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第1章 初めてのデスゲーム
第10話 決着
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◎デスゲームのルール
1:あなたたちの中に1匹、狼が紛れ込んでいる。狼に噛まれた場合、あなたは死亡する。
2:制限時間以内にこの建物から脱出できなかった場合、あなたは死亡する。
3:建物から出る方法は2つ。正しい鍵を見つけるか、狼を死亡させるか。その他の方法で出た場合、あなたは死亡する。
4:左腕に配布されているツールで全ての生存者を“招集”し、狼と疑わしき者を“告発”することが出来る。ツールを体から外した場合、あなたは死亡する。
5:“告発”の際、生存者は処刑対象を選択することが出来る。過半数の生存者が対象を選択し、かつあなたが最も多人数に選択された場合、あなたは死亡する。
「てっめえ馬鹿か!あいつが“狼”だっつってんだろーがぁ!」
ギャル系女子の絶叫がこだまする。
多数決は、1対1の同票で不成立となった。
雅史は、投票しなかった。
雅史が黙して答えずにいると、間を置かずに腰のベルトが音を立てて外れた。
(大丈夫、大丈夫だ……落ち着け。落ち着いて考えるんだ……。)
自分に言い聞かせるようにして、あえてゆっくりと腰をあげようとする。
その矢先。
雅史の視界の隅で、何かが素早く動くのが見えた。
それは、雅史の左向いに座っていたギャル系女子だった。
彼女は野生動物のような俊敏さで雅史の目の前を駆け抜けると、またたく間に女子高生へと迫っていった。
「きゃあああ!」
甲高い悲鳴が上がる。とっさの出来事に、女子高生は椅子から離れることすら出来なかった。
取っ組み合いが始まり、2人は互いをつかみ合ったまま転げるように地面に倒れる。
ちらりと見えたギャル系女子の横顔からは、明確な殺意が見て取れた。
「ちょ、ちょっと!何してんだ!」
呆然と見守っていた雅史だったが、慌てて静止に入ろうと動き出す。
だが1歩踏み出したところで、すぐに雅史の動きは止まってしまった。
それは、足元に転がるスーツの青年の首が目に留まったためだった。
(どっちかが“狼”だとしたら、不用意に近づくのは……。)
下手をすると、雅史もあっさり首を落とされて死ぬかもしれない。
その恐怖が頭をよぎり、足が前に進もうとしなかったのだ。
だが、ここで女子高生が殺されてしまえば、多数決を行うチャンスは永久に失われてしまうかもしれない。
もしギャル系女子が“狼”だったなら、そこで雅史の命運は尽きることになる。
「いやっ!やめて!」
「死ねやこらぁ!」
雅史がためらっている間に、ギャル系女子は女子高生に馬乗りになり、その首に両手をかけようとしていた。
「う……うぐぅ……。」
か細い首が、渾身の握力で締められていく。
(くそっ!迷ってる場合じゃない!)
ギャル系女子を引き剥がそうと、雅史がようやく動き出したその時だった。
首を締められ苦悶の表情を浮かべている女子高生が、右手を自分の左腕へと伸ばすのが見えた。
そして次の瞬間、地面に横たわる2人の下から、黒い影がゆらりと立ちのぼった。
「は?」
ギャル系女子が、間の抜けた声をあげる。
彼女には、それが何なのか理解できなかったようだ。
側で見ている雅史にも、何が起きているのかさっぱり分からなかった。
黒い影はみるみる内に膨れていくと、大きく裂けた口を持つ不気味なシルエットを形作った。
そしてその口をパカッと開くと、ギャル系女子の頭を覆い尽くすかのようにガブリと噛み付いた。
「いっ。」
ギャル系女子が悲鳴をあげる間もなく、影は彼女の肩口から上の部分を食い千切った。
それはまるで、砂の山を削り取るかのような軽やかさだった。
そこまでの動作を終えると、影は再び小さくしぼんでいって、あっという間に地面へと吸い込まれていった。
全ては一瞬の出来事だった。
その間雅史は、1ミリも動くことが出来なかった。
ワンテンポ遅れて、肩から上をまるごと失ったギャル系女子の体が女子高生へと覆いかぶさった。
頭部を失った首の付け根からは血が溢れ出し、横たわる女子高生の身体を赤く染めていった。
「あ……う……。」
目の前に広がる凄絶な光景に、雅史は思わずうめき声を洩らす。
だが、それ以上の言葉は出てこなかった。
(なん……だ……?なんだ、これ……。)
何が起きたのか、まるで理解が及ばない。
自分がたった今目撃したものについて考えようとするが、雅史の思考は霧散していき、まるで形を成そうとしなかった。
呆然と立ち尽くす雅史。
目の前で溢れていく血液が、ゆっくりと広がりながら灰色の床を赤く塗りつぶしていく。
為す術もなく血溜まりを眺めていると、その只中にいる女子高生が、出し抜けに咳き込んだ。
苦しそうにむせながら、上体を起こし始める。
彼女の華奢な首を締めていた腕は、力なくダラリと床に垂れていた。
やがて咳が収まってくると、彼女は自分に覆いかぶさっていた首無し死体を押しのけた。
そして側で立ち尽くしたままの雅史へ、おもむろに視線を向けた。
荒い呼吸を整えながら、1言も声を発しようとしない女子高生。
血にまみれたその顔には、ひどく奇妙な表情が浮かんでいた。
恐怖にうち震える子猫のような、それでいて冷たい氷のような。
相反する感情が混在して、その目に浮かんでいた。
それを見て取った時、雅史は目の前で起きた怪異が彼女の意思によるものであったと確信した。
彼女が、殺したのだ。
「……なんで?」
雅史がポツリとつぶやいた。
女子高生はビクリと反応すると、1瞬だけ自身の左腕へ視線を向けて何かを確認した。
そして素早く立ち上がると、雅史に背を向けて出口へと走り出した。
意外なほど俊敏な女子高生の動きに、雅史はすぐに反応することが出来なかった。
走り去る彼女の後ろ姿を眺めながら、頭の中では同じ疑問が何度も繰り返されていた。
なんで。どうして。
分からなかった。
何故彼女がこんな事をするのか。
どうしてこんな事になったのか。
何も分からない。
分からないはずなのに、気付けば雅史の身体は自然と動き出していた。
ゆったりと歩み始めた足は、女子高生に追いつくべく徐々に速度を上げていく。
たった今理解の及ばない手段で人を殺した人間を追いかけるなど、正気の沙汰ではない。
自殺行為に等しい。
それでも雅史が走り出した理由は、直感という他なかった。
『ここで逃がしたら、俺は死ぬ。』
脳裏に浮かんだその閃きが、雅史の足を動かしていた。
何故そんな風に思ったのか、自分でもよく分からなかった。
何も分からないまま、奇妙な確信を持って雅史は走り続けた。
「待て!止まれ!」
間を置かずして、雅史は視線の先に廊下を走る女子高生の姿を捉えた。
彼女までは、残り数メートルの距離だ。
乱れる呼吸に比例して負傷した腹の痛みも増すが、そんなことに構っている暇はない。
今ここで、必ず彼女を捕まえなければならない。
雅史の頭にあるのは、ただそれだけだった。
「くっ、待てよこの!」
いよいよ女子高生に肉迫し、肺から空気を絞り出して静止の声をあげる。
無論、彼女が足を止める気配はなかった。
もはや対話を試みる段階ではないのだ。
覚悟を決めて、逃げる女子高生の肩に手を伸ばす。
1度はうまく掴めなかったが、2度めのトライでうまく指が引っかかった。
引き寄せようとしたところで互いにバランスを崩し、2人はもつれるようにして地面に転がった。
雅史は転んだ拍子に膝を打ち、激痛が走るが、それを無視して態勢を立て直す。
再び逃げようとする女子高生の腕をとって、地面に引き倒した。
仰向けに倒れた女子高生に馬乗りになると、もう片方の腕も掴んで身動きできないように押さえつける。
「ぜぇ、はぁ……。」
肩で息をしながらも、彼女を逃さないよう両腕に力を込める。
女子高生は拘束を振りほどこうと暴れていたが、やがて力尽きたのか抵抗するのをやめた。
荒い呼吸をしたまま、血に塗れた顔で雅史の目を真っ直ぐに見返していた。
やはりそうだ。
彼女は今、あの“黒い影”を呼び出すことが出来ないのだ。
でなければ、彼女に近づいた時点で雅史はいとも簡単に殺されていたはずだ。
『“黒い影”は端末を操作して出現させるが、使用した直後は再使用出来ない。』
それが、雅史が直感で出した答えだった。
冷静に考えたなら、そう結論づけるだけのヒントはあったのだ。
女子高生が端末を使って“黒い影”を呼び出したというのは、あの時点で察しはついた。
しかし彼女はその後、迷うことなく雅史から逃げ出した。
圧倒的な殺傷力を持った彼女が逃げ出すという事実は、それが行使できない状態にある可能性を示唆していた。
その可能性は同時に、雅史の中で自身の端末の“call”ボタンが使用不可になった光景と結びついた。
“黒い影”を呼び出すボタンが使えない状態なのであれば、今こそが彼女を捕らえる最後のチャンスだと、雅史は理解したのだ。
勿論、この推測が間違っている可能性はあった。
しかし、雅史は女子高生の表情や所作からそれが正しいと確信していた。
そしてこれらの判断は、彼女を追いかけ始めるまでの数秒でなされたのだった。
それはもはや論理を飛び越えた閃き、まさに直感と呼ぶ他なかった。
死に直面した雅史の本能が、彼を突き動かしたのだ。
「……なんでだ。」
ずっと頭の中で渦巻いていた言葉が、口をついて出た。
このゲームは一体何なのか。
何故、幾人もの人間が殺されなければならなかったのか。
聞きたいことは山ほどあった。
それら全ての疑問を、彼女にぶつけたかった。
「なんで、なんでこんな事を!どうして俺たちを殺すんだ!」
問われた女子高生は答えなかった。
呼吸をひどく乱しており、喋ることもままならない様子だった。
だがしばらくの後、天を仰ぐように首を反らせると、ポツリと声を漏らした。
「……たしが……から……。」
「え?」
聞き取れず、雅史が聞き返す。
すると女子高生は、突然跳ねるように上体を起こして、声高に叫んだ。
「やらなきゃ、私が死ぬからよ!」
彼女の声が、廊下に響き渡る。
同時に、彼女は素早く両腕に力を込めてきた。
右手を自身の左腕に近づけようと、もがいている。
端末を操作しようとしているのは明らかだった。
(端末に触れられたら、俺は死ぬ!)
瞬時に脳裏に浮かんだ死の予感に背筋を凍らせながら、そうはさせまいと全力で女子高生の動きを封じにかかる。
しかし、その華奢な腕からは想像もつかないような力で抵抗され、ともすれば拘束を解かれてしまいそうだった。
(くっ、とにかく端末をどうにかしないと!)
女子高生の左腕を掴んでいる右手に力をより一層込めながら、手首に装着された彼女の端末に指をかけようと少しずつ上方へずらしていく。
女子高生も雅史の思惑を感じ取ったのか、雅史を跳ね除けようとして狂ったように暴れだした。
「う、ぐ、ぐうううううう!」
女子高生の口から唸り声が漏れ聞こえる。
その鬼気迫る様に恐怖を覚えながら、雅史も必死で彼女を押さえつけた。
そしてようやく端末のベルトに手が届くと、内側に指を差し入れて思い切り引っ張った。
「うわっ!」
ベルトは、思っていた以上にあっさりと外れた。
雅史は引っ張った勢いのままに後方へバランスを崩し、無様に尻もちをついてしまった。
それでも、雅史の右手には奪い取った端末がしっかりと握られていた。
「い、いやああああああ!」
女子高生が、断末魔にも似た悲鳴を上げる。
その表情はこわばり、ひどく青ざめていた。
思ったとおりだ。
この端末が、彼女にとっての切り札だったに違いない。
これを渡しさえしなければ、体格で劣る彼女にもはや勝ち目はない。
「はっ、ははっ、やったぞ!」
自分の判断が正しかったという充足感と、生き残る希望が見えた喜びが混ざり合い、興奮気味に立ち上がる。
女子高生が奪い返しに来ることを予想し、身構えた、その時だった。
雅史の耳に、ひどく場違いな音が聞こえた。
プシュッ
それは、何かの空気が抜けたような、そんな音だった。
一体どこから聞こえてきたのか。
そんな事を考える間もなく、事は起こった。
次の瞬間、女子高生が唐突に顔を下に向けてうつむいた。
いや、雅史にはうつむいたように見えた。
だが、彼女の頭はそこに留まらず、そのまま地面へと落下していった。
ゴトンッと鈍い音が、廊下に響く。
「は?」
理解出来ない雅史は、間の抜けた声を洩らした。
残された女子高生の身体が、ゆっくりと地面にくずおれる。
頭を失った首からは血が溢れ出して、跳ねた飛沫が雅史の頬に点々と跡をつけた。
ビクリと幾度か痙攣した後、女子高生の身体は動かなくなった。
ゆっくりと床に広がっていく血溜まりを見つめながら、雅史は身じろぎすることも無くただ呆然と立ち尽くしていた。
「……なんだよ、これ……。」
ポツリとつぶやくが、答えるものは無い。
気づけば周囲は静寂に包まれていた。
自身の荒い吐息だけが、耳に入ってくる唯一の音だった。
他には何も聞こえない。
世界の全てが、雅史を残してどこかへ行ってしまったかのようだ。
本当に彼女は死んでしまったのだろうか。
あらゆることに、実感が湧かなかった。
目の前に彼女の首が転がっているというのに、それはどこか遠くの出来事のような、ひどく現実感に欠けた光景に思えた。
(本当に、死んじまったのか。俺以外のみんなが。これで、ゲームは終わり、なのか……?)
“狼”が死んだのなら、ゲームは終了するはずだった。
だが、それを示すような何かは特に見当たらない。
それとも、まだゲームは続いているとでもいうのだろうか。
不安になり、あたりを見回してみる。
しかし、薄暗い廊下には何者の姿も見当たらなかった。
(彼女が万が一“狼”じゃなかったとしても、もう俺しか残っていないんだから、ゲームは終わっていいはずだ。それとも、他にまだ生きている人間がいるっていうのか?そんな事、あり得ない。あり得ないはずだ……。くそっ、だめだ。もう頭が回らない。何も考えられない……。)
この短時間で1度ならず殺されかけたこと、そして怒涛のように起きた人死にの連続に、雅史の気力はもはや尽きかけていた。
思考を巡らせようとしても、頭にモヤがかかったようになって考えがまとまらない。
いっそもう目を閉じてしまいたかった。
全て忘れて、眠りに落ちてしまいたい。
そんな誘惑にかられて、まぶたをおろしかけていた時だった。
パンパカパーン!
立ち尽くす雅史の耳に、唐突に場違いなファンファーレが聞こえた。
それは、とてもチープな音だった。
何かのミニゲームに使用されている、素人が作ったフリー音源のような、そんなチープさだった。
耳にうるさいほどの大音量に思わず顔をしかめ、雅史は音のした方へ顔を向けた。
音の発生源は、雅史の腕に着けられた端末だった。
「これで、終わり……?」
端末の画面を見た雅史は、思わず独りごちた。
画面に表示されていたのは、たった一言だけだった。
『You win.』
それは恐らく、雅史の勝利宣言だった。
やはり“狼”は女子高生で、彼女が死んだことでゲームは終わったのだ。
「は……はは……。」
ゲームの終わりを悟ったことで、雅史はようやく生き残ったという実感が湧いてきた。
途端、身体から力が抜けてしまい、膝からその場に崩れ落ちてしまった。
そのまま四つん這いになって、目を閉じてうなだれる。
「もう何でもいいから、さっさと家に帰してくれ……。」
そう呟いて目を閉じる。
もう1度目を開けたら、布団の中で目が覚めるといいな。
全てはタチの悪い夢で、起きたらいつもの日常が始まるに違いない。
今にもスマホのアラームが鳴って、嫌々ながらも学校に行く支度を始めるのだ。
そんな心地の良い妄想に浸っていると、それを予期したかのように、聞いたことのあるブザー音がけたたましく鳴り響いた。
だがそれは、雅史が望んでいたアラーム音とは違うものだった。
「……あ?」
目を開けた雅史に見えたのは、もう何度も目にしたことのある光景だった。
壁、床、天井に至るまで、全てが灰色で塗り尽くされた部屋。
そこには見覚えのない人間達がいて、椅子に座っている。
椅子は部屋のちょうど真ん中を中心として、ぐるりと円を描くように並べられている。
そして、その椅子の1つに、雅史自身も座らされていた。
「おい……嘘だろ……?」
頭から血の気が引いていく。
嫌な予感が、全身を駆け巡る。
こんなのは嘘だ。
あり得ない。
あってたまるものか。
受け入れがたい光景を頭で拒絶する。
だが、視線は目の前にあるタブレットのディスプレイから離せなかった。
そこには、やはり見覚えのある文言が表示されていた。
『Get ready.』
それは、ゲームの始まりを告げる言葉だった。
(違う、こんなの嘘だ。もうゲームは終わったんだ。俺は元の日常に戻るんだ。)
これが現実だと、認めたくなかった。
全てを否定しようと必死でかぶりを振る。
しかし、次にその目に飛び込んできたのは、彼をさらなる絶望の淵へと突き放す一言だった。
『あなたは“狼”です。』
1:あなたたちの中に1匹、狼が紛れ込んでいる。狼に噛まれた場合、あなたは死亡する。
2:制限時間以内にこの建物から脱出できなかった場合、あなたは死亡する。
3:建物から出る方法は2つ。正しい鍵を見つけるか、狼を死亡させるか。その他の方法で出た場合、あなたは死亡する。
4:左腕に配布されているツールで全ての生存者を“招集”し、狼と疑わしき者を“告発”することが出来る。ツールを体から外した場合、あなたは死亡する。
5:“告発”の際、生存者は処刑対象を選択することが出来る。過半数の生存者が対象を選択し、かつあなたが最も多人数に選択された場合、あなたは死亡する。
「てっめえ馬鹿か!あいつが“狼”だっつってんだろーがぁ!」
ギャル系女子の絶叫がこだまする。
多数決は、1対1の同票で不成立となった。
雅史は、投票しなかった。
雅史が黙して答えずにいると、間を置かずに腰のベルトが音を立てて外れた。
(大丈夫、大丈夫だ……落ち着け。落ち着いて考えるんだ……。)
自分に言い聞かせるようにして、あえてゆっくりと腰をあげようとする。
その矢先。
雅史の視界の隅で、何かが素早く動くのが見えた。
それは、雅史の左向いに座っていたギャル系女子だった。
彼女は野生動物のような俊敏さで雅史の目の前を駆け抜けると、またたく間に女子高生へと迫っていった。
「きゃあああ!」
甲高い悲鳴が上がる。とっさの出来事に、女子高生は椅子から離れることすら出来なかった。
取っ組み合いが始まり、2人は互いをつかみ合ったまま転げるように地面に倒れる。
ちらりと見えたギャル系女子の横顔からは、明確な殺意が見て取れた。
「ちょ、ちょっと!何してんだ!」
呆然と見守っていた雅史だったが、慌てて静止に入ろうと動き出す。
だが1歩踏み出したところで、すぐに雅史の動きは止まってしまった。
それは、足元に転がるスーツの青年の首が目に留まったためだった。
(どっちかが“狼”だとしたら、不用意に近づくのは……。)
下手をすると、雅史もあっさり首を落とされて死ぬかもしれない。
その恐怖が頭をよぎり、足が前に進もうとしなかったのだ。
だが、ここで女子高生が殺されてしまえば、多数決を行うチャンスは永久に失われてしまうかもしれない。
もしギャル系女子が“狼”だったなら、そこで雅史の命運は尽きることになる。
「いやっ!やめて!」
「死ねやこらぁ!」
雅史がためらっている間に、ギャル系女子は女子高生に馬乗りになり、その首に両手をかけようとしていた。
「う……うぐぅ……。」
か細い首が、渾身の握力で締められていく。
(くそっ!迷ってる場合じゃない!)
ギャル系女子を引き剥がそうと、雅史がようやく動き出したその時だった。
首を締められ苦悶の表情を浮かべている女子高生が、右手を自分の左腕へと伸ばすのが見えた。
そして次の瞬間、地面に横たわる2人の下から、黒い影がゆらりと立ちのぼった。
「は?」
ギャル系女子が、間の抜けた声をあげる。
彼女には、それが何なのか理解できなかったようだ。
側で見ている雅史にも、何が起きているのかさっぱり分からなかった。
黒い影はみるみる内に膨れていくと、大きく裂けた口を持つ不気味なシルエットを形作った。
そしてその口をパカッと開くと、ギャル系女子の頭を覆い尽くすかのようにガブリと噛み付いた。
「いっ。」
ギャル系女子が悲鳴をあげる間もなく、影は彼女の肩口から上の部分を食い千切った。
それはまるで、砂の山を削り取るかのような軽やかさだった。
そこまでの動作を終えると、影は再び小さくしぼんでいって、あっという間に地面へと吸い込まれていった。
全ては一瞬の出来事だった。
その間雅史は、1ミリも動くことが出来なかった。
ワンテンポ遅れて、肩から上をまるごと失ったギャル系女子の体が女子高生へと覆いかぶさった。
頭部を失った首の付け根からは血が溢れ出し、横たわる女子高生の身体を赤く染めていった。
「あ……う……。」
目の前に広がる凄絶な光景に、雅史は思わずうめき声を洩らす。
だが、それ以上の言葉は出てこなかった。
(なん……だ……?なんだ、これ……。)
何が起きたのか、まるで理解が及ばない。
自分がたった今目撃したものについて考えようとするが、雅史の思考は霧散していき、まるで形を成そうとしなかった。
呆然と立ち尽くす雅史。
目の前で溢れていく血液が、ゆっくりと広がりながら灰色の床を赤く塗りつぶしていく。
為す術もなく血溜まりを眺めていると、その只中にいる女子高生が、出し抜けに咳き込んだ。
苦しそうにむせながら、上体を起こし始める。
彼女の華奢な首を締めていた腕は、力なくダラリと床に垂れていた。
やがて咳が収まってくると、彼女は自分に覆いかぶさっていた首無し死体を押しのけた。
そして側で立ち尽くしたままの雅史へ、おもむろに視線を向けた。
荒い呼吸を整えながら、1言も声を発しようとしない女子高生。
血にまみれたその顔には、ひどく奇妙な表情が浮かんでいた。
恐怖にうち震える子猫のような、それでいて冷たい氷のような。
相反する感情が混在して、その目に浮かんでいた。
それを見て取った時、雅史は目の前で起きた怪異が彼女の意思によるものであったと確信した。
彼女が、殺したのだ。
「……なんで?」
雅史がポツリとつぶやいた。
女子高生はビクリと反応すると、1瞬だけ自身の左腕へ視線を向けて何かを確認した。
そして素早く立ち上がると、雅史に背を向けて出口へと走り出した。
意外なほど俊敏な女子高生の動きに、雅史はすぐに反応することが出来なかった。
走り去る彼女の後ろ姿を眺めながら、頭の中では同じ疑問が何度も繰り返されていた。
なんで。どうして。
分からなかった。
何故彼女がこんな事をするのか。
どうしてこんな事になったのか。
何も分からない。
分からないはずなのに、気付けば雅史の身体は自然と動き出していた。
ゆったりと歩み始めた足は、女子高生に追いつくべく徐々に速度を上げていく。
たった今理解の及ばない手段で人を殺した人間を追いかけるなど、正気の沙汰ではない。
自殺行為に等しい。
それでも雅史が走り出した理由は、直感という他なかった。
『ここで逃がしたら、俺は死ぬ。』
脳裏に浮かんだその閃きが、雅史の足を動かしていた。
何故そんな風に思ったのか、自分でもよく分からなかった。
何も分からないまま、奇妙な確信を持って雅史は走り続けた。
「待て!止まれ!」
間を置かずして、雅史は視線の先に廊下を走る女子高生の姿を捉えた。
彼女までは、残り数メートルの距離だ。
乱れる呼吸に比例して負傷した腹の痛みも増すが、そんなことに構っている暇はない。
今ここで、必ず彼女を捕まえなければならない。
雅史の頭にあるのは、ただそれだけだった。
「くっ、待てよこの!」
いよいよ女子高生に肉迫し、肺から空気を絞り出して静止の声をあげる。
無論、彼女が足を止める気配はなかった。
もはや対話を試みる段階ではないのだ。
覚悟を決めて、逃げる女子高生の肩に手を伸ばす。
1度はうまく掴めなかったが、2度めのトライでうまく指が引っかかった。
引き寄せようとしたところで互いにバランスを崩し、2人はもつれるようにして地面に転がった。
雅史は転んだ拍子に膝を打ち、激痛が走るが、それを無視して態勢を立て直す。
再び逃げようとする女子高生の腕をとって、地面に引き倒した。
仰向けに倒れた女子高生に馬乗りになると、もう片方の腕も掴んで身動きできないように押さえつける。
「ぜぇ、はぁ……。」
肩で息をしながらも、彼女を逃さないよう両腕に力を込める。
女子高生は拘束を振りほどこうと暴れていたが、やがて力尽きたのか抵抗するのをやめた。
荒い呼吸をしたまま、血に塗れた顔で雅史の目を真っ直ぐに見返していた。
やはりそうだ。
彼女は今、あの“黒い影”を呼び出すことが出来ないのだ。
でなければ、彼女に近づいた時点で雅史はいとも簡単に殺されていたはずだ。
『“黒い影”は端末を操作して出現させるが、使用した直後は再使用出来ない。』
それが、雅史が直感で出した答えだった。
冷静に考えたなら、そう結論づけるだけのヒントはあったのだ。
女子高生が端末を使って“黒い影”を呼び出したというのは、あの時点で察しはついた。
しかし彼女はその後、迷うことなく雅史から逃げ出した。
圧倒的な殺傷力を持った彼女が逃げ出すという事実は、それが行使できない状態にある可能性を示唆していた。
その可能性は同時に、雅史の中で自身の端末の“call”ボタンが使用不可になった光景と結びついた。
“黒い影”を呼び出すボタンが使えない状態なのであれば、今こそが彼女を捕らえる最後のチャンスだと、雅史は理解したのだ。
勿論、この推測が間違っている可能性はあった。
しかし、雅史は女子高生の表情や所作からそれが正しいと確信していた。
そしてこれらの判断は、彼女を追いかけ始めるまでの数秒でなされたのだった。
それはもはや論理を飛び越えた閃き、まさに直感と呼ぶ他なかった。
死に直面した雅史の本能が、彼を突き動かしたのだ。
「……なんでだ。」
ずっと頭の中で渦巻いていた言葉が、口をついて出た。
このゲームは一体何なのか。
何故、幾人もの人間が殺されなければならなかったのか。
聞きたいことは山ほどあった。
それら全ての疑問を、彼女にぶつけたかった。
「なんで、なんでこんな事を!どうして俺たちを殺すんだ!」
問われた女子高生は答えなかった。
呼吸をひどく乱しており、喋ることもままならない様子だった。
だがしばらくの後、天を仰ぐように首を反らせると、ポツリと声を漏らした。
「……たしが……から……。」
「え?」
聞き取れず、雅史が聞き返す。
すると女子高生は、突然跳ねるように上体を起こして、声高に叫んだ。
「やらなきゃ、私が死ぬからよ!」
彼女の声が、廊下に響き渡る。
同時に、彼女は素早く両腕に力を込めてきた。
右手を自身の左腕に近づけようと、もがいている。
端末を操作しようとしているのは明らかだった。
(端末に触れられたら、俺は死ぬ!)
瞬時に脳裏に浮かんだ死の予感に背筋を凍らせながら、そうはさせまいと全力で女子高生の動きを封じにかかる。
しかし、その華奢な腕からは想像もつかないような力で抵抗され、ともすれば拘束を解かれてしまいそうだった。
(くっ、とにかく端末をどうにかしないと!)
女子高生の左腕を掴んでいる右手に力をより一層込めながら、手首に装着された彼女の端末に指をかけようと少しずつ上方へずらしていく。
女子高生も雅史の思惑を感じ取ったのか、雅史を跳ね除けようとして狂ったように暴れだした。
「う、ぐ、ぐうううううう!」
女子高生の口から唸り声が漏れ聞こえる。
その鬼気迫る様に恐怖を覚えながら、雅史も必死で彼女を押さえつけた。
そしてようやく端末のベルトに手が届くと、内側に指を差し入れて思い切り引っ張った。
「うわっ!」
ベルトは、思っていた以上にあっさりと外れた。
雅史は引っ張った勢いのままに後方へバランスを崩し、無様に尻もちをついてしまった。
それでも、雅史の右手には奪い取った端末がしっかりと握られていた。
「い、いやああああああ!」
女子高生が、断末魔にも似た悲鳴を上げる。
その表情はこわばり、ひどく青ざめていた。
思ったとおりだ。
この端末が、彼女にとっての切り札だったに違いない。
これを渡しさえしなければ、体格で劣る彼女にもはや勝ち目はない。
「はっ、ははっ、やったぞ!」
自分の判断が正しかったという充足感と、生き残る希望が見えた喜びが混ざり合い、興奮気味に立ち上がる。
女子高生が奪い返しに来ることを予想し、身構えた、その時だった。
雅史の耳に、ひどく場違いな音が聞こえた。
プシュッ
それは、何かの空気が抜けたような、そんな音だった。
一体どこから聞こえてきたのか。
そんな事を考える間もなく、事は起こった。
次の瞬間、女子高生が唐突に顔を下に向けてうつむいた。
いや、雅史にはうつむいたように見えた。
だが、彼女の頭はそこに留まらず、そのまま地面へと落下していった。
ゴトンッと鈍い音が、廊下に響く。
「は?」
理解出来ない雅史は、間の抜けた声を洩らした。
残された女子高生の身体が、ゆっくりと地面にくずおれる。
頭を失った首からは血が溢れ出して、跳ねた飛沫が雅史の頬に点々と跡をつけた。
ビクリと幾度か痙攣した後、女子高生の身体は動かなくなった。
ゆっくりと床に広がっていく血溜まりを見つめながら、雅史は身じろぎすることも無くただ呆然と立ち尽くしていた。
「……なんだよ、これ……。」
ポツリとつぶやくが、答えるものは無い。
気づけば周囲は静寂に包まれていた。
自身の荒い吐息だけが、耳に入ってくる唯一の音だった。
他には何も聞こえない。
世界の全てが、雅史を残してどこかへ行ってしまったかのようだ。
本当に彼女は死んでしまったのだろうか。
あらゆることに、実感が湧かなかった。
目の前に彼女の首が転がっているというのに、それはどこか遠くの出来事のような、ひどく現実感に欠けた光景に思えた。
(本当に、死んじまったのか。俺以外のみんなが。これで、ゲームは終わり、なのか……?)
“狼”が死んだのなら、ゲームは終了するはずだった。
だが、それを示すような何かは特に見当たらない。
それとも、まだゲームは続いているとでもいうのだろうか。
不安になり、あたりを見回してみる。
しかし、薄暗い廊下には何者の姿も見当たらなかった。
(彼女が万が一“狼”じゃなかったとしても、もう俺しか残っていないんだから、ゲームは終わっていいはずだ。それとも、他にまだ生きている人間がいるっていうのか?そんな事、あり得ない。あり得ないはずだ……。くそっ、だめだ。もう頭が回らない。何も考えられない……。)
この短時間で1度ならず殺されかけたこと、そして怒涛のように起きた人死にの連続に、雅史の気力はもはや尽きかけていた。
思考を巡らせようとしても、頭にモヤがかかったようになって考えがまとまらない。
いっそもう目を閉じてしまいたかった。
全て忘れて、眠りに落ちてしまいたい。
そんな誘惑にかられて、まぶたをおろしかけていた時だった。
パンパカパーン!
立ち尽くす雅史の耳に、唐突に場違いなファンファーレが聞こえた。
それは、とてもチープな音だった。
何かのミニゲームに使用されている、素人が作ったフリー音源のような、そんなチープさだった。
耳にうるさいほどの大音量に思わず顔をしかめ、雅史は音のした方へ顔を向けた。
音の発生源は、雅史の腕に着けられた端末だった。
「これで、終わり……?」
端末の画面を見た雅史は、思わず独りごちた。
画面に表示されていたのは、たった一言だけだった。
『You win.』
それは恐らく、雅史の勝利宣言だった。
やはり“狼”は女子高生で、彼女が死んだことでゲームは終わったのだ。
「は……はは……。」
ゲームの終わりを悟ったことで、雅史はようやく生き残ったという実感が湧いてきた。
途端、身体から力が抜けてしまい、膝からその場に崩れ落ちてしまった。
そのまま四つん這いになって、目を閉じてうなだれる。
「もう何でもいいから、さっさと家に帰してくれ……。」
そう呟いて目を閉じる。
もう1度目を開けたら、布団の中で目が覚めるといいな。
全てはタチの悪い夢で、起きたらいつもの日常が始まるに違いない。
今にもスマホのアラームが鳴って、嫌々ながらも学校に行く支度を始めるのだ。
そんな心地の良い妄想に浸っていると、それを予期したかのように、聞いたことのあるブザー音がけたたましく鳴り響いた。
だがそれは、雅史が望んでいたアラーム音とは違うものだった。
「……あ?」
目を開けた雅史に見えたのは、もう何度も目にしたことのある光景だった。
壁、床、天井に至るまで、全てが灰色で塗り尽くされた部屋。
そこには見覚えのない人間達がいて、椅子に座っている。
椅子は部屋のちょうど真ん中を中心として、ぐるりと円を描くように並べられている。
そして、その椅子の1つに、雅史自身も座らされていた。
「おい……嘘だろ……?」
頭から血の気が引いていく。
嫌な予感が、全身を駆け巡る。
こんなのは嘘だ。
あり得ない。
あってたまるものか。
受け入れがたい光景を頭で拒絶する。
だが、視線は目の前にあるタブレットのディスプレイから離せなかった。
そこには、やはり見覚えのある文言が表示されていた。
『Get ready.』
それは、ゲームの始まりを告げる言葉だった。
(違う、こんなの嘘だ。もうゲームは終わったんだ。俺は元の日常に戻るんだ。)
これが現実だと、認めたくなかった。
全てを否定しようと必死でかぶりを振る。
しかし、次にその目に飛び込んできたのは、彼をさらなる絶望の淵へと突き放す一言だった。
『あなたは“狼”です。』
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