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10ギルドにて
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ラノイはギルドに到着した。
木製の扉を両手で押し、中へ入る。テーブルを囲んで作戦会議をする人、どの依頼に行くか悩む人、喧嘩をする者など、活気に溢れていた。
「すいません」
ラノイは受付嬢に話しかける。
「ようこそペイデル冒険者ギルドへ。新規登録ですか?」
「あ、はい」
「かしこまりました。ではこちらの書類に必要事項を記入してください」
受付嬢から渡された書類に記入する。
「できました」
「では確認いたします。……一人ソロということになっていますが、よろしいですか?」
「あ、はい。それで大丈夫です」
「かしこまりました。では注意事項と説明を簡単にさせていただきます」
そういって受付嬢は一枚の紙を出した。そこにはこの国と、その周辺の地形が示されている。
「これはペイデルの領土です。ペイデル王国を中心に東は人魚の湖、西はポラン平原、南はファエゴ丘陵、北はヴァンの森までとなっております。この領土内で獲れた物はこちらで対処させていただきます。ただし、ラノイ様がこの範囲外で獲物をとった場合は当ギルドで対応することができません」
「どうしてですか?」
「その獲物は他国の領土のものとなり、それを買取等の処分をするのはご法度なんです。」
「あーなるほど、わかりました」
「この紙は差し上げますね」
「ありがとうございます」
ラノイは受付嬢から紙を受け取った。
「では次にこのギルドについて説明しますね」
そう言って今度は違う紙を出した。
「今いるここが受付カウンターです。ここから右に行くとクエストボードがあります。ボードに貼ってある紙をこちらに持ってきて頂くとクエストを受けることができます。2階にはギルド長の部屋となっています。ギルドの裏に解体屋がありますので、大きなモンスターはそちらで査定します。ここまでで何か分からないことはありましたか?」
「いや、大丈夫です」
「わかりました。これで説明は以上となります。それでは快適な冒険者ライフをお過ごし下さい」
「どうもありがとうございました」
ラノイは受付嬢に会釈し、そのままクエストボードへ向かった。ボードには紙が留めてあり、最近貼られたであろう新しめの依頼から、黄ばんで文字がかすれ読みにくいものまで様々であった。
「どうしようかな……」
ラノイがギルドへ来たのには主に2つの狙いがあった。
1つ目は言わずもがな強くなるためである。追放の辛さを知ったからこそ、もうあんな思いはしたくない。それにもしこれから一人だったとしても、強い越したことはないからだ。
2つ目は金を稼ぐためである。クランクから貰った金貨10枚も、いつかは底をつく。これからの事を考えると、金を稼ぐのは必然だろう。
己の強化もできてお金も貰える、それがラノイがギルドへ来た主な理由だった。
一口に依頼といっても、その内容はピンキリだ。【ワイバーン発生! 討伐求む】と書かれた貼り紙があれば、【ヒールキノコの採取】と書かれた張り紙もあり、ラノイは頭を悩ませていた。
初心者でも戦えて、特訓にもなって、尚且つそこそこの報酬が貰える、そんな依頼がないかとあちこち見回す。しばらくして、
「あ、いいのみっけ!」
すぐさまその紙を取り、受付へ持っていく。
「これお願いします」
「小鬼五体の討伐ですね。かしこまりました」
手続きが終わると、ラノイは目的の場所へと向かった。
木製の扉を両手で押し、中へ入る。テーブルを囲んで作戦会議をする人、どの依頼に行くか悩む人、喧嘩をする者など、活気に溢れていた。
「すいません」
ラノイは受付嬢に話しかける。
「ようこそペイデル冒険者ギルドへ。新規登録ですか?」
「あ、はい」
「かしこまりました。ではこちらの書類に必要事項を記入してください」
受付嬢から渡された書類に記入する。
「できました」
「では確認いたします。……一人ソロということになっていますが、よろしいですか?」
「あ、はい。それで大丈夫です」
「かしこまりました。では注意事項と説明を簡単にさせていただきます」
そういって受付嬢は一枚の紙を出した。そこにはこの国と、その周辺の地形が示されている。
「これはペイデルの領土です。ペイデル王国を中心に東は人魚の湖、西はポラン平原、南はファエゴ丘陵、北はヴァンの森までとなっております。この領土内で獲れた物はこちらで対処させていただきます。ただし、ラノイ様がこの範囲外で獲物をとった場合は当ギルドで対応することができません」
「どうしてですか?」
「その獲物は他国の領土のものとなり、それを買取等の処分をするのはご法度なんです。」
「あーなるほど、わかりました」
「この紙は差し上げますね」
「ありがとうございます」
ラノイは受付嬢から紙を受け取った。
「では次にこのギルドについて説明しますね」
そう言って今度は違う紙を出した。
「今いるここが受付カウンターです。ここから右に行くとクエストボードがあります。ボードに貼ってある紙をこちらに持ってきて頂くとクエストを受けることができます。2階にはギルド長の部屋となっています。ギルドの裏に解体屋がありますので、大きなモンスターはそちらで査定します。ここまでで何か分からないことはありましたか?」
「いや、大丈夫です」
「わかりました。これで説明は以上となります。それでは快適な冒険者ライフをお過ごし下さい」
「どうもありがとうございました」
ラノイは受付嬢に会釈し、そのままクエストボードへ向かった。ボードには紙が留めてあり、最近貼られたであろう新しめの依頼から、黄ばんで文字がかすれ読みにくいものまで様々であった。
「どうしようかな……」
ラノイがギルドへ来たのには主に2つの狙いがあった。
1つ目は言わずもがな強くなるためである。追放の辛さを知ったからこそ、もうあんな思いはしたくない。それにもしこれから一人だったとしても、強い越したことはないからだ。
2つ目は金を稼ぐためである。クランクから貰った金貨10枚も、いつかは底をつく。これからの事を考えると、金を稼ぐのは必然だろう。
己の強化もできてお金も貰える、それがラノイがギルドへ来た主な理由だった。
一口に依頼といっても、その内容はピンキリだ。【ワイバーン発生! 討伐求む】と書かれた貼り紙があれば、【ヒールキノコの採取】と書かれた張り紙もあり、ラノイは頭を悩ませていた。
初心者でも戦えて、特訓にもなって、尚且つそこそこの報酬が貰える、そんな依頼がないかとあちこち見回す。しばらくして、
「あ、いいのみっけ!」
すぐさまその紙を取り、受付へ持っていく。
「これお願いします」
「小鬼五体の討伐ですね。かしこまりました」
手続きが終わると、ラノイは目的の場所へと向かった。
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