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虚ろな探偵を満たすもの
旧世代の猛攻
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本来なら決着は数秒でつくはずだった。
探偵が超越存在である名探偵に与えられる加護のひとつ、身体機能の向上。それにより蛇宮ヒルメは迦楼羅街にて、タンテイクライ、アオマントその他の怪人と相対してなお渡り合っていた。
つまりその程度のレベルに留まっている。
ヒルメはこの時点で知るはずもなかったが、今の彼女の敵、「耳蜻蛉」糸追ジキは「古い技術」により生まれた「旧世代怪人」
ある程度統一化されたヒフミやケラとは異なり、数多の旧き魔術、現在と異質な科学が無茶苦茶に組み合わさった混沌そのものの怪人。個々の姿かたちに共通点は皆無。
かつて存在した軍事大国の技術体系に当てはめれば「先祖返り」したようなそれは、まともに制御することも、集団での運用も一切考慮しない。
それと対照的に、それらの異能は須らく至極単純な身体操作系。
外形は多彩で、内側に秘めた武器はどれも類似している。兵器としてヒフミらに劣っている怪人集団「土蜘蛛」
しかしただ一点。
並外れた身体というギフトにおいて、ジキたちは彼女たちを遥かに上回る。
まして、今ヒルメの脳は感覚が暴走して茹ってる状態。
(・・・速っ・・・!)
上下左右、自由自在に軌道を描き、蜻蛉怪人が襲い掛かる。
ただの蜻蛉のコスプレの動きじゃない。前と同じ、いやそれ以上に速くて、
「まずは、腹からな。きっちり喰らっとけよ」
強い。
流れるように叩き込まれた打撃は、一撃でわたしを吹き飛ばした。
はっきりわかった。こいつはいつも戦ってる連中とは、「単純な身体の性能」が段違いなんだ。
感覚を暴走させる。
ひどく回りくどい能力と思ってたけど。そもそも戦いに使う必要なんてないんだ。
ただ圧倒的な力で、殴り、蹴り、穿つ。そんなシンプルな戦いが「土蜘蛛」
「『不在証明』っ!!」
だったらこっちもシンプルに、前と同じ対処法を繰り返す。
森の中で戦った時は、不意打ちとはいえ一時こいつの背後をとった。
なら通じる。
真正面から突っ込んでくる蜻蛉の死角に瞬間移動ーーーー
「安直過ぎるわ」
ぐるん。
左後方に出現したのと同時に、耳蜻蛉の拳が顔面にめり込んだ。
「っつ!? つはっ・・・」
「『何で読まれたのか』って思っとるじゃろから丁寧に教えたる」
一瞬意識が飛んだ隙に、上から振り下ろされた肘が頭部に直撃する。
「瞬間移動、いや空間跳躍? まあええわ。同じやし」
わたしは羽虫のように地面に叩きつけられた。
「いくらそれで移動しようとも、肝心要の攻撃方法はその手に持った短刀、もしくは打撃、あるいは拳銃とかか?」
もともと燃えるようだった脳みそが、揺れて。
視界がグルグルと回る。
「汝の身体の予備動作を察知して、出だしで潰す。大抵はこれで何とかなる」
「アホなこと言わないでよ」
真面目に戦ってる人に謝れ、土下座で。
とは言え、そんな軽口を叩いただけで、自分自身の声で溺れそうになる。
聴覚も完全に暴走して、辺り一面からあらゆる種類の音が反響しているよう。自分自身の心臓が耳の中で鼓動している、そんな錯覚にすら覚える。
それなのに目の前のこいつの言葉は遠くから聞こえるようで、意味を追うのがやっと・・・・
駄目だ。
わたしは探偵で、蛇宮なんだから。怪人を倒さないと・・・・・・・・・
怪人。
何で探偵は怪人と戦ってんだろ。
「そんなの決まっている。理解しなさい、末端」
その声が響き、刹那世界が静止した。
蜻蛉女はもちろん木々の揺らぎ、雲の動き、空気の流れ全てが静止した空間に、いつかどこかで聞いたその声がセリフを続ける。
「『降臨』以降に誕生した全ての生物にはそういう命令が書き込まれてる」
淡々と事実だけを語る口調。
それなのに神経が溶けるような圧力を感じる。まるで自分の根幹に情報を上書きされているような。
「どこに、何て私も知らないし興味ない・・・多分『魂』ってあいつなら表現するだろうけど」
魂。
今目の前に現れたのはそれだってことを、わたしは直感で「理解出来た」
わたしを喰らった、災害のような存在、消え去ったそれの残滓。
「そう思うのは自然だって理解出来る・・・けど探偵らしくはないね」
まるで苦笑するように呟くセリフすら、聞いている内に脳が剥がれ落ちるような錯覚に陥る。
「随分怖がられてるみたい・・・まぁそれは理解出来る」
さっきからいちいち上から目線で言わないでよ。そういうのが一番神経に触るから。
ポッと出の神様の癖に。
「仕方がないでしょう。私たちはそういうものだから」
ひとつとして答えになってない。
「理解しなさい」
理解。
再びその耳障りな言葉が頭に入り込む。
気持ち悪い。
言葉が耳の中で蟲のように蠢いてるような不快感が全身を摩耗させる。
何でわたしは、わたしたちはこんな奴らに・・・・・・・・・・・・・
「っつ!?」
突然時間が巻き戻ったように、全てが動き出した。
蜻蛉怪人は向かって右上方から、槍のように直進してくる。
それが。
「見える」
両手を構え、突撃を受け止める。
本来なら、見えていても潰されたはずの防御が、人外の怪人を弾いた。
のみならず、体勢を崩した刹那、相手が反応する間もなく、その首を掴む。
奇しくも先とは反対の状況。
「はっつ・・・・随分遅くなったみたいねぇ!」
「っつ・・・なんじゃ!?」
優位を信じ切っていた耳蜻蛉の口から驚愕の声が漏れる。
「汝変なもんに憑かれとるんかっ!?」
ああ・・・
うるさい・・・
羽虫。
「さっきから妙な目をしとると思っとったら、ワレが脳に焼きいれたせいか」
「だから・・・」
初めてわたしは、今もあきらめず足掻いている怪人に、はっきりと言葉をかけた。
「頭がガンガン痛いってのに!! あんたの声は、無駄に響くんですよっ!」
その怒号の勢いのまま、わたしは一気に絞めつける力を強めた。
グシャっと、生々しい音を立てて甲殻が歪む。
「はっつ・・・・・ははひひ・・・・」
「ああ・・・まぁだ何か囀ってんですかねぇこの羽虫がぁ!!」
「ふし~・・・・ふしっ・・・ひぁ~・・・・・・・・・・・・・」
喉が潰れたのか、ようやく蜻蛉女が静かになった。
普通の蟲ならこれでお終い。でもこいつは人でも蟲でもない蜘蛛の一員。
暴力機構として肉体の武も暴も、探偵を遥かに凌駕する。
痛みを感じず、動きも鈍らない。
だからこれだけ傷を負っても、一切戦意を失わない。
逆にわたしの両腕に手を伸ばし掴もうとする。
「『不在証明・展開』」
なら解答は極めて単純。
圧倒的な武と暴でねじ伏せる。
「展開・一」
腹から胸にかけて、「零時間」が一文字に斬る。
鋼よりも固く見えたその鎧がただ一閃で羊羹のようにきれいに裂けた。
「展開・二」
刻まれた傷が、開花する。「可能性の傷」蛇宮ヒルメがこいつに与える可能性が万にひとつ、億にひとつでもある一切の損傷がこの時瞬時に現実化する。
「展開・三」
その全てが同時に花開いた。
それ自体が悪意を持つように、「可能性の傷」が常軌を逸した速度で増殖した。その魔の手は蜻蛉の装甲の表面に留まらず、内部の細胞にまで広がり、耳蜻蛉をズタボロに破壊し続けた。
その姿は正しく宿主を自分諸共滅ぼし尽くす悪性細胞。
探偵と怪人、ふたつの顔とふたつの世界を行き来し、混乱だけを撒き散らす「悪性令嬢」のようだった。
「・・・・・・」
怪人の身体を構成する甲殻の大部分と、内部の内臓らしき何か。
それらの大部分を無茶苦茶にデタラメに切り裂かれたら、流石にこいつも動かなくなった。
「・・・・・ふ・・・・・ひ・・・」
「って、何でまだ息があるんですかねぇ・・・・・・?」
容赦なく止め刺したのに。
「ふ・・・・・・・・・す・・」
こりゃわたしが甘いというより、この蟲の生命力が底なしなんだよね。
「えっと・・・あなたには黙秘権が・・・いやそれ違う・・・?」
どうしよ。
普段あのバカ怪人軍団に散々振り回され過ぎて、こういう時どう言ったらいいのかわからない!
「それは探偵としてあかんでしょ、わたし」
思わずセルフツッコミを入れる。
切ったはったにかまけ過ぎてると、犯人を捕まえるっていう本業が疎かになるんだ。
こんなんじゃ立派な探偵になれない・・・」
・・・でも、そもそも悪いのはこいつらデタラメトンチキ怪人の方。
なら、これでいいんだろうな。
そうだよね、母さん。
探偵が超越存在である名探偵に与えられる加護のひとつ、身体機能の向上。それにより蛇宮ヒルメは迦楼羅街にて、タンテイクライ、アオマントその他の怪人と相対してなお渡り合っていた。
つまりその程度のレベルに留まっている。
ヒルメはこの時点で知るはずもなかったが、今の彼女の敵、「耳蜻蛉」糸追ジキは「古い技術」により生まれた「旧世代怪人」
ある程度統一化されたヒフミやケラとは異なり、数多の旧き魔術、現在と異質な科学が無茶苦茶に組み合わさった混沌そのものの怪人。個々の姿かたちに共通点は皆無。
かつて存在した軍事大国の技術体系に当てはめれば「先祖返り」したようなそれは、まともに制御することも、集団での運用も一切考慮しない。
それと対照的に、それらの異能は須らく至極単純な身体操作系。
外形は多彩で、内側に秘めた武器はどれも類似している。兵器としてヒフミらに劣っている怪人集団「土蜘蛛」
しかしただ一点。
並外れた身体というギフトにおいて、ジキたちは彼女たちを遥かに上回る。
まして、今ヒルメの脳は感覚が暴走して茹ってる状態。
(・・・速っ・・・!)
上下左右、自由自在に軌道を描き、蜻蛉怪人が襲い掛かる。
ただの蜻蛉のコスプレの動きじゃない。前と同じ、いやそれ以上に速くて、
「まずは、腹からな。きっちり喰らっとけよ」
強い。
流れるように叩き込まれた打撃は、一撃でわたしを吹き飛ばした。
はっきりわかった。こいつはいつも戦ってる連中とは、「単純な身体の性能」が段違いなんだ。
感覚を暴走させる。
ひどく回りくどい能力と思ってたけど。そもそも戦いに使う必要なんてないんだ。
ただ圧倒的な力で、殴り、蹴り、穿つ。そんなシンプルな戦いが「土蜘蛛」
「『不在証明』っ!!」
だったらこっちもシンプルに、前と同じ対処法を繰り返す。
森の中で戦った時は、不意打ちとはいえ一時こいつの背後をとった。
なら通じる。
真正面から突っ込んでくる蜻蛉の死角に瞬間移動ーーーー
「安直過ぎるわ」
ぐるん。
左後方に出現したのと同時に、耳蜻蛉の拳が顔面にめり込んだ。
「っつ!? つはっ・・・」
「『何で読まれたのか』って思っとるじゃろから丁寧に教えたる」
一瞬意識が飛んだ隙に、上から振り下ろされた肘が頭部に直撃する。
「瞬間移動、いや空間跳躍? まあええわ。同じやし」
わたしは羽虫のように地面に叩きつけられた。
「いくらそれで移動しようとも、肝心要の攻撃方法はその手に持った短刀、もしくは打撃、あるいは拳銃とかか?」
もともと燃えるようだった脳みそが、揺れて。
視界がグルグルと回る。
「汝の身体の予備動作を察知して、出だしで潰す。大抵はこれで何とかなる」
「アホなこと言わないでよ」
真面目に戦ってる人に謝れ、土下座で。
とは言え、そんな軽口を叩いただけで、自分自身の声で溺れそうになる。
聴覚も完全に暴走して、辺り一面からあらゆる種類の音が反響しているよう。自分自身の心臓が耳の中で鼓動している、そんな錯覚にすら覚える。
それなのに目の前のこいつの言葉は遠くから聞こえるようで、意味を追うのがやっと・・・・
駄目だ。
わたしは探偵で、蛇宮なんだから。怪人を倒さないと・・・・・・・・・
怪人。
何で探偵は怪人と戦ってんだろ。
「そんなの決まっている。理解しなさい、末端」
その声が響き、刹那世界が静止した。
蜻蛉女はもちろん木々の揺らぎ、雲の動き、空気の流れ全てが静止した空間に、いつかどこかで聞いたその声がセリフを続ける。
「『降臨』以降に誕生した全ての生物にはそういう命令が書き込まれてる」
淡々と事実だけを語る口調。
それなのに神経が溶けるような圧力を感じる。まるで自分の根幹に情報を上書きされているような。
「どこに、何て私も知らないし興味ない・・・多分『魂』ってあいつなら表現するだろうけど」
魂。
今目の前に現れたのはそれだってことを、わたしは直感で「理解出来た」
わたしを喰らった、災害のような存在、消え去ったそれの残滓。
「そう思うのは自然だって理解出来る・・・けど探偵らしくはないね」
まるで苦笑するように呟くセリフすら、聞いている内に脳が剥がれ落ちるような錯覚に陥る。
「随分怖がられてるみたい・・・まぁそれは理解出来る」
さっきからいちいち上から目線で言わないでよ。そういうのが一番神経に触るから。
ポッと出の神様の癖に。
「仕方がないでしょう。私たちはそういうものだから」
ひとつとして答えになってない。
「理解しなさい」
理解。
再びその耳障りな言葉が頭に入り込む。
気持ち悪い。
言葉が耳の中で蟲のように蠢いてるような不快感が全身を摩耗させる。
何でわたしは、わたしたちはこんな奴らに・・・・・・・・・・・・・
「っつ!?」
突然時間が巻き戻ったように、全てが動き出した。
蜻蛉怪人は向かって右上方から、槍のように直進してくる。
それが。
「見える」
両手を構え、突撃を受け止める。
本来なら、見えていても潰されたはずの防御が、人外の怪人を弾いた。
のみならず、体勢を崩した刹那、相手が反応する間もなく、その首を掴む。
奇しくも先とは反対の状況。
「はっつ・・・・随分遅くなったみたいねぇ!」
「っつ・・・なんじゃ!?」
優位を信じ切っていた耳蜻蛉の口から驚愕の声が漏れる。
「汝変なもんに憑かれとるんかっ!?」
ああ・・・
うるさい・・・
羽虫。
「さっきから妙な目をしとると思っとったら、ワレが脳に焼きいれたせいか」
「だから・・・」
初めてわたしは、今もあきらめず足掻いている怪人に、はっきりと言葉をかけた。
「頭がガンガン痛いってのに!! あんたの声は、無駄に響くんですよっ!」
その怒号の勢いのまま、わたしは一気に絞めつける力を強めた。
グシャっと、生々しい音を立てて甲殻が歪む。
「はっつ・・・・・ははひひ・・・・」
「ああ・・・まぁだ何か囀ってんですかねぇこの羽虫がぁ!!」
「ふし~・・・・ふしっ・・・ひぁ~・・・・・・・・・・・・・」
喉が潰れたのか、ようやく蜻蛉女が静かになった。
普通の蟲ならこれでお終い。でもこいつは人でも蟲でもない蜘蛛の一員。
暴力機構として肉体の武も暴も、探偵を遥かに凌駕する。
痛みを感じず、動きも鈍らない。
だからこれだけ傷を負っても、一切戦意を失わない。
逆にわたしの両腕に手を伸ばし掴もうとする。
「『不在証明・展開』」
なら解答は極めて単純。
圧倒的な武と暴でねじ伏せる。
「展開・一」
腹から胸にかけて、「零時間」が一文字に斬る。
鋼よりも固く見えたその鎧がただ一閃で羊羹のようにきれいに裂けた。
「展開・二」
刻まれた傷が、開花する。「可能性の傷」蛇宮ヒルメがこいつに与える可能性が万にひとつ、億にひとつでもある一切の損傷がこの時瞬時に現実化する。
「展開・三」
その全てが同時に花開いた。
それ自体が悪意を持つように、「可能性の傷」が常軌を逸した速度で増殖した。その魔の手は蜻蛉の装甲の表面に留まらず、内部の細胞にまで広がり、耳蜻蛉をズタボロに破壊し続けた。
その姿は正しく宿主を自分諸共滅ぼし尽くす悪性細胞。
探偵と怪人、ふたつの顔とふたつの世界を行き来し、混乱だけを撒き散らす「悪性令嬢」のようだった。
「・・・・・・」
怪人の身体を構成する甲殻の大部分と、内部の内臓らしき何か。
それらの大部分を無茶苦茶にデタラメに切り裂かれたら、流石にこいつも動かなくなった。
「・・・・・ふ・・・・・ひ・・・」
「って、何でまだ息があるんですかねぇ・・・・・・?」
容赦なく止め刺したのに。
「ふ・・・・・・・・・す・・」
こりゃわたしが甘いというより、この蟲の生命力が底なしなんだよね。
「えっと・・・あなたには黙秘権が・・・いやそれ違う・・・?」
どうしよ。
普段あのバカ怪人軍団に散々振り回され過ぎて、こういう時どう言ったらいいのかわからない!
「それは探偵としてあかんでしょ、わたし」
思わずセルフツッコミを入れる。
切ったはったにかまけ過ぎてると、犯人を捕まえるっていう本業が疎かになるんだ。
こんなんじゃ立派な探偵になれない・・・」
・・・でも、そもそも悪いのはこいつらデタラメトンチキ怪人の方。
なら、これでいいんだろうな。
そうだよね、母さん。
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