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第一章
アクアパッツァ
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なんとなくだけれども、わたし、ちょっと力が強くなっているかもしれない。
今日、家具屋でクローゼットや収納棚を、ちょいっと触れただけで魔法バッグに入れられた時は、魔法バッグの効果で、簡単に吸い込まれたのかなって感じだったから、さほど気にならなかったのだけれど。
パンカップ試食会の後で自室に戻ってから、ちゃんと魔法バッグの中を整頓しようと、カバンを開けた状態で、まずは中に入ってみたのだ。
一応、自分が自由に出入り出来る事を確かめてから、ココにお願いしてバッグの中を索敵して貰う為に、一緒に入ってもらう。
結果、
(何も、いないね)
(ただただ、広いだけの、何もない場所)
との事だった。
特に、どこか別の所に繋がっているとかではなく、本当に空間だけがあるみたい。
まぁ、魔法バッグとして使う分には別に支障はないようなので、さっき入れたタンスやクローゼットの位置調整をして、服や食品や調味料などを整理する。
が、ここで違和感。
家具が軽い。
中身が入っていない状態なら、まぁ軽いのは変じゃないかもしれないけど、野菜や食料を詰め込んだ後で、収納棚の移動が出来るのは、やっぱり変だ。
これは魔法バッグ内でだけの現象なのかな? と思って、バッグから出てから、部屋の一番重そうなベッドを少し動かしてみる、と、これも簡単に動いたよ。
やっぱり、わたしが、力持ちになっちゃってます。
そういえば、ドードーとの戦いの時に、いやに手応えというか、殴っても衝撃がなかったのは、既に、あの時には力が強くなっていたって事なのかな?
まぁ、それで困る事も特にないので、そのまま放っておく事にする。
バッグの中も、一応、整頓は出来たので、お風呂に入って汗を流そう。
今日は、歩き回って疲れたし。
買って来たオリーブ石鹸とレモン果汁、お風呂上がりに使うオリーブオイルを出して、今日買った、下着やインナーシャツも、全部に洗浄魔法をかけておく。
お湯を溜めて、ふと思い付いて、調味料として買った塩を入浴剤代わりに入れてみる。
塩風呂って、汗が良く出るとか聞いた事があるし。
お湯にゆっくり浸かるのは、ほっとするし気持ちいい。
今日の疲れが抜けていくようだ。
しばらく浸かって、じっくり汗をかく。
それから、オリーブ石鹸で髪を洗い、流しながらバスタブのお湯を抜く。
レモン果汁を桶に数滴滴らして、お湯で薄めてから、髪全体に、ぱしゃぱしゃとかけて馴染ませ、お湯で流す。
石鹸だけだとごわついていた髪が、しっとりしてくれる。
体もオリーブ石鹸で洗って、シャワーで洗い流してバスからあがり、少し濡れた状態のまま、オリーブオイルを手の平に取って、顔と体に塗り込んでいく。
全身、オリーブの香りになるけれど、ちゃんとしっとりいい感じかも。
化粧水や美容液はなくても、これなら、なんとかしのげそうかな。
さて、夕飯の時間まで少しだけ横になろう……。
軽快な、ノックの音で目を覚ます。
昨日と同じに、ミミアとリムが夕飯に誘いに来てくれたようだ。
急いで服を着て、ドアを開ける。
「マナちゃん、おはよう~。 夕飯、食べに行こう~」
「今日は、魚料理だって~」
魚と聞いて、とたんに、お腹が空いてきた。
後ろを向いて、ココ達に声を掛ける。
「ご飯食べに行くよ。 昨日と同じに、テーブルの下に入ってね。 人に踏まれないように気を付ける事、お願いね」
(だいじょうぶ)
みんな尻尾をぶんぶん振っているし、ココの言葉を信じよう。
部屋の鍵を閉めて階下に降りる、昨夜よりは、お客さんは少ない感じがするが、テーブル席は、やはり満席だ。
コータとイシュリーを見つけて席に着く。
「おつかれさま」
「おう、そっちも上手く行ったみたいだな」
「おかげさまで、犬達と冒険者パーティだよ」
「それな! ハクちゃんは進化してたから、まぁ分かるとして。 他のコもってのが、びっくりだよなぁ」
「そうなの、ココは索敵能力があるとか、ミルクは妖精タイプだとか、色々言われて来たよ」
「妖精タイプって何なんだろうな? 妖精みたいに可愛いってんなら、まぁ納得か」
「はいはい、お待たせ。 今日のお勧めの、金目のアクアパッツァ5人前だよ。 ワンちゃん達には、切り落とし肉に魚の煮凝りを混ぜてあげたからね、たっぷり楽しんで!」
「わぁ~、ありがとう~」
「わんちゃん達には、リムがあげておくね~」
アニタさんが、嵐のように料理を運んで置いて行く。
犬達用のメニューも、おいしそうだ。
金目と言っていたが、金目鯛の切り身にアサリとトマトがたっぷり入っている。
ニンニクの風味に食欲をそそられて、まず魚をひとくち口に運ぶと、上品な白身が、ほろほろと舌の上でほぐれる。
アサリのお出汁とトマトの酸味、旨味が染みこんで、さっぱりしたオリーブオイルで全体が包み込まれる。
スープにバゲットをちぎって浸しながら食べると、これも絶品だった。
あぁ、白ワインとか欲しいかも。
でも、今日はコータ達も、お酒は注文していないみたいだし我慢しておこう。
夢中で食べていると、コータが話しかけてきた。
「今日、魔法バッグも買えたんだって?」
「うん、結構ちゃんとしたのが買えて良かったよ」
「ミミア達に聞いたけど、容量デカくて、びっくりしてたんだって?」
「あーうん。 魔法バッグって初めてだったから」
「かなり容量があるようなら、ウチの交易パーティにスカウトしたいな、と思ってさ」
「も~、コータったら、そんなの関係なく、マナちゃん誘いたいって言ってるのに~」
「そうだよ~、バッグの容量目当てみたいじゃない~」
「あはは、いいじゃねぇか。 仕事に有利なら、スカウトのし甲斐もあるってもんだろ」
そっか、魔法バッグの、あのめちゃくちゃな容量の大きさ、交易に使えば生鮮品などを大量に扱えるって事だ。
確かに、交易のお仕事には物凄く有利だなぁ。
(お役に立てるなら、そうさせてもらおうかな)
そう、口をついて出そうになるが、いいのかな?
わたし、もう元の世界には、戻れないって事?
なにか、戻れる方法を模索するとか、そういう事、しなくていいのかな?
でも、現実問題として、今ここで生き抜くためには、仕事をして食べていく事も大事な訳で。
そんな風に考えていたら、
「ま、すぐにどうこうって訳じゃないから、ちょっと考えておいてよ。 俺等は、マナちゃんが仲間になってくれたら嬉しいっていうか、大歓迎だからさ」
そう、コータが言ってくれる。
「うん、ありがとう。 ちゃんと考えてみるね」
「それに、ハクちゃんが、旅の用心棒になってくれそうだしな」
「確かに~、ワンちゃん達も頼もしいよね~」
「ウチらの、専属冒険者って事で~」
「いいね いいね~」
そんな軽口を聞きながら、食事を終える。
今日は、夕方おやつにパンカップをいただいたので、さすがに食後のデザートは、なしにしておく。
リムは、残念そうだったけれど。
「そうだよね、太るよね~」
と、ちょっと涙目で我慢する決意をしていた。
コーヒーだけをいただきながら、そういえば、とコータに話す。
「ドードーの魔宝石なんだけど、鑑定してもらったら、付与効果が付いてるって言われて、一応、相談しようと思って、持ち帰って来たんだけど」
「え、売らんかったの? 付与効果付きなら、高く値がついただろうに」
「うん、だからこそだよ。 わたしの取り分が多すぎるし」
「いやいや、多くないから。 ったく、マナちゃんは、欲がねぇなぁ」
「そんな事はないけれど……」
「とにかく、分け前については、最初に決めた通りで、びた一文譲る気はねぇから。 正当な取り分なんだから、ちゃんと堂々と受け取ってくれよ、な?」
「うー」
「うー、じゃないから。 ったく。 で? 魔宝石、売りたくねぇの?」
「ああ、売りたくない訳じゃなくて。 その付与効果、誰か使いたくないかなって思って。 片方は睡眠の弱で、安眠のお守り位の効果なんだって。 もう片方は物理防御の中だって」
「物理防御の中は結構な値がつくな。 うーん、俺等は冒険者じゃねぇから、そういうのは基本、売っ払っちまってるからなぁ。 そういう事なら、マナちゃんの方が冒険者登録した冒険者なんだから、加工して、自分で使うのがいいんじゃね?」
「加工……」
「おぉ。 そういう職人に依頼すれば作ってもらえるぜ、防御の中が付いた盾とか、アクセサリーとか」
「そっか」
「ま、魔法バッグも買って、荷物が多くても困らなくなったんだし、そっちもゆっくり考える、でいいんじゃねぇの?」
「うん、分かった」
部屋に戻って考える、何かを判断するにしても、圧倒的に、わたしには情報が足りていないと思うのだ。
元の世界に戻る方法を模索するにしても、どこで何を調べればいいのか、どこから手を付けたらいいのかが分からない。
まずは、この世界の事を、わたしは知るべきなんだろう。
明日の午前中は、教会で回復魔法の講義だけど、午後からは暇になるから、もう一度商店街に行って、まずは、この世界の地図を探してみよう。
あ、地図で思い出した、そういえば輸入食材店で気になった “ジパング” の事、聞き忘れてた。
明らかに、日本と繋がりがありそうだよね。
朝になったら、みんなに聞いてみなくちゃ。
それと、一応、さっきコータに誘われた事、ココにも聞いてみようか。
「ねぇ、ココ。 さっきご飯の時、コータに、これから交易の仕事を一緒にやらないかって誘ってもらったんだけど、ココはどう思う?」
(マナがやりたいなら、いいんじゃない)
「やりたいか? って言うと、実は微妙なんだけど、魔法バッグのお陰で出来そうだとは思うんだよね」
(バッグの中、大きかったもんね)
「うん。 物が腐らないなら、新鮮さが大事なお魚とかを遠くに運ぶ、とかには、すっごく使えると思う。 けど、それがやりたい事かって言うと微妙って言うか、そんなに、やりたくはない」
(ふーん)
「かと言って、何かしらお仕事はしないと、ご飯食べたり、こうして宿に泊まったりもお金が掛かるから」
(お金、いっぱいもらえたじゃない)
「あー、この前の、ドードーをいっぱいやっつけた時のドロップ品で、お金いっぱいもらえたね」
(あれじゃ、だめなの?)
「いっぱいだったけど、これから、ずっと仕事しなくても大丈夫な程ではなかったからね。また、お金がもらえる事を何かしないと」
(じゃあ、またドードーやっつければ?)
「えー、ドードーは、すごく珍しいみたいだよ? どこにいるのかも分からないし」
(じゃあ、別のやつをやっつけて、また、お金もらえば?)
「!?」
(ハクは、あの時おおあばれして、すごく楽しそうだったよ)
ちらりと見ると、ハクもミルクも、お腹がいっぱいで満足なのか、ひと足先にベッドの寝袋の上で、気持ち良さそうに、2匹並んでへそ天で寝ている。
「ココ、それって冒険者の仕事って事かも」
(ぼうけんしゃの仕事が、やっつけてお金もらうのなら、それがいいな)
「でも、冒険者で敵をやっつけるのは、危ないかもしれないよ。 怪我したりとか怖くない?」
(えー、でも、この辺で探知できるやつで、ハクより強いコいないよ)
「そうなの? そんな事までココちゃん分かるの?」
(わかるー。 大きくなった時のハクはすごく強いから、だいじょうぶだと思うよ)
「そっかー」
(あ、そうだマナ。 今日の、まほうの本出して。 ココ、れんしゅうしてみる)
「そうだね! わたしも補助魔法の練習してみるよ!」
そうして、ココと一緒に深夜遅くまで、テキストを見ながら、魔法の練習をしたのだった。
翌朝、1階で、みんなで朝食を食べている時に、聞き忘れていた “ジパング” について聞いてみる。
「あー、ジパング? 海を越えて東の端っこの方の小さい島国だな」
「海かぁ、船とかに乗れば行けるかな?」
「いや、あそこ、鎖国してっから無理だな」
「鎖国……」
「うん。 デジマとかいう一部地域だけ開放して、輸出入だけはやってるけど、基本、人の出入りは禁止だ」
「そうなんだぁ」
こっちのジパング、時代的には江戸とかなのかも。
「なに? ジパングに興味あんの?」
「興味と言うか、輸入食材店で好みの調味料とか買ったら、ジパングの物だったから」
「あー、味噌とか醤油な、俺も好きだぜ。 あれうまいよな。 マナちゃん、ああいうのが好みなら、ルーツがジパングに近いのかもな?」
「そうなのかな?」
「俺も、そうらしいからさ。 ジパングの人の血が入ってるっぽい顔なんだって」
「そうなんだ……」
確かに、コータは最初からハーフっぽい顔つきだな、とは思っていた。
でも孤児だから、はっきりとは分からないのだろう。
「あ、あと、地図ってどこで手に入るかな?」
「地図? 商店街の本屋とかで売ってると思うぜ」
「あ~、本屋さんなら、昨日行ったマーケットの2階に入ってるよ~」
ミミアが教えてくれる。
「そうなんだ、ありがとう」
じゃあ、今日は午前中に教会で回復魔法講義を受けて、午後はもう一度、商店街に行って、本屋さんで地図を探そう。
それに本屋さんがあるなら、もう少し、有益な情報も見つかるかもしれない。
「今日は俺等、全員で仕入れ作業に入っちまうから、マナちゃん一人にしちまうけど、その分だと、結構平気そうだな」
コータが、ニヤニヤして言う。
「うん、回復魔法習って、午後は本屋さんに行ってみるよ」
「うん、うん、その意気。 頑張れよ!」
「うん、がんばるよ!」
昨夜、話した感じだと、ココは冒険者稼業がいいと思っているみたいだし、それなら、なるべく危険がないように、わたしが、しっかり回復魔法をマスターして、補助魔法で、みんなをサポート出来るようになるのが大事だよね。
昨夜はあれから、ココと魔法の練習をしていたのだけど、ココの魔法防御は結構すごかった。
味方全体をカバー出来る魔法防壁が出来るようになると、今度は、個別に動く味方に魔法防壁をかける、というのも練習していて、部屋の中を何度も往復させられた。
試しに、わたしがココの作った魔法防壁に、補助魔法でブーストをかけたら、防壁が鉄壁に強化された。
ふたりで、
「ココすごーい」
(マナも、すごいよ)
「ふたりで組んだら、まさに鉄壁だね」
(だね)
と、楽しく練習していたのだ。
そう、楽しかったのだ。
ちなみに、ココの発動する魔法防壁は球体で、その中心に守られる人がいる状態になる。
守る人数が多いほど、球体自体が大きくなるようだった。
ただ、パッと見、地表に出ている部分だけを見ると、ドーム型に見える。
もうちょっと、ハクとも攻撃の連携を練習したりしたら、実戦で使ってみたいかも、と思えるほどに、魔法、楽しい。
あと、テキストを読んだ感じだと、補助魔法って、結構、多岐にわたっていて、その中でも、適性があるものしか使えないみたいなんだけど、ダンジョン内での鍵の開錠とか、罠の解除とか、そういう細かい魔法も、みんな補助魔法の範疇みたい。
って言うか、やっぱりダンジョンがあるんだね、この世界。
魔法バッグの容量を鑑みるに、わたしの魔力は、かなり多いっぽいから、どこまで色々出来るのか、自分の可能性的にもすごく楽しみだ。
食後のコーヒーを飲み終わった所で、コータ達は交易ギルドで、仕入れ作業をする為に出掛けて行った。
わたしは、教会に行くまでは、まだ時間があるし、自室に戻って、もう一度補助魔法のテキストを読み込んで、出来る魔法を模索しようかと思う。
10時から教会なので、そろそろ出掛けようか、と思っていた時、部屋のドアがノックされた。
「マナちゃん、アニタだけど」
「はーい、何でしょう?」
すぐにドアを開けると、
「あんたも出掛けるんだろう? よかったらワンちゃん達、アタシが見てるけど?」
「え、いいんですか? 助かります」
「下の店で好きにさせておいていいからさ。 このコ達は大人しいし、邪魔になんないからね」
「ありがとうございます。 あ、じゃあ厨房には入らないように言い聞かせておきますね」
「そうかい? そんな事も、ちゃんと聞けるのかい?」
「ココ、厨房には入らないで、お店で、みんなイイコにさせてくれる?」
(うん、わかった。 ハク! ミルク!)
ココが気合をかけると、ハクとミルクが胸を張ってあごを引いて、僕達とってもおりこうです、とお座りをする。
「じゃあ、アニタさん、すみませんがよろしくお願いします」
「いいのいいの、気を付けて行っといで。 さ、あんた達はアタシと留守番だよ、おいで」
そう言って、犬達を引き連れて下に降りて行った。
アニタさんって、本当に面倒見がいい人だ。
今日、家具屋でクローゼットや収納棚を、ちょいっと触れただけで魔法バッグに入れられた時は、魔法バッグの効果で、簡単に吸い込まれたのかなって感じだったから、さほど気にならなかったのだけれど。
パンカップ試食会の後で自室に戻ってから、ちゃんと魔法バッグの中を整頓しようと、カバンを開けた状態で、まずは中に入ってみたのだ。
一応、自分が自由に出入り出来る事を確かめてから、ココにお願いしてバッグの中を索敵して貰う為に、一緒に入ってもらう。
結果、
(何も、いないね)
(ただただ、広いだけの、何もない場所)
との事だった。
特に、どこか別の所に繋がっているとかではなく、本当に空間だけがあるみたい。
まぁ、魔法バッグとして使う分には別に支障はないようなので、さっき入れたタンスやクローゼットの位置調整をして、服や食品や調味料などを整理する。
が、ここで違和感。
家具が軽い。
中身が入っていない状態なら、まぁ軽いのは変じゃないかもしれないけど、野菜や食料を詰め込んだ後で、収納棚の移動が出来るのは、やっぱり変だ。
これは魔法バッグ内でだけの現象なのかな? と思って、バッグから出てから、部屋の一番重そうなベッドを少し動かしてみる、と、これも簡単に動いたよ。
やっぱり、わたしが、力持ちになっちゃってます。
そういえば、ドードーとの戦いの時に、いやに手応えというか、殴っても衝撃がなかったのは、既に、あの時には力が強くなっていたって事なのかな?
まぁ、それで困る事も特にないので、そのまま放っておく事にする。
バッグの中も、一応、整頓は出来たので、お風呂に入って汗を流そう。
今日は、歩き回って疲れたし。
買って来たオリーブ石鹸とレモン果汁、お風呂上がりに使うオリーブオイルを出して、今日買った、下着やインナーシャツも、全部に洗浄魔法をかけておく。
お湯を溜めて、ふと思い付いて、調味料として買った塩を入浴剤代わりに入れてみる。
塩風呂って、汗が良く出るとか聞いた事があるし。
お湯にゆっくり浸かるのは、ほっとするし気持ちいい。
今日の疲れが抜けていくようだ。
しばらく浸かって、じっくり汗をかく。
それから、オリーブ石鹸で髪を洗い、流しながらバスタブのお湯を抜く。
レモン果汁を桶に数滴滴らして、お湯で薄めてから、髪全体に、ぱしゃぱしゃとかけて馴染ませ、お湯で流す。
石鹸だけだとごわついていた髪が、しっとりしてくれる。
体もオリーブ石鹸で洗って、シャワーで洗い流してバスからあがり、少し濡れた状態のまま、オリーブオイルを手の平に取って、顔と体に塗り込んでいく。
全身、オリーブの香りになるけれど、ちゃんとしっとりいい感じかも。
化粧水や美容液はなくても、これなら、なんとかしのげそうかな。
さて、夕飯の時間まで少しだけ横になろう……。
軽快な、ノックの音で目を覚ます。
昨日と同じに、ミミアとリムが夕飯に誘いに来てくれたようだ。
急いで服を着て、ドアを開ける。
「マナちゃん、おはよう~。 夕飯、食べに行こう~」
「今日は、魚料理だって~」
魚と聞いて、とたんに、お腹が空いてきた。
後ろを向いて、ココ達に声を掛ける。
「ご飯食べに行くよ。 昨日と同じに、テーブルの下に入ってね。 人に踏まれないように気を付ける事、お願いね」
(だいじょうぶ)
みんな尻尾をぶんぶん振っているし、ココの言葉を信じよう。
部屋の鍵を閉めて階下に降りる、昨夜よりは、お客さんは少ない感じがするが、テーブル席は、やはり満席だ。
コータとイシュリーを見つけて席に着く。
「おつかれさま」
「おう、そっちも上手く行ったみたいだな」
「おかげさまで、犬達と冒険者パーティだよ」
「それな! ハクちゃんは進化してたから、まぁ分かるとして。 他のコもってのが、びっくりだよなぁ」
「そうなの、ココは索敵能力があるとか、ミルクは妖精タイプだとか、色々言われて来たよ」
「妖精タイプって何なんだろうな? 妖精みたいに可愛いってんなら、まぁ納得か」
「はいはい、お待たせ。 今日のお勧めの、金目のアクアパッツァ5人前だよ。 ワンちゃん達には、切り落とし肉に魚の煮凝りを混ぜてあげたからね、たっぷり楽しんで!」
「わぁ~、ありがとう~」
「わんちゃん達には、リムがあげておくね~」
アニタさんが、嵐のように料理を運んで置いて行く。
犬達用のメニューも、おいしそうだ。
金目と言っていたが、金目鯛の切り身にアサリとトマトがたっぷり入っている。
ニンニクの風味に食欲をそそられて、まず魚をひとくち口に運ぶと、上品な白身が、ほろほろと舌の上でほぐれる。
アサリのお出汁とトマトの酸味、旨味が染みこんで、さっぱりしたオリーブオイルで全体が包み込まれる。
スープにバゲットをちぎって浸しながら食べると、これも絶品だった。
あぁ、白ワインとか欲しいかも。
でも、今日はコータ達も、お酒は注文していないみたいだし我慢しておこう。
夢中で食べていると、コータが話しかけてきた。
「今日、魔法バッグも買えたんだって?」
「うん、結構ちゃんとしたのが買えて良かったよ」
「ミミア達に聞いたけど、容量デカくて、びっくりしてたんだって?」
「あーうん。 魔法バッグって初めてだったから」
「かなり容量があるようなら、ウチの交易パーティにスカウトしたいな、と思ってさ」
「も~、コータったら、そんなの関係なく、マナちゃん誘いたいって言ってるのに~」
「そうだよ~、バッグの容量目当てみたいじゃない~」
「あはは、いいじゃねぇか。 仕事に有利なら、スカウトのし甲斐もあるってもんだろ」
そっか、魔法バッグの、あのめちゃくちゃな容量の大きさ、交易に使えば生鮮品などを大量に扱えるって事だ。
確かに、交易のお仕事には物凄く有利だなぁ。
(お役に立てるなら、そうさせてもらおうかな)
そう、口をついて出そうになるが、いいのかな?
わたし、もう元の世界には、戻れないって事?
なにか、戻れる方法を模索するとか、そういう事、しなくていいのかな?
でも、現実問題として、今ここで生き抜くためには、仕事をして食べていく事も大事な訳で。
そんな風に考えていたら、
「ま、すぐにどうこうって訳じゃないから、ちょっと考えておいてよ。 俺等は、マナちゃんが仲間になってくれたら嬉しいっていうか、大歓迎だからさ」
そう、コータが言ってくれる。
「うん、ありがとう。 ちゃんと考えてみるね」
「それに、ハクちゃんが、旅の用心棒になってくれそうだしな」
「確かに~、ワンちゃん達も頼もしいよね~」
「ウチらの、専属冒険者って事で~」
「いいね いいね~」
そんな軽口を聞きながら、食事を終える。
今日は、夕方おやつにパンカップをいただいたので、さすがに食後のデザートは、なしにしておく。
リムは、残念そうだったけれど。
「そうだよね、太るよね~」
と、ちょっと涙目で我慢する決意をしていた。
コーヒーだけをいただきながら、そういえば、とコータに話す。
「ドードーの魔宝石なんだけど、鑑定してもらったら、付与効果が付いてるって言われて、一応、相談しようと思って、持ち帰って来たんだけど」
「え、売らんかったの? 付与効果付きなら、高く値がついただろうに」
「うん、だからこそだよ。 わたしの取り分が多すぎるし」
「いやいや、多くないから。 ったく、マナちゃんは、欲がねぇなぁ」
「そんな事はないけれど……」
「とにかく、分け前については、最初に決めた通りで、びた一文譲る気はねぇから。 正当な取り分なんだから、ちゃんと堂々と受け取ってくれよ、な?」
「うー」
「うー、じゃないから。 ったく。 で? 魔宝石、売りたくねぇの?」
「ああ、売りたくない訳じゃなくて。 その付与効果、誰か使いたくないかなって思って。 片方は睡眠の弱で、安眠のお守り位の効果なんだって。 もう片方は物理防御の中だって」
「物理防御の中は結構な値がつくな。 うーん、俺等は冒険者じゃねぇから、そういうのは基本、売っ払っちまってるからなぁ。 そういう事なら、マナちゃんの方が冒険者登録した冒険者なんだから、加工して、自分で使うのがいいんじゃね?」
「加工……」
「おぉ。 そういう職人に依頼すれば作ってもらえるぜ、防御の中が付いた盾とか、アクセサリーとか」
「そっか」
「ま、魔法バッグも買って、荷物が多くても困らなくなったんだし、そっちもゆっくり考える、でいいんじゃねぇの?」
「うん、分かった」
部屋に戻って考える、何かを判断するにしても、圧倒的に、わたしには情報が足りていないと思うのだ。
元の世界に戻る方法を模索するにしても、どこで何を調べればいいのか、どこから手を付けたらいいのかが分からない。
まずは、この世界の事を、わたしは知るべきなんだろう。
明日の午前中は、教会で回復魔法の講義だけど、午後からは暇になるから、もう一度商店街に行って、まずは、この世界の地図を探してみよう。
あ、地図で思い出した、そういえば輸入食材店で気になった “ジパング” の事、聞き忘れてた。
明らかに、日本と繋がりがありそうだよね。
朝になったら、みんなに聞いてみなくちゃ。
それと、一応、さっきコータに誘われた事、ココにも聞いてみようか。
「ねぇ、ココ。 さっきご飯の時、コータに、これから交易の仕事を一緒にやらないかって誘ってもらったんだけど、ココはどう思う?」
(マナがやりたいなら、いいんじゃない)
「やりたいか? って言うと、実は微妙なんだけど、魔法バッグのお陰で出来そうだとは思うんだよね」
(バッグの中、大きかったもんね)
「うん。 物が腐らないなら、新鮮さが大事なお魚とかを遠くに運ぶ、とかには、すっごく使えると思う。 けど、それがやりたい事かって言うと微妙って言うか、そんなに、やりたくはない」
(ふーん)
「かと言って、何かしらお仕事はしないと、ご飯食べたり、こうして宿に泊まったりもお金が掛かるから」
(お金、いっぱいもらえたじゃない)
「あー、この前の、ドードーをいっぱいやっつけた時のドロップ品で、お金いっぱいもらえたね」
(あれじゃ、だめなの?)
「いっぱいだったけど、これから、ずっと仕事しなくても大丈夫な程ではなかったからね。また、お金がもらえる事を何かしないと」
(じゃあ、またドードーやっつければ?)
「えー、ドードーは、すごく珍しいみたいだよ? どこにいるのかも分からないし」
(じゃあ、別のやつをやっつけて、また、お金もらえば?)
「!?」
(ハクは、あの時おおあばれして、すごく楽しそうだったよ)
ちらりと見ると、ハクもミルクも、お腹がいっぱいで満足なのか、ひと足先にベッドの寝袋の上で、気持ち良さそうに、2匹並んでへそ天で寝ている。
「ココ、それって冒険者の仕事って事かも」
(ぼうけんしゃの仕事が、やっつけてお金もらうのなら、それがいいな)
「でも、冒険者で敵をやっつけるのは、危ないかもしれないよ。 怪我したりとか怖くない?」
(えー、でも、この辺で探知できるやつで、ハクより強いコいないよ)
「そうなの? そんな事までココちゃん分かるの?」
(わかるー。 大きくなった時のハクはすごく強いから、だいじょうぶだと思うよ)
「そっかー」
(あ、そうだマナ。 今日の、まほうの本出して。 ココ、れんしゅうしてみる)
「そうだね! わたしも補助魔法の練習してみるよ!」
そうして、ココと一緒に深夜遅くまで、テキストを見ながら、魔法の練習をしたのだった。
翌朝、1階で、みんなで朝食を食べている時に、聞き忘れていた “ジパング” について聞いてみる。
「あー、ジパング? 海を越えて東の端っこの方の小さい島国だな」
「海かぁ、船とかに乗れば行けるかな?」
「いや、あそこ、鎖国してっから無理だな」
「鎖国……」
「うん。 デジマとかいう一部地域だけ開放して、輸出入だけはやってるけど、基本、人の出入りは禁止だ」
「そうなんだぁ」
こっちのジパング、時代的には江戸とかなのかも。
「なに? ジパングに興味あんの?」
「興味と言うか、輸入食材店で好みの調味料とか買ったら、ジパングの物だったから」
「あー、味噌とか醤油な、俺も好きだぜ。 あれうまいよな。 マナちゃん、ああいうのが好みなら、ルーツがジパングに近いのかもな?」
「そうなのかな?」
「俺も、そうらしいからさ。 ジパングの人の血が入ってるっぽい顔なんだって」
「そうなんだ……」
確かに、コータは最初からハーフっぽい顔つきだな、とは思っていた。
でも孤児だから、はっきりとは分からないのだろう。
「あ、あと、地図ってどこで手に入るかな?」
「地図? 商店街の本屋とかで売ってると思うぜ」
「あ~、本屋さんなら、昨日行ったマーケットの2階に入ってるよ~」
ミミアが教えてくれる。
「そうなんだ、ありがとう」
じゃあ、今日は午前中に教会で回復魔法講義を受けて、午後はもう一度、商店街に行って、本屋さんで地図を探そう。
それに本屋さんがあるなら、もう少し、有益な情報も見つかるかもしれない。
「今日は俺等、全員で仕入れ作業に入っちまうから、マナちゃん一人にしちまうけど、その分だと、結構平気そうだな」
コータが、ニヤニヤして言う。
「うん、回復魔法習って、午後は本屋さんに行ってみるよ」
「うん、うん、その意気。 頑張れよ!」
「うん、がんばるよ!」
昨夜、話した感じだと、ココは冒険者稼業がいいと思っているみたいだし、それなら、なるべく危険がないように、わたしが、しっかり回復魔法をマスターして、補助魔法で、みんなをサポート出来るようになるのが大事だよね。
昨夜はあれから、ココと魔法の練習をしていたのだけど、ココの魔法防御は結構すごかった。
味方全体をカバー出来る魔法防壁が出来るようになると、今度は、個別に動く味方に魔法防壁をかける、というのも練習していて、部屋の中を何度も往復させられた。
試しに、わたしがココの作った魔法防壁に、補助魔法でブーストをかけたら、防壁が鉄壁に強化された。
ふたりで、
「ココすごーい」
(マナも、すごいよ)
「ふたりで組んだら、まさに鉄壁だね」
(だね)
と、楽しく練習していたのだ。
そう、楽しかったのだ。
ちなみに、ココの発動する魔法防壁は球体で、その中心に守られる人がいる状態になる。
守る人数が多いほど、球体自体が大きくなるようだった。
ただ、パッと見、地表に出ている部分だけを見ると、ドーム型に見える。
もうちょっと、ハクとも攻撃の連携を練習したりしたら、実戦で使ってみたいかも、と思えるほどに、魔法、楽しい。
あと、テキストを読んだ感じだと、補助魔法って、結構、多岐にわたっていて、その中でも、適性があるものしか使えないみたいなんだけど、ダンジョン内での鍵の開錠とか、罠の解除とか、そういう細かい魔法も、みんな補助魔法の範疇みたい。
って言うか、やっぱりダンジョンがあるんだね、この世界。
魔法バッグの容量を鑑みるに、わたしの魔力は、かなり多いっぽいから、どこまで色々出来るのか、自分の可能性的にもすごく楽しみだ。
食後のコーヒーを飲み終わった所で、コータ達は交易ギルドで、仕入れ作業をする為に出掛けて行った。
わたしは、教会に行くまでは、まだ時間があるし、自室に戻って、もう一度補助魔法のテキストを読み込んで、出来る魔法を模索しようかと思う。
10時から教会なので、そろそろ出掛けようか、と思っていた時、部屋のドアがノックされた。
「マナちゃん、アニタだけど」
「はーい、何でしょう?」
すぐにドアを開けると、
「あんたも出掛けるんだろう? よかったらワンちゃん達、アタシが見てるけど?」
「え、いいんですか? 助かります」
「下の店で好きにさせておいていいからさ。 このコ達は大人しいし、邪魔になんないからね」
「ありがとうございます。 あ、じゃあ厨房には入らないように言い聞かせておきますね」
「そうかい? そんな事も、ちゃんと聞けるのかい?」
「ココ、厨房には入らないで、お店で、みんなイイコにさせてくれる?」
(うん、わかった。 ハク! ミルク!)
ココが気合をかけると、ハクとミルクが胸を張ってあごを引いて、僕達とってもおりこうです、とお座りをする。
「じゃあ、アニタさん、すみませんがよろしくお願いします」
「いいのいいの、気を付けて行っといで。 さ、あんた達はアタシと留守番だよ、おいで」
そう言って、犬達を引き連れて下に降りて行った。
アニタさんって、本当に面倒見がいい人だ。
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