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24話「ギャップ萌えってやつですね③」
しおりを挟む東咲高校、第一体育館。中では、バドミントン部と女子バスケ部がコートを半面ずつ使用し、各自汗を流しながら部活動に励んでいる。
新沼はタオルを首にかけ、額の汗を拭いながら「甘々ッ!フルーツ牛乳」と書かれたラベルを巻いたペットボトルに口をつける。
張間「たのもぉぉ!!」
新沼「ん? 彩香ちゃん? 間宮先輩に部長さんも。どうしたんですか?」
関「新沼くん、君に勝負を挑みにきたんですよ。」
新沼「勝負? 私とですか?」
張間「果たし状じゃ、うけとれぇぇい!!」
張間は「はたし状!!」と雑に書かれた封筒を、新沼の目の前に思い切り叩きつける。新沼は不思議そうな顔をしたまま、果たし状の封を開ける。
新沼「えっと...「私たちと勝負しろ。」それはさっき聞きましたよ?」
間宮「果たし状の内容が薄すぎるだろ! もっと色々と書けよ!!」
新沼「ワンちゃん、どういうことか説明して。」
狗山「いや、張間と関先輩がーーー」
張間「う~~わちゃん♡」
狗山「うぅ...。」
関「う~~わ~~くん♡」
狗山は頬を赤らめ、顔を俯かせる。
狗山「あ、彩香と...幸先輩が...。」
張間「あ~~可愛い~~~!!」
関「恥ずかしがりながらってところが、またポイント高いですよ~~!」
狗山「う、うるさいっすよ! 名前で呼ぶのなんて慣れてないんす!!」
新沼「はぁ...間宮先輩、説明してもらってもいいですか?」
間宮「えっと...今から勝負して、新沼さんが負けたら狗山さんのこと名前で呼んであげてほしいんだ。」
新沼「なぜそのような話になったのかわかりませんが...その勝負、私になにかメリットがあるんですか?」
関「メリットならあるさ。もし新沼くんが勝ったら、羽和くんと傑くんを一日奴隷のように扱っていい権利を君にあげよう。」
間宮・狗山「おい、待てぇぇぇ!!」
新沼「勝負の内容は?」
間宮・狗山「あっさり承諾するなぁぁぁ!!」
狗山「幸先輩、なに勝手なこと言ってんすか!?」
間宮「僕らの人権は無視ですか!? 反対運動起こしますよ!?」
張間「まぁまぁ、これくらいしないと咲ちゃん勝負受けてくれないでしょ?」
間宮「もっと別のことでもいいだろうが! 一日奴隷のように扱ってもいいってなによ!?」
狗山「あいつ、バドミントン界では「処刑人」って呼ばれてるんすよ!? なにされるかわかったもんじゃーーー」
新沼「ワンちゃ~ん、余計なこと言わないの。」
狗山「あだだだだ!? ちぎれるちぎれるっすぅぅぅ!! ほっぺがちぎれぇぇぇあだだだだ!?!?」
新沼「全く、ワンちゃんってば...。それで、何で勝負するんですか?」
張間「それはもちろん、バドミントンだよ!」
狗山「ちょっ、待つっす! あんたら知らないんすか!? あぁ見えて、新沼は全国レベルっすよ!? バドミントンで勝負して勝てるわけーーー」
関「羽和くん、安心してください。勝算があるから言っているに決まってるじゃないですか。私たちを信じなさい。」
狗山「信じろって言われても...俺は、まだ新沼に一度も勝ったことないんすよ...?」
関「心配しないでください。戦うのは、君じゃない。」
狗山「...へ?」
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