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54話「表と裏②」
しおりを挟む張間「なるほどなるほど。間宮先輩の誰にも見せられないような姿が映ったビデオカメラを部長が見ようとして、過去の自分の過ちを見られるのがすごく恥ずかしくなった間宮先輩がビデオカメラを取り返そうとしたら部長を押し倒してしまい、その勢いでキスしてしまったと。」
間宮「キスはしてないわ! 誤解を招く発言はやめろ!」
関「内容はほぼ間違ってないのに、言い方を少し変えるだけで、いやらしさムンムンですね。」
間宮「この話は、もういい! これ以上触れるな!! というか、新沼さんはどうしてここにいるの? また何かあったの?」
新沼「いえ、今日は部活が休みなので遊びに来たんです。」
間宮「そうなんだ。」
新沼「またお時間ありましたら、一緒にバドミントンしましょうね。」
間宮「あ、いや...僕、運動苦手だから...。できれば、別のことをお願いしたいです。」
新沼「そうなんですか。わかりました。」
関「よかったよかった。私は、傑くんが「破滅への輪舞曲」強化版の餌食にならなくて、ホッとしていますよ。」
間宮「破滅への...なんですか、それ?」
関「この世の中には、知らない方がいいこともたくさんあるんですよ。裏は見ない方がいい。君は、表の綺麗な部分だけ見ていなさい。」
間宮「いや、意味わかんねぇよ。」
関「すごーく、わかりやすい例を出してあげますよ。ここに、張間くんがいるじゃろ?」
張間「こぉんにちはぁ! ぼぉぉく、張間でぇぇす!」
関「喋んなかったら、ただの可愛い子でしょ? そういうことだ。」
張間「部長? 流石の私も、怒りますよ?」
間宮「なるほど。そういうことですか。」
張間「なんで納得してるんですか、間宮先輩! 否定してくださいよ! あー怒りました! 張間 彩香、怒りましたよ! 否定してくれない悪い先輩には、お仕置きです! このビデオカメラは、没収します! ふんっ!」
間宮「あっ、おい!」
張間「中を見られたくなかったら、捕まえてごらんなさい! おーほっほっほ!」
新沼「彩香ちゃん、待ってぇ。私も見たーい。」
間宮「おい、待てぇぇぇ!!」
関「持っていかれましたね。あっ、左足を失った金髪少年のように言った方がいいですか?」
間宮「うるせぇ! お前に構ってる暇はない!」
関「残念ですけど、あなたじゃ追いつけないですよ。お昼に焼きそばも「持ってかれたぁぁぁぁぁ!!」んでしょ?」
間宮「なぜ、そのことを知っている!? いや、今はそんなことどうでもいい! 先輩、どうにかしてくださいよ!」
関「えぇ~私は別に、見られても見られまいとどっちでもいいし~~。」
間宮「取り返してくれたら、駅前のジャンボパフェ奢りますから!」
関「生クリームは?」
間宮「見られずに取り返したら、増し増しです!」
関「すぐに追いついて見せるさ。私の名は、音速のハリネズミ...カカワリ・ザ・ヘッジホッグ!!」
間宮「おいぃぃぃ! 張間さんたちと逆の方向に行ってどうする!? 止まれ、アホ先輩がぁぁぁぁ!!」
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