僕の秘密 彼女の不思議

三五八11

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残されたのは

迎えている時間

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墓参りの日付が決まると、次の日にまた葉月からLINEが来ていた。
【長官も行く。なぜか出雲も。すまない、断れなかった。お詫びではないが、車を出すので、当時部屋まで迎えに行く。嫌なら駐車場まで降りてくれてもいいが、どうする?】
出雲がくるのか、長官も。
不思議な気持ちだった。
全力で嫌だ!と思ってもおかしくないはずなのに、オクトに心は《凪》と言うのが一番しっくりくる状態だった。
【部屋で待ってます】
と返した。
実際部屋で待つ。とは意外と難しい。
相手がちょうどにくるのか、少し早めにくるのか、など考えると、予定の15分前にトイレに行ったのに、5分前になるとまた行きたいような気分になってきた。
来た時にトイレだと、インターホンに答えられないから入るのも難しい。
そう思ってすでに3分
「なんだ入れたな。
 けど、今から無理だ、時間を過ぎる。
 葉月さんなら、時間通りに来そうだ」
と独り言…
しかし、5分過ぎてもこない…
それならやっぱりトイレに入ろうと
入ってしだしたら、チャイムがなる。
さっきしたはずなのに
止まらなくて焦る…
一応大声で返事はするが
当然聞こえるはずもない。
急いでトイレ、部屋を出ると
葉月がいて、外に向かって歩き始めていた。
「なんだいたのか?
 こっちが遅れたから、先に駐車場に行ったのかと思って歩き初めてしまったよ」
「そうだったんですか。
 トイレに入ってしまって
 返事ができませんでした。
 急いで出てきましたよ」
「大丈夫なのか?
 待たせておけばいいから
 戻ってもいいぞ」
「建物の中、どこでもトイレあるから
 戻る必要はないですね。
 それに終わって出てくるところだったので
 もう大丈夫です」など朝から男女がする話でないなぁと2人で話し、大笑いしながら、駐車場に歩いた。長官のカンナの母と、カンナが亡くなる原因の出雲は、驚いた顔。
葉月にしては、歩くのに時間がかかっているな?と話をしていたら、聞き覚えのある声で、聞いたことないくらいの笑い声がしたので、その方向を見ると、オクトと葉月が大笑いしている。想像できない。いや、想像する事すら考えられないくらいの状況に、開いた口が塞がらない。
「どうした出雲?」
「お義母さんも?」
オクトはカンナと籍を入れていた。
と言っても、オクトは病気の都合で、通常の処理はされないので、事実婚と言うか、研究材料の2名は婚姻関係にあったと記される事だけになるが、それで充分だ。
長官であるカンナの母も
「娘に人並みの幸せをありがとう
 ありがとうございます」
と泣いて喜んでくれた。
婚姻届もだせないのに、人並み?
と疑問もあったが
事実婚に近くても、好きな人と婚姻関係にある事実がどこかに残ることが幸せと思うのだろう。ふと長官を見ると、少し老けたか?と感じた。不老の人なので、そんな訳はないのに。むしろ自分は不死なので、少しずつ歳を取る。今のところは不死細胞の活性化で見た目と年齢は大きく離れているが、今後どうなるかは全くわからない。
それでも「自分も一度結婚したからいいか」と呑気に思える自分と幸せなのに。とあの時は強く感じた。いや、今も感じながら《亡き妻の墓参り》に、義母、親友と他1名とむかっている。幸せだなぁ~と思いつつ、ふと
「あのぉ、出雲…さん」
年齢がわからないが、カンナと同じ病気ならおそらくかなり年上だろう?と少し間を開けたがさん付けで呼んでみた。
「なんだです?
 あの、5年くらい前に発症したので
 確かに歳とりませんけど
 あなたより年下です。」
「そうなんだ。
 でもまあ出雲さん」
「あ、はい。なんですか?」
「とりあえずってのも変なんだけど
 カンナの墓の前で、思っ切り殴らせて」
「はあ?」出雲だけでなく、全員が同じ声を出した。
「えっそんなに変かな?
 カンナの敵討ちを何にもしてないのが
 なんとなく心残りで…」
「あの、わかりました。」
「うん、ありがとう。
 それに俺痛みはあるけど、すぐ治るから
 かなり思っ切り殴るから」
「えっ、あっ、そっ、それ
 あの、、、ま、わかりました」
「大丈夫だよ。葉月さんとか君みたいに
 普段トレーニングとか鍛錬?
 してないから」

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