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56話「表と裏④」
しおりを挟む部室内で、関の帰りを待っている間宮は、机に突っ伏し、一人不安と戦っている。
間宮「あぁ、不安だ...すごく不安だ...。ちゃんと取り返してくれたかな...?」
間宮「...君は、いい方向に変わっていると思うよ、か。僕...変われてるのかな?」
関「おやおや、どうしたんですか? そんな暗い顔して?」
間宮「ん? あっ、アホ先輩!」
関「アホ先輩だなんて、口が悪いですね...傑くんは、このビデオカメラが欲しくないんですか?」
間宮「...中は?」
関「見られる前に取り返したので、安心してください。ところで、あの二人はまだ戻ってきていないんですか?」
間宮「はい、まだ戻ってきてませんけど。」
関「おかしいですね。私より先に帰っていったんですけど。」
間宮「なんかあったのかな? 僕、探してきますよ。」
関「ありがとう。私は部室で待ってますから、戻ってきたら連絡しますね。」
間宮「はい、わかりました。」
関「あっ、そうそう...ビデオカメラの中は、消したほうがいいですか?」
間宮「...え?」
関「なんですか、その反応は?」
間宮「いや、あんたがそんなこと言うとは思ってなかったですから...。」
関「酷いですねぇ...。あなた、私をなんだと思ってるんですか? で、どうしますか? 消すなら消すで、ちゃんと君が見ている前で消しますよ。」
間宮「...好きにしたらいいよ。ただ、張間さんたちには絶対見せんなよ! わかったな!? んじゃ、探してきます!」
関「いってらっしゃ~い。」
関「...好きにしたら、ですか。では、そのままにさせてもらいましょうか。これも、大事な思い出の一つですからね。」
関は、ビデオカメラに視線を落とし、懐かしそうにジッと眺める。ふっと微笑み、電源ボタンを押そうと指を伸ばす。が、ボタンに触れたところで、ピタリと指の動きを止める。
関「......今回、私全然ボケてない気がします。なんか、ムズムズしますね。」
関「傑くーーん! 私もやっぱり、探しに行きまーーす! 待ってくださ~い!!」
間宮「はいぃぃ!? お前も来たら、部室戻ってきた時どうすんだよ!?」
関「そんな細かいことは気にしないで...さぁ、行きましょ~!」
間宮「待て待て待て! 引っ張るな、アホ先輩がぁぁぁ!!」
間宮(M)一方その頃、張間さんたちは...。
廊下で、張間は先生に必死に頭を下げて謝罪をしている。
張間「すいませんでした! もう、二度と廊下は走りません! 早く部室に戻らないと、お菓子がなくなってしまうのです! もう勘弁してください! 咲ちゃんも、ほら!」
新沼「なんで私が、頭下げないといけないの? あんたが代わりに、頭下げなさいよ。」
張間「咲ちゃぁぁぁぁん!? 不安定すぎるよぉぉぉぉ!!」
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