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37.転生した理由※
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***
「わたくしはスチュアートに跡を継がせるつもりでおりました。しかしあの子は、家令になることを拒んだのです」
「……拒んだ?」
信じられなかった。彼は家令になることに執着していて、そのためならば私の意地悪にも耐えたじゃないか。
「わたくしは自分の父がわたくしにそうしていましたように、自分の双子の息子たちにも幼いうちからこのお屋敷で使用人としての教育を徹底してまいりました。双子でも一人は器用な上に努力を惜しまず愛想がよく執事としての才能があり、もう一人は落ち着きがなく失敗ばかりで次第に優秀なもう一人と比較されることに疲れてひねくれてしまいました。才能があった前者が弟のスチュアート、ひねくれていたのが兄のエドワードだということは、お嬢様もご存じでしょう」
え、逆じゃない? と思ったが、アルフレッドに私が転生したことを説明する訳にはいかないから、黙って聞くことにした。
そうか、執事としての才能がなかったから、エドワードは閨技を教え込まれたのか、と私は腑に落ちた。
「少し前にお嬢様が高熱で寝込まれた日のことでございました。もうすぐ家令となるスチュアートには旦那様のお仕事に同行し、エドワードはお屋敷に残ってお嬢様の看病をするようわたくしは指示いたしました」
「え、でも、あの時はスチュアートが……」
転生した時、そばにいたのはスチュアートだった。
「左様でございます。スチュアートが高熱で苦しむお嬢様の看病を自分にやらせてほしい。そのためならば、エドワードに家令の座を譲ってもいい、と申したのでございます」
いつでもいい子のスチュアートが私の意見に反対するなんて後にも先にもその一度だけでございます、とアルフレッドは苦笑いした。
「そんなの嘘よ……、だって彼はいつも私に意地悪で……」
「今でこそ優秀になったエドワードがひねくれていた頃、マリアンヌお嬢様はエドワードをからかいながらも寄り添い励ましてくださっていましたね。スチュアートはそれが羨ましかったのでしょう、あの子はお嬢様の前でだけわざと高圧的な態度を取るようにわたくしは感じております」
スチュアートはマリアンヌのことが好きだったのか。
この物語ではマリアンヌはカルロスと結ばれる。エドワードはちょい役で出てくるが、スチュアートなんて出てきた記憶がない。
「勤続の浅い下級使用人の中にはスチュアートのことを見た目で誤解する者も多いのですが、家令になることにこだわっているのは実はエドワードでございますよ」
私だって転生してからずっと誤解していた。
「スチュアートはお嬢様のお世話係になってから、毎日本当に生き生きとしております」
「ふふ、この話は聞かなかったことにするわ」
と私が言うとアルフレッドも頷いた。
スチュアートはマリアンヌに叶わぬ恋をしていたのだ。
私が思うに元のマリアンヌはS嬢と見せかけて、ただのノーマルなわがままお嬢様だろう。
前世で伝説のS嬢と呼ばれた私がマリアンヌに転生したのは、きっと可哀想なスチュアートの変態ドM的願望を叶えてやるためなのだ。
***
「イクのが早いわ。私の許可なくイクのはダメだと言っているでしょう」
彼のあごを掴んで間近で彼の目を見つめて言ってやった。
悔しそうに形のいい眉を寄せながらも、黒く美しい彼の瞳が性的興奮に揺れる。
「私の執事なのだからそんなんじゃ困るわ。あなたのだらしない早漏おち〇ちんは今後時間をかけて、もっと調教する必要があるわね」
コンドームの中へ射精を終えた、膣の中に入ったままの彼のペニスがピクピク震えた。キュウッと締めてやると、
「ああっ、お嬢様っ……」
と彼は甘い声を漏らした。
彼の風邪が治ったら、もっと虐めて悦ばせてやろうと私はウキウキしていた。
「わたくしはスチュアートに跡を継がせるつもりでおりました。しかしあの子は、家令になることを拒んだのです」
「……拒んだ?」
信じられなかった。彼は家令になることに執着していて、そのためならば私の意地悪にも耐えたじゃないか。
「わたくしは自分の父がわたくしにそうしていましたように、自分の双子の息子たちにも幼いうちからこのお屋敷で使用人としての教育を徹底してまいりました。双子でも一人は器用な上に努力を惜しまず愛想がよく執事としての才能があり、もう一人は落ち着きがなく失敗ばかりで次第に優秀なもう一人と比較されることに疲れてひねくれてしまいました。才能があった前者が弟のスチュアート、ひねくれていたのが兄のエドワードだということは、お嬢様もご存じでしょう」
え、逆じゃない? と思ったが、アルフレッドに私が転生したことを説明する訳にはいかないから、黙って聞くことにした。
そうか、執事としての才能がなかったから、エドワードは閨技を教え込まれたのか、と私は腑に落ちた。
「少し前にお嬢様が高熱で寝込まれた日のことでございました。もうすぐ家令となるスチュアートには旦那様のお仕事に同行し、エドワードはお屋敷に残ってお嬢様の看病をするようわたくしは指示いたしました」
「え、でも、あの時はスチュアートが……」
転生した時、そばにいたのはスチュアートだった。
「左様でございます。スチュアートが高熱で苦しむお嬢様の看病を自分にやらせてほしい。そのためならば、エドワードに家令の座を譲ってもいい、と申したのでございます」
いつでもいい子のスチュアートが私の意見に反対するなんて後にも先にもその一度だけでございます、とアルフレッドは苦笑いした。
「そんなの嘘よ……、だって彼はいつも私に意地悪で……」
「今でこそ優秀になったエドワードがひねくれていた頃、マリアンヌお嬢様はエドワードをからかいながらも寄り添い励ましてくださっていましたね。スチュアートはそれが羨ましかったのでしょう、あの子はお嬢様の前でだけわざと高圧的な態度を取るようにわたくしは感じております」
スチュアートはマリアンヌのことが好きだったのか。
この物語ではマリアンヌはカルロスと結ばれる。エドワードはちょい役で出てくるが、スチュアートなんて出てきた記憶がない。
「勤続の浅い下級使用人の中にはスチュアートのことを見た目で誤解する者も多いのですが、家令になることにこだわっているのは実はエドワードでございますよ」
私だって転生してからずっと誤解していた。
「スチュアートはお嬢様のお世話係になってから、毎日本当に生き生きとしております」
「ふふ、この話は聞かなかったことにするわ」
と私が言うとアルフレッドも頷いた。
スチュアートはマリアンヌに叶わぬ恋をしていたのだ。
私が思うに元のマリアンヌはS嬢と見せかけて、ただのノーマルなわがままお嬢様だろう。
前世で伝説のS嬢と呼ばれた私がマリアンヌに転生したのは、きっと可哀想なスチュアートの変態ドM的願望を叶えてやるためなのだ。
***
「イクのが早いわ。私の許可なくイクのはダメだと言っているでしょう」
彼のあごを掴んで間近で彼の目を見つめて言ってやった。
悔しそうに形のいい眉を寄せながらも、黒く美しい彼の瞳が性的興奮に揺れる。
「私の執事なのだからそんなんじゃ困るわ。あなたのだらしない早漏おち〇ちんは今後時間をかけて、もっと調教する必要があるわね」
コンドームの中へ射精を終えた、膣の中に入ったままの彼のペニスがピクピク震えた。キュウッと締めてやると、
「ああっ、お嬢様っ……」
と彼は甘い声を漏らした。
彼の風邪が治ったら、もっと虐めて悦ばせてやろうと私はウキウキしていた。
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