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第五話
猛烈!ニュートゥ立つ! その2
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「さあさあさあ、各々方、急ぎましょうぞ!」
意気揚々と声を上げて先陣を切るホムラに誘われるようにしてニュートゥとタオがラブホテルの裏口から出てくる。
出入口は人目を避けれるように裏路地にある為、あたりに人影はない。
タオはジトっとした目線でホムラを一瞥し、ぼそりとつぶやいた。
「お前が仕切んなっつーの」
「♫~」
しかしホムラは聞こえているのかいないのか、二人の周りを楽し気にクルクルと回り始める。
そんなホムラに、ニュートゥが言った。
「ホムラ、お前はこの地に残れ」
突然の予期せぬ言葉にホムラは驚き、じたばたと跳ねながらぐずり始める。
「な、なにゆえに!?ワタシなにかやっちゃいました?」
「つーか、お前連れて歩いてたら目立つだろーが」
タオが指摘するもホムラはなおも食い下がった。
「なんの!吾輩には光学迷彩機能がありますゆえに!」
光学迷彩機能を使い、自らの姿を消したり現わしたりするホムラ。
「ほ~れほれほれ、イリュージョーン!まさに無問題!ふぉれふぉれ!」
自慢げに点滅するホムラだったが、ニュートゥは無慈悲に言った。
「無意味だな。人の目はごまかせても分体ならば見破られてしまう。
敵の全体像がまだつかめていない以上、お前と一緒に行動するにはリスクが伴う。
ゆえに今は距離を取る、という事だ。わかったか?」
「そんなぁ~」
「それともう一つ、われらはこれから朝日台に向かうが、その際、敵にも何らかの動きがあるはずだ。
お前はそれらをモニターするのだ」
「うう~」
「とくに地球に侵入したエージェントの数を知りたい。
何か怪しい動きがあった場合その地域を洩らさずチェックしろ。わかったな?」
「ははは、まぁそーゆーことだ。せいぜい頑張んなホムラちゃん」
「うう、私、寂しいと死ぬのよ……」
「心配するな。ここいら一体にばらまいた偵察ドローンが暫くすればここに集まってくるはずだ。
それをお前のサポートにつける。自由に使うがいい」
「おお!それらは我が舎弟という訳ですな!」
ニュートゥは話を聞き流しホムラの前にしゃがみ込み、懐からスマホを取り出した。
「ついでにお前のSNSアカウントを教えろ。フォローしてやる」
「「マジで!?」」
ホムラとタオが驚き、同時に声を上げた。
「これからは連絡はSNSを通してする」
ニュートゥの発言にタオがポンと手を打ち感心する。
「なるほどな~!その手があったか!
敵も我々がそんなしょーもない方法で連絡を取るとは思わねーだろーしなー。
逆に盲点ってやつだな」
「とはいえ、あくまで簡単なやり取りだけだ。くれぐれも、直接的なワードは決して記するなよ」
「ハイっす!了解っす!」
機嫌を直したホムラとは逆に、タオが腕を組みながら、いぶかし気な表情でニュートゥに問いかける。
「っつーかお前、なんでスマホなんて持ってんだ?」
「ん?なんでって、お前は持ってないのか?」
「持ってるわけねーだろー。必要なモンじゃねーし」
「人間社会に溶け込めるよう、分体の服装や装備は人間の標準的なものにしとけと言ったろう?
スマートフォンは人間の標準装備の一つだぞ」
「え?そうなの?」
「少なくともこの日本ではそうだな」
「そ、そうなの……」
「タオよ、お前はわれらの中で人間の事に一番詳しいが、その知識には少々斑がある様だな」
「ぐぬぬ……」
「仕方がない」
ニュートゥが手のひらを上に向けて腕を差し出すと五本の指の間接に光が走り、音もなく分かれる。
骨に当たる機械的フレームがむき出しになると、それを軸に細く長かった指がさらに二倍に伸びた。
伸びた指を軽く握りこむと次に指先から光線が発射される。
光線は手のひらの上で交差し、そこに複雑な図形を描き出す。
光は徐々に固形化し、ついには薄いガラスのような物体を出現させた。
「とりあえずこれを使うがいい」
「お!サンキュー!」
ニュートゥが3Dプリンターで出力した端末をタオに投げ渡すと
タオはそれをかざし、笑顔でホムラに向き直る。
「ほら、俺もフォローしてやんよ」
「え?いいやべつに」
「いいやじゃねーよ!こんちくしょう!いいからオメーもフォローしろ!」
「ンもう、しょうがないにゃぁ」
「ったく……なんだろうね、この生意気っぷり」
ホムラと戯れるタオにニュートゥが言う。
「じゃれるのは後にしろ。もういくぞ」
言うが早いかニュートゥはアスファルトを蹴ると風を切り空中へと舞い上がった。
「お、おい!」
声をかけるタオを無視し、一気に建物の屋上へと飛び上がったニュートゥは
再び跳ね上がると先のビルへと飛びつき、後ろも振り返らずにどんどん先へと進んでいく。
慌てたタオは急いでガラスプレートをポケットにしまう。
「じゃあなホムラ。俺も行くが、寂しくても死ぬんじゃねーぞ!」
タオはホムラに一声かけるとニュートゥの後を追い、空中へと飛び上がった。
「いってらっしゃ~い!お二人ともお気をつけて~」
みるみると小さくなっていくニュートゥとタオの姿を、ホムラは名残惜しそうに見つめ続ける。
「ああ、もうあんなに遠くに行ってしまわれた……」
そんなホムラの背後に情報収集用に放たれていた一機のリング状小型ドローンが降り立つ。
「さて、こうしていても仕方がない。意識を切り替えないとね」
くるりと後ろを振り向くホムラ。
だが、ホムラが振り向くとそこにいたのは小型ドローンではなかった。
意気揚々と声を上げて先陣を切るホムラに誘われるようにしてニュートゥとタオがラブホテルの裏口から出てくる。
出入口は人目を避けれるように裏路地にある為、あたりに人影はない。
タオはジトっとした目線でホムラを一瞥し、ぼそりとつぶやいた。
「お前が仕切んなっつーの」
「♫~」
しかしホムラは聞こえているのかいないのか、二人の周りを楽し気にクルクルと回り始める。
そんなホムラに、ニュートゥが言った。
「ホムラ、お前はこの地に残れ」
突然の予期せぬ言葉にホムラは驚き、じたばたと跳ねながらぐずり始める。
「な、なにゆえに!?ワタシなにかやっちゃいました?」
「つーか、お前連れて歩いてたら目立つだろーが」
タオが指摘するもホムラはなおも食い下がった。
「なんの!吾輩には光学迷彩機能がありますゆえに!」
光学迷彩機能を使い、自らの姿を消したり現わしたりするホムラ。
「ほ~れほれほれ、イリュージョーン!まさに無問題!ふぉれふぉれ!」
自慢げに点滅するホムラだったが、ニュートゥは無慈悲に言った。
「無意味だな。人の目はごまかせても分体ならば見破られてしまう。
敵の全体像がまだつかめていない以上、お前と一緒に行動するにはリスクが伴う。
ゆえに今は距離を取る、という事だ。わかったか?」
「そんなぁ~」
「それともう一つ、われらはこれから朝日台に向かうが、その際、敵にも何らかの動きがあるはずだ。
お前はそれらをモニターするのだ」
「うう~」
「とくに地球に侵入したエージェントの数を知りたい。
何か怪しい動きがあった場合その地域を洩らさずチェックしろ。わかったな?」
「ははは、まぁそーゆーことだ。せいぜい頑張んなホムラちゃん」
「うう、私、寂しいと死ぬのよ……」
「心配するな。ここいら一体にばらまいた偵察ドローンが暫くすればここに集まってくるはずだ。
それをお前のサポートにつける。自由に使うがいい」
「おお!それらは我が舎弟という訳ですな!」
ニュートゥは話を聞き流しホムラの前にしゃがみ込み、懐からスマホを取り出した。
「ついでにお前のSNSアカウントを教えろ。フォローしてやる」
「「マジで!?」」
ホムラとタオが驚き、同時に声を上げた。
「これからは連絡はSNSを通してする」
ニュートゥの発言にタオがポンと手を打ち感心する。
「なるほどな~!その手があったか!
敵も我々がそんなしょーもない方法で連絡を取るとは思わねーだろーしなー。
逆に盲点ってやつだな」
「とはいえ、あくまで簡単なやり取りだけだ。くれぐれも、直接的なワードは決して記するなよ」
「ハイっす!了解っす!」
機嫌を直したホムラとは逆に、タオが腕を組みながら、いぶかし気な表情でニュートゥに問いかける。
「っつーかお前、なんでスマホなんて持ってんだ?」
「ん?なんでって、お前は持ってないのか?」
「持ってるわけねーだろー。必要なモンじゃねーし」
「人間社会に溶け込めるよう、分体の服装や装備は人間の標準的なものにしとけと言ったろう?
スマートフォンは人間の標準装備の一つだぞ」
「え?そうなの?」
「少なくともこの日本ではそうだな」
「そ、そうなの……」
「タオよ、お前はわれらの中で人間の事に一番詳しいが、その知識には少々斑がある様だな」
「ぐぬぬ……」
「仕方がない」
ニュートゥが手のひらを上に向けて腕を差し出すと五本の指の間接に光が走り、音もなく分かれる。
骨に当たる機械的フレームがむき出しになると、それを軸に細く長かった指がさらに二倍に伸びた。
伸びた指を軽く握りこむと次に指先から光線が発射される。
光線は手のひらの上で交差し、そこに複雑な図形を描き出す。
光は徐々に固形化し、ついには薄いガラスのような物体を出現させた。
「とりあえずこれを使うがいい」
「お!サンキュー!」
ニュートゥが3Dプリンターで出力した端末をタオに投げ渡すと
タオはそれをかざし、笑顔でホムラに向き直る。
「ほら、俺もフォローしてやんよ」
「え?いいやべつに」
「いいやじゃねーよ!こんちくしょう!いいからオメーもフォローしろ!」
「ンもう、しょうがないにゃぁ」
「ったく……なんだろうね、この生意気っぷり」
ホムラと戯れるタオにニュートゥが言う。
「じゃれるのは後にしろ。もういくぞ」
言うが早いかニュートゥはアスファルトを蹴ると風を切り空中へと舞い上がった。
「お、おい!」
声をかけるタオを無視し、一気に建物の屋上へと飛び上がったニュートゥは
再び跳ね上がると先のビルへと飛びつき、後ろも振り返らずにどんどん先へと進んでいく。
慌てたタオは急いでガラスプレートをポケットにしまう。
「じゃあなホムラ。俺も行くが、寂しくても死ぬんじゃねーぞ!」
タオはホムラに一声かけるとニュートゥの後を追い、空中へと飛び上がった。
「いってらっしゃ~い!お二人ともお気をつけて~」
みるみると小さくなっていくニュートゥとタオの姿を、ホムラは名残惜しそうに見つめ続ける。
「ああ、もうあんなに遠くに行ってしまわれた……」
そんなホムラの背後に情報収集用に放たれていた一機のリング状小型ドローンが降り立つ。
「さて、こうしていても仕方がない。意識を切り替えないとね」
くるりと後ろを振り向くホムラ。
だが、ホムラが振り向くとそこにいたのは小型ドローンではなかった。
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