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the end
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「……ミュラ……貴女……どうしてここに」
馬車の灯に浮かび上がる姿は、可愛らしい天真爛漫な笑顔。
キファント様の背中へ抱きつき、うるうるした瞳でキファント様を見上げるミュラに、私は何故か身震いした。
「えっ?あれ?お姉様!生きてたの!!お父様達心配してたわよ。お姉様死んじゃったって。ほーんとお父様もだけど、あの家の人達って最低だよね。ミュラあの人達大っ嫌い」
チラッと私を見た後は、キファント様へ目線を向けて、ほっぺを膨らまし首を傾げながら話してるミュラ。
「貴女……子供は?子供はどうしたの、確か一歳過ぎになる子いるわよね?それにライト様は、ライト様とは一緒ではないの?」
「えーーー!何言ってんの?私、未婚だよぉ~!子供なんていないわょ!失礼よ。お姉様。アレは、ほんの冗談よ、あんなの皆んな本気にするんだもん。最低だわ。笑って許せないなんて。
ねぇ~そう思うわよねぇお強い獣人騎士様。ミュラ強い人だぁーい好きなんです。
獣人騎士様のお名前はなんておっしゃるの?獣人さんって本当凄いですね。私はミュラです。獣人の騎士様、凛々しくて、カッコよくてすっごくお強いんですものビックリしましたよぉ。やっぱり男性は強さだとミュラ思うんですよね。
それに、その耳すっごいですね。何の獣人様なんですか?獣人って本当に居たんですね。ここまでお姉様を探しに辛い旅をしてきて良かったですぅ。お姉様が死んだって聞いてミュラ信じられなくて、居ても立っても居られなくて一人旅に出たんですよ。
そしたら、いきなり襲われて運命の人に助けられるなんて、ミュラって幸せ者だわ。ねっ、獣人騎士様」
「私は貴女の運命の人ではない。離してくれないか」
キファント様はミュラの手をやんわり払い除け、私の元へ近づいて来てくれた。
「大丈夫だったかレティ。怖くは無かったか」
風で散らばっていた私の髪を、優しく整えながら聴いてくれた。キファント様はミュラの魅力に靡かないんだわ。以前の事があったから、キファント様も変わるのかとビクビクしてた私は、安心して涙が溢れてきた。
私の溢れる涙を優しく拭ってくれながら、護るような笑顔で包んでくれた。
「さあ、帰ろうか」
「はい」
上空にいるラリーさんにキファント様が合図をすると、ラリーさんが目の前に降りて来てくれた。私達がラリーさんに乗り込もうと動いていたら、背後からミュラのイライラした声が聞こえてきた。
「えっ!待ってよお姉様。私もお姉様と一緒に行く!置いてかないで!!獣人騎士様と一緒にいたいもの。だって私の運命の人だから」
「ミュラ貴女、ライト様の時も同じ事私に言っていたわよ。貴女には何人もの運命があるのね。凄いわね」
私の言葉に満面の笑みを讃えて喜ぶミュラ。そこは、喜ぶところではない筈なのに、この子はやはり色々と理解しないといけない事が多過ぎすぎると思うわ。憎しみや怨みより、当たり前のことがわからないこの子に、悲しみが私の中に産まれた。
「ミュラ嬢。悪いがラリーには、二人しか乗れないんだ」
「じゃあ!可愛い私が騎士様と一緒に乗るわ。その方が嬉しいでしょ騎士様も」
「悪いが、ラリーは乗せる人を選ぶんだ。君では無理だ。それに、私の愛している人は君ではない。レティなのだから。
先程連絡したから、もう時期獣人の騎士が来るだろう。君も逃げてばかりではなく、自分自身の後始末をきちんとして来なさい。
来る騎士には貴女を御実家に連れて行く様に伝えているから、帰るといい」
キファント様はいつ、その様な連絡をしたのかしら?獣人国には私には理解できないことが多いけれど、少しづつで良いの、キファント様や獣人国の皆様と共に生きていきたいと思う。
私をラリーさんの上にゆっくり乗せてくれた後、キファント様も背後にヒラリと乗り込んできてくれた。背中の温もりに安心する。そして、ふわりと浮かんだけど、残るミュラが心配でキファント様に問おうと口を開いた時、全方位上空から聴き覚えのある大きな声が聞こえてきた。
「団長!!!!すっ飛ばして来ましたよ!お役目きちんと果たしますから!御安心おーーーー!!」
「宜しく頼む」
「了解ですーーー!!!うちのフィンは素直ですから女の子なら誰でも乗れますから平気です。お任せあれ」
マーシャル様が鷹の様な鳥に乗って凄いスピードで向かって来た。そして、下に降りて行った。何か、ミュラのテンションが上がったみたいで一安心したけど、大丈夫かな。
私達は、ラリーさんと一緒に家路へ帰ります。キファント様に包まれて飛んでいると、包み込む腕の強さが強まりました。そして、
「レティ……すまない。君の事を調べた」
なんとなくだけど、話から知ってるのかなッとは感じましたが、キファント様のお家は格式の高い貴族だから、周り的にも仕方がない事だとは思います。ちゃんと理解してますから。
「……私には婚約者がいました。攻略的な婚約でしたが、より良い関係を築く事ができなかったのは、私の所為もあります。それに、実家から逃げたいがやゆえに、偽装をして行方をわからなくしてしまいました。
この様な私ですが、キファント様は……私を受け入れていただけますか」
「私は、レティが何者でも、私の家や家族を棄てようともレティが私を受け入れてくれたのなら、奪い去る予定だった。誰も知らない土地で二人で生きて行くのも楽しいかなと想像していたぞ。
レティと美味しい食事さえあれば、私はいつも元気だが、君の過去を知らされ総ての事を理解した時は、レティへの愛しさが倍増したな。
レティは苦しんだだろうが、私にとってはその過去の君があってこそ、今の君だと思うんだ。
レティの過去や今の悔しさ悲しさを、全て私へ話してくれると嬉しい。私も私の気持ちを素直にレティには伝えていきたいと、これから一緒に生きて行きたいと思っているんだ。
レティのすべてを愛している」
「私もキファント様のすべてを愛しています」
the end
馬車の灯に浮かび上がる姿は、可愛らしい天真爛漫な笑顔。
キファント様の背中へ抱きつき、うるうるした瞳でキファント様を見上げるミュラに、私は何故か身震いした。
「えっ?あれ?お姉様!生きてたの!!お父様達心配してたわよ。お姉様死んじゃったって。ほーんとお父様もだけど、あの家の人達って最低だよね。ミュラあの人達大っ嫌い」
チラッと私を見た後は、キファント様へ目線を向けて、ほっぺを膨らまし首を傾げながら話してるミュラ。
「貴女……子供は?子供はどうしたの、確か一歳過ぎになる子いるわよね?それにライト様は、ライト様とは一緒ではないの?」
「えーーー!何言ってんの?私、未婚だよぉ~!子供なんていないわょ!失礼よ。お姉様。アレは、ほんの冗談よ、あんなの皆んな本気にするんだもん。最低だわ。笑って許せないなんて。
ねぇ~そう思うわよねぇお強い獣人騎士様。ミュラ強い人だぁーい好きなんです。
獣人騎士様のお名前はなんておっしゃるの?獣人さんって本当凄いですね。私はミュラです。獣人の騎士様、凛々しくて、カッコよくてすっごくお強いんですものビックリしましたよぉ。やっぱり男性は強さだとミュラ思うんですよね。
それに、その耳すっごいですね。何の獣人様なんですか?獣人って本当に居たんですね。ここまでお姉様を探しに辛い旅をしてきて良かったですぅ。お姉様が死んだって聞いてミュラ信じられなくて、居ても立っても居られなくて一人旅に出たんですよ。
そしたら、いきなり襲われて運命の人に助けられるなんて、ミュラって幸せ者だわ。ねっ、獣人騎士様」
「私は貴女の運命の人ではない。離してくれないか」
キファント様はミュラの手をやんわり払い除け、私の元へ近づいて来てくれた。
「大丈夫だったかレティ。怖くは無かったか」
風で散らばっていた私の髪を、優しく整えながら聴いてくれた。キファント様はミュラの魅力に靡かないんだわ。以前の事があったから、キファント様も変わるのかとビクビクしてた私は、安心して涙が溢れてきた。
私の溢れる涙を優しく拭ってくれながら、護るような笑顔で包んでくれた。
「さあ、帰ろうか」
「はい」
上空にいるラリーさんにキファント様が合図をすると、ラリーさんが目の前に降りて来てくれた。私達がラリーさんに乗り込もうと動いていたら、背後からミュラのイライラした声が聞こえてきた。
「えっ!待ってよお姉様。私もお姉様と一緒に行く!置いてかないで!!獣人騎士様と一緒にいたいもの。だって私の運命の人だから」
「ミュラ貴女、ライト様の時も同じ事私に言っていたわよ。貴女には何人もの運命があるのね。凄いわね」
私の言葉に満面の笑みを讃えて喜ぶミュラ。そこは、喜ぶところではない筈なのに、この子はやはり色々と理解しないといけない事が多過ぎすぎると思うわ。憎しみや怨みより、当たり前のことがわからないこの子に、悲しみが私の中に産まれた。
「ミュラ嬢。悪いがラリーには、二人しか乗れないんだ」
「じゃあ!可愛い私が騎士様と一緒に乗るわ。その方が嬉しいでしょ騎士様も」
「悪いが、ラリーは乗せる人を選ぶんだ。君では無理だ。それに、私の愛している人は君ではない。レティなのだから。
先程連絡したから、もう時期獣人の騎士が来るだろう。君も逃げてばかりではなく、自分自身の後始末をきちんとして来なさい。
来る騎士には貴女を御実家に連れて行く様に伝えているから、帰るといい」
キファント様はいつ、その様な連絡をしたのかしら?獣人国には私には理解できないことが多いけれど、少しづつで良いの、キファント様や獣人国の皆様と共に生きていきたいと思う。
私をラリーさんの上にゆっくり乗せてくれた後、キファント様も背後にヒラリと乗り込んできてくれた。背中の温もりに安心する。そして、ふわりと浮かんだけど、残るミュラが心配でキファント様に問おうと口を開いた時、全方位上空から聴き覚えのある大きな声が聞こえてきた。
「団長!!!!すっ飛ばして来ましたよ!お役目きちんと果たしますから!御安心おーーーー!!」
「宜しく頼む」
「了解ですーーー!!!うちのフィンは素直ですから女の子なら誰でも乗れますから平気です。お任せあれ」
マーシャル様が鷹の様な鳥に乗って凄いスピードで向かって来た。そして、下に降りて行った。何か、ミュラのテンションが上がったみたいで一安心したけど、大丈夫かな。
私達は、ラリーさんと一緒に家路へ帰ります。キファント様に包まれて飛んでいると、包み込む腕の強さが強まりました。そして、
「レティ……すまない。君の事を調べた」
なんとなくだけど、話から知ってるのかなッとは感じましたが、キファント様のお家は格式の高い貴族だから、周り的にも仕方がない事だとは思います。ちゃんと理解してますから。
「……私には婚約者がいました。攻略的な婚約でしたが、より良い関係を築く事ができなかったのは、私の所為もあります。それに、実家から逃げたいがやゆえに、偽装をして行方をわからなくしてしまいました。
この様な私ですが、キファント様は……私を受け入れていただけますか」
「私は、レティが何者でも、私の家や家族を棄てようともレティが私を受け入れてくれたのなら、奪い去る予定だった。誰も知らない土地で二人で生きて行くのも楽しいかなと想像していたぞ。
レティと美味しい食事さえあれば、私はいつも元気だが、君の過去を知らされ総ての事を理解した時は、レティへの愛しさが倍増したな。
レティは苦しんだだろうが、私にとってはその過去の君があってこそ、今の君だと思うんだ。
レティの過去や今の悔しさ悲しさを、全て私へ話してくれると嬉しい。私も私の気持ちを素直にレティには伝えていきたいと、これから一緒に生きて行きたいと思っているんだ。
レティのすべてを愛している」
「私もキファント様のすべてを愛しています」
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