います。
この男には、小さな女の子を戦わせることについて、何の抵抗もないようです。
私は、心の中でため息を吐きました。
「……また、ミーシャに命じるのですか?」
「いや。今回は、ミーシャは使わないつもりだ。他の女に任せられるなら、その方がいいからな」
「それは……どういうことですか? ミーシャは、一度戦うと、次に戦えるようになるまで時間がかかるということでしょうか?」
「ミーシャだけではない。俺のコレクション達は、基本的に、短期間で繰り返し戦うことができない。お前も覚えておけ」
「かしこまりました」
このような重大な情報を、忘れるはずがありません。
私の妹達の、身の安全にかかわるのです。
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