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第1章
第1話
しおりを挟む「今夜は君の美しさに酔いしれそうだ。」
「嫌だわ蓮様。私こそ今日の日をどれだけ夢見たことか。蓮様のお眼鏡に叶って嬉しいわ。」
「ああ。なんて美しいんだ!さぁこちらにおいで。」
はい。このあま~い会話を交わしているのは
雇い主様である天宮 蓮(30)社長で
もちろんご一緒にいるのは私ではなく
社長がどこかで拾ってきた超絶美女だ。
社長と客室に入る際にちらりと見た美女は
私とは違ってモデル体型で
髪の毛も丁寧に巻かれてお肌もツヤツヤと
していた。
うん。うちの社長ほんとうに面食いだわ。
こないだ連れ帰った女性も
またタイプは違えど美人だったし
その前の女性も…。
まぁとにかく社長はモテる。
180cmはある長身でバランスのとれた体躯に
サラサラの黒髪は首元でスッキリとしていて
筋の通った鼻筋にキリッとした瞳。
しかし笑うと途端に柔和になり
そこら中にシトラスの香りが漂うみたいな
爽やかイケメンさんだ。
しかしその実、
女を食い散らかしては
そこら辺に放置してしまう
中身はクズ人間。
ここで仕事を始めてから
たったの3ヶ月で
社長が振った女性の数はゆうに30は超えている。
ちなみに社長は一度関係を持った
相手とは2回以降はないようだ。
鉢合わせるたびに新しい女性と
腕を組んでいるのだから。
仕事の方はまぁ言わずもがな
社長さんなので敏腕なのだろう。
現に今働かせてもらっている
社長の家は驚くほど広い。
そりゃあもう広い。
立派なタワマンの最上階だ。
仕事内容はIT関係だとチラリと聞いたけども
興味がないので聞き流しました。はい。
そんなハイスペック(中身クズ。主に女性関係)な社長さんの元で働かせてもらっている
私こと 山川 音羽は今年27になる
ニート兼社長宅の家政婦をしています。
もちろん美女とは程遠い平々凡々な顔に
ちょっと最近贅肉がついてきた気がする
中肉中背の私が社長の元で働くことになったのはちょうど3ヶ月前の話。
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