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しおりを挟む「ヒッ……」
恐怖に頭が真っ白になって固まってしまった。
もうダメだ噛まれる……
思わずぎゅ、と目を瞑るとダン、と物音がした。
慌てて目を開けると蛇が真っ黒になって死んでいた。
「噛まれてないかスイ!!!」
一目散に駆けてきたカイルさんに思わず自ら抱きついてしまった。
「噛まれてない……ありがと……」
「お前が怪我でもしたら困る……」
優しく撫でられて落ち着く。
「しかし……この蛇はこの近辺の種類ではありません。誰かが意図的にこの部屋に離したとしか思えないです。」
「……スイの事を知っているのはアルとお前と俺だけなはずだが」
「あ」
「「?」」
不意に漏らした声に二人が怪訝な顔をするので慌てて手を振った
「あ、や、いえ何でもないんです。ただ、そう言えば昨日女の子の訪問があったので……」
「なに?それは誰だ」
「レイミア……さんとか言っていたような……?」
「レイミア……?あぁ、あいつか。」
「え、いや、その人と決まったわけでは……」
「いいえ、その人ほぼ決まりですね。レイミア嬢は以前からカイル様の婚約者を狙ってましたから。」
「……チッ、本当に腹立つ女だな。殺すか。」
「えっ」
カイルさんから発せられたと信じられないくらい冷たく暗い声音に怖くなりアルベルトさんの後に隠れる。
「……妬けるな。」
「カイル様が殺すとか言うからですよ。」
やれやれ、とメガネをくい、とあげて呆れた顔をする。
別に、カイルさんが人を殺す事が嫌なのではない。怖いのではない。
僕なんかの為にカイルさんの手を汚すのが嫌なのだ。
他人の血ほど臭いものはない。そんな思いをカイルさんにさせたくないのだ。
と、そこまで考えてはたと気がつく。
出会ったばかりの人なのにカイルさんはずっと前からの親友のような、家族のような気持ちがある。
普通に出会ったばかりの人であれば誰をどう殺そうが知ったことないはずなのに……おかしい……
この気持ちは、まさか。
いやいや……
ふるふると頭を振っているとカイルさんがくすり、と笑った。
ああ、眩しいなこの笑顔は。
ちなみにその後、すぐにレイミア嬢は捕獲され身分剥奪の上魔族から追放された。
あまりの速さに思わず「ヒェー」と声を漏らした。
そして僕は部屋を変えてもらって(僕は別に変えてもらわなくてもよかったのだがカイルさんが許してくれなかった)またのうのうと暮らしています。
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