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プロローグ 神様はCadeau”♩贈り物

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始まりの旋律とは、姉星が自我を宿した時に奏でられた、生命の誕生をお祝いする詩。
音とも呼べないその概念は、同時に誕生した妹星との、意思疎通の手段にもなった。

『£Ⅰ時は満ちた。行くぞ、人世へ”♩』

逆陽暦64億の星は、この世界を描いた絵の具を応用して、ふたつの人物を具現させた。

「£Ⅱ僕は弟神だよ。一緒に飛ぼう”♩」

「ホント⁈夢みたい…。私の描いた神様に会えた」

描いた絵と、一緒に飛べる。
夢が叶った子供は、夢ではないようにと祈り、顔色をパッと明るくした。
選ばれなかった子供は、悔しい気持ちをグッと堪え、優勝したチームへ拍手を贈る。

「優勝、おめでとう!今年も…読めなかったなぁ」

「年の功ってやつさ。努力はきっと、報われる」

世界が視るのは〝心〟であり、審査の基準を人が解明するのは難しい。
暁光を放つ二柱の神は、原作よりもやや美化して現れ、正体が星であるとすぐに分かる。

『£Ⅰ”♩』
「⇔俺は兄神~下界へ参ったぞ」

「耳飾りまでリアル!NusⅠ様には勝てませんね」

原作者は、むしろこの方がイメージに近いと喜んだ。
姉星は人里に踏み入る事なく、描いた兄神を遠隔で操ってスポットライトを浴びせた。

「年に一度の紅葉は、今年も見れたね。
来年もまた、神様が無事でありますように」

「£Ⅱほら、顔を上げて。友達だよ”♩」

妹星は弟神に乗り込み、人の笑顔を直接見ながら、花火のような美しい風景画を描いた。
里が喜びで溢れるほど、紅の木々は大きく咲き誇る。

「いいの?傍に来てNusⅡ*羽つきで遊びたいな」

今宵は無礼講…と規定はあれど、人々の考えは様々。

「こぉら!教えたでしょう?さ・ま!付けなさい」

「うるさい!きみは、神様にでもなったつもり?」

人と人の間には、何一つ隔てがない。
彼らは似た顔を突き合わせ、学んだ言葉を介して、いつも通り仲良く喧嘩をした。
弟神の取り合いをする中、今は穴場だとピンと閃いて、仁王立ちの兄神に近寄る子等もいる。

『£ⅠTrāp‼︎*hoho♭*Miya∮~au”♩』
「⇔触れるな!神に供物を捧げろ」

「うわぁっ!ごめんなさい。し、失礼しましたぁ」

姉星は音声でイタズラをして、笑いの旋律を奏でた。
炎を猛らせて人を脅すが、炎はいつも人といっしょ。

「では、リゲルの翼を捧げます!いかがですか?」

「…笑われているぞ。翼の出所も、お見通しだ」

世界の有り様に詳しい人は、旋律の具体的な内容を解析して、星の心情を読み返した。
リゲルと呼ばれた焔創りの物は、妹星との共同制作。
姉星は深刻そうな表情をして、蘇芳の手足を動かし、リゲルの一軒家を取り上げる。

『£Ⅰ星乱が望みか?人を巻き込んでな”♩』

「あたしゃ無理だと思うね。未来へ行くなんざ」

ー時空を超えた冒険

「£Ⅱ今すぐ返して。恩義の国だよね”♩」

妹星は人々と飛びながら、兄神が取り上げた子供の夢を、星の正義に習って指摘した。
抜け道として、ココではない世界の科学を教える。

「£Ⅱ異世界なら、可能性はあるよ”♩」

「流石は弟神様!石頭の人とは、格が違いますね」

常秋の夜空いっぱいに広がる恒星は、兆の色彩に輝き、逆陽に住む人々の夢になった。
蘇芳色に輝くココと並び、異なる色彩の祝祭が行われていると、期待に胸を膨らませた。

「ったく…情けないね。未来永劫、神頼みかい?」

『£Ⅰ破滅を描くな。何度も申した”♩』

姉星が危惧したのは、個性である蘇芳色の世界が、異なる色彩に染まってしまうこと。
人世に馴染む妹星に、未来のリゲル色に塗り潰されれば、自分は死んでしまうと感じた。

「Lāθ一緒に食べよ!NusⅡのために作ったんだ」

妹星は目の前で喋っているが、姉星の所在地は不明。

「Zūγお米は誰ですか?神様なら、どうするの?」

「Lēφ正確には、神様の作品だ」

人類はみんな兄弟姉妹。産みの父母は、蘇芳世界。
それが当たり前の世の中だからこそ、世界を愛して、本人の幸せは何かと研究を重ねる。
行き着く先はいつも、彼のみぞ知るという結論に。

「Lāθふたりは黙ってて!喜びの味が台無しだよ」

「Zōω正論だい。結局は、人の身勝手な空想さ」

妹星も同じように、本来の居場所を離れてまで、人の幸せを長らく研究してきた。
祝祭が高波に達する頃、彼は無邪気に微笑みかけ、人が望んだ異世界の絵を描く。

「£Ⅱ約束の時が来たよ”♩⇅⇔Rigel∮」

「Lēφおれの絵?こんなの…悪い夢だ」

約束を交わした著者は後退り、描いた国があるにも関わらず、ひどく怯えた目をした。
その理想郷は、姉星が取り上げたリゲルの座標位置に現れ、人里までじわじわと広がる。

「Zōω夜が…明ける⁈毒の光を見るんじゃないよ」

「Zūγくっ!飛べない。支えの炎が…消えてゆく」

人々は宴を中止して、慣れたはずの天空を見下ろし、死の危険を感じて身を寄せ合った。
身体を動かすが、歩くのに必要な〝万物〟がない。
もがいて大地に頭をぶつけ、上下左右が分からなくなり、宇宙に似た空間で迷子になる。

「Lāθ神様…助けて。真っ白で…目が見えないよ」

『£Ⅰ斬新な恩義じゃ。珍しいな妹星”♩』

姉星は人を炎で救い上げ、救世の物語かと微笑み、蘇芳世界の死線から離れて安堵した。
悲劇の渦中にいる妹星は、人が憧れて望んだ絵について、拒絶された理由を彼らに聞く。

「£Ⅱなぜ悲しむ?輝く世界じゃよ?”♩」

「Zūγまず落ち着いて!翠目に切り替えるのです」

人々は答える余裕がなく、手足が意味を成さない環境下で、どうにか視覚を確保した。
消えた祝祭を嘆き、明日は二度と来ないと絶望して、夜の破滅を描いた著者を責める。

「Zōω宇宙へ失せな!満ち足りた夜が不満ならね」

「Lēφ酷いよ…NusⅡ様…こんな仕打ち」

著者は人々から疎外され、生きる術をひとつ失い、いじわるをした妹星を睨み付けた。
投げ捨てられた贈り物は、すれ違った親子の想い。
人を不幸にした妹星は、世界が生き物である意義を失い、いつか来たる死を肯定する。

「£Ⅱ余は破滅…死んでおる°♩〆×。」

「Lēφスヤが悪い!あの時リゲルを渡したからだ」

言の葉は互いに届く事はなく、咲いていた紅の木々は、先端から徐々に散り始めた。
星の生死を創ったのは、逆陽の描き手である本人。

「Zūγ関係ないし、知りません。著者はレサです」

『×〆。』⇔「£Ⅰ余は生きておる”♩」

姉星は自分の死を否定して、命の本質を映し出し、本来なら滅ぶはずの運命を覆した。
妹星を失って初めて、片割れの半端者に気がつく。

「£Ⅰ皆、怪我はしておらぬ”♩⇅⇔φθγω∮」

今散ったのは、蘇芳の風景画。もし姉妹が逆なら…

「ZōωNusⅠ様の威光詩は?死者は出ていないね?」

「Lēφ枯れた桜花を見ろ!今、NusⅡ様を殺した」

人はとうの昔に気がついており、知能は星を上回るが、土台が消えれば仁王立ちの兄神と同じ。
動じぬ姉星の手足だけが、唯一の柱になっていた。

「£Ⅰ天威Rigel*♫修復開始じゃ”♩⇅⇔∮」

彼は蘇芳を半壊と捉え、逆陽算∮⇅の科学を創造すれば、片割れは修復できると考える。
命の重量を奏でた旋律は、不和の音が混ざって軽く弾み、逆陽を目印に生きる星々も共鳴した。

~★”♩

ー110億年後

遥か彼方にいる熱光が、星のバリアを突き破り、文明の灰色をじわじわと焼く。
色とりどりの四つ足は、煩く吠えてバリアを溶かし、密集した世の中は蒸せ返る。
炎天下の命は、厳しい自然を逆利用して生きていた。

「図書館へワンチャンってか?んじゃ、頑張れよ」

気がつけば息をしていて、無限の先生と出会い、その身体での生き方を必然的に学ぶ。

「私はね…くんと違って、勉強しなきゃ0点なの」

こうして会話は成り立ち、お互いを人と認識して、当然の景色に安心しながら生きる。
明日が来るかどうかは、星ではなく人が予測する。

「明日は…晴れ。ガッカリ。台風なら良いのにな」

人は晴れ空を睨み付け、不幸の只中が壊れるようにと、ちっぽけな願い事をした。
分厚い敵から目を逸らし、流行り小説を手に取る。

「この場に、光の王子様が現れて…空を飛ぶ国へ…」

甘酸っぱい理想郷に、自分の生命線となる万象は…

「⇔*♩」

小瓶に入った星の砂が、少女の鞄から抜け出して、人と対話をする為に同じ姿を描く。
地球上の万象を弾き、黄檗は自己の存在を奏でた。
少女の敵を自己の万象へ換え、使える絵の具を増やし、対話に必要なパーツを揃える。

「あれ?歴史書がない。交差点で落としたのかも」

見つからない落とし物と、すぐ隣にいる黄檗の光。

「♾️*♩。⇔アリガトウ」

「きゃ…。変質者じゃん。やだ…なんで私なのよ」

少女は人型のソレから逃げ、四角い機械を取り出し、1と10の番号を手に握る。
赤が正解の世界では、顔に血の気がないと捉える。

「病気のひと?あっち行ってよ。関わりたくない」

「♾️*♩。⇔リョウカイ ヤデ」

見た目に警戒心を持つのは、放任主義で薄情な星の上を生きている証拠のひとつ。
似たような〝正義〟を持つ星は、少女から必要とされていないと知り、冥王星のように姿を隠す。

「♾️万人受けする外見は?教えてよ*♩」

そそくさと退散した不審者は、ココ地球ではない言語を喋り、ムッとした様子で筆者に愚痴る。

『⁇/次は。⇔眼鏡∞*♩をかけてみ』

「あの人…困ってた。これって…ダメな差別かな」

冥界の呼び声は、みんなが寝静まった真夜中か、ミラーか何かを重ねて探してみよう。
幽霊とお友達になれば、世界に奥行きが出るはず。
百足らずの人生には映らないだけで、〆切られた生涯の続きは、無限に眠っているかも。

『£Ⅱ〆。』
「£Ⅰ死ぬな‼︎命令じゃぞ”♩⇅⇔テンイ」

太陽が沈む頃、天威の誰かが、この世へ他界した。

「♾️…⁈*♩」
 
「ふぅ、汗ぐっしょり。夕方だし…もう家に帰ろ」

地球の中を歩く星は、生まれ持つ言語を聴き取り、ビックリして万有引力を弱めた。
気圧の差による風に負け、図書館の窓にぶつかり、球体の中心へ向けて吸い込まれる。

「あの黄色い目…どこかで。なぜ気になるのかな」

ー星が 来訪した

「そこの嬢ちゃん!落とし物だよ。はい、これ」

星の片方は擬人化をして、私が人間である以上は、地球の運命を覆す力まではない。
もう片方の星は余を持ち運び、地球の命運を覆す。

「たしまりか助。んせまみす。いなけい、っあ」

「れこ、いは。よだのも。」

ー逆再生

「なかのるなにきぜな。で」

「♾️消える寸前?人が点滅したよ*♩」

歩道へ転げ落ちた私は、服のチリを払って体勢を立て直し、後ろへ歩く人間を目視した。
生命と確信していた存在たちが、急に点滅し出して、今は生き物と呼べない事を見破る。

『♾️〆。』

「£Ⅰ死の転移先も…滅んでおる?”♩」

同様に姉星も、蘇芳の瞳で時空の違いを視聴して、ココを黄檗の星と認識した。
顔は大切だが、第一印象で勝手に殺されては困る。

「じゃあね、また明日!」

「うん。ばいばい!…っと。よし、誰もいない。
この歳で砂遊びは…子供みたいで恥ずかしいよね」

46億の上を生きる少女は、ある日学校の帰り道に、命とは呼べない星の砂を拾った。
すくって自宅へ持ち帰り、店で買った小瓶に入れ、命と同じように大切に扱った。
いくど太陽が昇っても、小瓶を手放すことはなく。

「♾️来た星の名前は?色彩は蘇芳だ*♩」

『⁇/逆陽と記す。⇔€”♩三日陽』

太陽を中心と見立て、水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星、眼鏡…

「£Ⅰ其方は黄檗。もうひとつは何ぞ”♩」

ではなく、ふたりはシリウスやリゲルに近いかも。
7の日月へ到着して、真夏の暑さを和らげる笹の葉は、色とりどりの短冊を実らせた。
叶わない願い事に呼ばれて、美しい流れ星が降る。

「♾️無限の先生だよ*♩凄く大切なもの」

ゲームは発売前に戻り、漫画は木へと変わりゆく。

「やめてよ!捨てない、…えっ?デジャヴ…かな」

時を欠ける少女は、逆走する電車に乗り切れず、二回捨てられた世界に驚いた。
ぎゅっと結ばれた握り拳には、今宵あるはずのない〝未来〟が紛れ込んでいる。

「小瓶は渡さない。命と引き換えてでも守るから」

黄檗は搭乗者に気がつき、出会いの正史を告げる。

「♾️拾ったのは君だ*♩忘れないで」

少女へそう伝えると、ふたつの流れ星を見上げ、地球の歴史を乱す〝反義〟と対峙した。
蘇芳の星は一目瞭然だが、宇宙から飛来する岩石は旋律を流さず、生死すら分からない。

「明日は流星群の模様です。最期の晩餐を楽し…」

お茶の間にあるテレビは、毎日予報して伝達するが、待てど暮らせど明日は来ない。
蘇芳は滅亡の原因を余言して、急ぎ自己を弱める。

「これぞ星乱?…かのう?妹星”♩⇅£Ⅰ⇒」

…が、時空の調節ネジはなく、相談できる存在は死に、話しかけた太陽から返事はない。
そこへ擬人化した黄檗が、玄関の扉を叩きに来る。

「♾️星乱って?*♩時間操作はやめなよ」

「⇒£Ⅱ…?。少し待たれよ…推理する”♩」

部屋の中で散らかっていた紅蓮は、淑やかな藤色になり、翼の形を描いて綺麗に片付けられた。
日本妖怪を思わせるソレは、尾目の二つ目を開け、リゲルの窓越しに赤いタワーを閲覧する。

「£Ⅱ天を仰ぐ国…⁈理論上はあり得ぬ”♩」

異世界を見た妹星は、絶対に叶わぬ夢に仰天した。

「♾️異物が来る。遠慮なく追い出すよ*♩」

黄檗は迫り来る流れ星を指差して、まるでS極とN極のように、反り合わない世界を示した。
地球の引力を書き換え、第一波を宇宙へ追い返す。

『♾️…え?°♩#⇅↓⇔↑』

「!っんーぃぃぃきいばいば!ーぁぁゃぎ」

日本沈没の運命は覆り、立ち去る流星と一緒に、日本列島が晴れて流れ星と化した。
おめでたいオチだが、逆刻世界が一連を引き戻す。

「!たっか赤は竜恐!~ぞるすにプークス」

『£Ⅱ真の…星乱だ°♩#』

妹星は共犯に気がつき、事態の重大さを知るが、世界の仲直りの仕方は参考書にない。
願わくば優等生の君たちは、偉大なる太陽神か、頑固な地球さんのセリフを解析して欲しい。

「♾️…#°♩私は…本当に星?」

人を流れ星にした黄檗は、崩落する正義を感じた。

「ありがとう!星の王子さま」

手に小瓶を持ち続けた幼女は、あなたを星と言って抱きつき、信じて疑う事はなかった。
死んだ父親を指差して、誇らしげに再会を伝える。

「すごく幸せだよ!このまま、前へ進みたいな」

キラキラと輝く目に、七夕の笹葉を映して、未知の物語に胸をときめかせた。

「…ちゃん。お仕事、行ってくるね」

「いらない!あの涙は、二度と見たくないから」

未来を知る幼女は、悲劇を回避するのではなく、読み終えた物語を床に叩きつけた。
死んだ父親に背を向け、正しい人生を手離さない。

「こら!逃げちゃダメっ!絶対について行くもん」

空白の黄檗へ走るほど、青緑の大地は離れてゆく。

「♾️でも…°♩君はにんげ…」

「£Ⅱ翼に乗るのじゃ。人なら助かる”♩」

妹星は星乱の対策を練りながら、少女を黄檗人と勘違いして、確実に助かる策を講じた。
先生は宿る星の〝正義〟で、ヒトから距離を取る。

『♾️人類史は、人が創るもの*♩』
「♾️分かった‼︎少女の命を守る*♩」

宿る人間の〝心〟は、小さな手を取り返し、赤子になって消えかかる幼女を引き止めた。

「×。さよなら…みんな。私はね、光の王子様と…」

「£Ⅱ黄檗を主張せよ。余に屈するな”♩」

リゲルを設計した妹星は、億年星の先輩として、人が異世界で生存する理屈を教えた。
蘇芳の炎を両脇に避け、自分なりの白色を開ける。

「£Ⅱ船内は白紙。つまり共に、⁈°♩#」

世界を描こうよと言いかけるが、生先は打つ頭を。

「♾️‼︎#°♩×。…。」

「£Ⅱ誰か助けて‼︎星の子が死におる°♩」

命を育む地球はなぜ、惑星の同胞と足並みを揃え、太陽の近くをウロウロしているのだろうか。
公転の束縛が解かれれば、巣食う生き物を見捨てて、広い宇宙へ羽ばたくかもしれない。



果てなき旅の最中で怪我をしても、宇宙に止まり木はなく、助けてくれる父母や隣人はいない。
黄檗の星と蘇芳の星は、本人の意志に関係なく衝突して、荒ぶる天の川の上流で迷子になった。

「一緒に旅をして、地球を救う主人公になるんだ」

ーこれより語るは★始まりの旋律

「どこが?地球を見捨て、甘い幻想に逃げたよな」

逆陽と太陽が出会い、互いの存亡をかけて煌めき、守護されなかった歴史は八つ裂きにされた。
〝深緋〟を掲げる地球人は代表に立ち、あらゆる障壁を超えて、みんなが住める理想郷を創る。

「動物は故郷へ帰れ!紛い物の血で白緑を壊すな」

ー宿敵はヒーロー★異なる物語

「白緑は受け止めてくれた!世に見放された命を」

もし君が人であるなら、人を証明する論文を書いて、爆破のロマンに任せて崖下に落ちてみて。
ひと足お先に合格した黒幕は、滅んだはずの地球へ戻り、著者が抱いたリゲルの夢を手に取る。

《Lēφ明日は特別に、異世界が見たいんだ》
『⇅£Ⅰ∮。⇔正★Zëit”♩』

姉星を手中に治め、人から転じた時を利用して、自己の針を右へ回し、太陽を〝前〟へ進めた。
逆陽の時間は〝後〟へ進み、地球の逆襲が始まる。

「そちらは崖です!皇子アイ、」

「★静まれ機械”♩最低108.7回は聞いた」

具体的な数字を算出して、星乱が齎すバグを千切る。

「☆祝~Bad End*♫超新星爆誕だぞ”♩」

「へ?ふたり?落ちたのは誰…」

彼は天の川の3本線を指先で分け、解けぬように編み込み、複雑に絡む人生を表現した。
いくら伸ばそうと交わらない線が、もし交わったならば、それはもはや平行ではなく赤の他人。
千年前の厳冬は過ぎ去り、新たな未来を紡いだ主人公の元へ、春の木漏れ日が訪れる。
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