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一章 ブランコ村
〜力自慢は笑う〜 一話
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一夜が明け、ブランコ村から少し離れた山へ。
燃え尽きた焚き火がある場所で2人の少年が陽の光で目を覚ました。
「ハァ~…ここで起きたって事は夢じゃなかったってことか…」
「村のみんな…ダメだ俺、こんなの信じられねぇよ…」
ネロは起きて早々に憂鬱なため息をついた。
「ネロ…」
ロートは日中でより赤くなった髪が目立っていた。
そして腕には赤いリングが見付けていた。
「ロート、その赤いリングは取れないのか?」
「うん、このリングを付けた時全身に血が流れたような気がして、その時からずっと離れてないんだよ」
そっかぁ…とネロは呟き、仰向けになりながら上を向いた。
「俺たちはこのままどうすればいいんだろうな…」
その話を聞き、ロートがハッとした。
「そ、そういえばルージュさんがなんかカエル…なんとかとかいうところに向かって平和に暮らしてくれって言ってたよ」
「それってあのおっさんが住んでたところか?…そんなこと言われてもどこか分からねぇよ…」
「うん…そうだね。何かこのリングで分かることないかな…」
そう思い、ロートはリングを見ているとリングの内側に0.5ミリ程度の小さな穴があった。
なんだろうと思い、細い枝で穴を突いてみるとロートの目の前にホログラムの画面が表示された。
「うわっ!!なんだこれ!」
「ん、どうしたロート?なにか現れたか」
どうやらネロには見えていない様子だ。
ロートは分けも分からず、画面を見ていると受話器のアイコン、手紙のアイコン、地球のアイコンなど色々な絵のアイコンがあった。
その中で2人の人間が画面を見ているアイコンがあった。
よく分からずそのアイコンに触れた。
するとネロは驚き、画面を見ている。
どうやら画面は2人が認識できるようになり、画面自体も2人で確認しやすいように拡大調整されていた。
「なんだよこれ…、板みたいなのに触っても感触がないぞ…!」
少しまで元気のなかったネロだが、少しずつ元気を取り戻しリングへも興味を持ち始めた。
「なんか、手紙のマークに1って表示されてるぞ!」
色々なアイコンを指のフリックで動かしていたロートだが、上表示の手紙アイコンに数字が表示されていることにネロが気付いた。
「…ちょっと押してみるね」
ロートが手紙アイコンをタッチした瞬間に画面表示が変わった。
そこには一通のみ「ルージュより」というタイトルでメールが残されていた。
その表示をタッチするとこう記載されていた。
ーーーーーーーーーーーー
2人の少年へ
これを読んでる時はおじさんが死んでる時だ。
君たちの村やみんなを守れなくて本当に申し訳ない。
急な吹雪が村を襲って家が倒壊したのち、住民たちの安否を確認したが、みんな手遅れだった。
その後に白いリングを付けた女が現れた。
おそらく女は俺が目的だった。
それをブランコ村の人達を巻き込んで…。
謝っても謝りきれないほど悔しい。
それでも君たちだけでも守りたい。
万が一俺が死んだ場合も考えて、カエルレウムへ向かうプログラムをこのメールに添付しておく。
この状況を脱したら、カエルレウムへ向かってくれ。
あそこは仮想通貨が無いと住めない場所だが、このリングの仮想通貨には2人の一生分のお金をチャージしておいた。
そのお金で幸せに何事もなく、平和に暮らしてほしい。
ただ、街ではこのリングを他の人には見せないでくれ。
みんなビックリしちゃうからな…(笑)
さて、俺が伝えたい事はこれで最後。
このリングの魔法が使えるコードを下に教えるな!
コード0547:サーモス
コード05
ーーーーーーーーーーーーーー
「おい!途中で切れてるぞ!」
「多分、この後ボクとルージュさんが会ったからだ…」
「とりあえず、この手紙についているこのマークをタッチするのかな…」
ロートはそう言ってメールに添付されているプログラムをタッチすると、現在地からカエルレウムへ向かうマップ、そしてロートからホログラムのラインが北へずっと続いている。
「この紐みたいなのを伝っていけばおっさんの住んでたところに着けるってわけか」
「なぁ、そのおっさんの住処に行くと、もしかしたら俺らの村を潰したあの白い女に会えるんじゃないか…?」
「分からないよ…、でもボクたちも殺されちゃうかもしれないし…その人に会うのは危険だよ…」
ブランコ村を滅した白いリングを付けた女。
ルージュを狙っていたとなると、確実にルージュの住む場所などにもいた可能性が高い。
「俺はあの女を許さない。俺の母ちゃん、父ちゃん、アーテル、いや村の家族全員を殺したあの女は俺の手で始末しなきゃ気が済まねぇ」
「ネロ…、復讐するの…?」
ロートはネロの顔を見て、止める事は出来なかった。
確かに自分もあの白い女が憎い。
しかし怖さもある、そんな揺れ動いた気持ちでネロを止める事など出来なかった。
「ロートはその街で平和に暮らしててもいいさ、強要はしねぇ」
「ところでよ、その街ってのはここからどれくらいの距離があるんだ?」
「うん…。ここから5000キロって書いてあるよ。よく分からないけど凄く遠いんじゃないかな…」
「遠かろうが、進む場所はそこしかねぇ!」
向かう場所がハッキリし始めた頃にはネロはやる気になっていた。
「う、うん!分かった!」
そして2人の少年はまた歩き出した。
村を滅ぼした犯人の復讐、街での平穏な暮らし。
理由は様々だが、目的地は一緒。
目指すは5000km先、大都市カエルレウムへ。
燃え尽きた焚き火がある場所で2人の少年が陽の光で目を覚ました。
「ハァ~…ここで起きたって事は夢じゃなかったってことか…」
「村のみんな…ダメだ俺、こんなの信じられねぇよ…」
ネロは起きて早々に憂鬱なため息をついた。
「ネロ…」
ロートは日中でより赤くなった髪が目立っていた。
そして腕には赤いリングが見付けていた。
「ロート、その赤いリングは取れないのか?」
「うん、このリングを付けた時全身に血が流れたような気がして、その時からずっと離れてないんだよ」
そっかぁ…とネロは呟き、仰向けになりながら上を向いた。
「俺たちはこのままどうすればいいんだろうな…」
その話を聞き、ロートがハッとした。
「そ、そういえばルージュさんがなんかカエル…なんとかとかいうところに向かって平和に暮らしてくれって言ってたよ」
「それってあのおっさんが住んでたところか?…そんなこと言われてもどこか分からねぇよ…」
「うん…そうだね。何かこのリングで分かることないかな…」
そう思い、ロートはリングを見ているとリングの内側に0.5ミリ程度の小さな穴があった。
なんだろうと思い、細い枝で穴を突いてみるとロートの目の前にホログラムの画面が表示された。
「うわっ!!なんだこれ!」
「ん、どうしたロート?なにか現れたか」
どうやらネロには見えていない様子だ。
ロートは分けも分からず、画面を見ていると受話器のアイコン、手紙のアイコン、地球のアイコンなど色々な絵のアイコンがあった。
その中で2人の人間が画面を見ているアイコンがあった。
よく分からずそのアイコンに触れた。
するとネロは驚き、画面を見ている。
どうやら画面は2人が認識できるようになり、画面自体も2人で確認しやすいように拡大調整されていた。
「なんだよこれ…、板みたいなのに触っても感触がないぞ…!」
少しまで元気のなかったネロだが、少しずつ元気を取り戻しリングへも興味を持ち始めた。
「なんか、手紙のマークに1って表示されてるぞ!」
色々なアイコンを指のフリックで動かしていたロートだが、上表示の手紙アイコンに数字が表示されていることにネロが気付いた。
「…ちょっと押してみるね」
ロートが手紙アイコンをタッチした瞬間に画面表示が変わった。
そこには一通のみ「ルージュより」というタイトルでメールが残されていた。
その表示をタッチするとこう記載されていた。
ーーーーーーーーーーーー
2人の少年へ
これを読んでる時はおじさんが死んでる時だ。
君たちの村やみんなを守れなくて本当に申し訳ない。
急な吹雪が村を襲って家が倒壊したのち、住民たちの安否を確認したが、みんな手遅れだった。
その後に白いリングを付けた女が現れた。
おそらく女は俺が目的だった。
それをブランコ村の人達を巻き込んで…。
謝っても謝りきれないほど悔しい。
それでも君たちだけでも守りたい。
万が一俺が死んだ場合も考えて、カエルレウムへ向かうプログラムをこのメールに添付しておく。
この状況を脱したら、カエルレウムへ向かってくれ。
あそこは仮想通貨が無いと住めない場所だが、このリングの仮想通貨には2人の一生分のお金をチャージしておいた。
そのお金で幸せに何事もなく、平和に暮らしてほしい。
ただ、街ではこのリングを他の人には見せないでくれ。
みんなビックリしちゃうからな…(笑)
さて、俺が伝えたい事はこれで最後。
このリングの魔法が使えるコードを下に教えるな!
コード0547:サーモス
コード05
ーーーーーーーーーーーーーー
「おい!途中で切れてるぞ!」
「多分、この後ボクとルージュさんが会ったからだ…」
「とりあえず、この手紙についているこのマークをタッチするのかな…」
ロートはそう言ってメールに添付されているプログラムをタッチすると、現在地からカエルレウムへ向かうマップ、そしてロートからホログラムのラインが北へずっと続いている。
「この紐みたいなのを伝っていけばおっさんの住んでたところに着けるってわけか」
「なぁ、そのおっさんの住処に行くと、もしかしたら俺らの村を潰したあの白い女に会えるんじゃないか…?」
「分からないよ…、でもボクたちも殺されちゃうかもしれないし…その人に会うのは危険だよ…」
ブランコ村を滅した白いリングを付けた女。
ルージュを狙っていたとなると、確実にルージュの住む場所などにもいた可能性が高い。
「俺はあの女を許さない。俺の母ちゃん、父ちゃん、アーテル、いや村の家族全員を殺したあの女は俺の手で始末しなきゃ気が済まねぇ」
「ネロ…、復讐するの…?」
ロートはネロの顔を見て、止める事は出来なかった。
確かに自分もあの白い女が憎い。
しかし怖さもある、そんな揺れ動いた気持ちでネロを止める事など出来なかった。
「ロートはその街で平和に暮らしててもいいさ、強要はしねぇ」
「ところでよ、その街ってのはここからどれくらいの距離があるんだ?」
「うん…。ここから5000キロって書いてあるよ。よく分からないけど凄く遠いんじゃないかな…」
「遠かろうが、進む場所はそこしかねぇ!」
向かう場所がハッキリし始めた頃にはネロはやる気になっていた。
「う、うん!分かった!」
そして2人の少年はまた歩き出した。
村を滅ぼした犯人の復讐、街での平穏な暮らし。
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