なんでも探偵部!

きとまるまる

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191話「心霊現象の8割はヤラセだけど、残りの2割はガチだから気をつけて②」

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 間宮たちは三人それぞれ別れ、いなくなった張間を探している。


間宮「張間さーーん! 張間さんってばーー!!」

間宮「こ、こんなに探しても出てこないなんて...! や、やっぱり張間さんは...!」

間宮「い、いやいやいや! 大丈夫大丈夫! 僕らが気づかないうちにスッとトイレから出て、僕らをからかってるだけだ! うんうん! そ、それに、もしそうだとしても、かなねぇの話を聞く限りでは...。」

間宮「...は、張間さーーーん! 早く出てきなさーーーい!! 今出てきたら、怒らないから!! 早く出てきなさーーい!!」



ーーー



 張間は止まることなく、突然現れた偽関から必死に逃げている。


張間「ぴぎゃぁぁぁぁぁぁ!!」

関?「は、は、早すぎる...! は、張間ちゃん、早すぎる...! 全然追いつけないよ...! で、でも、僕だって負けないんだから...! そーれ、スピードアップ!」

張間「うわぁぁぁぁぁぁん!! 助けてぇぇぇぇぇ!! うわぁぁぁぁぁーーー」


 勢いよく廊下を駆ける張間ーーーと、恐怖で焦りすぎて自分の足に足を引っ掛けてしまい、ゴロゴロととんでもない勢いで転げてしまう。


関?「うわぁぁ!? だ、大丈夫!?」


 関?は心配そうな表情をし、慌てて張間に駆け寄る。が、張間は立つことなく、顔を上げることなく、頭を抱えてブルブルと大きく震え、その場に蹲ってしまう。


関?「は、張間ちゃん、大丈夫?」

張間「怖いよ怖いよ怖いよ怖いよぉぉぉ...! た、助け...助けてぇぇぇ...!」

関?「ね、ねぇってば? 大丈夫? 張間ちゃん?」

張間「ま、ま、間宮ぜんばいぃぃぃ...! ま、ま、まみやぜんばぃぃぃぃ...! うわぁぁぁぁぁ...! ひっぐっ! うぅぅ...!!」

関?「え、えっと...もしかして僕、怖がらせちゃった? あ、あの、張間ちゃん! 大丈夫だよ! 僕、君のこと食べたりしないからさ! 一緒に遊んでほしいだけだから! だから、泣かなくていいんだよ!」

張間「うわぁぁぁぁぁ...! 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だぁぁ...! 私...わだじぃぃ...!」

関?「あーダメだ...全然話聞いてくれない...。こりゃ、遊びどころじゃないよ...。え、えっと...ごめんね、張間ちゃん。怖がらせちゃって。もう、帰るからさ。だから、泣き止んでね。バ、バイバーイ!」

張間「うぅぅ...! だ、誰かぁぁ...! 誰か、助けて...助けてぇぇ...!」

間宮「あっ、いた!! 張間さん!!」

張間「うぅぅぅ...! うぅぅぅ...!」

間宮「張間さん! こんなところでなにしてんの!? 僕ら、心配したんだから!」

張間「助けて...助けてぇぇ...!」

間宮「張間さん! 張間さんってば!」

張間「...へ...? ま、間宮ぜんばぃぃ...?」

間宮「って、大丈夫!? なんでそんな泣いてんの!? と、とりあえず、先輩たちに見つけたって連絡しないとーーー」

張間「間宮ぜんばいぃぃぃぃ!!」


 張間は涙と鼻水でぐちゃぐちゃになっている顔のまま、間宮の胸の中へと勢いよく飛び込んでいく。


張間「びぇぇぇぇぇ!! わ、私、怖かったよぉぉぉぉ!! うわぁぁぁぁぁん!!」

間宮「わ、わかったって! ほら、もう大丈夫だから! 夜の学校で一人は、怖かったよね!? よしよしよし! もう大丈夫だから!」

張間「びぇぇぇぇぇん!!」

間宮「大丈夫だから、ちょっと離れて! 先輩たちに連絡するから! ってか、鼻水すごいぞ! あ、こら! 僕の服で拭くな! ちょっ、張間さん! 張間さんってばぁぁぁ!」
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