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焦点上の考察
しおりを挟む深い木々の中、ファインダーを覗き込む。
小鳥のさえずり、風のなびき、揺れる葉っぱ、それに紛れ込むように鳴るシャッターの音。 一枚、また一枚と切り撮る。
写真というのは不思議なもので、たとえ同じ風景、同じ位置で撮影したとしても、
自分の目で見た景色と実際に撮れる景色というのは、ほとんど違うものになる。
カメラを持ち始め月日は経つものの、それが揃うことは今までの一度も無い。
探り探りで露出を開き、どれだけ光を取り入れるかだったり、映すモノの速度に合わせコマの速度も変える。
ファインダーに表示されている水平点を確認しながら、パースを決め込む。
いつも決まったものではない。 風景も時間を重ねるに連れて変化していく。 誰かが全く同じ条件で撮ったとしても、出来上がってくるものはそれぞれに違いがある。 それが面白いのだから、写真は良い。
***
自分にとって良い写真というのは、直感で良いと思って決めている感じがする。
陽のあたり方や、構造物の存在感、いろいろあるが自分は全てその場その場で適当に撮っている。
あれこれ考えて、何を撮りに行くだとか、そういうのは自分に合ってないと、これも直感でそう思う。
気合を入れて撮るのも良い写真になるのだが、 それは自分が良いと思う写真ではなくあくまで撮りに行くことが先行してしまって、その実中身のない写真になってしまいがちだ。
そういう写真は、多分数年後には覚えていないだろう。そうなれば本分である記録にすらならない。
***
確か、いつの日だったかある女性が言っていた。 「ただの記録としてでなく、情景を写しとることで初めて写真になる」 自分は、そんなもの綺麗事だ、と言ってしまい会話が途切れてしまったことがあった。
今になって思い返すと、写真を基に景色に添って文を書いていることは、綺麗事なのではないか。
いくら綺麗にまとめたって、写真は写真だ。 その域を越えるには、それが必要なのか。 あれこれ考えるのは難しい。
綺麗事がない世界で良い写真は撮れないのだろうか。
今はただシャッターを下ろすばかりである。
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