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第3話 試す
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そう言えば、と横を見ると、まだ如月は帰ってきていない。確かトイレに行くとか言ってたな。それにしては時間がかかり過ぎているような気がするけど、あいつどこで油売ってんだろう。まさか、本当に逃げ出したとかはないよな? 鞄はあるし、大丈夫か。
結局集中できていない僕がそんなことを思い浮かべていると、黙って採点を続けていた秋谷が急に顔を上げて、目を丸くして僕の顔を見てきた。僕に対してというわけではなく、何かがあったから僕を見た、という風に見える。
「……須野さん。如月さんって、成績はどんな感じでしたか?」
「は? どうしたのさ、いきなり」
あまりに突然すぎる質問に、思わず眉を潜めて訊き返す。さっきまで重苦しい話をしていたかと思えば、急に如月の成績の話? 一体何なんだろう。追求しようとするが、秋谷のどこか真剣な目に圧倒され、先に質問の答えを考える。
「成績か……。中一の頃は滅茶苦茶よかった記憶があるけど、中二以降は僕とほぼ同じくらいだったかな。つまり、そんなに悪くはないけど、別段いいとも言えない、って感じ」
さらに言いかえれば平凡で普通で何の面白味もない――という言葉を続けようとして、慌てて口を噤んだ。いけない、昼休みに秋谷に言われたことが、結構響いているらしい。自分で言うようになったらもう終わりだと思う。いや、これって如月にも失礼になるのか。
秋谷はそんな僕の様子を気にする事もなく、顎に手を当てて考え事をするように目を薄めた。さっき微笑みを見せた彼女と同一人物だとはとても思えないくらいに、その顔は厳しく強張っている。
「如月のテストに何かあったの? まさか、満点だったとか?」
「いえ、点数はあなたの言う通り、須野さんとほぼ同じなんですけど……」
そう言って、彼女は一枚の紙を僕に見せてくる。数学のテスト解答用紙。如月のものだった。丸とペケが二対一くらいの割合で付けられていて、点数の欄には秋谷が書いたと思われる『74』という数字。
「須野さんは72点です。確かに二人とも、いいとも悪いとも言えませんね。しかし、問題はそこではありません。須野さん、数学のテストの最後の問い、覚えていますか?」
「最後の問い? ……ああ、あの文章だけで異様な威圧感を放っていたあれか。解く気にもならなかったけど、ていうかあれって中学レベルの問題だったか?」
「いいえ。あれは大学生レベル以上の、超難問です。少なくとも、高校入学したての、中学までの勉強しか知らない平凡な高校一年生に解くことは、まず無理でしょう。学校側も当然そう思っていたようで、難しさの割に、ここの配点は低めに設定してあります」
それって僕のことだろうか、なんて被害妄想が頭を過るが、そんなことを考えていられないくらいに、僕の脳内はもっと別の疑問で埋め尽くされていた。何で学校はそんな問題を出してきたんだろうとか、何でそんなに秋谷は詳しいんだろうとか、つまりそれがどうしたのだろうとか。混乱が僕の表情に出ていたのか、秋谷がふっと息を漏らす。
「学校がこんな無茶な問題を混ぜてきた理由は、私にも測りかねますね。誰かが解けるとでも思ったのか、満点防止のためか……どちらにしろ、あまりにもレベルが上がり過ぎていますが。ああ、私がそんなことを知っているのは、母親が数学関係の大学教授だからです。たまにいろんな話を聞かせてくるんですよ。もちろん、私にもほとんど理解など出来ていません。ただ、この問題なら同じようなものをついこの間見たばかりでしたので、うっすらと記憶にはあります」
「……で、結局何があったんだ?」
満点防止がどうとか秋谷の母親が大学教授だとか、如月の成績の話からどんどん離れて言っているような気がしたので、一番の核心を訊く。秋谷は一度頷き、如月の解答用紙を裏返して、右下の部分を指差した。
そこで、僕も唖然とした。ようやく、秋谷の言わんとしていることがわかる。
各問題文の下には、計算用に少しスペースが取られている。如月のテストは、ここが真っ黒になっていた。よく見るとそれは、びっしりと書かれた数字や計算式。端から端まで余すことなく使われていて、その部分だけ白いところがまったく見えないくらいに埋め尽くされている。
何だ、これ……?
「……要するに、如月がこの問題を解いたってことか」
やっとのことで出てきた呟き。しかし、秋谷は首を振って答える。
「それが、如月さんはここまでしておいて、答えを書いていないのですよ。計算が間違っているとか、間に合わなかったとかではありません。彼女の解き方は、母に見せられたものと酷似しているように見えますし、最後の計算式まで辿りついてもいるんです」
僕はまた頭が混乱し始めた。待て、とりあえず一旦落ち着け。えっと、数学のテストの、一番最後の問題がかなり難しい奴で、普通の高校生にはまず解けるはずはない。だが、74点だった如月は、その答えを導き出していた。そして、なぜか彼女は解答欄にその答えを書いていない。そういうことか。
さて。これは一体、どういうことを指しているのか。
「彼女は、なぜ74点なんでしょう?」
「……そんなの、僕に言われても知らないよ。ケアレスミスとか、単純にわかんなかったりとかそんなんじゃないのか。最後のやつにしたって、秋谷みたいにたまたま知ってただけで、解き方を書いたら満足してしまったとか」
如月の自由奔放さは十分すぎるほど身に染みているから、深く考察するだけ無駄な気がしてならない。秋谷はしかし、まだ何か腑に落ちない顔で考え込んでいた。まったく、一体こいつは何をそんなに心配しているのだろう。
「中学一年生のときは、如月さんの方が断然よかったんですね?」
「あ、ああ。確か、如月と知り合って最初の頃は総合で結構差ついてたな。やっぱあいつも、あの時は中学の初めってことでそれなりに勉強してたのかな」
思い出しながら言う。って言っても、如月にそんな様子は一切見えなかったけど。まあ常にあんなテンションだからなあ、いつやっててもおかしくないとは思う。
秋谷はきょとんと僕を見つめて、しばらく動かなくなった。結構こいつも忙しい奴だな。難しい表情の秋谷を尻目に、僕はそろそろ作業を始めないと本格的に終わらないなと考え赤ペンを握ろうとする。
「――もしかして、如月さんは……いや、でもそれは……」
ぶつぶつと何かを呟く秋谷を見る。今彼女が何に対してそんなに悩んでいるのかが、まったく読み取れない。別に、如月の点数がよかろうが悪かろうが、秋谷には何の関係もない話じゃないか。今回のは単に如月が知っていただけ。それで終わりだ。
「まあ、いいんじゃないのか? 結局は如月の問題なんだし、別に悪いことがあったわけでもない。何を考えてるのか知らないけど、あいつのことだからそんなに真剣になる必要もないと思うけど」
その言葉を聞いた秋谷は、目を細め、僕に対して思い切り顔をしかめた。どうも、少し怒っているように見える。彼女は何か言おうと口を開けたところでどこかに視線を逸らし、目を一度見開くと、もう一度僕を見て、溜息を吐いた。
「……気持ちは分かりますよ。でも、あんまり無理をしない方がいいと思います」
その声は、部屋中に響いた。僕は首を傾げる。何のことだろう。僕が訊き返そうとした時、勢いよくドアが開かれ、如月が笑顔で入ってきた。
「いやぁ、ごめんごめん。すーっかり道に迷っちゃったにゃあ。もう、無駄に広いよねえ、この学校って」
「迷ったってお前、トイレなら左にずっと行ったとこにあっただろ?」
「にゃんだって! くそう、盲点だった! せっかく廊下を走り回ったのにぃ!」
悔しそうにドアの方を見る如月は、別段いつもと変わらない、自由奔放で天真爛漫なお転婆少女である。その様子に、なぜだか僕は少しだけ安心する。
黙って僕たちの会話を見ていた秋谷は、また一つ小さな溜息を吐いた。
結局集中できていない僕がそんなことを思い浮かべていると、黙って採点を続けていた秋谷が急に顔を上げて、目を丸くして僕の顔を見てきた。僕に対してというわけではなく、何かがあったから僕を見た、という風に見える。
「……須野さん。如月さんって、成績はどんな感じでしたか?」
「は? どうしたのさ、いきなり」
あまりに突然すぎる質問に、思わず眉を潜めて訊き返す。さっきまで重苦しい話をしていたかと思えば、急に如月の成績の話? 一体何なんだろう。追求しようとするが、秋谷のどこか真剣な目に圧倒され、先に質問の答えを考える。
「成績か……。中一の頃は滅茶苦茶よかった記憶があるけど、中二以降は僕とほぼ同じくらいだったかな。つまり、そんなに悪くはないけど、別段いいとも言えない、って感じ」
さらに言いかえれば平凡で普通で何の面白味もない――という言葉を続けようとして、慌てて口を噤んだ。いけない、昼休みに秋谷に言われたことが、結構響いているらしい。自分で言うようになったらもう終わりだと思う。いや、これって如月にも失礼になるのか。
秋谷はそんな僕の様子を気にする事もなく、顎に手を当てて考え事をするように目を薄めた。さっき微笑みを見せた彼女と同一人物だとはとても思えないくらいに、その顔は厳しく強張っている。
「如月のテストに何かあったの? まさか、満点だったとか?」
「いえ、点数はあなたの言う通り、須野さんとほぼ同じなんですけど……」
そう言って、彼女は一枚の紙を僕に見せてくる。数学のテスト解答用紙。如月のものだった。丸とペケが二対一くらいの割合で付けられていて、点数の欄には秋谷が書いたと思われる『74』という数字。
「須野さんは72点です。確かに二人とも、いいとも悪いとも言えませんね。しかし、問題はそこではありません。須野さん、数学のテストの最後の問い、覚えていますか?」
「最後の問い? ……ああ、あの文章だけで異様な威圧感を放っていたあれか。解く気にもならなかったけど、ていうかあれって中学レベルの問題だったか?」
「いいえ。あれは大学生レベル以上の、超難問です。少なくとも、高校入学したての、中学までの勉強しか知らない平凡な高校一年生に解くことは、まず無理でしょう。学校側も当然そう思っていたようで、難しさの割に、ここの配点は低めに設定してあります」
それって僕のことだろうか、なんて被害妄想が頭を過るが、そんなことを考えていられないくらいに、僕の脳内はもっと別の疑問で埋め尽くされていた。何で学校はそんな問題を出してきたんだろうとか、何でそんなに秋谷は詳しいんだろうとか、つまりそれがどうしたのだろうとか。混乱が僕の表情に出ていたのか、秋谷がふっと息を漏らす。
「学校がこんな無茶な問題を混ぜてきた理由は、私にも測りかねますね。誰かが解けるとでも思ったのか、満点防止のためか……どちらにしろ、あまりにもレベルが上がり過ぎていますが。ああ、私がそんなことを知っているのは、母親が数学関係の大学教授だからです。たまにいろんな話を聞かせてくるんですよ。もちろん、私にもほとんど理解など出来ていません。ただ、この問題なら同じようなものをついこの間見たばかりでしたので、うっすらと記憶にはあります」
「……で、結局何があったんだ?」
満点防止がどうとか秋谷の母親が大学教授だとか、如月の成績の話からどんどん離れて言っているような気がしたので、一番の核心を訊く。秋谷は一度頷き、如月の解答用紙を裏返して、右下の部分を指差した。
そこで、僕も唖然とした。ようやく、秋谷の言わんとしていることがわかる。
各問題文の下には、計算用に少しスペースが取られている。如月のテストは、ここが真っ黒になっていた。よく見るとそれは、びっしりと書かれた数字や計算式。端から端まで余すことなく使われていて、その部分だけ白いところがまったく見えないくらいに埋め尽くされている。
何だ、これ……?
「……要するに、如月がこの問題を解いたってことか」
やっとのことで出てきた呟き。しかし、秋谷は首を振って答える。
「それが、如月さんはここまでしておいて、答えを書いていないのですよ。計算が間違っているとか、間に合わなかったとかではありません。彼女の解き方は、母に見せられたものと酷似しているように見えますし、最後の計算式まで辿りついてもいるんです」
僕はまた頭が混乱し始めた。待て、とりあえず一旦落ち着け。えっと、数学のテストの、一番最後の問題がかなり難しい奴で、普通の高校生にはまず解けるはずはない。だが、74点だった如月は、その答えを導き出していた。そして、なぜか彼女は解答欄にその答えを書いていない。そういうことか。
さて。これは一体、どういうことを指しているのか。
「彼女は、なぜ74点なんでしょう?」
「……そんなの、僕に言われても知らないよ。ケアレスミスとか、単純にわかんなかったりとかそんなんじゃないのか。最後のやつにしたって、秋谷みたいにたまたま知ってただけで、解き方を書いたら満足してしまったとか」
如月の自由奔放さは十分すぎるほど身に染みているから、深く考察するだけ無駄な気がしてならない。秋谷はしかし、まだ何か腑に落ちない顔で考え込んでいた。まったく、一体こいつは何をそんなに心配しているのだろう。
「中学一年生のときは、如月さんの方が断然よかったんですね?」
「あ、ああ。確か、如月と知り合って最初の頃は総合で結構差ついてたな。やっぱあいつも、あの時は中学の初めってことでそれなりに勉強してたのかな」
思い出しながら言う。って言っても、如月にそんな様子は一切見えなかったけど。まあ常にあんなテンションだからなあ、いつやっててもおかしくないとは思う。
秋谷はきょとんと僕を見つめて、しばらく動かなくなった。結構こいつも忙しい奴だな。難しい表情の秋谷を尻目に、僕はそろそろ作業を始めないと本格的に終わらないなと考え赤ペンを握ろうとする。
「――もしかして、如月さんは……いや、でもそれは……」
ぶつぶつと何かを呟く秋谷を見る。今彼女が何に対してそんなに悩んでいるのかが、まったく読み取れない。別に、如月の点数がよかろうが悪かろうが、秋谷には何の関係もない話じゃないか。今回のは単に如月が知っていただけ。それで終わりだ。
「まあ、いいんじゃないのか? 結局は如月の問題なんだし、別に悪いことがあったわけでもない。何を考えてるのか知らないけど、あいつのことだからそんなに真剣になる必要もないと思うけど」
その言葉を聞いた秋谷は、目を細め、僕に対して思い切り顔をしかめた。どうも、少し怒っているように見える。彼女は何か言おうと口を開けたところでどこかに視線を逸らし、目を一度見開くと、もう一度僕を見て、溜息を吐いた。
「……気持ちは分かりますよ。でも、あんまり無理をしない方がいいと思います」
その声は、部屋中に響いた。僕は首を傾げる。何のことだろう。僕が訊き返そうとした時、勢いよくドアが開かれ、如月が笑顔で入ってきた。
「いやぁ、ごめんごめん。すーっかり道に迷っちゃったにゃあ。もう、無駄に広いよねえ、この学校って」
「迷ったってお前、トイレなら左にずっと行ったとこにあっただろ?」
「にゃんだって! くそう、盲点だった! せっかく廊下を走り回ったのにぃ!」
悔しそうにドアの方を見る如月は、別段いつもと変わらない、自由奔放で天真爛漫なお転婆少女である。その様子に、なぜだか僕は少しだけ安心する。
黙って僕たちの会話を見ていた秋谷は、また一つ小さな溜息を吐いた。
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