横断歩道

まるさんかくしかく

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横断歩道

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 前にも書いたけれど、主治医の支持で毎日、ウォーキングをしている。歩数にして5000歩ほど行ったところで、JRの駅があり、そこを中間地点にして折り返す。その毎日の繰り返しで腎臓と肝臓の数値が良くなった。
 というか、普通の人並みになっただけなのだが、体調はかなり良くなった。

 さすがに、夏場は暑いので、深夜に歩くことが多く、物騒な事、この上ないが、健康には変えられない。いわゆる、オヤジ狩りというのにもあった事はない。ただ、変な若者に会ったことがあった。

 私が中間地点のJR駅前のベンチに座っていると、原付改造バイクでトボトボとやって来ると「世の中、なってないっすよ」と言うのが話のとっかかりだ。
 「形(なり)や態度で人を判断するやつら、気に食わないっすよ」
 相槌を打ちながら、聞いていると、どうやら、学生時代からぐれていて、年は判らないが、ろれつの回らない口調で政治や官憲の悪口を言いまくって、「オレ、酒は飲んでないっすからね」と繰り返すが、何やら、怪しいものは口にしているだろう。

 因みに、そのベンチの斜め向かいには派出所があるが、その時は巡回中だったのだろう。もし、職務質問されたら、アウトだな、こいつ。

 話が面白いので、煩わしいと思わず、二時間ほど付き合った。

 その頃になると、何やら、怪しげなものの酔いが醒めたんだろう。

 バリバリと音を立てて、原付バイクを走らせて、派出所を横切り、何処かへ行った。
 家に帰れるんだろうか、あれで。

 そんな、ある日、ふしぎなものを見た。

 横断歩道を「足」が歩いていた。

 上半身はなかった。よく心霊ビデオである踏切を横切る「足」だけの映像だ。それが、そこにあった。

 信号は青だった。

 横断歩道を渡ると、「足」はすっと、消えた。

 無事に家に帰られたら、良いな。

 私はそう思うと、中間地点のJRの駅を折り返し、家路に着いた。
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