SANYO

キンカク

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一年目

3点 出来事

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  入学式が始まると、俺たち新入生は先生の合図とともに続々と体育館に入場した。入っていく新入生はやはりほとんどが女子高生で、男子の制服を着ている人はごく僅かしかいない。
  俺の前の人が続々と入場していき、俺の番が来た。体育館に入り迎えていたのはやはり女子高生であった。俺が生徒の横を通り過ぎると、2、3年生からも先ほどクラスでも体験した視線を感じた。このままだと本当に少女漫画の世界のようである。
  それから入学式は約一時間と長い時間続けられ、新入生退場の合図が出された。俺が退場のため椅子から立ち上がり、体育館の出入り口に向かって歩いていると、三年生の席に座っている一人の女子高生と一瞬目が合った。その人は強く凛々しい瞳をしており、俺の目の奥にある何かを覗いているかのような感じがした。そのまま横を通り過ぎ、教室へ向かう途中、彼女の顔にどこか見覚えがあるような気がしてならなかった。
  それから教室では配布物を配られたり担任の話が続いた。そしてクラスの一人一人の自己紹介の時間が始まった。もちろん紹介するほとんどが女子である。それにしてもこのクラスの子顔面偏差値がものすごい高い気がする。
  そして俺の横の席の沖田さんの番が回ってきた。
  「奈良県の上北中学校から来ました、沖田早江です。中学の頃はバスケ部に所属していたので、この高校でもバスケ部に入るつもりです。なのでバスケ部に入るって人は仲良くしてください。」
  自己紹介中も常に笑顔で話しており、クラスの人からも好印象な気がするな。
  次々と俺の前の人の自己紹介が終わっていき、自分の番が回ってきた。
  「神奈川県の横川第一中学から来ました、菊川三陽って言います。よろしくお願いします。」
  ただでさえ男子の数が少ないのに初対面で滑るわけにもいかなかったため、シンプルな感じになってしまった。しかしクラスの人からは小声ではあるがかっこいい、という声が聞こえてきたため、悪くなかったらしい。
  それからクラスの中の男子三人のうちの一人の番がきた。身長は175センチくらいで平均よりも高く、今どき流行りの塩顔をしていた。
  「北陵中学の千田亮平(せんだ りょうへい)と言います。よろしくお願いします。」
  声のトーンは少し低く思っていたよりも低い声をしていた。雰囲気からしてサッカー部な気がする。
そして最後の男子の番がきた。教壇まで歩く彼の横顔を見るとニコニコと笑っていた。
  「えっと、これだけ女の子を目の前にすると緊張するな。えー、日笠謙太(ひがさ けんた)と言います。一年間よろしくね!」
  第一印象からしてお調子者って感じがする。これは仲良くなりやすそうなタイプだ。放課後に話しかけに行こうかな。
  とうとう最後の人の自己紹介となった。最後の子が教壇に立つと隣の席の沖田さんが急に立ち上がり声を張り上げた。
  「あー!柳井栞さんだよね!?」
  沖田さんの声にクラスの全員の視線が柳井さんに向いた。
  柳井さんは薄ら笑いを浮かべ、ふふふと笑った。
  「はい、私の名前は柳井栞(やない しおり)言います。東京から来ました。よろしくね、沖田早江さん、それと菊川君も。」
  「え?」
  柳井さんは沖田さんと俺に軽く会釈をすると自分の席に戻っていった。
  俺は彼女が誰なのか気になり、隣で立ち尽くしている沖田さんに尋ねてみた。
  「ねぇ、沖田さん彼女は誰なの?何で俺のこと知ってたのかな。」
  沖田さんは俺の質問に気づくと席に着いた。
  「柳井さんはね、去年のバスケの全中で優勝した天妻中学のスタメンでPG(ポイントガード)だった人だよ。すごい上手な子だったから色んな高校からも推薦の誘いがあっただろうからさ。うちはてっきり去年のIH(インターハイ)優勝校、美流高校に行くもんだと思ってた。まさか一緒のとこだとは思わなかったよ。もしかしたら大会とかで会ってたんじゃないの?」
  「そうなんだ。あんまり覚えてないかな。」
  たぶん、神奈川に住んでいたときに何かの大会で会場が一緒だったのかもしれないな。
  
  
  
  
  
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