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二章 大都市カエルレウム
〜毒は常識を憂う〜 一話
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ネロ一行はとうとう大都市カエルレウムに到着した。
この辺りになると気候もかなり冷え、雪が降りそうな季節だった。
しかし、そんな事を忘れてしまうほど、この都市は彼らが今まで見たことがない世界であった。
山を越える高さを持つスタイリッシュな建造物。
舗装された近代的な歩道。
透明なパイプが歩道の上に均等な位置に並び、空中にはジェット機のある小型な機械に人が乗って移動している。
いわゆる近未来な都市であった。
彼らはこの光景を見て、目を輝かせた。
「すげぇ~!!なんだここは!!高くてでけぇ家がいっぱい建ってるぞ!!」
「ガッハッハ!!ワシらの見ていた世界は狭かったな!!こんなスゴイ世界もあったんだな!!」
ネロとカルコスがこの都市に感動している最中、ロートは少し憂いのある顔をしていた。
「ん?どうしたロート?」
「い、いや、ちょっと世界が違いすぎて怖くなってきちゃって…」
そう、この科学が発展した世界ではあのブランコ村を襲った女がいる可能性が高い。
小さな村出身の彼らにとっては憧れでもあり、未知の恐怖も感じていた。
「ンヌゥ!しかしこの都市から近付いてきてからほとんど飯を食わずにハイペースで来たからな!ワシは腹が減ったぞ!!」
カルコスの腹の音が鳴ったことに気づき、2人もこの都市の食事を摂れる場所を探した。
彼らの村には食材の倉庫があり、そこでは互いの物々交換で食材を得ていた。
そのような倉庫がこの都市にもあるのではないかと巡っていた。
すると、この都市では異質な木材でできた「Or ring bar」と看板が飾られた店を見つけた。
「お!俺の嗅覚が言っている!あそこには美味そうな食いモンがあるぞぉ~」
そう言ってネロは店に向かい、遅れて2人も店に入る事にした。
店の中は2階も筒抜けの状態で思ったより広さはあった。
広さはありつつも店は満席に近い状態であった。
店の入り口のすぐそばにはモニターがあり「いらっしゃい」との表示、すぐにトレーと小さなモニターが付いている機械ロボットがローラー音を響かせが彼らの前に現れた。
どうやら空席を案内してくれるようだ。
周りの客を見ていると奇怪な目でこちらを見る者、何やら議論をしている者、話に花を咲かせている者など様々いた。
しかし何よりも驚いたのが、皆飲み物とカプセル錠のようなものしかテーブルしか置いていない。
料理の香ばしい匂いや心地よい咀嚼音などは一切聞こえてこなかった。
(ヌヌ…これはもしや…)
(あぁ、飯がねぇ…!!)
2人は意気消沈した様子で席に座った。
その間にロートは案内してくれたロボットのモニターに映っているメニューを眺めていた。
リングのホログラムと同様フリックしながらメニューを全て確認したが、全てサプリしかなく彼らが今まで食べて来た肉や野菜などの食事は一切なかった。
「あ、あの…、この店出たら残ってる食材でボクが作るよ…」
ひとまず、空腹に効くなど記載されているサプリを適当に選んだ。
するとリングをモニターについている小さなカメラに写るよう指示されたため、その通りにした。
ピッと音が鳴り、ロボットは裏方へ去っていった。
「おいおいマジかよ~、ここには食いモンないのかよ~てか、変な機械しかないし食材を守ってる人間もいないのかよ…」
「ワシらの村じゃこんなことはないのにな~」
そんな2人が愚痴を垂れていると、一卓の客から店中に聞こえるような声が上がった。
「はいはい~!!みなさん!オール社信仰提案交流会ここから始めますよ~!」
何やら男が1人仕切り始めた。
周りの客からは拍手が湧き、何故かネロ達も分からず拍手をしていた。
どうやらそれぞれ席に着いていた客は身内同士ではなく、オール社という信仰団体の集まりようだった。
「オール社のリングは常に進化していっているそのためには我々が…」
「リングの軽量化や形状の汎用性が…」
「通信機能においてより速度を…」
様々な議論が飛び交っている仲、ネロ達はきっとんとしながら食事を来るの待っていた。
しばらくすると先ほどのロボットがネロ達の席に戻っていき、サプリ一粒がそれぞれ小皿にのっているだけだった。
「もぉ~、なんだよこれ…、こんなんじゃ腹は膨れねぇよー」
「ワシもだ…、もう力が抜けるわい…」
そう言いつつもサプリを口にし、手元にあった水とともに流し込んだ。
するとみるみる満腹度は増していき、力もみなぎってきた。
「ム!?味は全くないが腹の減りがなくなったし、力も湧いてきたぞ!?」
「おい!この小さなモンでこんなに腹が膨れるなんてどうなってんだ!?」
「ホ、ホントだ…」
他の客が議論を交わしている中、ネロ達は全く違う話題で盛り上がっていた。
異様に気付き、近くの客がネロ達を見ているとある事に気が付き、ネロ達の席まで来た。
客は腕に身につけている銀色のリングを見せてきてこう言った。
「君たち!!オール社信仰交流会にきてリングをしていないとは何事だ!?もしやスパイかなんかか!?」
「圧倒的オール社に刃向かおうとする愚かな企業かもしれないわよー!」
「そもそも身なりが汚いな…、もしや「地下」の人間が我々の土地に足を踏み入れているんじゃないんだろうな…?」
男の一声で周りにもどんどんヤジが飛んできた。
何を言ってるか分からないネロ達だが、何やら喧嘩を売られているのが分かった。
「なんだテメーら!!喧嘩売ってんのか!!よし!!買ってやろーじゃねぇか!!」
「ワシらを怒らせたら怖い事になるぞ…!!」
血気高いネロとカルコスが立ち上がり、挑発に乗ったように声を上げた。
ロートはおろおろとし、もうここから出ようよ…と小さくつぶやいた。
周りがヒートアップしてる中、1人の客がロートの座っている椅子を勢いよく蹴り、ロートは椅子から転げ落ちた。
「あ!?テメー!!ロードに何やってんだ!?」
「ワシの仲間に手を出したな!?こっからはもう拳と拳での争いじゃああ!!」
その事で火蓋が切って落とされ、店の中は騒がしい喧嘩の祭りとなった。
「おい!お前らリングの身体能力は全部マックスにしてコイツらをもう消してしまえ!」
仕切っていた男が指示をし、客が皆目の前で手を動かした後、ネロ達に襲いかかった。
ネロ達の周りに人だかりができ、身動きがなかなか取れない状態だったが、カルコスが顔でネロに合図を送り、ネロはしゃがんだ。
カルコスの大きく長い腕で勢いよく一周。
腕には何人もの人が絡まり、その後勢いよく店の壁際まで飛ばされた。
ネロは立ち上がった途端、男に顔面向けて殴られたが、余裕そうな顔を浮かべ、ネロが男を吹っ飛ばす勢いで殴った。
「よっしゃあああ!!全員かかってこい!!俺らは最強のトリオだぁぁ!!」
ネロは興奮し咆哮した。
周りの客も興奮した状態でネロ達に飛びかかるが、どんどん店の壁まで飛ばされていく。
「なんだ…、コイツら…、リングの力を使っても全然倒れねーぞ…、人間じゃねぇのか…?」
指揮を取っていた男は焦っていた。
もう周りの味方はほとんどネロ達の前に来て再起不能であったからだ。
一方、ロートは倒れたテーブルの死角に隠れていた。
ロートが目を開けた先には、いかにも怪しいサングラスとマスクをしていた女が何事もないような感じで座っているのが映っていた。
「おっしゃああ!!お前ら!!こんなもんか!?もうかかってくるやつはいねぇか!!」
ネロは興奮した状態で叫んだ。
ネロの周りにいた者達は後退り、攻撃を仕掛けてこようとしてこない。
するとカルコスがこう言った。
「ならばのぉ…、あそこの上でずっと言っとる奴を仕留めたらこの勝負終わらせたるわ…!」
カルコスが指差したのはずっと指示をしていた男。
するとネロは軽快そうに2階まで飛び移り、軽く男にパンチをくらわせたら男はすぐ倒れた。
店はもはや喧嘩でごちゃごちゃの状態になっていたが、ロートが2人を引っ張り店を出る事にした。
「いやー!飯なんか食えなかったけど、満腹になったし良い運動したな!」
「ガッハッハ!!あんなやつら何十人いてもあっという間じゃ!!」
「ねぇ…もう目立つ事は止めようよ…」
そんな話をしながら店の外に出たネロ達だが、後ろからあの怪しげな女が彼らに声をかけた。
「あなた達!スカウトよ、私の仲間になりなさい!」
この辺りになると気候もかなり冷え、雪が降りそうな季節だった。
しかし、そんな事を忘れてしまうほど、この都市は彼らが今まで見たことがない世界であった。
山を越える高さを持つスタイリッシュな建造物。
舗装された近代的な歩道。
透明なパイプが歩道の上に均等な位置に並び、空中にはジェット機のある小型な機械に人が乗って移動している。
いわゆる近未来な都市であった。
彼らはこの光景を見て、目を輝かせた。
「すげぇ~!!なんだここは!!高くてでけぇ家がいっぱい建ってるぞ!!」
「ガッハッハ!!ワシらの見ていた世界は狭かったな!!こんなスゴイ世界もあったんだな!!」
ネロとカルコスがこの都市に感動している最中、ロートは少し憂いのある顔をしていた。
「ん?どうしたロート?」
「い、いや、ちょっと世界が違いすぎて怖くなってきちゃって…」
そう、この科学が発展した世界ではあのブランコ村を襲った女がいる可能性が高い。
小さな村出身の彼らにとっては憧れでもあり、未知の恐怖も感じていた。
「ンヌゥ!しかしこの都市から近付いてきてからほとんど飯を食わずにハイペースで来たからな!ワシは腹が減ったぞ!!」
カルコスの腹の音が鳴ったことに気づき、2人もこの都市の食事を摂れる場所を探した。
彼らの村には食材の倉庫があり、そこでは互いの物々交換で食材を得ていた。
そのような倉庫がこの都市にもあるのではないかと巡っていた。
すると、この都市では異質な木材でできた「Or ring bar」と看板が飾られた店を見つけた。
「お!俺の嗅覚が言っている!あそこには美味そうな食いモンがあるぞぉ~」
そう言ってネロは店に向かい、遅れて2人も店に入る事にした。
店の中は2階も筒抜けの状態で思ったより広さはあった。
広さはありつつも店は満席に近い状態であった。
店の入り口のすぐそばにはモニターがあり「いらっしゃい」との表示、すぐにトレーと小さなモニターが付いている機械ロボットがローラー音を響かせが彼らの前に現れた。
どうやら空席を案内してくれるようだ。
周りの客を見ていると奇怪な目でこちらを見る者、何やら議論をしている者、話に花を咲かせている者など様々いた。
しかし何よりも驚いたのが、皆飲み物とカプセル錠のようなものしかテーブルしか置いていない。
料理の香ばしい匂いや心地よい咀嚼音などは一切聞こえてこなかった。
(ヌヌ…これはもしや…)
(あぁ、飯がねぇ…!!)
2人は意気消沈した様子で席に座った。
その間にロートは案内してくれたロボットのモニターに映っているメニューを眺めていた。
リングのホログラムと同様フリックしながらメニューを全て確認したが、全てサプリしかなく彼らが今まで食べて来た肉や野菜などの食事は一切なかった。
「あ、あの…、この店出たら残ってる食材でボクが作るよ…」
ひとまず、空腹に効くなど記載されているサプリを適当に選んだ。
するとリングをモニターについている小さなカメラに写るよう指示されたため、その通りにした。
ピッと音が鳴り、ロボットは裏方へ去っていった。
「おいおいマジかよ~、ここには食いモンないのかよ~てか、変な機械しかないし食材を守ってる人間もいないのかよ…」
「ワシらの村じゃこんなことはないのにな~」
そんな2人が愚痴を垂れていると、一卓の客から店中に聞こえるような声が上がった。
「はいはい~!!みなさん!オール社信仰提案交流会ここから始めますよ~!」
何やら男が1人仕切り始めた。
周りの客からは拍手が湧き、何故かネロ達も分からず拍手をしていた。
どうやらそれぞれ席に着いていた客は身内同士ではなく、オール社という信仰団体の集まりようだった。
「オール社のリングは常に進化していっているそのためには我々が…」
「リングの軽量化や形状の汎用性が…」
「通信機能においてより速度を…」
様々な議論が飛び交っている仲、ネロ達はきっとんとしながら食事を来るの待っていた。
しばらくすると先ほどのロボットがネロ達の席に戻っていき、サプリ一粒がそれぞれ小皿にのっているだけだった。
「もぉ~、なんだよこれ…、こんなんじゃ腹は膨れねぇよー」
「ワシもだ…、もう力が抜けるわい…」
そう言いつつもサプリを口にし、手元にあった水とともに流し込んだ。
するとみるみる満腹度は増していき、力もみなぎってきた。
「ム!?味は全くないが腹の減りがなくなったし、力も湧いてきたぞ!?」
「おい!この小さなモンでこんなに腹が膨れるなんてどうなってんだ!?」
「ホ、ホントだ…」
他の客が議論を交わしている中、ネロ達は全く違う話題で盛り上がっていた。
異様に気付き、近くの客がネロ達を見ているとある事に気が付き、ネロ達の席まで来た。
客は腕に身につけている銀色のリングを見せてきてこう言った。
「君たち!!オール社信仰交流会にきてリングをしていないとは何事だ!?もしやスパイかなんかか!?」
「圧倒的オール社に刃向かおうとする愚かな企業かもしれないわよー!」
「そもそも身なりが汚いな…、もしや「地下」の人間が我々の土地に足を踏み入れているんじゃないんだろうな…?」
男の一声で周りにもどんどんヤジが飛んできた。
何を言ってるか分からないネロ達だが、何やら喧嘩を売られているのが分かった。
「なんだテメーら!!喧嘩売ってんのか!!よし!!買ってやろーじゃねぇか!!」
「ワシらを怒らせたら怖い事になるぞ…!!」
血気高いネロとカルコスが立ち上がり、挑発に乗ったように声を上げた。
ロートはおろおろとし、もうここから出ようよ…と小さくつぶやいた。
周りがヒートアップしてる中、1人の客がロートの座っている椅子を勢いよく蹴り、ロートは椅子から転げ落ちた。
「あ!?テメー!!ロードに何やってんだ!?」
「ワシの仲間に手を出したな!?こっからはもう拳と拳での争いじゃああ!!」
その事で火蓋が切って落とされ、店の中は騒がしい喧嘩の祭りとなった。
「おい!お前らリングの身体能力は全部マックスにしてコイツらをもう消してしまえ!」
仕切っていた男が指示をし、客が皆目の前で手を動かした後、ネロ達に襲いかかった。
ネロ達の周りに人だかりができ、身動きがなかなか取れない状態だったが、カルコスが顔でネロに合図を送り、ネロはしゃがんだ。
カルコスの大きく長い腕で勢いよく一周。
腕には何人もの人が絡まり、その後勢いよく店の壁際まで飛ばされた。
ネロは立ち上がった途端、男に顔面向けて殴られたが、余裕そうな顔を浮かべ、ネロが男を吹っ飛ばす勢いで殴った。
「よっしゃあああ!!全員かかってこい!!俺らは最強のトリオだぁぁ!!」
ネロは興奮し咆哮した。
周りの客も興奮した状態でネロ達に飛びかかるが、どんどん店の壁まで飛ばされていく。
「なんだ…、コイツら…、リングの力を使っても全然倒れねーぞ…、人間じゃねぇのか…?」
指揮を取っていた男は焦っていた。
もう周りの味方はほとんどネロ達の前に来て再起不能であったからだ。
一方、ロートは倒れたテーブルの死角に隠れていた。
ロートが目を開けた先には、いかにも怪しいサングラスとマスクをしていた女が何事もないような感じで座っているのが映っていた。
「おっしゃああ!!お前ら!!こんなもんか!?もうかかってくるやつはいねぇか!!」
ネロは興奮した状態で叫んだ。
ネロの周りにいた者達は後退り、攻撃を仕掛けてこようとしてこない。
するとカルコスがこう言った。
「ならばのぉ…、あそこの上でずっと言っとる奴を仕留めたらこの勝負終わらせたるわ…!」
カルコスが指差したのはずっと指示をしていた男。
するとネロは軽快そうに2階まで飛び移り、軽く男にパンチをくらわせたら男はすぐ倒れた。
店はもはや喧嘩でごちゃごちゃの状態になっていたが、ロートが2人を引っ張り店を出る事にした。
「いやー!飯なんか食えなかったけど、満腹になったし良い運動したな!」
「ガッハッハ!!あんなやつら何十人いてもあっという間じゃ!!」
「ねぇ…もう目立つ事は止めようよ…」
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