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122話「ごっこ遊び②」
しおりを挟む日曜日のお昼前。駅前ロータリーの噴水前で、間宮が新沼を待っている。間宮の周りには、同じように待ち合わせしている人が多数おり、スマホをのぞいたりキョロキョロしたりしている。
その噴水から少し離れた場所に置いてあるゴミ箱の後ろで、関と張間が顔をひょっこりとだして、間宮を見つめている。
関「ついにデート当日ですな。」
張間「ですな。」
関「一体、どうなることやら。」
張間「やらやら。ところで、部長。」
関「なんだい?」
張間「なんで綾小路くんがいるんですか?」
関「来る途中に、たまたま会ってね。放っておいたら、傑くんになんかしそうだから連れてきたんだよ。」
綾小路「ぐぬぬぬぬ...!! 咲ちゃんと...僕の咲ちゃんと...! 許さん...許さんぞ、間宮 傑...!!」
張間「たしかに、放っておいたら大変なことになりそうですね。」
関「ところで、張間くん。」
張間「何ですか?」
関「なんで、羽和くんがいるんだい?」
張間「来る途中に、たまたま会いまして。今日ツッコミいないから、ツッコミ要員として。」
狗山「お前は俺をなんだと思ってんすか?」
新沼「傑せんぱ~い!」
張間「あっ、咲ちゃん来ましたよ!」
関「まぁ、可愛らしいこと。」
綾小路「はっ!? し、私服! 咲ちゃんの私服! か、可愛い...!!」
綾小路「ぐはっ!?!?」
狗山「綾小路!? 大丈夫っすか!?」
張間「嬉しい吐血だから気にしないでいいよ、羽和ちゃん。」
狗山「嬉しい吐血...? つーか、あんたらはなにしてるんすか? 後ろから、こそこそと。」
関「ふっ、なぜこんなことをしているか...聞きたいか?」
張間「聞きたいかい?」
関・張間「ふふふふふふふ...!」
狗山「な、なんすか? 一体、何が目的で...!?」
関・張間「面白そうだから!」
狗山「あんたら、最低っすね。」
張間「あっ、二人に動きあり!」
関「デート開始だ! 我々も、バレないように行くぞ!」
狗山「こんなことしてて、いいんすかね...?」
新沼「傑先輩♡」
関「おっと! 早速、手を握ったぞ!」
張間「アツアツですね!」
綾小路「て、手を...!? がはっ!?!?」
狗山「こいつ、血吐きすぎじゃないっすか? 大丈夫なんすか?」
間宮「新沼さん、急に手を握ってどうしたの?」
新沼「後ろの人たちに、私たちの愛を見せつけようと思いまして♡」
間宮「ん? 後ろ?」
新沼「気にしないでください。さぁ、行きましょ♡」
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