だからウサギは恋をした

東 里胡

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第八章 泣きうさぎ

8-1

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「なっちゃん先輩? そうそう、去年の生徒会長よ」

 球技大会のトーナメント表を明日香先輩と二人で作っていた放課後のことだ。
 今日は会長となっちゃん先輩が球技大会の時間配分などを学年主任の先生方と詰めてくることとなり、明日香先輩が部活を休んでくれてメールの確認をしに来てくれたのだ。
 そのついでに私が率先してやることになったトーナメント表を手伝ってくれるという明日香先輩の優しさ。
 美人なだけでなく、仕事もできる人なので、私が引いた鉛筆のガタガタな線を、マジックで真っすぐに直してくれる。
 私が書いていたら、どうなったことか。これで、生徒会の面目は守られた気がする。
 手持ちぶさたになってしまった私は、明日香先輩の隣で、そういえばと聞いてみた。
 鈴城学園で生徒会長をした二年生は、会計として生徒会に残ってくれることになると噂で聞いたことがあったのだ。

「どうりで! だから、会長も一目置いてらっしゃるんですね」
「まあ、そりゃね! なっちゃん先輩は、相原くんの憧れの人だもん」
「へ?」
「あ、」

 目を丸くした私に、明日香先輩はしまったというように顔をしかめた。

「ち、違うの。多分」
「違う?」
「うん、うさぎちゃんが会長を慕うような、そういうのじゃなくって。相原くんは、人としてなっちゃん先輩に憧れてるんだと……多分ね」

 明日香先輩の話し方と笑顔がぎこちなくて、首をかしげた。

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