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18.カギ
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その日の夜、私は浴室のバスタブにお湯を溜めてゆったりと入浴していた。
前世も風呂が好きだったから、つい数日に一度はお湯に入りたくなってしまうのだった。
のんびりバスタブの中で体を温めていると、脱衣所の方でカタっと微かな物音がした。
私は極力音を立てないようにお湯から上がり、バスタオルを体に巻きつけてそっとドアを開けた。
「スチュアート、何をしているの?」
私の装飾品を置いた辺りを物色していた彼が、はっとした顔で体を硬直させた。
彼が何を探していたのかもちろんわかっていた。
「もしかして、このカギを探していたのかしら?」
バスタオルと共に浴室に持ち込んでいたカギを指先で摘まんで彼に見せた。
「オナニーがしたければ、いつだって外してあげるって言ってあるわよね。私の見ている前でするのなら」
いつも自信たっぷりでツンッと澄ましている彼が屈辱にこらえきれず顔を歪めている。本当は股間の戒めを外してほしくてたまらないはずなのに。
なんてそそる表情だろうか。
「そうだわ、お風呂を出たら少しマッサージしてもらおうかしら。お友達からもらったマッサージオイルがドレッサーの上に置いてあるから」
「かしこまりました」
彼は脱衣所を出て行った。
オイルはキャロラインが置いて行った荷物に入っていた媚薬入りのマッサージオイルだ。マッサージされる側だけでなくする側にも強い催淫効果があるという。
それを使えばスチュアートの我慢も限界になり、貞操帯を外してくださいとねだってくるだろう。
二週間耐えきることなど許さない。
お風呂を出ると、私のベッドの上にシーツが重ねて敷かれ、オイルマッサージの準備がされていた。
「少々お待ちください。メイドをお呼び致します」
「メイドじゃなくあなたがマッサージなさい。お父様があなたのマッサージがプロ並みだと褒めていたから私もしてほしくなったのよ」
「左様でございますか、ではわたくしが行わせていただきます」
自尊心の塊である彼は誇らしそうに承諾した。
バスローブの腰紐を解いてそれを脱ぎ捨てると丸裸になった私は自分のベッドにうつ伏せた。
「お嬢様、何かお召し物を」
バスローブの脱ぐ瞬間から私の裸を見まいと顔を背けていた彼は、なるべくこちらを見ないようにしながら言った。
「服にオイルが付くのが嫌なの。うつ伏せなのだから裸でもいいでしょう」
彼は渋々納得して自身も燕尾服の上着を脱ぎシャツのそでをまくった。
手袋を外した両手に温めておいたオイルをまんべんなく塗り広げ、
「失礼いたします」
と私の肩甲骨へ触れた。
この時点で私はドキドキしてたまらなかった。
彼の素手に触られるのは慣れていない。彼はいつでもきっちりと白い手袋を着用しているから、私が知る彼の手の感触は手袋のシルクの感触でしかなかったから。
オイルまみれの彼の生の指が肩や首筋を滑らかになぞり、グイグイと私の肩の付け根や肩甲骨のツボを押すたび、
「……ぁん、んぅ……」
と私はとろけるような声を出さずにはいられなかった。
男らしい大きな手が私の体を這う感覚に私の全神経が集中してしまう。
「力加減はいかがでございますか」
耳のすぐ後ろで囁かれ、私はゾクッと背筋を甘く痺れさせた。
「とてもいいわ、スチュアート」
ゆりの花のように上品で優雅なオイルの香りが部屋中に広がっている。彼の呼吸も心なしかはぁ、はぁ、と熱いものに変わってきている気がする。
彼の手がゆっくりと腰へ移動した。形のいい私の丸出しの双丘が嫌でも視界に入っているだろう。
腰をクイクイ揉まれると全身の熱が下腹部へじわじわと集まってしまう。
「腰より肩が凝っていらっしゃいますね」
「そう、肩が辛いの……」
そう言いながら私はゴロリと仰向けに寝返りを打った。
前世も風呂が好きだったから、つい数日に一度はお湯に入りたくなってしまうのだった。
のんびりバスタブの中で体を温めていると、脱衣所の方でカタっと微かな物音がした。
私は極力音を立てないようにお湯から上がり、バスタオルを体に巻きつけてそっとドアを開けた。
「スチュアート、何をしているの?」
私の装飾品を置いた辺りを物色していた彼が、はっとした顔で体を硬直させた。
彼が何を探していたのかもちろんわかっていた。
「もしかして、このカギを探していたのかしら?」
バスタオルと共に浴室に持ち込んでいたカギを指先で摘まんで彼に見せた。
「オナニーがしたければ、いつだって外してあげるって言ってあるわよね。私の見ている前でするのなら」
いつも自信たっぷりでツンッと澄ましている彼が屈辱にこらえきれず顔を歪めている。本当は股間の戒めを外してほしくてたまらないはずなのに。
なんてそそる表情だろうか。
「そうだわ、お風呂を出たら少しマッサージしてもらおうかしら。お友達からもらったマッサージオイルがドレッサーの上に置いてあるから」
「かしこまりました」
彼は脱衣所を出て行った。
オイルはキャロラインが置いて行った荷物に入っていた媚薬入りのマッサージオイルだ。マッサージされる側だけでなくする側にも強い催淫効果があるという。
それを使えばスチュアートの我慢も限界になり、貞操帯を外してくださいとねだってくるだろう。
二週間耐えきることなど許さない。
お風呂を出ると、私のベッドの上にシーツが重ねて敷かれ、オイルマッサージの準備がされていた。
「少々お待ちください。メイドをお呼び致します」
「メイドじゃなくあなたがマッサージなさい。お父様があなたのマッサージがプロ並みだと褒めていたから私もしてほしくなったのよ」
「左様でございますか、ではわたくしが行わせていただきます」
自尊心の塊である彼は誇らしそうに承諾した。
バスローブの腰紐を解いてそれを脱ぎ捨てると丸裸になった私は自分のベッドにうつ伏せた。
「お嬢様、何かお召し物を」
バスローブの脱ぐ瞬間から私の裸を見まいと顔を背けていた彼は、なるべくこちらを見ないようにしながら言った。
「服にオイルが付くのが嫌なの。うつ伏せなのだから裸でもいいでしょう」
彼は渋々納得して自身も燕尾服の上着を脱ぎシャツのそでをまくった。
手袋を外した両手に温めておいたオイルをまんべんなく塗り広げ、
「失礼いたします」
と私の肩甲骨へ触れた。
この時点で私はドキドキしてたまらなかった。
彼の素手に触られるのは慣れていない。彼はいつでもきっちりと白い手袋を着用しているから、私が知る彼の手の感触は手袋のシルクの感触でしかなかったから。
オイルまみれの彼の生の指が肩や首筋を滑らかになぞり、グイグイと私の肩の付け根や肩甲骨のツボを押すたび、
「……ぁん、んぅ……」
と私はとろけるような声を出さずにはいられなかった。
男らしい大きな手が私の体を這う感覚に私の全神経が集中してしまう。
「力加減はいかがでございますか」
耳のすぐ後ろで囁かれ、私はゾクッと背筋を甘く痺れさせた。
「とてもいいわ、スチュアート」
ゆりの花のように上品で優雅なオイルの香りが部屋中に広がっている。彼の呼吸も心なしかはぁ、はぁ、と熱いものに変わってきている気がする。
彼の手がゆっくりと腰へ移動した。形のいい私の丸出しの双丘が嫌でも視界に入っているだろう。
腰をクイクイ揉まれると全身の熱が下腹部へじわじわと集まってしまう。
「腰より肩が凝っていらっしゃいますね」
「そう、肩が辛いの……」
そう言いながら私はゴロリと仰向けに寝返りを打った。
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