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3.カフェ・ムーンライト
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「先日、来た時も思ったんですが、このお店って人気ですよね」
店内には四人掛けのテーブル席が四つ、二人掛けが四つ、カウンターには五席並んでいる。
開店から三十分、ランチ時とあってか、あっという間に席が埋まっていく。
「アレのせいだろな」
「アレ?」
「そ、イケメンマスターが淹れる美味しい珈琲の店、って一度ワイドショーで取り上げられて、それから口コミで広がってるらしいよ」
勇気さんは楽しむようにニヤリと笑い、祥太朗さんは少し心配げに忙しく動くマスターを横目で見ている。
注文を受けるのも、お水を運ぶのも、珈琲を淹れるのもランチを運ぶのも全部一人でこなしている。
しかも、時々一緒に写真撮るのも頼まれてたりして。
マスター目当てのお客様のせいもあってか、回転率は良くなさそう。
今現在ここにいる人たちに、メニューを運び終えれば何とかランチタイムは凌げるはず。
「あの」
ガタンを席を立った私は、祥太朗さんと勇気さんに頭を下げた。
「ちょっとだけ、お手伝いしてきてもいいですか?」
「は?」
「へ?」
呆気にとられている二人の前でスーツケースから取り出したのは、自前のエプロン。
いつか、自分たちのお店を持った時に、使おうと思っていた黒のカフェエプロンを取り出してキュッと腰ひもを絞めた。
「いってきます」
目を丸くしている二人を置いたまま、背を向けランチプレートを盛り付けるマスターに声をかけた。
「私、運びます。どちらの席ですか?」
「え?」
振り返ったマスターがようやく私の存在に気づき、一瞬だけ戸惑って微笑んだ。
「ありがと、お願いしてもいい? 一番奥の四人掛け席に、お二つよろしく」
「はい」
右腕と左腕にトレイを載せて、一番奥の席まで運び「お待たせいたしました」とテーブルに置き、戻るとすぐにパスタセットが出来上がっている。
「中、入って来られる?」
「はい」
「奥に手洗いがあるんで、そこで洗ったらパスタセットのスープをこのカップに注いで一緒に運んでもらえる? 窓際の、この間キミが座ってた席の人に」
「はい、手洗い場お借りしますね」
手を洗って、指示されたカップに注いだスープは澄きとおるような黄金色、コンソメの良い匂いが漂う。
「あ、っと名前」
「吉野です、吉野風花と言います」
「了解、風花さん。持ってったら、そのまま他のお客様のお水お代り淹れてもらっていい?」
「かしこまりました」
サラダを作るマスターがチラリと私を見て、ありがとうと小さく微笑む。
笑うとエクボの出るマスターは、確かにイケメンだと思う。
店内にいるのは、祥太朗さん、勇気さんと他数名を覗いて、ほぼ女性客ばかり。
皆、料理を運んできたのが私だとわかると、奥にいるマスターを伸びあがって見ていた。
「吉野さん」
何度目かの往復で呼び止めてきたのは、祥太朗さんだった。
「ご注文ですか?」
「いや、そうじゃなくて」
「あ、お水ですね?」
「違うって。吉野さん、もしかして、ランチタイム終わるまで手伝う感じ?」
「はいっ、マスターにも色々お世話になったので、その御礼に」
その瞬間、勇気さんがプッと笑った。
「祥太朗、待っててあげようよ。あ、今日のランチ二つね、風ちゃん」
風ちゃん!? え? 風ちゃんって私?
驚く私と同じように祥太朗さんも勇気さんを見た。
「いいだろ、祥太朗。後は夜に荷物取に行くだけだし、風ちゃん見てるの面白いし」
腑に落ちない顔をした祥太朗さんが、怒っているんじゃないかと不安になった。
「ダメ……でしたか? お手伝い」
「ううん、……ただ、だからだろうなって」
「はい?」
「いや、なんでもない。じゃあ、終わるまで待ってるから」
「ありがとうございます!!」
祥太朗さんが、その時何を言いかけたのか気にはなるけれど、厨房ではまた次のメニューが出来上がっているみたいで急ぐ。
「一番手前のお客様に、今日のランチよろしく。あ、スープも付けてね」
「はい! あ、今日のランチ、二人前注文入りました」
「勇気と祥太朗?」
「はいっ」
「仕方ない、今日は風花さん貸してくれた御礼に二人の分は奢るからって言っておいて。もちろん、風花さんも後で食べてってね」
「いいんですか?」
「いいに決まってる」
「さっきから、このスープが美味しそうで気になってたんです」
嬉しくて笑ったらマスターが、なんだか楽し気に笑っていた。
午後十四時半、最後のランチのお客様がお帰りになり、祥太朗さんの隣の席に腰かけた私にマスターが今日のランチとケーキとアイスコーヒーを置いてくれる。
「こんなに!? いいんですか?」
「いいの、いいの。風花さんのおかげで、めっちゃ助かったし」
「涼真、バイト代現物で済まそうとしてるな」
「バーカ、払うに決まってんだろ。どんだけ助かったと思ってんだよ」
二人の会話に慌てて首を振って割って入る。
「お金は要りません。今日のは御礼です」
「御礼? 俺、何もしてないけど」
「いいえ、今日だって私のために調べていて下さったし、前の時も混んでいたのに珈琲一杯で長居したのに追い出さなでくれましたし」
「追い出せるわけないでしょ? あ、スープ、冷める前に飲んで?」
「あ、はい、いただきます」
両手を合わせてから、スープに匂いを嗅ぎ、一口すする。
「ブイヨンの他に、なにが入ってるんですか? あ、ちょっと待ってください、当てます!」
コクのある、どこか知っている気がするその味わいをもう一口転がしながら飲んで。
「おしょうゆ?」
「正解、よくわかったね。ほんのちょっとしか入ってないのに」
「コクが出るんですね、美味しいです」
正解に気をよくして、ランチについているパンに、キッシュをのせて。
その後で、クリームチーズとブルーベリーソースをかけて、もう一口。
サラダも美味しくて、遠慮もせずにランチプレートを食べ終わり口の周りをナプキンで拭いたところで視線に気づく。
勇気さんもマスターも目を細めて笑っている。
「す、すみません、遠慮もせずに食べちゃって」
「いいの、いいの。そんなに美味しそうに食べてくれるなら、もう一杯スープ持ってこようかなって思ってたとこ」
「いいえっ!! ケーキもあるし、これ以上は」
と慌てて断ったらまた笑われた。
お皿に乗ったイチゴのショートケーキ、お客様に運んだ時も思ったのだけれども。
じーっとケーキを観察する。
「どうしたの? イチゴ苦手だった? チョコレートケーキに変えようか?」
「これは、どこかのお店から取り寄せたものですか?」
「ん? ああ、そうなんだ。俺、ケーキは作れなくて」
マスターのその言葉に違和感を覚えた。
それは厨房の奥にあるパン焼き機や、ケーキを焼けるオーブンが全然使われていなかった様子に。
あんないいマシンがあるのに、マスターは使っていない、しかもまだそんなに使われた形跡もなかった。
店内には四人掛けのテーブル席が四つ、二人掛けが四つ、カウンターには五席並んでいる。
開店から三十分、ランチ時とあってか、あっという間に席が埋まっていく。
「アレのせいだろな」
「アレ?」
「そ、イケメンマスターが淹れる美味しい珈琲の店、って一度ワイドショーで取り上げられて、それから口コミで広がってるらしいよ」
勇気さんは楽しむようにニヤリと笑い、祥太朗さんは少し心配げに忙しく動くマスターを横目で見ている。
注文を受けるのも、お水を運ぶのも、珈琲を淹れるのもランチを運ぶのも全部一人でこなしている。
しかも、時々一緒に写真撮るのも頼まれてたりして。
マスター目当てのお客様のせいもあってか、回転率は良くなさそう。
今現在ここにいる人たちに、メニューを運び終えれば何とかランチタイムは凌げるはず。
「あの」
ガタンを席を立った私は、祥太朗さんと勇気さんに頭を下げた。
「ちょっとだけ、お手伝いしてきてもいいですか?」
「は?」
「へ?」
呆気にとられている二人の前でスーツケースから取り出したのは、自前のエプロン。
いつか、自分たちのお店を持った時に、使おうと思っていた黒のカフェエプロンを取り出してキュッと腰ひもを絞めた。
「いってきます」
目を丸くしている二人を置いたまま、背を向けランチプレートを盛り付けるマスターに声をかけた。
「私、運びます。どちらの席ですか?」
「え?」
振り返ったマスターがようやく私の存在に気づき、一瞬だけ戸惑って微笑んだ。
「ありがと、お願いしてもいい? 一番奥の四人掛け席に、お二つよろしく」
「はい」
右腕と左腕にトレイを載せて、一番奥の席まで運び「お待たせいたしました」とテーブルに置き、戻るとすぐにパスタセットが出来上がっている。
「中、入って来られる?」
「はい」
「奥に手洗いがあるんで、そこで洗ったらパスタセットのスープをこのカップに注いで一緒に運んでもらえる? 窓際の、この間キミが座ってた席の人に」
「はい、手洗い場お借りしますね」
手を洗って、指示されたカップに注いだスープは澄きとおるような黄金色、コンソメの良い匂いが漂う。
「あ、っと名前」
「吉野です、吉野風花と言います」
「了解、風花さん。持ってったら、そのまま他のお客様のお水お代り淹れてもらっていい?」
「かしこまりました」
サラダを作るマスターがチラリと私を見て、ありがとうと小さく微笑む。
笑うとエクボの出るマスターは、確かにイケメンだと思う。
店内にいるのは、祥太朗さん、勇気さんと他数名を覗いて、ほぼ女性客ばかり。
皆、料理を運んできたのが私だとわかると、奥にいるマスターを伸びあがって見ていた。
「吉野さん」
何度目かの往復で呼び止めてきたのは、祥太朗さんだった。
「ご注文ですか?」
「いや、そうじゃなくて」
「あ、お水ですね?」
「違うって。吉野さん、もしかして、ランチタイム終わるまで手伝う感じ?」
「はいっ、マスターにも色々お世話になったので、その御礼に」
その瞬間、勇気さんがプッと笑った。
「祥太朗、待っててあげようよ。あ、今日のランチ二つね、風ちゃん」
風ちゃん!? え? 風ちゃんって私?
驚く私と同じように祥太朗さんも勇気さんを見た。
「いいだろ、祥太朗。後は夜に荷物取に行くだけだし、風ちゃん見てるの面白いし」
腑に落ちない顔をした祥太朗さんが、怒っているんじゃないかと不安になった。
「ダメ……でしたか? お手伝い」
「ううん、……ただ、だからだろうなって」
「はい?」
「いや、なんでもない。じゃあ、終わるまで待ってるから」
「ありがとうございます!!」
祥太朗さんが、その時何を言いかけたのか気にはなるけれど、厨房ではまた次のメニューが出来上がっているみたいで急ぐ。
「一番手前のお客様に、今日のランチよろしく。あ、スープも付けてね」
「はい! あ、今日のランチ、二人前注文入りました」
「勇気と祥太朗?」
「はいっ」
「仕方ない、今日は風花さん貸してくれた御礼に二人の分は奢るからって言っておいて。もちろん、風花さんも後で食べてってね」
「いいんですか?」
「いいに決まってる」
「さっきから、このスープが美味しそうで気になってたんです」
嬉しくて笑ったらマスターが、なんだか楽し気に笑っていた。
午後十四時半、最後のランチのお客様がお帰りになり、祥太朗さんの隣の席に腰かけた私にマスターが今日のランチとケーキとアイスコーヒーを置いてくれる。
「こんなに!? いいんですか?」
「いいの、いいの。風花さんのおかげで、めっちゃ助かったし」
「涼真、バイト代現物で済まそうとしてるな」
「バーカ、払うに決まってんだろ。どんだけ助かったと思ってんだよ」
二人の会話に慌てて首を振って割って入る。
「お金は要りません。今日のは御礼です」
「御礼? 俺、何もしてないけど」
「いいえ、今日だって私のために調べていて下さったし、前の時も混んでいたのに珈琲一杯で長居したのに追い出さなでくれましたし」
「追い出せるわけないでしょ? あ、スープ、冷める前に飲んで?」
「あ、はい、いただきます」
両手を合わせてから、スープに匂いを嗅ぎ、一口すする。
「ブイヨンの他に、なにが入ってるんですか? あ、ちょっと待ってください、当てます!」
コクのある、どこか知っている気がするその味わいをもう一口転がしながら飲んで。
「おしょうゆ?」
「正解、よくわかったね。ほんのちょっとしか入ってないのに」
「コクが出るんですね、美味しいです」
正解に気をよくして、ランチについているパンに、キッシュをのせて。
その後で、クリームチーズとブルーベリーソースをかけて、もう一口。
サラダも美味しくて、遠慮もせずにランチプレートを食べ終わり口の周りをナプキンで拭いたところで視線に気づく。
勇気さんもマスターも目を細めて笑っている。
「す、すみません、遠慮もせずに食べちゃって」
「いいの、いいの。そんなに美味しそうに食べてくれるなら、もう一杯スープ持ってこようかなって思ってたとこ」
「いいえっ!! ケーキもあるし、これ以上は」
と慌てて断ったらまた笑われた。
お皿に乗ったイチゴのショートケーキ、お客様に運んだ時も思ったのだけれども。
じーっとケーキを観察する。
「どうしたの? イチゴ苦手だった? チョコレートケーキに変えようか?」
「これは、どこかのお店から取り寄せたものですか?」
「ん? ああ、そうなんだ。俺、ケーキは作れなくて」
マスターのその言葉に違和感を覚えた。
それは厨房の奥にあるパン焼き機や、ケーキを焼けるオーブンが全然使われていなかった様子に。
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