「声劇台本置き場」

きとまるまる

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四人台本↓

「放課後!バガールズっ!」1話(比率:女4)

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・登場人物


 朝明 志乃あさあけ しの:♀高校生。「ぴぃ!?」と驚く以外は、ザ・普通。主にツッコミ。

 戸橋 茜とばし あかね:♀高校生。よく言えば、元気で明るい。悪く言えば、うるさい。

 鳳 飛鳥おおとり あすか:♀高校生。クールな女だが、真顔でアホなことするタイプ。

 星々 夜空ほしぼし よぞら:♀高校生。笑顔でとんでもないこと言うタイプ。


・役表
朝明:♀
戸橋:♀
鳳:♀
星々、ボール:♀


※度々出てくる[放バガ!]は、場面転換の合図だと思ってください。


※こちらの台本は「続きがある台本たち」に続きがございます。もしよろしければ、そちらもご覧くださると嬉しいです。



ーーーーー



 とある高校。お昼休みとなり、仲良し四人組の朝明、戸橋、鳳、星々は机をくっつけお昼を食べている。


戸橋「有名になりたい。」

朝明「...え? どうしたの、急に?」

戸橋「有名になりたいんです。」

朝明「あ、う、うん...。」

星々「......。」

鳳「......。」

戸橋「私、有名になりたいんです。」

朝明「そ、そうなんだ~! へぇ~!」

星々「......。」

鳳「......。」

戸橋「私! 有名になりたいんですよ!」

朝明「へぇ~! そ、そうなんだ~! あ、飛鳥ちゃん、夜空ちゃん! 茜ちゃん、有名になりたいそうですよ!」

星々「へぇ~すご~い。」

鳳「で?」

戸橋「おい、そこ! なに、その反応!? なに、その温度差!? そんな興味ねぇか、私の話にゃ!?」

星々「え~? そんなことないよ~。ねぇ~?」

鳳「うんうん。すっごく興味ある。だから、もう一回もっかい言って。」

戸橋「だから! 私! 有名に! なりたいの!」

鳳「の...ノミ。」

星々「ミジンコ!」

朝明「え!? え、えっと...コ、コアラ!」

鳳「はい、ラ。」

戸橋「じゃねぇよ! なんで勝手にしりとり始めてんだ!? 今の流れで、どうしてしりとりが始まるんだよ!? 強引にねじ込みすぎでしょ! 私の語尾を好き勝手に強奪するな! あと、志乃も無理に付き合わなくてもいい!」

朝明「ぴぃ!? ご、ごめんなさい!」

星々「そうだよ、志乃ちゃ~ん。興味ないことを、無理に付き合う必要はないんだよ~?」

鳳「そうだぞ、志乃。時には、はっきり言ってやることも大事なんだよ?」

戸橋「やめんか、お前ら! 可愛い純粋娘の志乃をそちら側に引きずるな! ってか、志乃は無理に付き合ってないから! 興味ありありだから! ねぇ!?」

朝明「そ、そ、その通りです!」

星々「って言わないと、茜ちゃんうるさくなるからなぁ...。なんで私、いつも損な役回りなんだろ...? とほほ...。」

鳳「朝明 志乃の心は、そう呟いていた。」

朝明「ぴぃ!? そ、そんなことは決してありません! ありませんからね、茜ちゃん!!」

戸橋「そこまで強く言われると、なんか悲しくなるからやめて。」

朝明「ど、どうしてぇ!?」

星々「ってか、ほんと急にどうしたの~?」

鳳「有名になって、どうすんの?」

戸橋「沢山の人に、チヤホヤされたい。」

朝明(動機が不純すぎる...。)

戸橋「ほら、今の世の中、動画一つで簡単に有名になれるじゃん? 私たちと歳変わらない女子高生たちが、バズりにバズって有名になってチヤホヤされてる時代じゃん? 流れに乗りたくない? チヤホヤされたくない?」

星々「ん~~まぁ、何もないよりかは、チヤホヤされたいかなぁ~? 気分も上がるしねぇ~。」

朝明「でも、人気者というか有名になるのは、簡単じゃないと思うんだけど...。」

星々「そうだよ~。動画一本で有名人になれたら、そこらへんの石でも有名人だよ~。」

朝明「あ、いや、石は自分で動画撮れないから、有名にはなれないよ...。」

星々「あ、そっか。ごめんごめん~。石だから、有名人じゃなくて有名石だね~。」

朝明「そういうことじゃないよ!」

戸橋「まぁでも、その通りだよねぇ。めちゃくちゃに面白い動画でもないと、誰も見てくれないもんねぇ。でも、私は諦めませんよ! やると決めたら、最後までやり通す女ですから! ね!」

朝明「あれ? もしかして、私たちもやる流れなの...?」

星々「あかねんは、ほんといつも唐突だよね~。」

鳳「振り回される、こっちの身にもなれっての。」

星々「あっ、でも、一つだけ簡単に有名になれる方法があるよ~。」

戸橋「え、マジで!?」

星々「うん~。犯罪に手を染めればーーー」

朝明「何とんでもないこと言ってるの、夜空ちゃん!?!?」

鳳「でも、それだと私ら未成年だから、名前でないよ?」

朝明「そういうことじゃないよ!!」

戸橋「そうだぞ、お前ら! 何とんでもないこと言ってんじゃい!! そういうのは、言わずもがな、無しに決まってんでしょうが!! とにかく、私は動画を撮り、有名になり、全国民からチヤホヤされます! ってことで、いつものように放課後、やるぞぉぉぉ!!」

朝明(あぁ...今日も遅くまで付き合わされる...。)

星々「頑張ってねぇ~。」

鳳「いってら~。」

戸橋「あんたらもだよ!! 四人で有名に、なるぞ~~!!」



四人「「放課後!バガールズっ!」」



 放課後となり、校庭に集合した四人。


戸橋「ってなわけで! 放課後となりましたので、動画撮影したいと思いまーす!!」

朝明「わ、わ~い、楽しみだなぁ~...!」

星々「どれだけ早く巻けるか、楽しみだなぁ~!」

鳳「帰りたい。」

戸橋「動画撮る前に、志乃以外は土下座しろ。早く。」

星々「あかねん、志乃ちゃんだけ仲間はずれは可哀想だよ~。」

鳳「そうだぞ。一人だけ省いてやるな。可哀想だろ。」

朝明(一緒に土下座させる方が、可哀想だと思います!!)

鳳「ってかさ、動画撮るってなにすんの?」

戸橋「内容は、私が決めてるから心配すんな!」

朝明(茜ちゃんが考えたのか...とても不安だ...。)

鳳「茜が決めたやつかよ。不安しかないわ。」

朝明「飛鳥ちゃん、出てる出てる。心にしまって。」

星々「飛鳥ちゃん、そういうこと言うと、あかねんが突っ込んできて撮影時間が長くなっちゃうよ~。だから、そういうことは思っても口にしない方がいいよ~。」

朝明「そこまで言わなくていいんだよ、夜空ちゃん!!」

戸橋「撮影を始める前に、スマホで撮影する撮影係を決めたいんだけども...どうしよっか?」

朝明「あっ、決まってないなら私撮るよ。」

戸橋「ほんとに!? ありがと、志乃!!って、言いたいところだけど...志乃にはいつもいつもこんなこと任せてばかりだから、心が痛いわ...。」

朝明「え? き、気にしなくてもいいよ、そんなこと! 私、やりたくてやってるから!」

戸橋「そうやって自分に言い聞かせて、出たい気持ちを押し殺してるんだろ...? 私、わかってるよ...わかってるからさ...!」

朝明「思ってないから! そんなこと、一ミリも思ってないから!!」

星々「そうだよ、志乃ちゃん。「自分は周りと比べて特徴なんて何にもない、地味な女だから...動画に撮ってもなんの面白味もないし、写り映えしないし...私なんて邪魔なだけ...。」とか、思わなくてもいいんだよ!」

朝明「思ってませんよ、そんなこと! いや、地味とか特徴ないとは思ってるけど!!」

鳳「志乃! 私は、あんたを地味とか特徴ないとか思ってないからな! 志乃は、可愛くて優しくて、私たちをいつもいつもサポートしてくれる、とっても良い子だ! だから、自分を下げる発言はやめろ! あんたは、あんたが思ってる以上の子なんだよ!」

戸橋「そうだよ、志乃! 志乃は、すごく優しくて可愛い子なんだ! 邪魔なんて思わない! むしろ、志乃にはいてほしい!」

星々「志乃ちゃんがいないなんて、私たち考えられないよ! このグループは、志乃ちゃんがいるからこそなんだよ!」

鳳「そうだよ、志乃! だから、私なんてとか思わなくていい! 後ろに下がらなくてもいい! 堂々と、前に出ていいんだよ!」

戸橋「自分の気持ちを抑え込むな! 何があっても、私たちが支えてあげるから! だから、強く一歩を踏み出すんだ!」

星々「さぁ、志乃ちゃん! 本当の自分を解放して! カメラの前に、さぁ!!」

朝明「お願いですから、何も言わずに撮影係にしてくださいぃぃぃぃ!! 土下座でもなんでもしますから、お願いしますぅぅぅぅ!!」


戸橋(M)本人の強い要望により、朝明 志乃が撮影係になりました。



朝明[放バガ!]



戸橋「撮影係も無事決まったところで...早速、撮影を始めまーす!」

星々「は~い。」

鳳「なにすんの?」

戸橋「なにって、まずはオープニングでしょうに! 元気よく自己紹介! わかった!?」

鳳「へいへい。」

星々「一発OK出すからね~!」

戸橋「志乃、準備できた!?」

朝明「う、うん! いつでもいけるよ!」

戸橋「んじゃ、合図だして! よろしく!」

朝明「わ、わかった! そ、それじゃ、いくよ~! 3.2.1...!」

戸橋「やっほーー! 動画を見ている皆さん、こんにちわーー!! 私、戸橋 茜でーーすっ! よろしくーー!」

星々「星々 夜空で~す! 星と夜空で、すごく覚えやすい名前だから、ぜひ覚えてね~!」

鳳「鳳 飛鳥でーす。頑張りまーす。よろしくー。」

戸橋「はい、カァァァットッ!! 止めろ止めろ、カメラを止めろぉぉぉ!!」

星々「どうしたの、あかねん?」

鳳「なんで止めんの?」

戸橋「お前だよ、お前!! 鳳 飛鳥!! 何やってんだ、お前は!?」

鳳「自己紹介。あんたがやれって言ったんだろ。」

戸橋「そういうこと聞いてんじゃねぇよ! テンション、ひっく! なに、あれ!? 低すぎて引くわ!! あんなやる気のない顔でやる気のない声で、視聴者が満足すると思うのか!? 不安になるだろうが! 「あれ? 女子高生の中に、一人だけ仕事終わりの疲れたサラリーマンいない?」ってなるでしょうが!!」

朝明「流石に、そうはならないかと...。」

戸橋「元気を出さんかい、元気を!! この動画を見に来る人たちは、元気で可愛い女子高生の私たちを見に来るんだよ! もっと、女子高生らしく! 可愛く! 元気に! わかったか!?」

鳳「はいはい、わかったわかった。やりゃいいんだろ、やりゃ。」

戸橋「お前がキチッとやるまで、撮影は終わらんないからな! よし、テイク2!!」

朝明「は、はい! い、いきまーす! 3.2.1...!」

戸橋「やっほーー! 動画を見ている皆さん、こんにちわーー!! 私、戸橋 茜でーーすっ! よろしくーー!」

星々「星々 夜空で~す! 星と夜空で、すごく覚えやすい名前だから、ぜひ覚えてね~!」

鳳「きゃぴきゃぴ☆ みんな、こんにちわ~☆ 元気で可愛い鳳 飛鳥だぞ~☆ 今日も元気に、頑張るぴょい☆」

戸橋「カァァァァァット!!」

鳳「おい、なんで止めんだよ? お前の言う通りにしたじゃねぇか。」

戸橋「待って待って待って! 今の、なに!? なんなの!? え!? なに!? なにがあった!? あの一瞬で、頭に隕石ぶつかった!? なにがどうなって、あぁなった!?」

鳳「どっからどう見ても、元気で可愛い女子高生だっただろうが。どこに文句があんだよ?」

戸橋「文句しかありませんけど!? というか、あんたの元気で可愛い女子高生のイメージに疑問しか湧かないんだけど!? あんたには、私たちがあんな風に見えてるの!? 私たち、あんな感じなの!?」

鳳「ぴょい。」

戸橋「よく真顔で「ぴょい」って言えるな!? さすがの私も、恥ずかしくて言えないわ! あんなきゃぴきゃぴできないわ! 拍手もんだよ、スタンディングオベーションだよ! あれをやりきったあんたに拍手するわ! あんた、凄いよ、マジで!!」

星々「お、お腹痛い...! 笑いすぎて、お腹痛い...! お、面白すぎる...! あ、あははは...!!」

朝明「よ、夜空ちゃん、笑いすぎだよ...。飛鳥ちゃんは、真剣だったんだからさ...笑ってあげないで...。」

鳳「そうだよ、夜空。さすがに笑いすぎでしょ。そんなに笑われたら、私さ...笑いのセンスあると勘違いしちゃうじゃん...! 照れるぜ...!」

朝明「なんでそうなるの!? 精神力強すぎない!?」

戸橋「というか、どうしてそんな誇らしげな顔ができる!? 動画、見て! お願いだから、見てみて! ほら!!」


朝明(M)動画を見返した飛鳥ちゃんだったが...「可愛くできてるじゃん。」と、鋼のメンタルをこれでもかと見せつけてきて、なんか私たちが恥ずかしくなってきました。



鳳[放バガ!]



戸橋「はい、オープニング撮り終わりましたので、次に行くぞー!」

星々「おぉ~!」

鳳「私、いつもの感じだったんだけど、あれでいいの? 元気に可愛くやれって言ってたのに、あれでいいの?」

朝明「いいんですいいんです。飛鳥ちゃんは、いつもの、素の飛鳥ちゃんがいいんです。」

鳳「そう?」

星々「お、思い出させないで...! あ、あれは、もう...! あ、あははは...!」

朝明「わ、笑いすぎだってば、夜空ちゃん!」

戸橋「飛鳥も、誇らしげな顔すんな! バカにされてることにいい加減に気づけ!!」

朝明「ところで茜ちゃん、この後は何する予定なの?」

戸橋「今日は、この後キャッチボールする予定だ!」

星々「キャッチボール?」

鳳「なんで?」

戸橋「私たちの動画テーマは「女子高生が〇〇をやる!」だ! 私たち、女子高生が普段やらなさそうなことをやって、私たちの新しい一面を見せるんですよ!」

朝明「な、なるほど...!」

星々「キャッチボールなんて、普段やらないもんね~。」

鳳「ボールありゃすぐできるし、準備も楽だしね。」

戸橋「普段やらないから、投げ方とかも全然わかんないだろうからな! それはそれで、面白いもんが撮れそうだし!」

朝明「私、たぶんとんでもない投げ方すると思う...。」

星々「私も~。」

戸橋「あと、もちろんのことだが...罰ゲームもあるぞ! 今回は、一番投げ方が下手っぴだったやつが罰ゲームだ!」

朝明「えぇぇぇ!? 罰ゲーム!?」

鳳「まぁ、そういうのあった方が、やる側も見る側も楽しめそうだよな。」

戸橋「そゆこと! やる側は真剣にやらなきゃだし、見る側は最後まで見逃せなくなるし、一石二鳥ってわけ!」

星々「それで、罰ゲームはどうするの~?」

戸橋「それも、もう考えてあるぞ! 今回の罰ゲームは...パンツを見せる!」

朝明「パ、パパパパパパパンツゥゥゥゥ!? な、何考えてんの、茜ちゃん!? 本気じゃないよね!? 冗談だよね!?」

戸橋「本気本気。有名になるなら、これくらいのことはやらなきゃだぜ?」

朝明「パンツなんて見せたら、一瞬で有名人だよ! 違う意味で有名人だよ! 私ら仲良く炎上だよぉぉ! 燃えて燃えて燃えまくりの大大大炎上コースだよぉぉ! センシティブ動画! センシティブ動画です!! 二人もなんとか言ってよ! この人を止めてください!」

鳳「茜、私は無地の白パンだから、なんの面白味もないぞ?」

朝明「なんの心配してるの!? 撮れ高の心配は、しなくていいんだよ! 私たちの未来の心配をしてください!! ってか、女子高生のパンツならば、無地でも水玉でも撮れ高十分だよ!!」

星々「私、今日とんでもなくエッチな下着だから、見せたらとんでもないことになると思うよ? 画面の前の人たちが。」

朝明「だから、そういうことを心配...って、何言ってんの、夜空ちゃん!?」

鳳「マジ? どんなの? どれどれ、見せて。」

星々「きゃ♡ 飛鳥ちゃんのエッチ♡」

戸橋「おぉ...めちゃくちゃ攻めてんな...。」

朝明「ぴゃぁぁぁぁぁ!? 何してんの何してんの何してんのぉぉぉぉ!!」

鳳「んで、志乃は今日どんなパンツなの?」

朝明「言うわけないでしょうに! 絶対に言わないからね! 言わないから!」

鳳「あははは、志乃は恥ずかしがり屋さんだな~。そういうところ、可愛い。」

戸橋「ねぇ~。」

朝明「なんでみんな、そんな堂々としてるの!? ねぇ、なんで!? 私がおかしいの!? そんなことないよね!?」


 星々は、朝明のスカートをめくる。


星々「そ~れっ! 風じゃ風じゃ~!」

朝明「ぴゃぁぁぁぁぁ!?!?」

鳳「ふむ、なるほど。」

戸橋「志乃さんのパンツはーーー」

朝明「何も言わないでぇぇぇぇ!!」

鳳「で、茜は? なにパンなの?」

戸橋「私は、言いませんよ。勝負下着ですので! 見たきゃ、私に勝ったからにしな!」

鳳「なるほど。面白い...やってやろうじゃんか。」

戸橋「ようやくやる気を出してくれましたか、飛鳥さんよぉ...! 勝負下着を履いてきた甲斐があるってもんよ...!」


朝明(M)私は、ふと思った...このために勝負下着を履いてきた...つまり、彼女は朝っぱらから、こんなアホみたいなことを考えていたのか...?と。

星々(M)気づいてはいけないことに気づいてしまった志乃ちゃんであった。



戸橋[放バガ!]



 星々は借りてきたグローブを手にはめ、楽しそうにグローブを広げたり閉じたりを繰り返している。


星々「わぁ~見てみて~! 手が、おっきくなっちゃった~!」

戸橋「グローブとボールは、野球部からの借りもんだから、大事に扱えよ~!」

星々「は~い! ではでは...星々 夜空ちゃん、第一投目...いきまーすっ! そ~れっ!」

戸橋「おっ! いいねいいね、ナイスボール!」

星々「やった~! 投げる時、優しくね~!」

戸橋「わかってるって! いくぞー! それっ!」

星々「ん~~~しょっと! わ~い、捕れた~! もういっちょ、いくよ~! それ~!」

朝明「よ、夜空ちゃん、投げ方凄いね...。」

鳳「な。二球続けてアウトコースいっぱいに...コントロールいいな。」

朝明(注目してるポイント、全然違った...。)

星々「最後は~思いっきり行くよ~! そ~~れっ!!」

戸橋「ちょっ、バカ! どこ投げてんだ!」

星々「ありゃりゃ、ごめ~ん!」

朝明「すごく右へと逸れてったね...。」

鳳「でもまぁ、撮れ高的には十分じゃね? ヘンテコ投げ方も、なんだかんだ可愛いし。」

朝明「夜空ちゃんの可愛らしさが、すごく出てたね!」

星々「ごめんね~あかねん、すごく走らせちゃって。」

戸橋「いいっていいって、こんくらい! ってか、いい感じじゃね!? 動画、確認しようぜ!」

星々「うん~!」

戸橋「志乃、スマホ見して!」

星々「見せて~!」

朝明「あ、うん...どうぞ...。」

星々「いい感じに撮れてるかな~?」

戸橋「楽しみだなぁ~!」



星々「星々 夜空ちゃん、第一投目...いきまーすっ! そ~れっ!」


 星々がボールを投げるとほぼ同時に、画面が地面をスッと映し出す。


星々「...あれ?」


星々「もういっちょ、いくよ~! それ~!」


 またも、画面はスッと地面を映し出す。


星々「あれれ? 私の投げるところだけ、映ってないんだけど~!」

戸橋「ちょっ、志乃! カメラ、下向いちゃってるじゃん! なにしてんの!? せっかくいい感じだったのに!」

朝明「だ、だって...。」

鳳「なんで地面に向けてんの? あっ、もしかしてモグラがいたの?」

戸橋「どうしてお前は、平気な顔でそんなアホみたいなこと言えるの?」

星々「酷いよ、志乃ちゃ~ん! 私、一生懸命投げたのに、どうして映してくれないの~?」

朝明「だって...だって...! 夜空ちゃんが投げるたびに、スカートからとんでもない下着がチラチラとこんにちわしてるんだもんっ! 撮れるわけないよ!!」


戸橋(M)画面の前の諸君たちよりも先に、志乃がノックアウトされてました。



星々[放バガ!]



戸橋「よ~し、次は飛鳥! やるぞ~!」

鳳「へいへい。」

朝明「飛鳥ちゃん、すごく様になってるね...!」

星々「すごくカッコいいよね~!」

鳳「先に言っとくけど、私は夜空みたいにヘンテコフォームじゃないからな。普通に投げられるから、なんの面白味もないからな。」

戸橋「それはそれでいいんだよ! わかってねぇな!」

朝明「飛鳥ちゃん、絶対にカッコいいって人気になるよね!」

星々「ね~! スポーツできる女子って、かっこいいよね~!」

鳳「んじゃ、いくぞ~。」

戸橋「よっしゃ、こーい!」

鳳「せ~のっと!!」

ボール「バビューーンッ!!」

朝明(球、速っ!?)


 鳳の投げたボールは、戸橋の腹に直撃する。


戸橋「ラピュタッ!?」

朝明「茜ちゃぁぁぁぁん!?!? だ、大丈夫!? しっかりして!!」

戸橋「い、痛い...痛すぎる...!」

鳳「おい茜、なんで腹でボール捕ってんだよ? グローブの意味。」

朝明「これは、故意にやったことではありませんよ!? 事故です、事故!! というか、飛鳥ちゃんも! わざとではないだろうけど、一応謝罪しましょうね!? ね!?」

星々「え? わざとじゃないの? てっきり、撮れ高狙いでやったんだと思ってた。」

朝明「そんなわけないでしょ! あんな速い球に自ら当たりにいくほど、茜ちゃんはバカじゃないよ!! ね、茜ちゃん!」

戸橋「も、もちのろん...!」

朝明「ってか、飛鳥ちゃん球速すぎない!? 速すぎるよ! さすがにあれは、もうちょっと手を抜いてあげないとだよ! 初見で捕れる速さじゃないよ!!」

鳳「速いって...そんな面と向かって言われると...! あ、ありがと...嬉しい...!」

朝明「今のは褒めてる速いじゃないから! 褒め言葉として受け取らないで! 嬉しがらないで!」

星々「ボールも速いし、投げ方もかっこいいし、飛鳥ちゃんめちゃくちゃカッコよかったよ~!」

鳳「そ、そう...? そんな言われると、ちょっと照れるわ...! 志乃、ちゃんと撮れてたか!? 私、見ていいか!?」

朝明「動画見る前に、茜ちゃんを見て! 少しは心配してあげて!」

戸橋「お前、後で絶対に仕返ししてやるからな...!」



鳳[放バガ!]



戸橋「んじゃ、最後は私な!」

星々「私が、ボール受けるよ~! 優しくね~!」

戸橋「わかってるわかってる。と、その前に...飛鳥。」

鳳「なに?」

戸橋「三つ続けて同じことやってもつまんないだろうからさ、バッターボックスに立って。立つだけでいいから。」

鳳「それもそうだな。雰囲気作りのために、バット借りてくるわ。」

戸橋「おうよ~。」

朝明(絶対にぶつけるよ...ぶつける気でいるよ、茜ちゃん...。い、いや、流石にそんなことしないよね...? うん...。)

戸橋(けっけっけっ...! 馬鹿正直な女だぜ...! 私が何もせずに終わると思ってんのかぁ...? さっきの仕返し、全力でやってやんよ...! バッターボックスに立ったその時が、お前の最後だ...!!)

朝明(あぁぁ...とんでもない顔してるよ、茜ちゃん...。100%ぶつけるよ、これは...。)

鳳「借りてきたぞ~。」

戸橋「おう! 志乃、ちゃんと撮っとけよ~!」

朝明「あ、は、はい...。」

戸橋「んじゃ、いくぞ~!」

鳳「おっしゃ、こーい!」

星々「優しくね~。」

戸橋「カメラに無様な姿を晒しやがれ、クソ野郎がぁぁぁぁぁ!!」

朝明「思っ切り当てに行ったぁぁぁぁ!!」

鳳「よっと。」

朝明「打ち返したぁぁぁぁ!?」


 打ち返した球は、戸橋の腹に勢いよくぶつかる。


戸橋「パズゥゥゥ!?」

朝明「強烈なピッチャー返しぃぃぃ!!」

戸橋「ひ、酷い...酷すぎ...る...!」

朝明「茜ちゃぁぁぁん! しっかりしてぇぇぇ!!」

星々「茜ちゃん、大丈夫~?って言いたいところだけど、これも全て元を辿れば茜ちゃんの自業自得だから、特に心配の気持ちはわいてこないけど、優しい私を周りにアピールしておきたいから一応言っておくね? 大丈夫~?」

朝明「大丈夫の裏側が、とんでもなく真っ黒だよ!? 茜ちゃんよりも、夜空ちゃんの心の中を心配しちゃうレベルだよ!!」

鳳「よっしゃ! ランニングホームラン!」

朝明「飛鳥ちゃんは、謝りもせずに何してんの!? もしかして、走ってた!? ベースランニングしてたの!? 当てたのに!? 謝罪もなしに!? あなたもあなたで心配だよ!?」

鳳「茜、私の勝ちだからパンツ見せろ。」

朝明「この状況で、かける言葉がそれなの!?」

戸橋「ま、待って...! パンツどうこうの前に...出る...! 腹からなんか、出る...!」

朝明「えぇぇぇ!? あ、茜ちゃん、もしかしてだけど...!?」

戸橋「ゲ、ゲェェってしちゃいそう...! ゲェしそう...!」

朝明「ダメダメダメダメ! ここでゲェしちゃダメ! あそこ! 水道のとこまで、頑張って耐えて! 頑張ろう! ね!」

星々「ゲェって...もしかして、ゲボ吐きそうなの?」

朝明「せっかく濁したのに、なんで堂々と言っちゃうの!? 茜ちゃんの頑張りを無駄にしてあげないで!」

鳳「茜、ゲェしても大丈夫だぞ。私、ゲェをキラキラ加工に編集できる技術あるから。」

朝明「すごく無駄な技術を持ってるんだね、飛鳥ちゃん!! というか、今撮ってないから! そんなことしなくていいから!」

星々「大丈夫だよ~! 今、志乃ちゃんの代わりに私が撮ってるから~!」

朝明「何しているんですか、あなたは!? やめてやめて、撮ってあげないで! こんなところ、撮ってあげないで!」

戸橋「うぅ...うっぷ...!? う、うぅぅぅ...!?」

朝明「あぁぁぁぁ!? ダメダメダメダメ! 茜ちゃん! いくよ、急いでいこう! あと少し、ほんの少しでいいから耐えて! 頑張って茜ちゃん! 茜ちゃぁぁぁぁぁん!!」


鳳(M)当然のことながら、今回の動画はお蔵入りとなりました。

星々(M)次は、色々としっかりちゃんと計画を立ててから撮影するので、皆さんお楽しみに~!

戸橋(M)二度とやってたまるか、こんちくしょうがぁぁぁぁぁ!!





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