鋼鉄少女王 タイタンメイデン

鳳たかし

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第六話

第六話 無限の形 その5

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「接触した一瞬のうちに分体をくすねてくたぁ、手癖の悪いお嬢ちゃんだな!
 何をするつもりか知らんが、やらせる隙は与えねぇぞ!」

運動能力では『技士』をも上回る『戦士』であるタオが瞬時に走り出してニュートゥを追い越す。
悪態をつきながらガミオン・コクーンに接近したタオは、
片足を振り上げて刃のような足の装甲を輝かせながら襲いかかった。

「ウラァ!」

雄たけびを上げながら繰り出されるタオの高速の一撃。
脚に輝く刃がガミオン・コクーンに迫る。

だが以前の戦いでタオの戦いの癖を知り尽くしたガミオン・コクーンは
回避するそぶりも見せずに、左手に力を入れて大蛇状物体を掴む。
一瞬、輝いた腕の光が物体に流れ込んでいく。
その途端、物体は何の苦も無くタイタンマンの体から引きはがされた。

「タオよ!そいつが私の腕を持っているという事を忘れるな!」

「うぇ!?」

ニュートゥの忠告にタオの行動が一瞬遅れたスキを突き、ガミオンの左腕が素早く動くと、
物体を鞭のように振るいタオに向かって打ち付けた。

「なめんなよ!その程度の攻撃は見切れンだよ!」

タオは得意げに、振り上げた右脚をそのまま横に払って鞭の一撃をはじく。
だが弾かれた鞭の先端はその行動を予測していたようにタオの背後に回り込むと、
一瞬で巻き付き、タオの身体の自由を奪った。

「なに!?」

タオがそのことに気づいた時にはすでに遅く、
ガミオン・コクーンは鞭に添えた腕を巧みに操り、自身の体を高速で回転させながら、
力いっぱい引き寄せた。

「ンおおおおおおおおおおおおおおおお!?」

その勢いに巻き上げられたタオの体は、まるで独楽のように回転すると進行方向とは逆に弾き飛ばされてしまう。

「んがあああああああ!?またかよおおおお!?」

グルグルと回転しながら情けない叫びをあげて吹っ飛んだタオは、更に後方にいたニュートゥをも巻き込みながら倒れこむ。
凄まじい金属の衝突音と共に大地が揺れ、濛々と巻き上がる粉塵。
衝撃で巻き起こされた砂塵はすぐに自衛隊やマスコミの元へ達し、その視線を遮った。



「学べ!この愚か者がッ!!」

粉塵の只中でニュートゥはすぐに気を取り直すと悪態をつき、
混乱しているタオの体を無造作にはねのけてガミオン・コクーンを睨みつけた。

「!?」

その時ニュートゥは驚愕の光景を目撃する。
最初に目に入ったのは、自由を取り戻したタイタンマンがガミオン・コクーンを両手で掲げてそそり立つ姿。
だがニュートゥが驚愕したのはその直後に起こった変化にあった。

タイタンマンの、その上半身が正中心から縦に真っ二つに分かれると
開いた空間にガミオン・コクーンが挟み込まれ、タイタンマンの腰部の上に突き刺さる。
続いて二つに分かれた上半身が螺旋を描くように次々とガミオン・コクーンに接続されていく。

既にガミオン・コクーンの中へと避難していた乙女タケシ
コクーンがタイタンマンのパーツに包まれて姿を変えていくのを感じて言った。

「そうか!従者タイタンマン。身長30m体重4万五千t、強固な外殻を持ち、優れた機動性も併せ持つ。
 主の命令に従う文字通りの従者であり、戦況に応じ形態を変え、あらゆる事態に対処できる万能武器でもある。
 さらには主と合体し、その能力を飛躍的に増幅する機能を有し、
 その合体パターンは……無限!!」

変化を完了したタイタンマンがそそり立ち、うなりを上げる。
その姿は筋骨隆々とした仁王像のようであったが
胴体部分に位置するガミオン・コクーンから伸びたガミオン自身の細い腕が、
アンバランスなシルエットを浮き立たせていた。
その姿を仮に『コクーン・タイタン』と呼ぼう。

「でもコクーンとも合体できるなんて」

タイタンマンの性能にあらためて感嘆の声を上げる乙女タケシにガミオンが語り掛ける。

「それだけではないぞ、タケシよ。
 この形態のタイタンマンには波動法を使うことが出来る」

「波動法……たしか、拳に込めたエネルギーで敵を打つっていう、君たちの使う格闘術だったよね?
 ……という事は、つまり……」

「うむ!今のタイタンマンには、我が同族を破壊することも可能だ、という事だ!」


目の前で起こっている状況を理解したニュートゥは警戒しながら立ち上がり呟く。

「すでにここまで使いこなしているとは……メガミオン!やはり侮れん奴!」

腰を落とし臨戦態勢をとるコクーン・タイタン目掛けて、ニュートゥが叫び声をあげ襲い掛かる。

「だが今回ばかりは逃がさんぞ!メガミオン!」

「逃がさないだと?その言葉、そっくりそのまま返そう」

叫ぶニュートゥの対しガミオンは言った。

「お前たちとは今、ここで決着をつけてやる!」


 
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