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23話「長々と続けてたら、そのうち日課になる」
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・登場人物
園原 小雪:♀ 22歳。サンタクロース協会、日本支部で働くことになった新人。
野薔薇 美礼:♀ 25歳。サンタクロース協会、日本支部で働く先輩。ナイスバディの美人さん。
江野沢 淳太:♂ 29歳。サンタクロース協会、日本支部で働く先輩。バカその一。
黒澤 義則:♂ 26歳。サンタクロース協会、日本支部で働く先輩。バカその二。
ジェイニー・ノリサワ:♂ 28歳。サンタクロース協会、日本支部で働く先輩。バカその三。
柳 薫:♂ 33歳。サンタクロース協会、日本支部で働く先輩。妻子持ち。
*度々登場する[サンタクロース!]は、場面の転換合図だと思ってください。
ーーーーー
サンタクロース協会日本支部、地下。アルプスのような自然豊かな風景が広がる地下世界で、黒澤は相棒のトナカイ、マロンとフリスビーを使って絆を深めている。
黒澤「ほらほら、いくぞマロン~! もう一回、飛ばすぞ~!?」
マロン「ト、トナッ! トナァ~!」
黒澤「あははは! 早く飛ばしてって顔してんな? 待て待て、何事も焦っちゃ...隙あり! そりゃぁぁ!!」
マロン「ト、トナァァ!?」
黒澤に不意をつかれスタートが遅れたマロンだったが、強く軽やかに地面を蹴り上げ素早く加速していき、投げ放たれたフリスビーと距離を縮めていく。
マロン「トナァァァ!!」
フリスビーを射程圏内に捉えたマロンは、地を強く蹴り上げ飛び上がる。階段を登るように空中でトントンと2段3段とさらに飛び上がると、目と鼻の先にあるフリスビーをパクリと咥え、軽やかに地面へと降り立つ。
黒澤「すごいぞ、マロン! お前は最高だぞ~!」
マロン「トナァ~!」
フリスビーを咥えながら、嬉しそうに黒澤の元へと駆けていくマロン。フリスビーを受け取った黒澤は、マロンの頭を優しく撫で、お互い楽しそうに時を過ごしている。
N「サンタクロースにとって、トナカイとは仕事仲間であり、大切なパートナーである。彼らがいなければ、サンタクロースは仕事ができない...それほどにトナカイの存在は重要なのである。」
N「よくイラストとしてサンタと共に描かれるトナカイは、ほぼ全て空を駆けているが...あれは空想上の話ではなく、実際に彼らは空を駆けられる存在なのである。」
N「しかし大昔、その能力に目をつけた人間たちがトナカイを乱獲し、急速に数を減らし...絶滅を恐れたトナカイたちは、空を駆けることを止め、地のみを駆け回ることを選択したのだ。」
N「長い年月、地のみを駆け回っていたトナカイは、次第に空を駆けることを忘れ、地上で生き残るために角を太く、重く、長く発達させ、今現在のトナカイに至るのです。」
黒澤「よ~し、マロン! もう一回いくぞ~!」
マロン「トナァ!」
黒澤「そぉ~ら、とってこ~い!」
マロン「トナァァ~!」
N「先に言っておくが、黒澤 義則は仕事をサボって遊んでいるのではない。これも、仕事の一つなのである。」
N「トナカイは空を駆けることを忘れたと言ったが、それは野生で生きるトナカイで、サンタクロースに飼われているトナカイたちは、空を駆けることが今現在も可能なのである。しかし、空を駆ける=危険という認識が産まれてからも本能として刷り込まれているため、何もしなければ彼らも野生同様、死ぬまで空を駆けることはない。」
N「では、どうしたら空を駆けるようになるのか...それは、意外と単純なことだ。懐かせる、それだけである。」
N「ペットが、気を許した主人に急所である腹をさらけ出すように、トナカイも気を許した主人の前では、気にすることなく空を駆けるのだ。特に、嬉しいことがあったりすると、ぴょんぴょん跳び回る。空を駆け回る。その姿は、とても可愛らしく、愛らしい。」
N「つまり、サンタクロースとして仕事を全うするためには、トナカイが空を駆けられるようになるのが必須なので、トナカイと絆を深めあうことは、仕事と同じくらい重要なことなのである。なので、サンタクロースは必ず、最低でも週三回はこうして仕事の中にトナカイと触れ合う時間が設けられているのだ。」
N「ちなみに、なぜサンタクロースに飼われているトナカイのみ空を駆けられるのかというと、乱獲されていた時代にトナカイを助け、保護していた人物が、サンタ・K・ロウスという方で...え? そこまで説明している時間はない? では、この話はまたいつか。引き続き、サンタの仕事は春から始まるをお楽しみください。」
黒澤「お~よしよしよ~し! マロンってば
あんな空高く飛ぶフリスビーも取れちゃうなんて、最高にかっこいいな~! よ~しよしよしよし!」
マロン「トナトナトナァ~♡」
黒澤「どうする、マロン? もう一回やる?」
マロン「トナッ! トナトナッ!」
黒澤「わかったわかった! じゃあ、次はさっきよりも高く投げるぞ~!」
マロン「トナァ!」
黒澤「よ~し...そ~ら、いくぞーーー」
ナカイさん「ふんぬぅぅぁぁぁぁ!!」
園原「ぬぉぉぉぉぉぉぉ!?!?」
楽しそうに遊ぶ黒澤たちの後方では、園原とパートナーである筋骨隆々の人型トナカイのナカイさんが、絆を深めあっていた。
ナカイさんにジャイアントスイングされ、勢いよく飛んでいった園原は空中で軽やかに体勢を整えると、地に足をつけた瞬間に蹴り上げ、ナカイさんと距離を刹那に縮めていく。
園原「ふんっ!!」
スピードを緩めることなく、加速+体重を右拳に乗せ、ナカイさんの腹めがけて振り抜く。
ナカイさん「甘いわぁぁぁ!!」
園原「なっ...!?」
園原(嘘...!? ボディに叩き込んだっていうのに、全く効いてる様子がない...! それに...なに、この腹筋...!? まるで、岩を殴ってるみたい...! むしろ、私の拳が痛い...!)
ナカイさん「すまんなぁ、小雪の嬢ちゃん...! ワシは、そないな軽いパンチで倒れるほど、やわちゃうねん...! 遊びにもならんわ。もっと重いもんプレゼントしてくれや。」
園原「クソっ...! ならーーー」
ナカイさん「判断が遅い!!」
ナカイさんに平手打ちされた園原は、投げられたボールのように勢いよく地面を跳ねながら転がっていく。
マロン「ト、トナァァァ!!」
黒澤「園原ぁぁぁぁ!!」
園原「くっ...!」
ナカイさん「クソとか言う暇あんなら、手ェ動かせや。そんなやから、口だけとか言われるんやでぇ? 悔しくないんか? あぁぁ?」
園原「......!」
ナカイさん「どないした? なんか言い返してみぃや。それとも、認めるんかぁ?「私は弱くて情けない人間ですぅ」って。ほら、言うてみぃ。ちゃんと聞いといたるで。ほら...言うてみぃやぁぁ!!」
黒澤「お、俺たちを軽々ボコボコにしている園原が、あんなにも簡単に...! お、恐ろしすぎる、ナカイさん...! そ、園原、もうやめておけ! これ以上はーーー」
マロン「ト、トナ! トナァァ!」
黒澤「な、なんだよ、マロン!? え、なに!? アレを見ろって!? どれどれ!? どれのこと!?」
マロン「トナナ! トナナ!」
黒澤「はっ!? 園原の右手に、何やらボールのようなものが...! あれは、もしかして...!」
園原「くらえぇぇぇ!!」
ナカイさん「ほぉ...。氣を練り、球体のように丸めて投げたかぁ。大きさ、スピード、そして崩れへん強度...新人にしては中々のもんや。だが...!!」
ナカイさんは逃げも隠れもせず、迫り来る氣の球の正面に立つと、右手のひらを胸の前に突き出し、真っ向から氣の球を迎え入れる。
園原「なっ...!?」
ナカイさん「こんなもんで倒せると思われとるんか、ワシは。低く見過ぎやろ、嬢ちゃん...!」
園原(私の氣合球が、片手で...!? そんな...!)
ナカイさん「教えたるわ、本物の氣合球っちゅーのを。目ん玉がん開いて、よーみときや...!!」
ナカイさんは胸の前に突き出した右手を、天高く掲げる。水のように手のひらへと流れ、丸く形を成し、徐々に大きくなっていく氣ーーー
マロン「ト、トナナァ...!?」
黒澤「あ、あれが、氣合球...!?」
園原「で、デカすぎ...でしょ...!!」
ナカイさん「なにゆぅとんねん。これでもまだ小さい方や。小雪の嬢ちゃん...あんさんは、これが極小サイズ...冬場の凍えたチンポか!!って言えるくらいにならなあかんで。そやないと...外の世界じゃ、生きてけへんぞ。」
マロン「ト、トナナナァァ...!?」
黒澤「お、落ち着いて、マロン! 外の世界は、そんな危険じゃないから! 危ないのは、ナカイさんの生きてる世界! ナカイさんの周りだけ! お外はとっても楽しい場所だから! 怖がらなくて大丈夫だから! ね!」
ナカイさん「しまいや、嬢ちゃん...! 出直してきぃやぁぁぁぁ!!」
ナカイさんは、躊躇うことなく園原めがけて氣合球を投げつける。勢いよく園原へと進んでいく氣合球は、園原に触れるや否や身を爆ぜらせ、辺りに強烈な爆風をもたらす。
黒澤とマロンは、その場から一歩も動くことなく、目の前で行われている現実離れした光景を、爆風で勢いよく髪や毛を揺らしながら驚愕の表情で、ただただ静かに見守っていた。
ナカイさん「...買い被りすぎたか。嬢ちゃんならと思っとったんやが...叶わん夢見たって、しゃーないわ。」
ナカイさん(すまんな、小雪の嬢ちゃん...あんたの評価はーーー)
園原「下げなくていいですよ。」
ナカイさん「あぁ...?」
モクモクと上がる土煙が次第に晴れ、人型のシルエットを映し出す。氣合球が直撃したはずの園原はニヤリと笑みを浮かべながら立っており、背を向け帰ろうとしていたナカイさんをジッと見つめている。
園原「ナカイさんこそ、私のこと低く見過ぎなのでは? あんな攻撃で倒れると思われてたなんて...私、悲しいです。」
ナカイさん(どないなっとる...? 少し手ェ抜いたとはいえ、あの大きさやぞ? モロに食らって立っとんのはおかしいやろ。ガードしたところで、並のもんならガードごと吹き飛ぶ。つまり...。)
ナカイさん「フルガードか...嬢ちゃん。」
N「フルガード...氣を球体のように円状に練り上げ、自身を氣で覆い全方向の攻撃から身を守ることができる、最強の防御術。しかし、均等に氣を練り上げなければ、脆い部分から崩壊してしまう危険性もあるため、厚く均等に氣を練らなければいけない点、全方向で攻撃に備えなければいけないため、多くの氣を消耗するなど、デメリットの部分も多いため使用者は少ない。」
ナカイさん(フルガードで身を守ったつーことは、均等に厚く氣を練り上げ、爆発の中でもそれを維持できたっつーわけや。先ほどの氣合球といい、氣のコントロールに関してはさすがやのぉ。やけども...。)
ナカイさん「悪いが、評価を上げんのはこの後次第や。あの氣合球をフルガードで防いだことは、素直に褒めたるわ。けどな、フルガード後の問題は、まだ解決してないやろ。ぎょうさん氣を消耗して、フルガード後に「はい、やられました」じゃ、ガードの意味クソないやろ。なんのためのガードじゃ。」
ナカイさん「大切なんは、この後や...! 氣を消耗し、敵さんの次の攻撃をどう対処するんか......評価上げてほしかったら、この攻撃、どうにかしてみぃぃやぁぁぁぁ!!」
ナカイさんは力強く地面を蹴り上げ、園原へと駆け出していく。拳が届く範囲まで駆け寄ると、目にも止まらぬ早さで、園原の腹部へと拳をねじ込む。
ナカイさん「...あ"ぁ"!?」
ナカイさん(な、なんや、この感触は...!? どうなっとる...!?)
園原「あいたたた...。やっぱり、ナカイさんのパンチは、めちゃくちゃ痛いよ...。本当にガードしてんのかな、これ...?」
ナカイさん「ガード...やとぉ...!?」
ナカイさん(この拳を受けて立ってられるつーことは、嬢ちゃんの言う通りガードしとるんやろうが...そうならば、相当厚みのある氣を練らないかんのやぞ...! さっきのフルガード直後に、ワシの拳を受け止める厚みのガードを...!? そんなバカな話がーーー)
園原「受け止めなきゃダメだよ、ナカイさん...! 目の前で起こってることなんだからさ。」
園原「あっ、そうそう...受け止めるのは、現実と、私のパンチだよ。しっかり受け止めてね...!」
ナカイさん「はっ! 嬢ちゃんの軽いパンチなんて、どこで受けようがーーー」
園原「どぉぉぉぉらぁぁぁぁぁ!!」
園原は勢いよくナカイさんの顔面へと右拳を振り抜く。顔を歪め、サングラスが外れ、先ほどの園原のようにナカイさんは地面を跳ね転がっていく。
ナカイさん「が、がはっ...!? はぁ、はぁ...!」
ナカイさん(お、重すぎや...! なんや、今のパンチは...!? さっきの軽いパンチとは比べもんにならん...! でけぇ鉛玉が、顔面にぶつかってきよった...! この短時間で、何があったんや!?)
ナカイさん(ま、まさか...あいつ...!!)
N「園原 小雪は、氣を使っていた。右拳に氣を纏わせ、厚みを、硬さを増し、自身の拳を守りながら攻撃力を上げた。さらに、先ほどのナカイさんの拳も、腹部に厚みを増した氣を練り上げ、多少の貫通ダメージがあったとはいえ、ほぼ防いだと言ってもいいだろう。」
N「大量の氣を消耗するフルガード後に、これほどに氣を使えたのには、二つ...。一つは、園原の素質。一般サンタよりも多くの氣を持つ園原だからこそできた荒技。そして、もう一つは...。」
ナカイさん(本来なら、球体のような円状に氣を練り上げ、自身を覆うようにガードする...! しかし、そのやり方じゃぁ、無駄が多すぎる...隙間がありすぎる...!)
N「園原 小雪は、隙間を無くし、無駄を省いた。氣を球体状に練るのではなく、服のように、自身に纏わせた。その結果、フルガードの縮小に成功。さらに隙間を無くしたことにより、氣の消耗を抑えた上で防御力をもあげることができたのだった。」
園原「すみません、ナカイさん...勢いありすぎて、サングラス外れちゃいましたね。」
園原「...へぇ~、ナカイさんって可愛らしい目してるんですね! パートナーの新しい一面を知れて、私すごく嬉しいです!」
N「もちろん、フルガードの縮小は誰でもできる芸当ではない。服のように密着させるには、細かな氣のコントロールが必要で、球体とは違い、様々な、複雑な形へと変化させる必要がある。」
園原「そこで待っていてください、ナカイさん...。サングラス、今返しに行きますから。」
ナカイさん(細かな氣のコントロール、それをあの一瞬で、あの緊張感の中でやり遂げた...! こんなもん...!!)
ナカイさん「評価を上げずには、いられへんやろぉぉぉぉぉ!!」
黒澤「......俺たち、いつからバトル漫画にシフトチェンジしたの...?」
マロン「ト、トナァァ...!!」
ジェイニー(M)私タチがボコボコにやらレルのは、当然デスネ。
園原・ナカイさん[サンタクロース!]
互いに遊び?終えた園原と黒澤は、トナカイの小屋へと戻り、ブラッシングやマッサージなどをトナカイへ施し、さらに絆を深めあっている。
黒澤「どうだ、マロン~? ブラッシング、気持ちいいか~?」
マロン「トナナ~♡」
黒澤「マロンのために、一生懸命覚えたんだぞ~! どうだどうだ~?」
マロン「トナナ~! トナトナ! トナトナ~!」
黒澤「おいおい、やめろってばマロン~! ブラッシング中だろ~? そんなスリスリされたら、ブラッシングできないじゃんか~!」
園原「どうですか、ナカイさん~? 気持ちいいですか~?」
ナカイさん「あぁぁぁ...! えぇで、小雪の嬢ちゃん...! めっさえぇで...! 嬢ちゃんのマッサージ、気持ち良すぎていきそうやで...!」
園原「もぉ~いくってどこにですか~? ナカイさんってば~!」
ナカイさん「ほぉぉぉ...♡ あかんあかん、それはあかんで、小雪の嬢ちゃん...! なんや、その指使いは...!? あ、あふぉぉぉ...♡」
園原「もぉ~そんなに褒められると嬉しいです~! いっぱい褒めてくれるナカイさんには、いっぱいサービスしちゃいますね♡ は~い、力抜いてくださ~い!」
ナカイさん「サービスやてぇ...!? これ以上のもんされたら、ワシは...お、おふぉぉ~...♡ あ、あかぁぁ~ん...♡ それは、あかんて小雪の嬢ちゃん、あかんあかんあかぁぁぁ~ん♡」
黒澤「...あ、あの、すいません。」
園原「はい、なんですか?」
黒澤「も、申し訳ありませんが、マッサージは別の場所でしてもらえませんか...?」
園原「え? なんでですか?」
黒澤「なんでって...うちのマロン見てよ。」
マロン「ト、トナナ...トナナナ...!」
黒澤「こんな顔真っ赤にして...恥ずかしがってるじゃないですか。もしくは、もう少し静かにしてください。ここは、あなたたちだけの場所じゃないんですよ。」
園原「そもそも、なんでマロンは恥ずかしがってるんですか?」
黒澤「あなたたち、気づいてないの?」
ナカイさん「すまんのぉ、黒柳の坊ちゃん。あまりの気持ち良さに、声抑えられんかったわ。もぉやめるで、許してや。」
黒澤「そ、それならいいんですけども...あと、俺は黒柳じゃなくて黒澤です。」
マロン「トナトナ。トナナ。」
黒澤「ん? なんだ、マロン? ...おぉ、綺麗な花だなぁ! もしかして、俺にくれるのか?」
マロン「トナッ!」
黒澤「もぉ~マロンは優しいやつだな~! ありがとな、マロン~!」
マロン「トナトナトナァ~!」
ナカイさん「小雪の嬢ちゃん、ワシも返しにマッサージしたるけ! 寝転びや!」
園原「え、いいんですか!? わーい、ありがとうございまーす!」
ナカイさん「結構力入れるで、痛かったらすぐ言ぃなぁ!」
園原「は~い! お願いしま~す!」
ナカイさん「ほんじゃ、いくでぇぇ! ふんっ!」
園原「あ、あぁぁ...!? ナ、ナカイさんの(ひづめ)すごく硬い...! い、いぃ...♡」
ナカイさん「ほぉ、嬢ちゃんはこれがええんか? ほんなら...!」
園原「あぁぁぁ...!? そ、そんな強くしちゃ...! あふぉぉぉぉ...♡」
ナカイさん「こんなもんちゃうぞ、ワシの本気は...! もっともっと、気持ちよぉさせたるわぁ...!」
園原「そ、そんな...! これ以上されたら、私は...!」
ナカイさん「ほら、快楽の底に落ちてまえ...!」
園原「あぁぁぁぁ...!! ナカイさんの硬いの(ひづめ)が、奥までぇぇぇ...! い、痛...痛気持ちぃぃぃ~...♡」
黒澤「あんたたち、ワザとやってます!? うちのマロンのことも考えてあげてくださいよ!!」
マロン「ト、トナナァァ...!!」
黒澤(M)女性がマッサージを受けていて、なんとも言えない声を発しているのに、何故だか全然興奮しませんでした。思ったことといえば、野薔薇がいなくてよかったなってことくらいです。
江野沢チームのオフィス内。野薔薇が勢いよく椅子から立ち上がる。
江野沢「ん? どうした、野薔薇?」
野薔薇「今、小雪ちゃんがエッチな目に遭っている気がする...!!」
ジェイニー「...何言ってルンデすか、野薔薇サーン?」
江野沢「バカなこと言ってないで、さっさと仕事しろ。」
野薔薇[小雪ちゃぁぁぁぁん♡]
園原「いや~身体中スッキリですよ! ありがとうございます、ナカイさん!」
ナカイさん「礼を言うのはこっちの方やで! ありがとな、小雪の嬢ちゃん!」
園原「いえいえ、これくらいのこと! またいつでも呼んでください!」
黒澤「いいか、マロン? 一人であいつらに会っちゃダメだからな? 何されるか分かったもんじゃないからな? 絶対にダメだぞ、わかったな?」
マロン「ト、トナナナ!」
ナカイさん「なんや、黒柳の僕が変なこと言ぅとるなぁ。そんな警戒せんでもええって。」
黒澤「だから、俺は黒澤ですって!」
マロン「トナトナッ!」
園原「黒澤さんのマロンちゃん、すごく黒澤さんに懐いてますよね~。なんか見てて可愛らしいですよ~! ほ~ら、こっちおいで、マロンちゃ~ん!」
マロン「ト、トナァァァ!?」
黒澤「バカ、こら、やめろ! マロンを怖がらせるな! いいか、マロンを傷つけるのならば、相手がお前だろうと容赦しねぇからなぁ!」
園原「私、呼びかけただけなんですけど?」
黒澤「ここに来るまでの行動を思い返してみろ! そしたら、どうしてマロンがこんな怯えてるのかわかるはずだ!」
園原「ここに来るまで...私たちも、黒澤さんたちみたく、トナカイと絆を深めるために遊んでただけですよ。ねぇ、ナカイさん?」
ナカイさん「そや。なんも怖がられるようなことはしてへんぞ?」
黒澤(あ、あの殴り合いが、遊びぃぃ...!? な、なんて奴らだ...!)
マロン(ト、トナナ...!?)
黒澤(M)やってることが、ほぼスーパーサイヤ人です。怖すぎます。
江野沢チームのオフィス内。
ジェイニー「ハァ...女子高校生ギャルのパンティが欲しいデース...!」
江野沢「ついに脳みそが吹っ飛んだか、ジェイニー?」
野薔薇「もしもし、警察ですか? 変態がいます。なんとかしてください。」
ジェイニー[ギャルのパンティをおくれぇぇぇ!!]
町岡「あっ、園原ちゃん! 黒澤くんも、お疲れ様!」
園原「町岡さん! こんにちわ!」
黒澤「お疲れ様です、晴子さん。」
町岡「二人とも、パートナーのお世話?」
園原「はい、そうです!」
町岡「そかそか! 仕事忙しいのに、お世話しにきてくれてありがとね!」
園原「いえいえ、とんでもない!」
黒澤「むしろ、こっちがお礼言いたいくらいですよ。いつもいつも、トナカイの世話をありがとうございます。」
園原「ありがとうございます!」
町岡「いいのいいの、これが私の仕事なんだから! おっ、マロンってばすごく毛並み良くなってんじゃん! 綺麗にブラッシングしてもらえてよかったねぇ~!」
マロン「トナトナ~!」
園原「マロン、町岡さんにはすごく懐いてる...いいなぁ~! 町岡さん、どうしたらマロンと仲良くなれますか!?」
町岡「んー? そうだなぁ...マロンは恥ずかしがり屋で臆病な子だから、時間かけてあげるといいかも。グッと距離詰めたら怖がって逆に遠ざかっちゃうから、ゆっくりゆっくり距離を詰めてあげてね。」
園原「は、はい! わかりました!」
黒澤「お前の圧はとんでもないんだから、マロンに近づく時は細心の注意を払えよ?」
園原「あ"ぁ"...?」
黒澤「マ、マロン...! 園原さんはすごく素敵な人だから! とっても素敵だぞ~!」
マロン「トナトナ、トナナ!」
園原「...あれ? マロンちゃん、怒ってません?」
町岡「マロンは黒澤くんのことが大好きだから、黒澤くんをいじめてると仲良くなれないよ~。」
黒澤「もぉ~マロンってば~! 俺も大好きだぞ~!」
マロン「トナナ~♡」
園原「くっ...! マロンと仲良くするには、黒澤さんに優しくしなければいけないのか...! ど、どうすれば...!?」
黒澤「いや、だから優しくすればいいんだって。何を迷う必要があるの? 答え出てますよ?」
町岡「そういえば...園原ちゃん、江野沢は元気? あいつに変なことされてない? 大丈夫?」
園原「もっちろんっ! なにもされてませんよ~! 江野沢さんは優しくて仕事も出来るし、素敵な先輩ですぅ~!」
黒澤(あーあ...貸し一ですよ、江野沢さん...。可哀想に...。)
園原「あれ~? どうしました、黒澤さぁ~ん?」
黒澤「いえ、なにも!」
町岡「あいつってば、園原ちゃんが可愛いからってカッコつけてるわね...! いい、園原ちゃん! あいつは、表向きは良いやつかもだけど、裏はとんでもないやつなんだから、気を許しちゃダメだよ! わかった!?」
園原「は~い、わかりました~! ところで、町岡さんは江野沢さんのことずいぶんと詳しいようですけども、昔から知り合いだったんですか?」
町岡「まぁね。知り合いってか、前は一緒のチームで働いてたのよ。私、元々サンタだったから。」
園原「え!? そうだったんですか!?」
町岡「うん。サンタ時代からトナカイのお世話したりするの好きだったから、どうせならこっちに転職しちゃえ~!ってね。思い切ってしちゃいました!」
園原「いやいや、とても良い判断だったと思いますよ! あっ、別に町岡さんがサンタとしてダメとかではないですからね! 町岡さんは、すごくすごく愛情持ってトナカイと接してお世話してくださるので、すごくすごくこの仕事に向いてるなぁという意味ですからね!」
町岡「いいんだよ、園原ちゃん! 実際、私すごくダメダメだったからさ! あははは~!」
黒澤「転職って、すごく勇気のいる行動だと思うんですけど...決断した決め手ってなんだったんですか?」
町岡「おっ、黒澤くんいい質問だねぇ~! 黒澤くんの言う通り、仕事変えようって思った時はすごく勇気が必要だったし、なにより逃げてる感じがして、なかなか前向きになれなかったというか、一歩踏み出せなかったというか...。」
町岡「そんな時、江野沢に相談してみたら、色々言ってくれて、背中押してくれて。「別に逃げてもいいじゃん。辛いことや痛いことあったら、誰だって逃げるだろ? それは別に悪いことじゃない。」って。「逃げるってのが嫌なら、新しい道を歩むって考えにしたら? そうすりゃ気持ちも少しは前に向くんじゃね?」って。他にも、ほんとたくさん温かい言葉をくれてさ。」
黒澤「へぇー。」
園原「きゃー江野沢さん、かっこいいー。」
町岡「あいつが沢山の言葉で背中を押してくれたおかげで、今私はここにいられるんだ。こうやって、大好きなトナカイたちに囲まれて仕事ができてるの。だから、私の場合は江野沢のおかげというか...って、私何言ってんのかしら!? あー恥ずかし恥ずかし! い、いい!? このことは、江野沢には絶対に言っちゃダメだからね!」
黒澤「もちろんですよ~!」
園原「口が裂けても言いませ~ん!」
町岡「絶対だからね! あいつ、すぐ調子乗るんだから! これ聞いたら絶ッッ対に「そんなこと思っててくれたんだ~晴子ちゃ~~ん!」とか言ってくるわ! あーやだやだ! ほんとやだ!」
町岡「あっ、私そろそろ戻らなきゃ。長々と話してごめんね!」
園原「いえいえ、こちらこそですよ!」
黒澤「色々お話ありがとうございました。」
町岡「トナカイのことでわからないことあったら、遠慮せずに聞きにきてね! あと、江野沢のやろうになんかされたら、すぐに言うのよ、園原ちゃん! 黒澤くんもね! 私がとっちめてあげるから!」
黒澤「はーい!」
園原「頼りにしてます、先輩!」
町岡「んじゃ、またね~! バイバイ~!」
黒澤「お疲れ様です!」
園原「お疲れ様です!」
園原「......黒澤さん。」
黒澤「なんだ?」
園原「町岡さんって、江野沢さんのことーーー」
黒澤「やめろ。それ以外は言うんじゃねぇ。」
園原(M)どうして、あのクソ野郎がモテるのか...私には理解ができません。
江野沢チームのオフィス内。
江野沢「ぶぇぇっっくしゅんっ!! おいおいおい...! 今、可愛い美女たちが俺の噂をしているようだなぁ...! かぁ~モテる男は辛いぜよ!」
野薔薇「ジェイニー、江野沢さんが寝言を言ってるわ。すぐに目覚めのキスで起こしてあげなさい。」
ジェイニー「今、紅を塗るノデお待ちクダサーイ!」
江野沢「やめんか、気持ち悪い!! あと、寝言じゃねぇわ!!」
ジェイニー・野薔薇[サンタクロース!]
江野沢[それ、俺のセリフゥゥゥ!!]
園原「どうして...どうして、あんな変態がモテるんですか...? 私、わからない...。」
黒澤「この世は、おかしい...! 何かが狂っている...! アレがモテる世界線に、誰かが作り替えたに違いない...!」
園原「この世界を正常に戻すには、その作り替えた人間を私たちで倒すしかない...!」
黒澤「こんなクソみたいな世界に作り替えるやつなんて、本人以外にゃありえない...!」
園原「倒そう...悪の根源を...!」
黒澤「俺たちの手で、世界を変えよう...!」
ナカイさん「おまえら、そんな江野沢がモテんのが嫌なんか?」
園原・黒澤「嫌です!!」
ナカイさん「はっきりゆうたんなよ。江野沢の僕が可哀想やで。」
マロン「トナナ...。」
園原「いやいや、だって! この超絶美少女の私がモテないのに、あんなクソ変態やろうがモテるって、納得できませんよ!」
黒澤「そうだそうだ! 俺、仕事もできてカッコいいのに、なんで女の子が一人も寄ってこないの!? なんで江野沢さんに寄っていくの!? おかしくね!? おかしいよなぁ!?」
園原「そうですよ! 江野沢さんと黒澤さん、やってることほぼ一緒で同じような生き物なのに、これだけ差が出るのは不公平だと私からみても思います!!」
黒澤「そうだそう...んんんん!? 俺、江野沢さんと一緒なの!? あんな変態クズと一緒なの!? それはなくない!?」
園原「そうですね、同じ行動してますけど江野沢さんのがモテるので、一緒ではないです。あなたは、江野沢劣化版ですよ。」
黒澤「やめろぉぉぉ! 俺の存在を消すんじゃなぁぁぁい!! 嫌だぁぁぁ! アレの劣化版は、マジで嫌だってぇぇぇぇ!!」
ナカイさん「お前ら、江野沢の僕ちゃんは一応上司やろ? ええんか、そないゆうて?」
ナカイさん「まぁでも、確かに二人がモテんのはおかしいかもなぁ~。小雪の嬢ちゃんは、とってもかわええしのぉ。ワシが若かったらすぐ落ちるで、ほんまに。」
園原「も、もぉ~! ナカイさんってば~!」
ナカイさん「黒柳のおっちゃんも、ぱっと見カッコええし、マロンへの対応見とったらだいぶええ奴やで、モテると思うんやけどなぁ。」
黒澤「ナカイさん、とっても嬉しいんですけども、私は黒澤 義則であります。黒柳でもおっちゃんでもないですってば。いい加減に覚えてください。」
ナカイさん「すまんすまん! なんか妙に言いやすくてのぉ~。次からは注意するわ。黒柳のおっちゃ...おにいさん。」
黒澤「だから黒澤ですってばぁぁぁ! 言い直すのそこじゃないですよ! 柳の部分ですよ!! いくら黒柳って言われても、俺はパン食ってどデカいリアクションはしませんからね!!」
園原「とかなんとか言って、やっちゃうのが黒澤さんですよね~! はい、カニパンあげます!」
黒澤「だから、やらないっての! パンはもらうけど! いただきます!」
園原「どんなリアクションするんですかねぇ~!?」
ナカイさん「楽しみやなぁ~!」
黒澤「...カニカニ。ほら、これで満足か?」
園原「つまんな!!」
ナカイさん「黒柳の旦那ァ、それはあきませんぜ~。ここは派手に行きましょや!」
黒澤「俺は黒柳じゃなくて黒澤ですからね! 残念ですけど、リアクションはしません! 俺、トイレ行ってくるわ。」
マロン「トナトナ!」
園原「やれやれ全く...黒澤さんってば、ほんと空気が読めない男なんだから。」
ナカイさん「ほんまやで。つまらん男やなぁ。」
マロン「トナッ...! トナトナナ...!」
園原「...ナカイさん、マロンちゃんはなんで言ってるんですか?」
ナカイさん「「やれやれ全く...! あなたたちは気づいていないのですね...うちの主人の素晴らしいリアクションを...!」やて。」
園原「素晴らしいリアクション? なんかしてました?」
ナカイさん「さぁ?」
男子トイレ、小便器前。黒澤が用を足すことなく、チョキの形から元に戻らなくなった両の手をじっと見つめている。
黒澤(な、なんということだ...! カニパンを食べたら、手がチョキから戻らなくなっちまった...! もしかして俺、パンリアクションの才能が...!? それとも、あのカニパンがすごいだけか...!? 一体、誰があのカニパンを作ったんだぁぁぁ...!?)
園原(M)しばらくの間、パンを食べることを自粛した黒澤さんであった。
江野沢チームのオフィス内。
柳「うぃ~す、お疲れ~。」
三人「......。」
柳「...あれ? どうした、お前ら?」
江野沢「いやいやいや、どうしたじゃないですよ柳さん!」
ジェイニー「どうシテ、流れヲ切るンですカ!?」
野薔薇「ここはボケるところでしょう!!」
柳「は?」
江野沢[サンタク...な、何をする、お前ら!? 離せぇぇ!!]
柳[サンタクロース!]
江野沢[あぁぁぁ!? 俺のサンタクロースゥゥゥ!!]
黒澤「ただいま。」
園原「おかえりなさい。遅かったですね。うんこですか?」
黒澤「お前、それでよく「どうして私がモテない!?」とか言えるよな。」
園原「はいぃぃ~? どういうことですか、それはぁぁ~?」
黒澤「トイレから帰ってきて、うんこですか?とか聞いてくる女は嫌だって話さ。」
園原「いやいやいや、何を言ってるのやら黒澤さんは...。隠し事なく全てをさらけ出すことこそ、今求められていることなのですよ。というか、うんこの一つ二つでネチネチと...男のくせに情けない。」
黒澤「園原、うんこ行ってきたら?」
園原「あ"ぁ"ぁ"!? 今、なんつった!? 私みたいな超絶美少女がうんこなんて汚ねぇもんするわけがないでしょうが! 私のお尻からでてくるのは、可愛い可愛いうずらの卵だ!! 覚えておけ!!」
黒澤「めちゃくちゃに隠してますよ、園原さん? うんこという汚いもんを、卵の殻に包んで隠してますよ? お前がモテない理由が、よーくわかったよ。マロン、こんな女にゃなっちゃダメだぞ。わかった?」
園原「失礼すぎるだろ、貴様!! 私も、黒澤さんがモテない理由が、よーーーくわかりましたよ!! ナカイさん、あんなやつみたいになったら絶対にダメですからね! わかりました!?」
ナカイさん「黒澤の坊ちゃんみたくなったら、全然モテんくなるやないか! 死んでもごめんやな! がはははは!」
黒澤「だから、俺は黒...んん!? 澤って言った!?柳って言った!? あれ!? どっち!? あれれ!?」
園原「あーやだやだ。人の話をしっかり聞かない人って。黒澤さん、モテないポイントがまた一つポロリしてますよ。大丈夫ですかぁ~?」
黒澤「んだと、てめぇ!? そういうとこをいちいち突っ込んでくる女、とっても嫌だわ! 俺以外の男も、そう思ってるぜ! あーなるほど、こういう性格だからフラれたんですねぇ~! なるほどなるほど、納得ですわ!」
園原「てめぇぇぇ! マロンちゃんの前だから我慢してやってんのに、いい気になりやがって!! この地下を出た後、覚えておけよ! わかってんだろうな!?」
黒澤「おーおーやれるもんならやってみろよ! マロン、俺は負けないからな! みててくれ!」
マロン「トナナッ!」
園原「可愛い可愛いトナカイの前でカッコつけちゃって...! マロンちゃんがいなくなった途端に「生意気な口利いてすんませんでしたぁぁぁ!」って土下座する姿が目に浮かびますわ~!」
黒澤「んなことしねぇわ! マロンの前でデタラメを言うんじゃない! やめろやめろ!」
ナカイさん「がはははは! 醜い争いしおってからに! お前さんら、そこまでして恋人がほしいんか?」
園原・黒澤「ほしいです!!」
ナカイさん「んなら、お前らが付きおーたらええやないか。ワシからみても、ええコンビやと思うけどなぁ。」
園原・黒澤「......はい?」
園原「私と、黒澤さんが...付き合う?」
黒澤「俺と、園原が...付き合う?」
二人は、ふと互いの顔を見つめ合う。頭に浮かび上がる「もしも彼(彼女)とお付き合いをしたら...」というifのストーリー。
園原「うふふ~! 黒澤さぁ~ん!」
園原「わぁ~! すごく綺麗な景色~! すごーい!」
園原「よ、義則...♡」
園原「おかえりなさい! ご飯にする?お風呂にする?それとも...わ・た・し? なんちゃって♡」
黒澤「うふふ~! AV~!」
黒澤「わぁ~! すごく綺麗なAV~! すごーい!」
黒澤「え、AV...♡」
黒澤「おかえり! AVにする?AVにする?それとも...え・え・ぶ・い? えぇぶいぶい♡」
ナカイさん「おい、どないした? 二人とも?」
マロン「トナナ? トナトナ?」
園原「い、い、い...いやぁぁぁぁぁぁ!?!? キモいキモいキモいキモいぃぃぃぃぃ!!」
黒澤「と、鳥肌が止まんねぇ!! あと、猛烈に痒い!! 痒い痒い痒い痒いぃぃぃぃ!! いやぁぁぁぁぁ!?!?」
ナカイさん「こういうとこ含めて、えぇコンビやと思うんやけどなぁ?」
江野沢チームのオフィス内。
柳「そういや、園原と黒澤は?」
江野沢「あいつらは、地下でトナカイの世話してますよ。」
柳「そっか。あいつら、いつも一緒にいない? 仲良いよな。」
江野沢「ですよね~! なんだかんだ、一緒ですよね~!」
ジェイニー「仲良しサンですヨネ~!」
野薔薇「もぉ~柳さんってば~! 変な冗談言うのはやめてください~!」
柳「どうする、お前ら? あの二人が付き合いだしたーーー」
野薔薇「黒澤さんを殺します。」
江野沢「黒澤を山に埋めます。」
ジェイニー「海に沈めて、黒澤を魚の餌やわ。そんなん。」
柳「マジかよ、お前ら?」
江野沢「黒澤が俺よりも先にリア充になるなんて、許せるわけねぇだろぉぉぉ~!」
ジェイニー「右に同ジくデース! ハッハッハッハッ!」
野薔薇「あんなゴミクズ野郎に、小雪ちゃんを任せられるはずがありません。それに、あのゴミと小雪ちゃんがセックスをなんて...考えただけで...い、いやぁぁぁぁ!! でも、小雪ちゃんが無理やりヤられるのは、それはそれで興奮する気が...でも、嫌ァァァァァ!!」
柳「自分のことばっかりだと、いつまでも独り身だぞ、お前ら。」
園原・黒澤(M)サンタクロース!
江野沢(M)お前ら、ここでサンタクロースはズルくね!? 卑怯だぞ!! 俺にも言わせろ、サンタクロースゥゥゥゥゥゥ!!
園原 小雪:♀ 22歳。サンタクロース協会、日本支部で働くことになった新人。
野薔薇 美礼:♀ 25歳。サンタクロース協会、日本支部で働く先輩。ナイスバディの美人さん。
江野沢 淳太:♂ 29歳。サンタクロース協会、日本支部で働く先輩。バカその一。
黒澤 義則:♂ 26歳。サンタクロース協会、日本支部で働く先輩。バカその二。
ジェイニー・ノリサワ:♂ 28歳。サンタクロース協会、日本支部で働く先輩。バカその三。
柳 薫:♂ 33歳。サンタクロース協会、日本支部で働く先輩。妻子持ち。
*度々登場する[サンタクロース!]は、場面の転換合図だと思ってください。
ーーーーー
サンタクロース協会日本支部、地下。アルプスのような自然豊かな風景が広がる地下世界で、黒澤は相棒のトナカイ、マロンとフリスビーを使って絆を深めている。
黒澤「ほらほら、いくぞマロン~! もう一回、飛ばすぞ~!?」
マロン「ト、トナッ! トナァ~!」
黒澤「あははは! 早く飛ばしてって顔してんな? 待て待て、何事も焦っちゃ...隙あり! そりゃぁぁ!!」
マロン「ト、トナァァ!?」
黒澤に不意をつかれスタートが遅れたマロンだったが、強く軽やかに地面を蹴り上げ素早く加速していき、投げ放たれたフリスビーと距離を縮めていく。
マロン「トナァァァ!!」
フリスビーを射程圏内に捉えたマロンは、地を強く蹴り上げ飛び上がる。階段を登るように空中でトントンと2段3段とさらに飛び上がると、目と鼻の先にあるフリスビーをパクリと咥え、軽やかに地面へと降り立つ。
黒澤「すごいぞ、マロン! お前は最高だぞ~!」
マロン「トナァ~!」
フリスビーを咥えながら、嬉しそうに黒澤の元へと駆けていくマロン。フリスビーを受け取った黒澤は、マロンの頭を優しく撫で、お互い楽しそうに時を過ごしている。
N「サンタクロースにとって、トナカイとは仕事仲間であり、大切なパートナーである。彼らがいなければ、サンタクロースは仕事ができない...それほどにトナカイの存在は重要なのである。」
N「よくイラストとしてサンタと共に描かれるトナカイは、ほぼ全て空を駆けているが...あれは空想上の話ではなく、実際に彼らは空を駆けられる存在なのである。」
N「しかし大昔、その能力に目をつけた人間たちがトナカイを乱獲し、急速に数を減らし...絶滅を恐れたトナカイたちは、空を駆けることを止め、地のみを駆け回ることを選択したのだ。」
N「長い年月、地のみを駆け回っていたトナカイは、次第に空を駆けることを忘れ、地上で生き残るために角を太く、重く、長く発達させ、今現在のトナカイに至るのです。」
黒澤「よ~し、マロン! もう一回いくぞ~!」
マロン「トナァ!」
黒澤「そぉ~ら、とってこ~い!」
マロン「トナァァ~!」
N「先に言っておくが、黒澤 義則は仕事をサボって遊んでいるのではない。これも、仕事の一つなのである。」
N「トナカイは空を駆けることを忘れたと言ったが、それは野生で生きるトナカイで、サンタクロースに飼われているトナカイたちは、空を駆けることが今現在も可能なのである。しかし、空を駆ける=危険という認識が産まれてからも本能として刷り込まれているため、何もしなければ彼らも野生同様、死ぬまで空を駆けることはない。」
N「では、どうしたら空を駆けるようになるのか...それは、意外と単純なことだ。懐かせる、それだけである。」
N「ペットが、気を許した主人に急所である腹をさらけ出すように、トナカイも気を許した主人の前では、気にすることなく空を駆けるのだ。特に、嬉しいことがあったりすると、ぴょんぴょん跳び回る。空を駆け回る。その姿は、とても可愛らしく、愛らしい。」
N「つまり、サンタクロースとして仕事を全うするためには、トナカイが空を駆けられるようになるのが必須なので、トナカイと絆を深めあうことは、仕事と同じくらい重要なことなのである。なので、サンタクロースは必ず、最低でも週三回はこうして仕事の中にトナカイと触れ合う時間が設けられているのだ。」
N「ちなみに、なぜサンタクロースに飼われているトナカイのみ空を駆けられるのかというと、乱獲されていた時代にトナカイを助け、保護していた人物が、サンタ・K・ロウスという方で...え? そこまで説明している時間はない? では、この話はまたいつか。引き続き、サンタの仕事は春から始まるをお楽しみください。」
黒澤「お~よしよしよ~し! マロンってば
あんな空高く飛ぶフリスビーも取れちゃうなんて、最高にかっこいいな~! よ~しよしよしよし!」
マロン「トナトナトナァ~♡」
黒澤「どうする、マロン? もう一回やる?」
マロン「トナッ! トナトナッ!」
黒澤「わかったわかった! じゃあ、次はさっきよりも高く投げるぞ~!」
マロン「トナァ!」
黒澤「よ~し...そ~ら、いくぞーーー」
ナカイさん「ふんぬぅぅぁぁぁぁ!!」
園原「ぬぉぉぉぉぉぉぉ!?!?」
楽しそうに遊ぶ黒澤たちの後方では、園原とパートナーである筋骨隆々の人型トナカイのナカイさんが、絆を深めあっていた。
ナカイさんにジャイアントスイングされ、勢いよく飛んでいった園原は空中で軽やかに体勢を整えると、地に足をつけた瞬間に蹴り上げ、ナカイさんと距離を刹那に縮めていく。
園原「ふんっ!!」
スピードを緩めることなく、加速+体重を右拳に乗せ、ナカイさんの腹めがけて振り抜く。
ナカイさん「甘いわぁぁぁ!!」
園原「なっ...!?」
園原(嘘...!? ボディに叩き込んだっていうのに、全く効いてる様子がない...! それに...なに、この腹筋...!? まるで、岩を殴ってるみたい...! むしろ、私の拳が痛い...!)
ナカイさん「すまんなぁ、小雪の嬢ちゃん...! ワシは、そないな軽いパンチで倒れるほど、やわちゃうねん...! 遊びにもならんわ。もっと重いもんプレゼントしてくれや。」
園原「クソっ...! ならーーー」
ナカイさん「判断が遅い!!」
ナカイさんに平手打ちされた園原は、投げられたボールのように勢いよく地面を跳ねながら転がっていく。
マロン「ト、トナァァァ!!」
黒澤「園原ぁぁぁぁ!!」
園原「くっ...!」
ナカイさん「クソとか言う暇あんなら、手ェ動かせや。そんなやから、口だけとか言われるんやでぇ? 悔しくないんか? あぁぁ?」
園原「......!」
ナカイさん「どないした? なんか言い返してみぃや。それとも、認めるんかぁ?「私は弱くて情けない人間ですぅ」って。ほら、言うてみぃ。ちゃんと聞いといたるで。ほら...言うてみぃやぁぁ!!」
黒澤「お、俺たちを軽々ボコボコにしている園原が、あんなにも簡単に...! お、恐ろしすぎる、ナカイさん...! そ、園原、もうやめておけ! これ以上はーーー」
マロン「ト、トナ! トナァァ!」
黒澤「な、なんだよ、マロン!? え、なに!? アレを見ろって!? どれどれ!? どれのこと!?」
マロン「トナナ! トナナ!」
黒澤「はっ!? 園原の右手に、何やらボールのようなものが...! あれは、もしかして...!」
園原「くらえぇぇぇ!!」
ナカイさん「ほぉ...。氣を練り、球体のように丸めて投げたかぁ。大きさ、スピード、そして崩れへん強度...新人にしては中々のもんや。だが...!!」
ナカイさんは逃げも隠れもせず、迫り来る氣の球の正面に立つと、右手のひらを胸の前に突き出し、真っ向から氣の球を迎え入れる。
園原「なっ...!?」
ナカイさん「こんなもんで倒せると思われとるんか、ワシは。低く見過ぎやろ、嬢ちゃん...!」
園原(私の氣合球が、片手で...!? そんな...!)
ナカイさん「教えたるわ、本物の氣合球っちゅーのを。目ん玉がん開いて、よーみときや...!!」
ナカイさんは胸の前に突き出した右手を、天高く掲げる。水のように手のひらへと流れ、丸く形を成し、徐々に大きくなっていく氣ーーー
マロン「ト、トナナァ...!?」
黒澤「あ、あれが、氣合球...!?」
園原「で、デカすぎ...でしょ...!!」
ナカイさん「なにゆぅとんねん。これでもまだ小さい方や。小雪の嬢ちゃん...あんさんは、これが極小サイズ...冬場の凍えたチンポか!!って言えるくらいにならなあかんで。そやないと...外の世界じゃ、生きてけへんぞ。」
マロン「ト、トナナナァァ...!?」
黒澤「お、落ち着いて、マロン! 外の世界は、そんな危険じゃないから! 危ないのは、ナカイさんの生きてる世界! ナカイさんの周りだけ! お外はとっても楽しい場所だから! 怖がらなくて大丈夫だから! ね!」
ナカイさん「しまいや、嬢ちゃん...! 出直してきぃやぁぁぁぁ!!」
ナカイさんは、躊躇うことなく園原めがけて氣合球を投げつける。勢いよく園原へと進んでいく氣合球は、園原に触れるや否や身を爆ぜらせ、辺りに強烈な爆風をもたらす。
黒澤とマロンは、その場から一歩も動くことなく、目の前で行われている現実離れした光景を、爆風で勢いよく髪や毛を揺らしながら驚愕の表情で、ただただ静かに見守っていた。
ナカイさん「...買い被りすぎたか。嬢ちゃんならと思っとったんやが...叶わん夢見たって、しゃーないわ。」
ナカイさん(すまんな、小雪の嬢ちゃん...あんたの評価はーーー)
園原「下げなくていいですよ。」
ナカイさん「あぁ...?」
モクモクと上がる土煙が次第に晴れ、人型のシルエットを映し出す。氣合球が直撃したはずの園原はニヤリと笑みを浮かべながら立っており、背を向け帰ろうとしていたナカイさんをジッと見つめている。
園原「ナカイさんこそ、私のこと低く見過ぎなのでは? あんな攻撃で倒れると思われてたなんて...私、悲しいです。」
ナカイさん(どないなっとる...? 少し手ェ抜いたとはいえ、あの大きさやぞ? モロに食らって立っとんのはおかしいやろ。ガードしたところで、並のもんならガードごと吹き飛ぶ。つまり...。)
ナカイさん「フルガードか...嬢ちゃん。」
N「フルガード...氣を球体のように円状に練り上げ、自身を氣で覆い全方向の攻撃から身を守ることができる、最強の防御術。しかし、均等に氣を練り上げなければ、脆い部分から崩壊してしまう危険性もあるため、厚く均等に氣を練らなければいけない点、全方向で攻撃に備えなければいけないため、多くの氣を消耗するなど、デメリットの部分も多いため使用者は少ない。」
ナカイさん(フルガードで身を守ったつーことは、均等に厚く氣を練り上げ、爆発の中でもそれを維持できたっつーわけや。先ほどの氣合球といい、氣のコントロールに関してはさすがやのぉ。やけども...。)
ナカイさん「悪いが、評価を上げんのはこの後次第や。あの氣合球をフルガードで防いだことは、素直に褒めたるわ。けどな、フルガード後の問題は、まだ解決してないやろ。ぎょうさん氣を消耗して、フルガード後に「はい、やられました」じゃ、ガードの意味クソないやろ。なんのためのガードじゃ。」
ナカイさん「大切なんは、この後や...! 氣を消耗し、敵さんの次の攻撃をどう対処するんか......評価上げてほしかったら、この攻撃、どうにかしてみぃぃやぁぁぁぁ!!」
ナカイさんは力強く地面を蹴り上げ、園原へと駆け出していく。拳が届く範囲まで駆け寄ると、目にも止まらぬ早さで、園原の腹部へと拳をねじ込む。
ナカイさん「...あ"ぁ"!?」
ナカイさん(な、なんや、この感触は...!? どうなっとる...!?)
園原「あいたたた...。やっぱり、ナカイさんのパンチは、めちゃくちゃ痛いよ...。本当にガードしてんのかな、これ...?」
ナカイさん「ガード...やとぉ...!?」
ナカイさん(この拳を受けて立ってられるつーことは、嬢ちゃんの言う通りガードしとるんやろうが...そうならば、相当厚みのある氣を練らないかんのやぞ...! さっきのフルガード直後に、ワシの拳を受け止める厚みのガードを...!? そんなバカな話がーーー)
園原「受け止めなきゃダメだよ、ナカイさん...! 目の前で起こってることなんだからさ。」
園原「あっ、そうそう...受け止めるのは、現実と、私のパンチだよ。しっかり受け止めてね...!」
ナカイさん「はっ! 嬢ちゃんの軽いパンチなんて、どこで受けようがーーー」
園原「どぉぉぉぉらぁぁぁぁぁ!!」
園原は勢いよくナカイさんの顔面へと右拳を振り抜く。顔を歪め、サングラスが外れ、先ほどの園原のようにナカイさんは地面を跳ね転がっていく。
ナカイさん「が、がはっ...!? はぁ、はぁ...!」
ナカイさん(お、重すぎや...! なんや、今のパンチは...!? さっきの軽いパンチとは比べもんにならん...! でけぇ鉛玉が、顔面にぶつかってきよった...! この短時間で、何があったんや!?)
ナカイさん(ま、まさか...あいつ...!!)
N「園原 小雪は、氣を使っていた。右拳に氣を纏わせ、厚みを、硬さを増し、自身の拳を守りながら攻撃力を上げた。さらに、先ほどのナカイさんの拳も、腹部に厚みを増した氣を練り上げ、多少の貫通ダメージがあったとはいえ、ほぼ防いだと言ってもいいだろう。」
N「大量の氣を消耗するフルガード後に、これほどに氣を使えたのには、二つ...。一つは、園原の素質。一般サンタよりも多くの氣を持つ園原だからこそできた荒技。そして、もう一つは...。」
ナカイさん(本来なら、球体のような円状に氣を練り上げ、自身を覆うようにガードする...! しかし、そのやり方じゃぁ、無駄が多すぎる...隙間がありすぎる...!)
N「園原 小雪は、隙間を無くし、無駄を省いた。氣を球体状に練るのではなく、服のように、自身に纏わせた。その結果、フルガードの縮小に成功。さらに隙間を無くしたことにより、氣の消耗を抑えた上で防御力をもあげることができたのだった。」
園原「すみません、ナカイさん...勢いありすぎて、サングラス外れちゃいましたね。」
園原「...へぇ~、ナカイさんって可愛らしい目してるんですね! パートナーの新しい一面を知れて、私すごく嬉しいです!」
N「もちろん、フルガードの縮小は誰でもできる芸当ではない。服のように密着させるには、細かな氣のコントロールが必要で、球体とは違い、様々な、複雑な形へと変化させる必要がある。」
園原「そこで待っていてください、ナカイさん...。サングラス、今返しに行きますから。」
ナカイさん(細かな氣のコントロール、それをあの一瞬で、あの緊張感の中でやり遂げた...! こんなもん...!!)
ナカイさん「評価を上げずには、いられへんやろぉぉぉぉぉ!!」
黒澤「......俺たち、いつからバトル漫画にシフトチェンジしたの...?」
マロン「ト、トナァァ...!!」
ジェイニー(M)私タチがボコボコにやらレルのは、当然デスネ。
園原・ナカイさん[サンタクロース!]
互いに遊び?終えた園原と黒澤は、トナカイの小屋へと戻り、ブラッシングやマッサージなどをトナカイへ施し、さらに絆を深めあっている。
黒澤「どうだ、マロン~? ブラッシング、気持ちいいか~?」
マロン「トナナ~♡」
黒澤「マロンのために、一生懸命覚えたんだぞ~! どうだどうだ~?」
マロン「トナナ~! トナトナ! トナトナ~!」
黒澤「おいおい、やめろってばマロン~! ブラッシング中だろ~? そんなスリスリされたら、ブラッシングできないじゃんか~!」
園原「どうですか、ナカイさん~? 気持ちいいですか~?」
ナカイさん「あぁぁぁ...! えぇで、小雪の嬢ちゃん...! めっさえぇで...! 嬢ちゃんのマッサージ、気持ち良すぎていきそうやで...!」
園原「もぉ~いくってどこにですか~? ナカイさんってば~!」
ナカイさん「ほぉぉぉ...♡ あかんあかん、それはあかんで、小雪の嬢ちゃん...! なんや、その指使いは...!? あ、あふぉぉぉ...♡」
園原「もぉ~そんなに褒められると嬉しいです~! いっぱい褒めてくれるナカイさんには、いっぱいサービスしちゃいますね♡ は~い、力抜いてくださ~い!」
ナカイさん「サービスやてぇ...!? これ以上のもんされたら、ワシは...お、おふぉぉ~...♡ あ、あかぁぁ~ん...♡ それは、あかんて小雪の嬢ちゃん、あかんあかんあかぁぁぁ~ん♡」
黒澤「...あ、あの、すいません。」
園原「はい、なんですか?」
黒澤「も、申し訳ありませんが、マッサージは別の場所でしてもらえませんか...?」
園原「え? なんでですか?」
黒澤「なんでって...うちのマロン見てよ。」
マロン「ト、トナナ...トナナナ...!」
黒澤「こんな顔真っ赤にして...恥ずかしがってるじゃないですか。もしくは、もう少し静かにしてください。ここは、あなたたちだけの場所じゃないんですよ。」
園原「そもそも、なんでマロンは恥ずかしがってるんですか?」
黒澤「あなたたち、気づいてないの?」
ナカイさん「すまんのぉ、黒柳の坊ちゃん。あまりの気持ち良さに、声抑えられんかったわ。もぉやめるで、許してや。」
黒澤「そ、それならいいんですけども...あと、俺は黒柳じゃなくて黒澤です。」
マロン「トナトナ。トナナ。」
黒澤「ん? なんだ、マロン? ...おぉ、綺麗な花だなぁ! もしかして、俺にくれるのか?」
マロン「トナッ!」
黒澤「もぉ~マロンは優しいやつだな~! ありがとな、マロン~!」
マロン「トナトナトナァ~!」
ナカイさん「小雪の嬢ちゃん、ワシも返しにマッサージしたるけ! 寝転びや!」
園原「え、いいんですか!? わーい、ありがとうございまーす!」
ナカイさん「結構力入れるで、痛かったらすぐ言ぃなぁ!」
園原「は~い! お願いしま~す!」
ナカイさん「ほんじゃ、いくでぇぇ! ふんっ!」
園原「あ、あぁぁ...!? ナ、ナカイさんの(ひづめ)すごく硬い...! い、いぃ...♡」
ナカイさん「ほぉ、嬢ちゃんはこれがええんか? ほんなら...!」
園原「あぁぁぁ...!? そ、そんな強くしちゃ...! あふぉぉぉぉ...♡」
ナカイさん「こんなもんちゃうぞ、ワシの本気は...! もっともっと、気持ちよぉさせたるわぁ...!」
園原「そ、そんな...! これ以上されたら、私は...!」
ナカイさん「ほら、快楽の底に落ちてまえ...!」
園原「あぁぁぁぁ...!! ナカイさんの硬いの(ひづめ)が、奥までぇぇぇ...! い、痛...痛気持ちぃぃぃ~...♡」
黒澤「あんたたち、ワザとやってます!? うちのマロンのことも考えてあげてくださいよ!!」
マロン「ト、トナナァァ...!!」
黒澤(M)女性がマッサージを受けていて、なんとも言えない声を発しているのに、何故だか全然興奮しませんでした。思ったことといえば、野薔薇がいなくてよかったなってことくらいです。
江野沢チームのオフィス内。野薔薇が勢いよく椅子から立ち上がる。
江野沢「ん? どうした、野薔薇?」
野薔薇「今、小雪ちゃんがエッチな目に遭っている気がする...!!」
ジェイニー「...何言ってルンデすか、野薔薇サーン?」
江野沢「バカなこと言ってないで、さっさと仕事しろ。」
野薔薇[小雪ちゃぁぁぁぁん♡]
園原「いや~身体中スッキリですよ! ありがとうございます、ナカイさん!」
ナカイさん「礼を言うのはこっちの方やで! ありがとな、小雪の嬢ちゃん!」
園原「いえいえ、これくらいのこと! またいつでも呼んでください!」
黒澤「いいか、マロン? 一人であいつらに会っちゃダメだからな? 何されるか分かったもんじゃないからな? 絶対にダメだぞ、わかったな?」
マロン「ト、トナナナ!」
ナカイさん「なんや、黒柳の僕が変なこと言ぅとるなぁ。そんな警戒せんでもええって。」
黒澤「だから、俺は黒澤ですって!」
マロン「トナトナッ!」
園原「黒澤さんのマロンちゃん、すごく黒澤さんに懐いてますよね~。なんか見てて可愛らしいですよ~! ほ~ら、こっちおいで、マロンちゃ~ん!」
マロン「ト、トナァァァ!?」
黒澤「バカ、こら、やめろ! マロンを怖がらせるな! いいか、マロンを傷つけるのならば、相手がお前だろうと容赦しねぇからなぁ!」
園原「私、呼びかけただけなんですけど?」
黒澤「ここに来るまでの行動を思い返してみろ! そしたら、どうしてマロンがこんな怯えてるのかわかるはずだ!」
園原「ここに来るまで...私たちも、黒澤さんたちみたく、トナカイと絆を深めるために遊んでただけですよ。ねぇ、ナカイさん?」
ナカイさん「そや。なんも怖がられるようなことはしてへんぞ?」
黒澤(あ、あの殴り合いが、遊びぃぃ...!? な、なんて奴らだ...!)
マロン(ト、トナナ...!?)
黒澤(M)やってることが、ほぼスーパーサイヤ人です。怖すぎます。
江野沢チームのオフィス内。
ジェイニー「ハァ...女子高校生ギャルのパンティが欲しいデース...!」
江野沢「ついに脳みそが吹っ飛んだか、ジェイニー?」
野薔薇「もしもし、警察ですか? 変態がいます。なんとかしてください。」
ジェイニー[ギャルのパンティをおくれぇぇぇ!!]
町岡「あっ、園原ちゃん! 黒澤くんも、お疲れ様!」
園原「町岡さん! こんにちわ!」
黒澤「お疲れ様です、晴子さん。」
町岡「二人とも、パートナーのお世話?」
園原「はい、そうです!」
町岡「そかそか! 仕事忙しいのに、お世話しにきてくれてありがとね!」
園原「いえいえ、とんでもない!」
黒澤「むしろ、こっちがお礼言いたいくらいですよ。いつもいつも、トナカイの世話をありがとうございます。」
園原「ありがとうございます!」
町岡「いいのいいの、これが私の仕事なんだから! おっ、マロンってばすごく毛並み良くなってんじゃん! 綺麗にブラッシングしてもらえてよかったねぇ~!」
マロン「トナトナ~!」
園原「マロン、町岡さんにはすごく懐いてる...いいなぁ~! 町岡さん、どうしたらマロンと仲良くなれますか!?」
町岡「んー? そうだなぁ...マロンは恥ずかしがり屋で臆病な子だから、時間かけてあげるといいかも。グッと距離詰めたら怖がって逆に遠ざかっちゃうから、ゆっくりゆっくり距離を詰めてあげてね。」
園原「は、はい! わかりました!」
黒澤「お前の圧はとんでもないんだから、マロンに近づく時は細心の注意を払えよ?」
園原「あ"ぁ"...?」
黒澤「マ、マロン...! 園原さんはすごく素敵な人だから! とっても素敵だぞ~!」
マロン「トナトナ、トナナ!」
園原「...あれ? マロンちゃん、怒ってません?」
町岡「マロンは黒澤くんのことが大好きだから、黒澤くんをいじめてると仲良くなれないよ~。」
黒澤「もぉ~マロンってば~! 俺も大好きだぞ~!」
マロン「トナナ~♡」
園原「くっ...! マロンと仲良くするには、黒澤さんに優しくしなければいけないのか...! ど、どうすれば...!?」
黒澤「いや、だから優しくすればいいんだって。何を迷う必要があるの? 答え出てますよ?」
町岡「そういえば...園原ちゃん、江野沢は元気? あいつに変なことされてない? 大丈夫?」
園原「もっちろんっ! なにもされてませんよ~! 江野沢さんは優しくて仕事も出来るし、素敵な先輩ですぅ~!」
黒澤(あーあ...貸し一ですよ、江野沢さん...。可哀想に...。)
園原「あれ~? どうしました、黒澤さぁ~ん?」
黒澤「いえ、なにも!」
町岡「あいつってば、園原ちゃんが可愛いからってカッコつけてるわね...! いい、園原ちゃん! あいつは、表向きは良いやつかもだけど、裏はとんでもないやつなんだから、気を許しちゃダメだよ! わかった!?」
園原「は~い、わかりました~! ところで、町岡さんは江野沢さんのことずいぶんと詳しいようですけども、昔から知り合いだったんですか?」
町岡「まぁね。知り合いってか、前は一緒のチームで働いてたのよ。私、元々サンタだったから。」
園原「え!? そうだったんですか!?」
町岡「うん。サンタ時代からトナカイのお世話したりするの好きだったから、どうせならこっちに転職しちゃえ~!ってね。思い切ってしちゃいました!」
園原「いやいや、とても良い判断だったと思いますよ! あっ、別に町岡さんがサンタとしてダメとかではないですからね! 町岡さんは、すごくすごく愛情持ってトナカイと接してお世話してくださるので、すごくすごくこの仕事に向いてるなぁという意味ですからね!」
町岡「いいんだよ、園原ちゃん! 実際、私すごくダメダメだったからさ! あははは~!」
黒澤「転職って、すごく勇気のいる行動だと思うんですけど...決断した決め手ってなんだったんですか?」
町岡「おっ、黒澤くんいい質問だねぇ~! 黒澤くんの言う通り、仕事変えようって思った時はすごく勇気が必要だったし、なにより逃げてる感じがして、なかなか前向きになれなかったというか、一歩踏み出せなかったというか...。」
町岡「そんな時、江野沢に相談してみたら、色々言ってくれて、背中押してくれて。「別に逃げてもいいじゃん。辛いことや痛いことあったら、誰だって逃げるだろ? それは別に悪いことじゃない。」って。「逃げるってのが嫌なら、新しい道を歩むって考えにしたら? そうすりゃ気持ちも少しは前に向くんじゃね?」って。他にも、ほんとたくさん温かい言葉をくれてさ。」
黒澤「へぇー。」
園原「きゃー江野沢さん、かっこいいー。」
町岡「あいつが沢山の言葉で背中を押してくれたおかげで、今私はここにいられるんだ。こうやって、大好きなトナカイたちに囲まれて仕事ができてるの。だから、私の場合は江野沢のおかげというか...って、私何言ってんのかしら!? あー恥ずかし恥ずかし! い、いい!? このことは、江野沢には絶対に言っちゃダメだからね!」
黒澤「もちろんですよ~!」
園原「口が裂けても言いませ~ん!」
町岡「絶対だからね! あいつ、すぐ調子乗るんだから! これ聞いたら絶ッッ対に「そんなこと思っててくれたんだ~晴子ちゃ~~ん!」とか言ってくるわ! あーやだやだ! ほんとやだ!」
町岡「あっ、私そろそろ戻らなきゃ。長々と話してごめんね!」
園原「いえいえ、こちらこそですよ!」
黒澤「色々お話ありがとうございました。」
町岡「トナカイのことでわからないことあったら、遠慮せずに聞きにきてね! あと、江野沢のやろうになんかされたら、すぐに言うのよ、園原ちゃん! 黒澤くんもね! 私がとっちめてあげるから!」
黒澤「はーい!」
園原「頼りにしてます、先輩!」
町岡「んじゃ、またね~! バイバイ~!」
黒澤「お疲れ様です!」
園原「お疲れ様です!」
園原「......黒澤さん。」
黒澤「なんだ?」
園原「町岡さんって、江野沢さんのことーーー」
黒澤「やめろ。それ以外は言うんじゃねぇ。」
園原(M)どうして、あのクソ野郎がモテるのか...私には理解ができません。
江野沢チームのオフィス内。
江野沢「ぶぇぇっっくしゅんっ!! おいおいおい...! 今、可愛い美女たちが俺の噂をしているようだなぁ...! かぁ~モテる男は辛いぜよ!」
野薔薇「ジェイニー、江野沢さんが寝言を言ってるわ。すぐに目覚めのキスで起こしてあげなさい。」
ジェイニー「今、紅を塗るノデお待ちクダサーイ!」
江野沢「やめんか、気持ち悪い!! あと、寝言じゃねぇわ!!」
ジェイニー・野薔薇[サンタクロース!]
江野沢[それ、俺のセリフゥゥゥ!!]
園原「どうして...どうして、あんな変態がモテるんですか...? 私、わからない...。」
黒澤「この世は、おかしい...! 何かが狂っている...! アレがモテる世界線に、誰かが作り替えたに違いない...!」
園原「この世界を正常に戻すには、その作り替えた人間を私たちで倒すしかない...!」
黒澤「こんなクソみたいな世界に作り替えるやつなんて、本人以外にゃありえない...!」
園原「倒そう...悪の根源を...!」
黒澤「俺たちの手で、世界を変えよう...!」
ナカイさん「おまえら、そんな江野沢がモテんのが嫌なんか?」
園原・黒澤「嫌です!!」
ナカイさん「はっきりゆうたんなよ。江野沢の僕が可哀想やで。」
マロン「トナナ...。」
園原「いやいや、だって! この超絶美少女の私がモテないのに、あんなクソ変態やろうがモテるって、納得できませんよ!」
黒澤「そうだそうだ! 俺、仕事もできてカッコいいのに、なんで女の子が一人も寄ってこないの!? なんで江野沢さんに寄っていくの!? おかしくね!? おかしいよなぁ!?」
園原「そうですよ! 江野沢さんと黒澤さん、やってることほぼ一緒で同じような生き物なのに、これだけ差が出るのは不公平だと私からみても思います!!」
黒澤「そうだそう...んんんん!? 俺、江野沢さんと一緒なの!? あんな変態クズと一緒なの!? それはなくない!?」
園原「そうですね、同じ行動してますけど江野沢さんのがモテるので、一緒ではないです。あなたは、江野沢劣化版ですよ。」
黒澤「やめろぉぉぉ! 俺の存在を消すんじゃなぁぁぁい!! 嫌だぁぁぁ! アレの劣化版は、マジで嫌だってぇぇぇぇ!!」
ナカイさん「お前ら、江野沢の僕ちゃんは一応上司やろ? ええんか、そないゆうて?」
ナカイさん「まぁでも、確かに二人がモテんのはおかしいかもなぁ~。小雪の嬢ちゃんは、とってもかわええしのぉ。ワシが若かったらすぐ落ちるで、ほんまに。」
園原「も、もぉ~! ナカイさんってば~!」
ナカイさん「黒柳のおっちゃんも、ぱっと見カッコええし、マロンへの対応見とったらだいぶええ奴やで、モテると思うんやけどなぁ。」
黒澤「ナカイさん、とっても嬉しいんですけども、私は黒澤 義則であります。黒柳でもおっちゃんでもないですってば。いい加減に覚えてください。」
ナカイさん「すまんすまん! なんか妙に言いやすくてのぉ~。次からは注意するわ。黒柳のおっちゃ...おにいさん。」
黒澤「だから黒澤ですってばぁぁぁ! 言い直すのそこじゃないですよ! 柳の部分ですよ!! いくら黒柳って言われても、俺はパン食ってどデカいリアクションはしませんからね!!」
園原「とかなんとか言って、やっちゃうのが黒澤さんですよね~! はい、カニパンあげます!」
黒澤「だから、やらないっての! パンはもらうけど! いただきます!」
園原「どんなリアクションするんですかねぇ~!?」
ナカイさん「楽しみやなぁ~!」
黒澤「...カニカニ。ほら、これで満足か?」
園原「つまんな!!」
ナカイさん「黒柳の旦那ァ、それはあきませんぜ~。ここは派手に行きましょや!」
黒澤「俺は黒柳じゃなくて黒澤ですからね! 残念ですけど、リアクションはしません! 俺、トイレ行ってくるわ。」
マロン「トナトナ!」
園原「やれやれ全く...黒澤さんってば、ほんと空気が読めない男なんだから。」
ナカイさん「ほんまやで。つまらん男やなぁ。」
マロン「トナッ...! トナトナナ...!」
園原「...ナカイさん、マロンちゃんはなんで言ってるんですか?」
ナカイさん「「やれやれ全く...! あなたたちは気づいていないのですね...うちの主人の素晴らしいリアクションを...!」やて。」
園原「素晴らしいリアクション? なんかしてました?」
ナカイさん「さぁ?」
男子トイレ、小便器前。黒澤が用を足すことなく、チョキの形から元に戻らなくなった両の手をじっと見つめている。
黒澤(な、なんということだ...! カニパンを食べたら、手がチョキから戻らなくなっちまった...! もしかして俺、パンリアクションの才能が...!? それとも、あのカニパンがすごいだけか...!? 一体、誰があのカニパンを作ったんだぁぁぁ...!?)
園原(M)しばらくの間、パンを食べることを自粛した黒澤さんであった。
江野沢チームのオフィス内。
柳「うぃ~す、お疲れ~。」
三人「......。」
柳「...あれ? どうした、お前ら?」
江野沢「いやいやいや、どうしたじゃないですよ柳さん!」
ジェイニー「どうシテ、流れヲ切るンですカ!?」
野薔薇「ここはボケるところでしょう!!」
柳「は?」
江野沢[サンタク...な、何をする、お前ら!? 離せぇぇ!!]
柳[サンタクロース!]
江野沢[あぁぁぁ!? 俺のサンタクロースゥゥゥ!!]
黒澤「ただいま。」
園原「おかえりなさい。遅かったですね。うんこですか?」
黒澤「お前、それでよく「どうして私がモテない!?」とか言えるよな。」
園原「はいぃぃ~? どういうことですか、それはぁぁ~?」
黒澤「トイレから帰ってきて、うんこですか?とか聞いてくる女は嫌だって話さ。」
園原「いやいやいや、何を言ってるのやら黒澤さんは...。隠し事なく全てをさらけ出すことこそ、今求められていることなのですよ。というか、うんこの一つ二つでネチネチと...男のくせに情けない。」
黒澤「園原、うんこ行ってきたら?」
園原「あ"ぁ"ぁ"!? 今、なんつった!? 私みたいな超絶美少女がうんこなんて汚ねぇもんするわけがないでしょうが! 私のお尻からでてくるのは、可愛い可愛いうずらの卵だ!! 覚えておけ!!」
黒澤「めちゃくちゃに隠してますよ、園原さん? うんこという汚いもんを、卵の殻に包んで隠してますよ? お前がモテない理由が、よーくわかったよ。マロン、こんな女にゃなっちゃダメだぞ。わかった?」
園原「失礼すぎるだろ、貴様!! 私も、黒澤さんがモテない理由が、よーーーくわかりましたよ!! ナカイさん、あんなやつみたいになったら絶対にダメですからね! わかりました!?」
ナカイさん「黒澤の坊ちゃんみたくなったら、全然モテんくなるやないか! 死んでもごめんやな! がはははは!」
黒澤「だから、俺は黒...んん!? 澤って言った!?柳って言った!? あれ!? どっち!? あれれ!?」
園原「あーやだやだ。人の話をしっかり聞かない人って。黒澤さん、モテないポイントがまた一つポロリしてますよ。大丈夫ですかぁ~?」
黒澤「んだと、てめぇ!? そういうとこをいちいち突っ込んでくる女、とっても嫌だわ! 俺以外の男も、そう思ってるぜ! あーなるほど、こういう性格だからフラれたんですねぇ~! なるほどなるほど、納得ですわ!」
園原「てめぇぇぇ! マロンちゃんの前だから我慢してやってんのに、いい気になりやがって!! この地下を出た後、覚えておけよ! わかってんだろうな!?」
黒澤「おーおーやれるもんならやってみろよ! マロン、俺は負けないからな! みててくれ!」
マロン「トナナッ!」
園原「可愛い可愛いトナカイの前でカッコつけちゃって...! マロンちゃんがいなくなった途端に「生意気な口利いてすんませんでしたぁぁぁ!」って土下座する姿が目に浮かびますわ~!」
黒澤「んなことしねぇわ! マロンの前でデタラメを言うんじゃない! やめろやめろ!」
ナカイさん「がはははは! 醜い争いしおってからに! お前さんら、そこまでして恋人がほしいんか?」
園原・黒澤「ほしいです!!」
ナカイさん「んなら、お前らが付きおーたらええやないか。ワシからみても、ええコンビやと思うけどなぁ。」
園原・黒澤「......はい?」
園原「私と、黒澤さんが...付き合う?」
黒澤「俺と、園原が...付き合う?」
二人は、ふと互いの顔を見つめ合う。頭に浮かび上がる「もしも彼(彼女)とお付き合いをしたら...」というifのストーリー。
園原「うふふ~! 黒澤さぁ~ん!」
園原「わぁ~! すごく綺麗な景色~! すごーい!」
園原「よ、義則...♡」
園原「おかえりなさい! ご飯にする?お風呂にする?それとも...わ・た・し? なんちゃって♡」
黒澤「うふふ~! AV~!」
黒澤「わぁ~! すごく綺麗なAV~! すごーい!」
黒澤「え、AV...♡」
黒澤「おかえり! AVにする?AVにする?それとも...え・え・ぶ・い? えぇぶいぶい♡」
ナカイさん「おい、どないした? 二人とも?」
マロン「トナナ? トナトナ?」
園原「い、い、い...いやぁぁぁぁぁぁ!?!? キモいキモいキモいキモいぃぃぃぃぃ!!」
黒澤「と、鳥肌が止まんねぇ!! あと、猛烈に痒い!! 痒い痒い痒い痒いぃぃぃぃ!! いやぁぁぁぁぁ!?!?」
ナカイさん「こういうとこ含めて、えぇコンビやと思うんやけどなぁ?」
江野沢チームのオフィス内。
柳「そういや、園原と黒澤は?」
江野沢「あいつらは、地下でトナカイの世話してますよ。」
柳「そっか。あいつら、いつも一緒にいない? 仲良いよな。」
江野沢「ですよね~! なんだかんだ、一緒ですよね~!」
ジェイニー「仲良しサンですヨネ~!」
野薔薇「もぉ~柳さんってば~! 変な冗談言うのはやめてください~!」
柳「どうする、お前ら? あの二人が付き合いだしたーーー」
野薔薇「黒澤さんを殺します。」
江野沢「黒澤を山に埋めます。」
ジェイニー「海に沈めて、黒澤を魚の餌やわ。そんなん。」
柳「マジかよ、お前ら?」
江野沢「黒澤が俺よりも先にリア充になるなんて、許せるわけねぇだろぉぉぉ~!」
ジェイニー「右に同ジくデース! ハッハッハッハッ!」
野薔薇「あんなゴミクズ野郎に、小雪ちゃんを任せられるはずがありません。それに、あのゴミと小雪ちゃんがセックスをなんて...考えただけで...い、いやぁぁぁぁ!! でも、小雪ちゃんが無理やりヤられるのは、それはそれで興奮する気が...でも、嫌ァァァァァ!!」
柳「自分のことばっかりだと、いつまでも独り身だぞ、お前ら。」
園原・黒澤(M)サンタクロース!
江野沢(M)お前ら、ここでサンタクロースはズルくね!? 卑怯だぞ!! 俺にも言わせろ、サンタクロースゥゥゥゥゥゥ!!
応援ありがとうございます!
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