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第1章 召喚されちゃった!
第3話 救世主って何?
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自分のことすらどうにもできない私が、この縁もゆかりもない異世界の救世主になって異世界を救えってこと?
最高に意味が分からない。
まず水を飲ませてもらって、少し落ち着いてから説明を求めれば、女の子が引っ込んで別の女の人が現れて、まず今の状況を説明してくれた。
さっきの少女がこの神殿(やっぱり宗教だった)に与えられた力である他の世界への扉を開く術を使うことができて? 私の世界とこの世界をつなげたところ現れたのは私だった? とか。
理解を諦めれば状況把握は容易だった。
「それで、世界を救うって、具体的に何をすればいいんですか?」
状況はともかく、重要なのはそっちだ。
私が何をやらされるのか?
「巡礼をしていただきたいと思います」
「巡礼?」
悪魔とか魔王とか、そういう類を倒せみたいなことを言われるのを想像していたので正直拍子抜けした。
「はい。六つの聖地を巡り、神様の元へ向かっていただきたいと」
「聖地?」
「ええ、各地にある神様の力が満ちている土地です。神様への捧げもの――神器が奉られております。救世主さまはそれらを手にして神様の元へと向かっていただきます」
「それだけ?」
「はい、救世主様が神様に六つの神器をささげることで神様が目覚め世界は安定すると伝承は伝えています」
神様の元へ行くってのは初詣のようなものかな?
もっと神秘的なものではあるのだろうけれど。
しかし、神なんて目に見えないものに会うなんて本当に可能なんだろうか?
「とにかく、その六つの神器? ってのを集めればいいんですね?」
「ええ、それぞれの聖地には連絡を出しておきますので手間になるようなことはございません。各地にはわたくしがご案内いたしましょう」
ちゃんと道案内もしてくださるのか。
先刻から少しも表情を変えることなく淡々と話す彼女は、多分私より年上だろうと見当をつける。
二十歳前後ぐらいかな、美人だけど無表情が怖い。
そんなこの人を見やってほんの少しだけど憂鬱になった。
そりゃ道案内は助かるけど、雰囲気がちょっとな……。
「……ありがとうございます」
思うところは色々あるけれど、きちんと説明もしてくれたし、手助けをしてくれるようだし、とりあえずお礼は言っておく。
「では本日は旅の支度を済ませたらすぐにでもお休みくださいませ。明日早朝には出発致します」
「はい」
このまま出発ではないことに少しだけほっとする。
色々ありすぎて疲れていたからこのまま追い出されなくてよかった。
ゲームによくいる小銭と木の棒だけ持たせて「魔王を倒してこい」と無茶振りかます偉い人とは違って人情はあるみたい。
「申し送れておりましたが、わたくしシェリーと申します。何卒宜しくお願いいたします」
「あ、私こそ、宜しくお願いします」
「それではわたくしは失礼いたします、救世主様」
シェリーさんはそっけなく言い放つと、席を立ちそのまま部屋を出て行ってしまい一人残される。
「名前すら聞いてくれないとか……」
こっちの世界では私の名前などどうでもいいのかもしれない。
つまらないことだけど、少し落ち込んでしまった。
シェリーさんが退出して数分後、違う女性が私の居る部屋にやってきて白装束(みんなが着ているの)を旅装束にと渡されかけたが、やんわりとお断りした。
なんだか動きにくそうだったからだ。
とはいえ、私も制服である。
長袖ブラウスにベスト着用という軽装。鞄も通学用のそのまま学校指定の通学バッグ。
中には教科書とノート類、あとはスマホとハンカチとかティッシュとかそんな感じ。常備しているはずのお菓子を今日はあいにく持っていないから非常食もない。
とても旅にはそぐわない。
唯一武器にできそうな竹刀は普段から学校に置きっぱなし。
あっても邪魔でしかないか。
そんな状態だったんで、スカートはそのままで、上着だけちょっと厚手の動きやすそうなのを用意してもらい、ウエストポーチのような袋と安全靴のような底が厚い靴を貸してもらった。
神官たちが清めた布で作られたマントを受け取って準備万端である。
マントってあたりがファンタジー要素が強いように思う。
私の勝手なイメージ的に。
借りたものを含め試着して鏡を見てみれば、ファンタジー映画に出てくる冒険者か旅人っぽくてテンションが上がった。
そして、マントって防寒具なんだなとしみじみ思ってしまった。
装備するのとしないのとでは全然体感温度が違う。
つけていると温かい。
石造りの建造物って寒いんだな。
ずいぶんと時間をかけて旅支度を済ませ、白装束の集団が部屋から出て行きようやく一人になったときには、窓から見える風景はすっかり夜のものとなっていた。
暗い。
月とか街灯みたいなものは見えない。
世界が違ってもちゃんと夜はあるわけね。まあ、そりゃそうか。
ベッドに腰を下ろし、借りたウエストポーチのような荷物袋にスマホとハンカチを移しながら胸中でぼやく。
ちなみにスマホは圏外だった。
異世界だから?
でも、ここが本当に異世界なんて実感がなかった。
あの人たち集団で私を洗脳してるんじゃないかという懸念も消えない。
お母さんをターゲットにしてて、まずは娘から洗脳するとか。
その場合異世界舞台にする必要はないから違うかな。
だいたい流行りにのっかるなら召喚するのは「救世主様」じゃなくて「聖女様」じゃないのか。
つらつらと色々思いついたことを胸中で垂れ流して、逃げちゃおうかなーと後ろ向きな気持ちになってきた。
話を聞く限りでは世界を救ってくれる人が必要なほどこの世界が危機的状況だとは思えないし。
なんで私が救世主なんだろう。
そんな大それた人間じゃないとも思う。
もしかしたら異世界の人間なら誰でも救世主様みたいな世界観なのだろうか。
それだとしてもなんで私が? の堂々巡りは終わらない。
戻れない、と聞いたから何となく旅立つことになっていたが、こっちの世界で暮らすという選択肢もあるのかな?
両親やお姉ちゃんは心配するだろうな。心配をかけるのは本意じゃないけど。
剣道部のみんなも好きだ。会えないのは寂しい。
それに、良くんのことは密かに好きだった。
でも、良くんは私のお姉ちゃんが好きなことを知っている。
そしてお姉ちゃんは良くんのこと、弟か躾の行き届いた室内犬ぐらいにしか思ってないことも。
だからそんな一方通行な想いから逃げられるのは魅力的な気がしないでもない。
なによりこちらの世界なら、両親のことを知っている人はいないし、誰も私のことを知らない。
もう少し自由に生きられるのかもしれない。
――やめよう。やっぱ駄目。
失恋如きで家族を捨てるなんてどう考えてもおかしい。
ほら、私ってば普通の高校生だし、そんな大変なこと要求さてれもできるはずがない。
できないことはできない、やれないことはやれない、でいいのかもしれない。
だから、やれることだけやればいい。
それなら、私にだってできる、はず。
巡礼だけって言ってたから、死ぬようなこともないだろうし。多分大丈夫。
うん、大丈夫だ。
よし。
こうなれば覚悟を決める。
やれって言うんだったら、やってやる。
だけどその結果どうなっても文句は言わないでよ! って感じ。
決めた!
決めちゃえば、もう目標達成のために動くしかない……んだけど。
「はああああ。気が重いよぉ……」
だって全然知らない世界で、なんて。無理ゲーってこういうこと?
何で私が……って考えるとせっかく決まった心が、またぶれてしまいそうだったから慌てて打ち消した。
最高に意味が分からない。
まず水を飲ませてもらって、少し落ち着いてから説明を求めれば、女の子が引っ込んで別の女の人が現れて、まず今の状況を説明してくれた。
さっきの少女がこの神殿(やっぱり宗教だった)に与えられた力である他の世界への扉を開く術を使うことができて? 私の世界とこの世界をつなげたところ現れたのは私だった? とか。
理解を諦めれば状況把握は容易だった。
「それで、世界を救うって、具体的に何をすればいいんですか?」
状況はともかく、重要なのはそっちだ。
私が何をやらされるのか?
「巡礼をしていただきたいと思います」
「巡礼?」
悪魔とか魔王とか、そういう類を倒せみたいなことを言われるのを想像していたので正直拍子抜けした。
「はい。六つの聖地を巡り、神様の元へ向かっていただきたいと」
「聖地?」
「ええ、各地にある神様の力が満ちている土地です。神様への捧げもの――神器が奉られております。救世主さまはそれらを手にして神様の元へと向かっていただきます」
「それだけ?」
「はい、救世主様が神様に六つの神器をささげることで神様が目覚め世界は安定すると伝承は伝えています」
神様の元へ行くってのは初詣のようなものかな?
もっと神秘的なものではあるのだろうけれど。
しかし、神なんて目に見えないものに会うなんて本当に可能なんだろうか?
「とにかく、その六つの神器? ってのを集めればいいんですね?」
「ええ、それぞれの聖地には連絡を出しておきますので手間になるようなことはございません。各地にはわたくしがご案内いたしましょう」
ちゃんと道案内もしてくださるのか。
先刻から少しも表情を変えることなく淡々と話す彼女は、多分私より年上だろうと見当をつける。
二十歳前後ぐらいかな、美人だけど無表情が怖い。
そんなこの人を見やってほんの少しだけど憂鬱になった。
そりゃ道案内は助かるけど、雰囲気がちょっとな……。
「……ありがとうございます」
思うところは色々あるけれど、きちんと説明もしてくれたし、手助けをしてくれるようだし、とりあえずお礼は言っておく。
「では本日は旅の支度を済ませたらすぐにでもお休みくださいませ。明日早朝には出発致します」
「はい」
このまま出発ではないことに少しだけほっとする。
色々ありすぎて疲れていたからこのまま追い出されなくてよかった。
ゲームによくいる小銭と木の棒だけ持たせて「魔王を倒してこい」と無茶振りかます偉い人とは違って人情はあるみたい。
「申し送れておりましたが、わたくしシェリーと申します。何卒宜しくお願いいたします」
「あ、私こそ、宜しくお願いします」
「それではわたくしは失礼いたします、救世主様」
シェリーさんはそっけなく言い放つと、席を立ちそのまま部屋を出て行ってしまい一人残される。
「名前すら聞いてくれないとか……」
こっちの世界では私の名前などどうでもいいのかもしれない。
つまらないことだけど、少し落ち込んでしまった。
シェリーさんが退出して数分後、違う女性が私の居る部屋にやってきて白装束(みんなが着ているの)を旅装束にと渡されかけたが、やんわりとお断りした。
なんだか動きにくそうだったからだ。
とはいえ、私も制服である。
長袖ブラウスにベスト着用という軽装。鞄も通学用のそのまま学校指定の通学バッグ。
中には教科書とノート類、あとはスマホとハンカチとかティッシュとかそんな感じ。常備しているはずのお菓子を今日はあいにく持っていないから非常食もない。
とても旅にはそぐわない。
唯一武器にできそうな竹刀は普段から学校に置きっぱなし。
あっても邪魔でしかないか。
そんな状態だったんで、スカートはそのままで、上着だけちょっと厚手の動きやすそうなのを用意してもらい、ウエストポーチのような袋と安全靴のような底が厚い靴を貸してもらった。
神官たちが清めた布で作られたマントを受け取って準備万端である。
マントってあたりがファンタジー要素が強いように思う。
私の勝手なイメージ的に。
借りたものを含め試着して鏡を見てみれば、ファンタジー映画に出てくる冒険者か旅人っぽくてテンションが上がった。
そして、マントって防寒具なんだなとしみじみ思ってしまった。
装備するのとしないのとでは全然体感温度が違う。
つけていると温かい。
石造りの建造物って寒いんだな。
ずいぶんと時間をかけて旅支度を済ませ、白装束の集団が部屋から出て行きようやく一人になったときには、窓から見える風景はすっかり夜のものとなっていた。
暗い。
月とか街灯みたいなものは見えない。
世界が違ってもちゃんと夜はあるわけね。まあ、そりゃそうか。
ベッドに腰を下ろし、借りたウエストポーチのような荷物袋にスマホとハンカチを移しながら胸中でぼやく。
ちなみにスマホは圏外だった。
異世界だから?
でも、ここが本当に異世界なんて実感がなかった。
あの人たち集団で私を洗脳してるんじゃないかという懸念も消えない。
お母さんをターゲットにしてて、まずは娘から洗脳するとか。
その場合異世界舞台にする必要はないから違うかな。
だいたい流行りにのっかるなら召喚するのは「救世主様」じゃなくて「聖女様」じゃないのか。
つらつらと色々思いついたことを胸中で垂れ流して、逃げちゃおうかなーと後ろ向きな気持ちになってきた。
話を聞く限りでは世界を救ってくれる人が必要なほどこの世界が危機的状況だとは思えないし。
なんで私が救世主なんだろう。
そんな大それた人間じゃないとも思う。
もしかしたら異世界の人間なら誰でも救世主様みたいな世界観なのだろうか。
それだとしてもなんで私が? の堂々巡りは終わらない。
戻れない、と聞いたから何となく旅立つことになっていたが、こっちの世界で暮らすという選択肢もあるのかな?
両親やお姉ちゃんは心配するだろうな。心配をかけるのは本意じゃないけど。
剣道部のみんなも好きだ。会えないのは寂しい。
それに、良くんのことは密かに好きだった。
でも、良くんは私のお姉ちゃんが好きなことを知っている。
そしてお姉ちゃんは良くんのこと、弟か躾の行き届いた室内犬ぐらいにしか思ってないことも。
だからそんな一方通行な想いから逃げられるのは魅力的な気がしないでもない。
なによりこちらの世界なら、両親のことを知っている人はいないし、誰も私のことを知らない。
もう少し自由に生きられるのかもしれない。
――やめよう。やっぱ駄目。
失恋如きで家族を捨てるなんてどう考えてもおかしい。
ほら、私ってば普通の高校生だし、そんな大変なこと要求さてれもできるはずがない。
できないことはできない、やれないことはやれない、でいいのかもしれない。
だから、やれることだけやればいい。
それなら、私にだってできる、はず。
巡礼だけって言ってたから、死ぬようなこともないだろうし。多分大丈夫。
うん、大丈夫だ。
よし。
こうなれば覚悟を決める。
やれって言うんだったら、やってやる。
だけどその結果どうなっても文句は言わないでよ! って感じ。
決めた!
決めちゃえば、もう目標達成のために動くしかない……んだけど。
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