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第4章 今夜処刑台にて
奇妙な一騎打ち
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世にも奇妙な決闘が始まった。
きっと、それが国の境目で、何千もの兵を引き連れた上で戦いだったら。
双頭の鷲の紋章を掲げたハーディス王と、黒い十字の旗を掲げた裏切り者の将軍の戦いだったら、少しは様になったのかもしれない。
しかし、片方は鎧をつけておらず、さらにもう片方は、ドレスを纏っている。
歴史にも何にも残らぬ、薄汚い処刑場での決闘。
全ての因果を終わらせるための、何よりも意味のある戦いだった。
最初に太刀を振るったのはリーフェンシュタールだった。
天に届くのではないかと思われる大振りな剣を豪快に振り下ろす。
見切ったナギリは横に避けるが、一房髪が斬られ、宙に舞った。
避けた勢いを殺さぬまま、ナギリは脇腹めがけて突きを食らわす。
切っ先は完璧に捕えていたが、素早く剣を引き、はじき返すリーフェンシュタール。
はっ! と声を上げリーフェンシュタールはナギリの脳天に剣を下ろす。
そのまま真っ二つに斬られ一生を終える、という訳にもいかず、ナギリはその太刀を受ける。
深紅のドレスの裾が、鮮やかに翻る。
重い一撃をその細い腕に受け、骨が軋みを上げた。
つば迫り合いをしながら、二人の視線が交わる。
体格差がある、ただの力押しでは勝てない。
ナギリは素早く体を引いた。標的を失ったリーフェンシュタールは前のめりになるも、すぐに体勢を立て直す。 その瞬間に、ナギリは体を丸めて相手の懐に潜り込んだ。
素早い打撃を何度も繰り出すが、それを読んでいたリ―フェンシュタールに弾き返された。
剣と剣がぶつかる、甲高い音が響き渡る。
処刑台の周りで決闘を見ている騎士たちは、二人の死闘に声を失っている。
裸足で、ナギリはまるで舞踏会でダンスを踊るように優雅に剣を繰り出す。
いつか蝋燭立てに習った通り。
振り下ろす時ではなく、引き抜く時に力を入れる。
男の肩に、ナギリの剣が食い込んだ。振り払うと、鮮血が舞った。
リーフェンシュタールが顔を歪める。
手ごたえを感じたナギリは、瞬間、笑みを浮かべた。
しかし、リーフェンシュタールは倒れるどころか、地を蹴りナギリの方向へと跳んだ。
一気に間合いを詰める。
相手に攻撃を放ち、隙だらけの態勢だったナギリに、斬撃を食らわす。
ここ一番の力を振り絞った一撃は、ナギリの握った剣を真っ二つに折るほどの威力があった。
しまった、とナギリが焦ったが時すでに遅し。
まさに肉を切らせて骨を断つ。
肩を攻撃させたのはわざとである。リーフェンシュタールは目を爛々と光らせている。
斬撃が、疾った。
リーフェンシュタールの剣が、ナギリの胸を引き裂いた。
深紅のドレスは破れ、装飾品は引きちぎられ空に舞い、白い肌からは血が流れ出た。
なんとか、胸を押さえてその場に踏みとどまる。
しかし、足はがくがくと震え、体を支えていられなかった。
熱い鮮血はみるみるうちに広がり、処刑場の床にこぼれ落ちる。
視界の端で、蝋燭立てが何かを言っているのが見えた。
悲しそうな表情は、霞んですぐに見えなくなった。
ナギリはその場に膝を折り、仰向けに倒れた。
きっと、それが国の境目で、何千もの兵を引き連れた上で戦いだったら。
双頭の鷲の紋章を掲げたハーディス王と、黒い十字の旗を掲げた裏切り者の将軍の戦いだったら、少しは様になったのかもしれない。
しかし、片方は鎧をつけておらず、さらにもう片方は、ドレスを纏っている。
歴史にも何にも残らぬ、薄汚い処刑場での決闘。
全ての因果を終わらせるための、何よりも意味のある戦いだった。
最初に太刀を振るったのはリーフェンシュタールだった。
天に届くのではないかと思われる大振りな剣を豪快に振り下ろす。
見切ったナギリは横に避けるが、一房髪が斬られ、宙に舞った。
避けた勢いを殺さぬまま、ナギリは脇腹めがけて突きを食らわす。
切っ先は完璧に捕えていたが、素早く剣を引き、はじき返すリーフェンシュタール。
はっ! と声を上げリーフェンシュタールはナギリの脳天に剣を下ろす。
そのまま真っ二つに斬られ一生を終える、という訳にもいかず、ナギリはその太刀を受ける。
深紅のドレスの裾が、鮮やかに翻る。
重い一撃をその細い腕に受け、骨が軋みを上げた。
つば迫り合いをしながら、二人の視線が交わる。
体格差がある、ただの力押しでは勝てない。
ナギリは素早く体を引いた。標的を失ったリーフェンシュタールは前のめりになるも、すぐに体勢を立て直す。 その瞬間に、ナギリは体を丸めて相手の懐に潜り込んだ。
素早い打撃を何度も繰り出すが、それを読んでいたリ―フェンシュタールに弾き返された。
剣と剣がぶつかる、甲高い音が響き渡る。
処刑台の周りで決闘を見ている騎士たちは、二人の死闘に声を失っている。
裸足で、ナギリはまるで舞踏会でダンスを踊るように優雅に剣を繰り出す。
いつか蝋燭立てに習った通り。
振り下ろす時ではなく、引き抜く時に力を入れる。
男の肩に、ナギリの剣が食い込んだ。振り払うと、鮮血が舞った。
リーフェンシュタールが顔を歪める。
手ごたえを感じたナギリは、瞬間、笑みを浮かべた。
しかし、リーフェンシュタールは倒れるどころか、地を蹴りナギリの方向へと跳んだ。
一気に間合いを詰める。
相手に攻撃を放ち、隙だらけの態勢だったナギリに、斬撃を食らわす。
ここ一番の力を振り絞った一撃は、ナギリの握った剣を真っ二つに折るほどの威力があった。
しまった、とナギリが焦ったが時すでに遅し。
まさに肉を切らせて骨を断つ。
肩を攻撃させたのはわざとである。リーフェンシュタールは目を爛々と光らせている。
斬撃が、疾った。
リーフェンシュタールの剣が、ナギリの胸を引き裂いた。
深紅のドレスは破れ、装飾品は引きちぎられ空に舞い、白い肌からは血が流れ出た。
なんとか、胸を押さえてその場に踏みとどまる。
しかし、足はがくがくと震え、体を支えていられなかった。
熱い鮮血はみるみるうちに広がり、処刑場の床にこぼれ落ちる。
視界の端で、蝋燭立てが何かを言っているのが見えた。
悲しそうな表情は、霞んですぐに見えなくなった。
ナギリはその場に膝を折り、仰向けに倒れた。
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