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勧誘
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「君の人生、僕が貰ってあげようか?」
午後8時過ぎ、樹海の奥深く、誰にも邪魔されないと思ったからこの場所を選んだのになんなのこの男は?
樹海に入った時とは比べ物にならないくらいの冷たさが身体に伝わる。
寒いと思うと暖かい場所に行きたくなる、それと同じで、死に際にいると生きたいと感じる、だから早く飛び降りないと。
…なのに、この男はなんで私の手を掴んでいるの?
「あの、死に来たんです。離して貰えますか?」
「そんなことは知ってるよ、だけど君はいい目をしてたから死なせないよ?」
握る手の力は強く、私の死にたいという願望は叶わなかった。
午後9時、フード被った長身の男と窶れた女子高生は無言のまま隣同士に座っていた。
「死にたかったんでしょ?だったら僕の言う通りにしてなよ、きっといい事あるからさ」
フードの合間から見えた肌はとても白くて、月の光で透き通ってもいた。
「ここで終わらせたいの、早く死にたいのに…」
もう早く死にたい、月を見れば[明日はすぐ来るよ?辛い明日はすぐだ]と言わんばかりの闇を感じた。
そして、せめてもと思い、私は口を再び開いた。
「貴方が私を殺してくれればいい」
彼は口角を少しだけ上げていた。
午後8時過ぎ、樹海の奥深く、誰にも邪魔されないと思ったからこの場所を選んだのになんなのこの男は?
樹海に入った時とは比べ物にならないくらいの冷たさが身体に伝わる。
寒いと思うと暖かい場所に行きたくなる、それと同じで、死に際にいると生きたいと感じる、だから早く飛び降りないと。
…なのに、この男はなんで私の手を掴んでいるの?
「あの、死に来たんです。離して貰えますか?」
「そんなことは知ってるよ、だけど君はいい目をしてたから死なせないよ?」
握る手の力は強く、私の死にたいという願望は叶わなかった。
午後9時、フード被った長身の男と窶れた女子高生は無言のまま隣同士に座っていた。
「死にたかったんでしょ?だったら僕の言う通りにしてなよ、きっといい事あるからさ」
フードの合間から見えた肌はとても白くて、月の光で透き通ってもいた。
「ここで終わらせたいの、早く死にたいのに…」
もう早く死にたい、月を見れば[明日はすぐ来るよ?辛い明日はすぐだ]と言わんばかりの闇を感じた。
そして、せめてもと思い、私は口を再び開いた。
「貴方が私を殺してくれればいい」
彼は口角を少しだけ上げていた。
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名作の予感。。