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「甘い変化」
窓から差し込む柔らかな朝日が目蓋を刺激する。
喉の渇きと全身の倦怠感で目を覚ますと、すぐ近くで寝息を立てる蛇神の姿があった。
「ん……っ」
かろうじて声を出そうとするも、思った以上に枯れていて驚く。
「ん…起きたか?」
私の小さな呻きを聞き逃さなかったのか、蛇神が優しく微笑みかける。
昨夜の狂乱が嘘のような穏やかな表情だ。
「待っていろ、飲み物を持ってくる」
そう言って彼は自ら立ち上がり、湯気立つ杯を持って戻ってきた。
「ゆっくり飲むんだぞ」
震える手で受け取り一口含むと、蜂蜜のような甘みが喉を潤していく。
不思議なことに飲むほどに活力が戻ってくるのを感じた。
「お粥もあるぞ。食べられそうか?」
「はい……ありがとうございます」
蛇神は器を持ち私を優しく抱き起こすと、一口ずつ丁寧に運んでくれた。
その仕草からは深い愛情が伝わってきて胸が熱くなる。
「美味しいか?」
「とても……おいしいです」
咀嚼する度に昨晩の記憶が蘇ってくる。
あれだけ酷使した身体なのに今は嘘みたいに軽い。
そして何より私を見る蛇神の瞳には一点の曇りもなく純粋な喜びだけが宿っていた。
「かわいいな…ずっと一緒にいられると思うと嬉しい限りだ」
「……」
言葉に詰まる私を見て蛇神は寂しげな表情になる。
「やっぱり怖いのか?我と一緒にいることが……」
「いえ……そうじゃなくて……ただこんな風に誰かに必要とされた事がなくて戸惑ってます」
素直な気持ちを伝えたら蛇神は安心したように笑った。
「当然だ。お主を愛でるのは我だけだからな。今日からは我がお主を幸せにしてみせる」
あんなに強引な行為だったがその言葉に胸がいっぱいになる。
もうこの人に全て委ねてもいいんじゃないかと思えた。
約束を破った事に対する罪悪感もあるけどそれ以上に私をこんなに求めてくれる人がいる事実が嬉しかった。
「ありがとう……ございます」
小さく呟くと蛇神は嬉しそうに笑いながら私を強く抱き寄せる。
その温もりは昨晩よりさらに心地よくて涙がこぼれた。
翌朝から蛇神の「甘やかし攻撃」は容赦なく始まった。
「髪を梳かしてあげような、すぅーッ」
「朝食は我が手ずから食べさせてやろう、口をあけろ」
「服も我が着せてやる、おいで」
「寒くはないか?こちらえおいで、抱きしめてやろう」
「お主の小さい足が傷ついてはならんからな、これからは我がお主を抱えていよう…」
「はぁー、ホントにお主はかわいいなぁ…」
次から次へと献身的な世話焼きに私は圧倒されるばかりだった。
「あの……自分でできますから!」
「遠慮するな。我が愛しい妻のためにできることなら何でもしよう」
夕食時には必ず膝の上に座らせられる。
「重くないですか?」
「むしろ軽すぎるぞ。もっと食べさせねばならんかのう?」
夜になるとベッドの中でずっと身体を撫で回されている。
「いつも……触ってるんですね」
「当然だ。我の大事な妻に指一本でも怪我をさせるわけにはいかんからのう」
そう言いながら優しく頬を撫でる手つきは確実に情欲を掻き立てるもので……
「あっ……そこは……」
「………ん?どうした?」
わざとらしく聞き返してくるあたり意地悪な面もあるようだ。
「お願いです……もう一度だけ……」
「ふっ…お安い御用だ」
結局、毎晩のように抱かれてしまう日々が続くうちに少しずつ自分の方から求めるようになっていってしまった。
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