なんでも探偵部!

きとまるまる

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41話「どすこいっ!紙相撲!〜合宿編〜⑤」

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花ノ山「ぐっ...そうでごわす...! おいどんは、ビックスモールの力強いデスクタップに憧れて、この世界に来たでごわす! おいどんのヒーローは、あなたではない...! ビックスモールでごわすぅぅぅ!!」


 花ノ山は、さらに机を力強く叩く。主人のデスクタップに応えるように、五山海森は力強く菊梅子XXへと突進を繰り返す。


関「龍星群!?」

張間「この前より力強い!!」

菊「ふぉふぉふぉ...! 力強くていい必殺技だよ...。でもね、川角ちゃん...力だけでは、勝ち上がっていけないよ。あんたは、ビックスモールから何を学んだんだい?」


 菊は、トンっと軽く机を叩く。


花ノ山「なっ!?」


 五山海森は突然バランスを崩し、無様にコテンッと横に倒れていく。


花ノ山「ご、五山海森ぃぃぃぃ!!」

津々浦「しょ、勝者! レジェンド菊!」

関「ばかな!? あの五山海森を、1ワンタップで!?」

菊「五山海森は、あんたの力強いデスクタップに負けない強い子だね。強い衝撃の耐性はなかなかのもの...でも、弱い衝撃には慣れてないみたいだねぇ。」

張間「ま、まさか...!? 力強いタップで高く跳ね上がっている五山海森が着地する瞬間に...!」

関「弱い衝撃のタップを入れたのか...!?」

花ノ山「こ、これが、レジェンド菊の神の手ゴッドハンド...つ、強すぎるでごわす...。」

五山海森「ご、ごめんね...川角くん...。僕が、弱いばっかりに...。」

花ノ山「ご、五山海森! 違うでごわす! お前は強いでごわす...! 弱いのは...よ、弱いのは...!」


 花ノ山は、土俵で倒れ込んでいる五山海森を、優しく手のひらに乗せる。
ジッと五山海森を見つめる花ノ山ーーー瞳は潤み、熱い涙が頬を伝う。


花ノ山「おいどんの...心でごわす...。」

五山海森「ううん、僕にはわかるよ...。君は強いよ...。」

花ノ山「な、なにを根拠に言ってるでごわすか!?」

五山海森「わかるよ、僕にはわかるよ...。だって僕たちは...なにをするにも一緒じゃないか...。おはようからおやすみまで...ずっとずっと...。」

花ノ山「ご、五山海森...!」


 花ノ山の脳内に、五山海森との思い出が駆け巡る。


花ノ山(うみもりぃ~! 五山海森~~! 聞いてくれでごわす! おいどんのデスクタップを!)

花ノ山(おはようでごわす! 五山海森!!)


花ノ山「ご、五山...。」


花ノ山(んん~! おはようでごわす! 五山うみ...あぁぁぁぁぁ!? 五山海森ぃぃぃぃ!? いつのまに、おいどんの頭の下にぃぃぃぃ!? し、しっかりするでごわすぅぅ!!)


 両手に優しく乗せられている五山海森に、ぼたぼたと熱い雫がこぼれ落ちていく。


花ノ山(五山海森~~! 今日は、ちゃんこ鍋でごぉぉぉぉわす!? いてて、つまずいてしまったでごわす...。ん? あぁぁぁぁ!? 五山海森が、ちゃんこまみれにぃぃぃ!?)


花ノ山「五山海森ぃ...!」


花ノ山(五山海森、どうでごわすか~? お風呂は気持ちいいでごわすか~?)

花ノ山(...五山海森? どこいったでごわす? 五山...あぁぁぁあ!? いつの間に底に沈んで!? 今助けるでごわすぅぅ!!)


花ノ山「おいどんは、強くなるでごわす...! もっともっと...誰にも負けないくらいに...!」

五山海森「一緒に強くなろう...川角くん...。」


N「ピンポンパンポーン。お気付きの方もいらっしゃると思いますが...現在、間宮 傑が不在のため、ツッコミはありません。このままボケが続きますが、間宮 傑がもしここにいたら、どんなツッコミをしているのだろうか?ということを考えながらお楽しみください。では、続きをどうぞ。」


菊「さて、次はどの子だい?」

張間「私がいくわ! デス・コーラス!」


 張間は懐から、黒のローブを身に纏い、両手に鎌を握りしめた、死神を彷彿とさせるイラストが描かれたどすこいを取り出す。


デス・コーラス「ぎゃははははは! こわす! コワス! 全てを壊す!! 俺の目の前には誰も立たせねぇ!!」

菊「おやおや、元気のいいどすこいだねぇ。」

菊梅子XX「楽しめそうだぜぇ...! 菊、さっさとやろうぜ!」

菊「落ち着きなさい、菊梅子XX。さぁ、狩りの時間よ...。」


N「一方その頃...ツッコミ職人、間宮 傑は...。」


間宮「サブロー、おやつは~~どっちだ!?」

サブロー「はふはふはふ!」


 サブローは、クンクンと鼻を動かし終わると、間宮の右手にポンと手を置く。


サブロー「ぎゃふん!」

間宮「答えは~~じゃん! すごいぞ、サブロー!」

サブロー「ぎゃふんぎゃふん!」


 頭を撫で回されるお返しと言わんばかりに、サブローは間宮の顔をぺろぺろと舐め始める。


間宮「こらこら、くすぐったいだろ~~!」

サブロー「はふはふはふはふ!」

間宮「もぉ~サブロー、やめろってば~!」

サブロー「ぎゃふんぎゃふん!」


N「すごく、楽しそうである。」
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