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第1話 告白
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いつもより少しだけ肌寒い、秋というよりは冬に近い日だった。いつもより少しだけ格好つけて、いつもより少しだけ早く、待ち合わせる。友達と待ち合わせるよりも早く別の場所で集まった。キレイな駅だ。改築したばかりの高山駅は、なかなかに美しいと思う。今日はなんだかいつもとは違う日だ。部活のメンバーで遊ぶ前に、どうしても彼女と会っておきたかった。
「こんにちは。」
顔の表情を変えることのないまま駅の中からやって来た彼女は、俺のもとまで来てそう言った。無愛想な彼女の顔はいつもより少しだけ頬が赤く色づく。それは寒さのせいなのか、それとも俺と会ったからなのか――。後者であることを願いながら、俺達は他の仲間のもとへ歩みを進める。
歩き始めると、なんだか不思議な緊張感があった。こんな風に二人で集まるのは初めてで、それに誘ってからの彼女とは不思議な距離が空いてしまった。話が続かない。喉が異様に渇く。自分の情けなさに腹が立つ。
そうして歩いているうちに、ようやく緊張も溶けてきた。相変わらず話は続かないが、彼女の顔が見れるようになった。彼女は頬を淡いピンク色に染めながらも、いつもと変わらない無愛想な表情だった。そんな彼女の顔を見ていたら、つい吹き出してしまった。
「なんでそんなに笑ってるんですか」と彼女が言う。「だってなんだかかわいくて。」と俺が言う。そんな彼女がとても愛おしくて…。
「好きです付き合ってください。」
彼女は突然の言葉に少し戸惑った表情になった。でも少し経つと、恥ずかしそうにしながら首を縦に降った。
「じゃあ、手、繋いでいい?」
「良いですよ。」
自然に手を繋ぐことができたならカッコいいと思いつつも、俺は最大限の勇気を出して言った。それに答えてくれた彼女は表情は変わらないのに、なんだか顔が赤くなっていた。俺はそんな彼女を一生大切にしようと思った。
「こんにちは。」
顔の表情を変えることのないまま駅の中からやって来た彼女は、俺のもとまで来てそう言った。無愛想な彼女の顔はいつもより少しだけ頬が赤く色づく。それは寒さのせいなのか、それとも俺と会ったからなのか――。後者であることを願いながら、俺達は他の仲間のもとへ歩みを進める。
歩き始めると、なんだか不思議な緊張感があった。こんな風に二人で集まるのは初めてで、それに誘ってからの彼女とは不思議な距離が空いてしまった。話が続かない。喉が異様に渇く。自分の情けなさに腹が立つ。
そうして歩いているうちに、ようやく緊張も溶けてきた。相変わらず話は続かないが、彼女の顔が見れるようになった。彼女は頬を淡いピンク色に染めながらも、いつもと変わらない無愛想な表情だった。そんな彼女の顔を見ていたら、つい吹き出してしまった。
「なんでそんなに笑ってるんですか」と彼女が言う。「だってなんだかかわいくて。」と俺が言う。そんな彼女がとても愛おしくて…。
「好きです付き合ってください。」
彼女は突然の言葉に少し戸惑った表情になった。でも少し経つと、恥ずかしそうにしながら首を縦に降った。
「じゃあ、手、繋いでいい?」
「良いですよ。」
自然に手を繋ぐことができたならカッコいいと思いつつも、俺は最大限の勇気を出して言った。それに答えてくれた彼女は表情は変わらないのに、なんだか顔が赤くなっていた。俺はそんな彼女を一生大切にしようと思った。
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