《完結》公爵令嬢は逃げ出し獣人国で肉を焼く

皇子(みこ)

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一日のお終いルーティン

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「さあ!明日の仕込みも終わったし、そろそろ寝ないといけないわね。

 明日のオススメランチは、先日道具屋で見つけた蒸籠を使った蒸し料理にするから、とっても簡単。

 一段目にお肉又はお魚や貝を置いて、二段目には色々な野菜達を食べやすく見栄え良く並べるだけだものね。でも、三段にして、焼売も並べた方が食べ応えあるかしら? お風呂でゆっくり決めましょう」



私は、お風呂にゆったり浸かり、窓を開けて光り輝く月に向かって話しかけた。



「ねえ、お月様。きっとそれだけでは少ないから、いつもの通りにお野菜たっぷりゴロゴロベーコンスープとご飯はおかわり自由で、最後にシフォンケーキ又はプリンで締めでどうかしら?

 獣人の方は種族によって食べる好みや量が違いすぎるから、大まかだけど菜食の方、菜食寄りの方、肉食と三段階に分けて、量も少量、中量、大量、特大に分けてるのよね。

 それでも、獣人国に来て二年経っても慣れない事が多くあるけれど、周りの方々に助けられて今こうして、楽しんで暮らしていられてると実感しますわ。

 最初獣人国へ入った時は、いきなり獣人国の王都だったから、様々な人種に訳が分からずにパニックになったけど、落ち着いて考えると、これはチャンスだと思ったのよね。この国で私の居場所を作りたいと。

 荷馬車の中では、持ってた携帯食を少しずつ食べながら不安に過ごしていたから、少し安心した後は、お腹空いて仕方なかったのよね。お風呂も入りたかったし宿屋に泊まった時本当にホッとしたわ。そして、大まかな今後の計画を立てたのも、懐かしいわ」


私は二年前、必死で頑張っていた自分自身に想いを馳せた。

 大変だった事は、言葉の意味が理解できない事が多くあったし、襲われそうになったし、料理の傾向や量価格がハッキリしなくて悩んだし、何処の街に行こうかとか、どの場所が良いのかとか本当に必死で行き当たりばったりで、どうにかここまできたのよね。

 

「長かったわね……長かったかしら? あっという間だったかしら……まだ、わかんないわ。まだ、必死で頑張っている最中だから。二年後に又、こーやってお風呂でのんびり考えられたら良いなぁ」



月を何も考えずに見ていた時、下から何か人の気配がした。お風呂の場所は、窓を開けてもその先にベランダがあるので、下からは私の事が見えないようになっているの。

 私はサッと風呂から上がり、身体と髪を拭いて楽なワンピースを着て。長い髪はポタポタ水が垂れてくるから、タオルで巻いて上に上げてカバーして、ベランダに出た。

 すると、大柄の身体で耳に特徴がある後ろ姿が、どんどん小さくなっていく所だった。


「キファント様。待ってください」


夜中なので、声には気をつけて聞こえるか心配しながら声をかけた。

 月の光に反射した、パールグレーの髪がキラキラ綺麗。少し長めのその髪が大きく動き、凛々しく端正な顔が私の方を見た気がした。私は獣人の方みたいに視力や、聴力がよくないので、想像だけれど、目が合った気がしたの。

 その時何故か、胸がドキドキした? 
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