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1章
ぬいぐるみの中の声
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「今夜やってみようぜ、ひとりかくれんぼ」
そう言ったのは、クラスで一番無口な佐伯だった。
俺、佐伯、陽菜、そして拓真。
今日は拓真の家に集まって、肝試し気分で“儀式”をやることになった。
ルールはネットで調べた。
誰が一番“長く隠れられるか”を競う、ただの遊びのはずだった。
ぬいぐるみに米と自分の爪を詰め、赤い糸で縫い、
「最初の鬼は○○(自分の名前)」と唱えてから、風呂場に沈め隠れる
その後塩水を口に含め隠れた場所から出て、ぬいぐるみを探して、コップの残りの塩水、口に含んだ塩水の順にかけ、「私の勝ち」と3回宣言して終了となる。
俺は、ぬいぐるみを風呂に沈めたあと、
2階のクローゼットに潜り込んだ。
スマホのライトを消し、息を殺す。
──5分後。
「カタ…カタ…」
階下で何かが動いている音がした。
風かと思ったが、音は階段を上がってくる。
「カタ…カタ…カタ…」
足音じゃない。
何かを引きずるような、乾いた音。
──10分後。
スマホに通知が届いた。
佐伯からのメッセージだった。
「お前、今どこにいる?」
俺は震える指で返信した。
「クローゼット。お前は?」
返事はなかった。
俺は息を止めたまま、クローゼットの隙間から外を覗いた。
誰もいない。
けれど、床には濡れた足跡が続いていた。
恐る恐るクローゼットを開け、廊下に出る。
家の中は静まり返っている。
階段を下りると、リビングのテレビがついていた。
誰も触っていないはずなのに、画面は砂嵐。
音量だけが異様に大きく、ザザザ……と空気を裂いていた。違和感を感じながらもその部屋を後にし廊下を突き進む。風呂場に差し掛かった時電話が鳴った。
「……佐伯?」
電話に出ると陽菜だった
「……あんた、まだ言ってるの? 佐伯って、1ヶ月前に死んだじゃん」
「ていうか、今日来てたの、あんたと私と拓真の3人だけでしょ?」
俺はグループチャットを開く。
俺の画面には、佐伯のメッセージが残っている。
けれど、陽菜と拓真の画面には──最初から、佐伯の名前がなかった。
風呂場のドアが、ゆっくりと開いた。
そのとき、背後から声がした。
「みーつけた」
それは、佐伯の声に似ていた
そう言ったのは、クラスで一番無口な佐伯だった。
俺、佐伯、陽菜、そして拓真。
今日は拓真の家に集まって、肝試し気分で“儀式”をやることになった。
ルールはネットで調べた。
誰が一番“長く隠れられるか”を競う、ただの遊びのはずだった。
ぬいぐるみに米と自分の爪を詰め、赤い糸で縫い、
「最初の鬼は○○(自分の名前)」と唱えてから、風呂場に沈め隠れる
その後塩水を口に含め隠れた場所から出て、ぬいぐるみを探して、コップの残りの塩水、口に含んだ塩水の順にかけ、「私の勝ち」と3回宣言して終了となる。
俺は、ぬいぐるみを風呂に沈めたあと、
2階のクローゼットに潜り込んだ。
スマホのライトを消し、息を殺す。
──5分後。
「カタ…カタ…」
階下で何かが動いている音がした。
風かと思ったが、音は階段を上がってくる。
「カタ…カタ…カタ…」
足音じゃない。
何かを引きずるような、乾いた音。
──10分後。
スマホに通知が届いた。
佐伯からのメッセージだった。
「お前、今どこにいる?」
俺は震える指で返信した。
「クローゼット。お前は?」
返事はなかった。
俺は息を止めたまま、クローゼットの隙間から外を覗いた。
誰もいない。
けれど、床には濡れた足跡が続いていた。
恐る恐るクローゼットを開け、廊下に出る。
家の中は静まり返っている。
階段を下りると、リビングのテレビがついていた。
誰も触っていないはずなのに、画面は砂嵐。
音量だけが異様に大きく、ザザザ……と空気を裂いていた。違和感を感じながらもその部屋を後にし廊下を突き進む。風呂場に差し掛かった時電話が鳴った。
「……佐伯?」
電話に出ると陽菜だった
「……あんた、まだ言ってるの? 佐伯って、1ヶ月前に死んだじゃん」
「ていうか、今日来てたの、あんたと私と拓真の3人だけでしょ?」
俺はグループチャットを開く。
俺の画面には、佐伯のメッセージが残っている。
けれど、陽菜と拓真の画面には──最初から、佐伯の名前がなかった。
風呂場のドアが、ゆっくりと開いた。
そのとき、背後から声がした。
「みーつけた」
それは、佐伯の声に似ていた
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