できる男は恋人を溺愛したい

天汐香弓

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御曹司

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寝返りを打とうとして隣にある存在に気づいて麻生は目を開けた。
「そっか……」
ぐっすりと眠る天使のような寝顔に目を細める。
甘い言葉も夜景の見える場所での告白ではなかったが、好きな人が恋人だと言う事実に胸が満たされていく。
「んーー、あそう……?」
舌っ足らずな声に呼ばれ頭を撫でてやる。
「眠れたか?」
「うん。前はアパートの郵便受けから物音して寝れなかったから、すごく寝た気がする」
「それ、盗撮されてたかもしれないぞ」
「そうなの?」
身を縮めた優を麻生が宥めるように撫でた。
「これからはもう大丈夫だから」
「うん……」
「そろそろ起きるか」
起き上がると優が隣で大きく伸びをした。
「鳳産業、うまくいくといいね」
「ああ」
拳を突き出すと優がコツンと拳を重ねる。それだけで一日頑張れそうな気がしていた。
着替えにワイシャツを貸すと優が「うわぁ」と声をあげた。
「おっきい」
袖に隠れた手をこちらへと見せる仕草が可愛くて、彼シャツが萌えだと言うのがよく分かる。
ネクタイとスーツだけは昨日のまま出勤支度を整えた優が麻生を振り返った。
「何処かで朝ごはん食べていこ」
「じゃあ、近くのパン屋が七時から開いてる。そこで食うか」
ポンと頭を撫でると優がニッコリと微笑む。可愛いなと思いながらマンションを出ると通り沿いのパン屋に足を向けた。
パン屋は人がまばらで焼き立てのパンの匂いを嗅ぎながら見て回る。
「これ美味しそう」
シナモンロールとメロンパンをトレイに載せた優が麻生を振り返った。
「麻生は?」
「商談があるからガーリックフランスは不味いよな。じゃあこれにするか」
ベーコンエピをトレイに載せレジでコーヒーとロイヤルミルクティーを購入して席に腰をおろした。
「いい店だね」
「普段は週末ぐらいしか通わないんだけどな」
そう言いながら麻生がコーヒーに口をつける。
「普段は?」
「吉牛」
麻生の答えにぷっと優が吹き出す。
「別に吉牛でも良かったのに」
「なんとなくカッコつけたかったんだよ」
拗ねたように言うと、優がクスクスと笑った。
「明日からは吉牛だよ」
「ああ」
気負うことなくペースを合わせてくれることがたまらなく嬉しい。
腹を満たすと会社までの道を並んで歩く。
「新たしい部屋はどこにするの?」
「まだ俺たちの給与も少ないしさ、親父の持ってる物件を頼ろうと思って」
「俺のこといいの?」
不安そうに見上げる優に麻生が片目を閉じた。
「もちろん近いうちに紹介するよ」
驚いた顔をする優に麻生が楽しそうに微笑む。
「俺、カムアウトしてるからさ」
「そ、そうなんだ……」
「まあ、付き合うのは浅葱がはじめてだけどさ」
後頭部をかくと、優がホッとしたような顔をした。
「俺もだよ」
「そっか……」
そう言いながら会社の入るビルに入ろうとした時だった。
「優!なんで昨日は帰ってなかったんだ!」
突然男が優の腕をつかんだ。
「お前!いい加減にしろよ!」
咄嗟に手を伸ばし麻生が優を抱きしめると、男が目を丸くした。
「お、お前……」
「これ以上付き纏うなら、警察に通報するぞ!」
麻生がそう凄むと一瞬男が怯み、すぐに優に向き直った。
「優、こんな男のいる会社にいちゃダメだ。俺のところに来るんだ」
男が手を差し出すと優が首を横に振った。
「これ以上付き纏わないで……」
掠れるような声でそう紡ぐ優に男の表情が恐ろしいものになった。
「俺は諦めないぞ!覚えていろ!」
そう叫び立ち去った男を見送ると優の膝がガクンと崩れ落ちた。
「大丈夫か」
支えていた麻生が顔を覗き込むと真っ青な顔をした優が頷いた。
「ごめん、助かった……」
「ちょっと俺、上に言ってくる」
「いいよ、取引先だし」
青い顔で微笑む優の頭をくしゃりと撫でると、麻生がポンと背中を叩いた。
「行くぞ」
「うん」
建物に入りエレベーターに乗ると会社のあるフロアに向かう。
「俺トイレ行ってからいくから」
麻生がそう言うと優がふらふらと会社のあるフロアに入っていった。
それを見届けた麻生がポケットからスマートフォンを出すと電話をかける。
「もしもし、俺だけど頼みがある」
そう言って顔をあげると神妙な顔で話をはじめた。

営業部のあるフロアに麻生が到着すると、女性社員が「麻生さんもだー」と声をあげた。
「浅葱さんとペアリングですか?」
「まあな。交際記念に」
「やりますねー。浅葱さんの指に似合ってますもん」
女性社員の言葉に優が真っ赤になっていく。
その時、社長が営業部に入ってきた。
「うちの営業社員が山海商事の社員にストーカーに遭っていると聞いたのだが」
ビクンと優が肩を震わせるのと社員たちの視線が優に向くのは一緒だった。
「山海商事との取引は中止だ。連絡は私からする。部長、施工部にもそう伝えてくれ。メンテも全部切るからな」
「は、はい……」
「今後は危害があれば部長から私にあげてくれ」
機嫌が悪そうにそう言うと社長は出ていった。
「浅葱さん、良かったね!」
「はい……」
安堵したのか涙を浮かべた優を周囲が気遣う。
「それにしても社長が動いてくれて良かったね」
女性社員が宥め優が頷く。
「浮かれてられんぞ、山海商事との契約で出る損失を埋めないと」
「山海はビル空調だけなので現在は定期メンテ費用のみです。鳳産業がうまく行けば全国の工場に取り付けが可能かもしれません」
部長の言葉に麻生がそう言い返す。
「わ、分かった。それじゃミーティングを始めるぞ」
部長の言葉に全員が立ち上がった。

「麻生が社長に話してくれたんだろ?」
鳳産業へ向かう道すがら優が申し訳なさそうにそう言う。
「さあ、どうだったかな?」
肩を竦め優の肩をドンと叩く。
「切り替えて行こうぜ」
「うん」
受付で来社を告げ会議室に案内されると、相手の担当が現れた。
立ち上がり挨拶をすると、和やかに商談が始まった。
「それでしたら、ここに取り付けると一番効率がいいと思います」
ひとつひとつの工場の効率のいい空調の置き場を優が提唱していく。
「なるほど」
「置いているものによって修正があるかもしれませんが、取り付け工程も……」
そう言いながら工賃を計算し、優が示してみせる。
「見積もりをきちんとしてみたらまた変わるかもしれませんが、いかがでしょう」
商品の説明は麻生がメインだったがその先は優が熱心に相手の要望を聞きメモをとっている。そんな仕事に熱心な優を好ましく思いながら見ていると、優がこちらを見た。
「これでいいかな」
「ああ。これで見積もりを作った上で工事の予定を詰めたいと思うのですが」
「ああ、工事に関しては工場の稼働の関係でこの日にしてもらいたいんです」
改めて示された用紙に目を通すと、麻生と優が頷く。
「ご希望に添えるよう、施工部と打ち合わせていただきます」
麻生がそう言うと相手がホッとしたように頷いた。
「それでは見積もりと施工の日程が決まりましたら、ご連絡させていただきます」
書類を預かり立ち上がると挨拶をして応接室を出る。
担当者に挨拶を告げエレベーターに乗るとパンと二人で手を合わせた。
「受注まで気を抜かずに行こう」
「そうだな」
顔を見合わせ笑顔になる。
意気揚々と社に戻り、部長に報告してから施工部に二人で足を運ぶと、施工部の部長が笑顔で迎えてくれた。
「そういえば山海、もうメンテに行かなくて良くなって助かったよ」
部長の言葉に顔を見合わせると、部長が苦笑いをした。
「なんで浅葱君を連れて来ないのか、毎回罵られてね。連れてこないとサインしないとか言われるし、みんな行きたがらなかったんだよ」
「そんなことになってたんですね……」
優が申し訳なさそうな顔をすると部長が頷いた。
「とにかく本当に良かった。鳳さんのことは任せてくれ」
「はい!よろしくお願いいたします」
頭を下げた優に麻生と部長が顔を見合わせ頷く。
「それじゃ、見積もりたてようぜ」
麻生が優に声をかけると、顔をあげた優が笑顔で応じた。

仕事を終え終業時間になり麻生が優に声をかけた。
「親父から新築の部屋を紹介されたんだけど、今から見に行かないか?」
「え、もう?」
目を見開いた優に麻生が肩を竦める。
「空きっぱなしより、人を入れた方がメンテしやすいからな」
「そんなもんなんだ」
「で、どうする?」
麻生が問いかけると優が時計を見た。
「今からでもいいの?」
「七時までならいいらしい」
「行く!」
優の答えに満足したように麻生が頷く。
「じゃ、行くか」
ポンと肩を叩くと会社を出て二駅歩いた先のマンションに足を向けた。
「ここだな」
新築というだけあって、エントランスにも綺麗だ。
エントランスにいる案内役の社員が頭を下げた。
「お待ちしておりました。社長からお聞きしています」
「え?社長?」
「ああ、親父は社長業もしてるからな。行くぞ」
麻生に肩を抱かれエレベーターに乗り込む。
エレベーターをのぼり、部屋のある階に停止すると角部屋に案内された。
「こちら、2LDKになります」
案内役の社員と共に部屋に上がると広い部屋とリビングの大きな窓に目を瞠った。
「すごい!広いし景色も綺麗!」
「部屋も見てみようぜ」
ドアを開けると部屋の明かりをつけてもらう。
「こちらは八畳で、ベッドや棚を置くことが出来ますし、こちらにはクロゼットがございます。あちらは二十畳になります」
もうひとつ部屋を見ると優が麻生を見た。
「こっちを麻生が使えば?ベッドが大きかったし」
「ここでいいのか?」
「麻生がいいなら」
伺うような優の表情に麻生がニッと笑顔になった。
「じゃあ決まりだな。いつから入れる?」
案内役の社員に麻生が尋ねると、契約をしたらすぐにでもとのことで、すぐに契約したいと麻生が告げた。
こうして週末の三連休を使いに優のアパートからと麻生のマンションから荷物をそれぞれ運び出すことを決めた。
「麻生、実は御曹司なんだね」
麻生のマンションに戻ると優が少し拗ねたような顔で麻生を見上げた。
「御曹司……でも嫡外子だからな」
肩を竦めた麻生がデリバリーのアプリを立ち上げた。
「九条商事分かるか?」
「分かるも何も、うちの親会社じゃん」
九条商事は財閥解体時にいくつもの四菱財閥の子会社を買い取り、一大グループになった家で、そのトップは総資産では世界の十人に入ると言われるほどだった。
「九条は俺の父親だ。母親は愛人」
「こ、込み入ったこと聞いちゃってゴメン」
恐縮する優の頭をそっと撫でて麻生が笑った。
「いいんだよ。浅葱には近々言うつもりだったし」
「マンションも実家の援助?」
「あそこは投資先のメンテ役をする代わりに住まわせてもらうんだよ」
「それじゃダメだよ。できる家賃をできる限り出すから、お父様にそう伝えて」
「分かったよ。それより何を食う?」
スマートフォンの画面を見せると優が肩を触れ合わせる。
こういう小さなときめきを大事にしたい。しみじみと噛み締めながら凭れ掛かる優の重みを感じていた。
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