俺の価値って0円なのか?〜最強の矛を携え、ステータスにある『最強』のスキルがまさかのチートだったので最弱からダンジョンを蹂躙し無双する〜

カレーハンバーグ

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出会い

えっ? 何このスキル……

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 俺のステータスを見てフリーズしている京子に声を掛けた。

「お~い、京子~……」

 京子の顔の前で手を振り名前を呼ぶと、京子が俺の手と声にやっと気付き、俺の顔を見た。

「ごめんなさい、驚かないって言っときながら、こんなステータス見たの初めてだから固まっちゃった……。本当に価値が0円なのね。ランクも総合力も情報が入ってないし。それに、初めて見る職業だわ。──ん? 『神』って職業なの? なんか凄すぎない? 職業が『神』でスキルが『最強』だなんて、ステータスを見ただけでヤバイ感じがするわ……」

「そん風に言われたの初めてだよ。職業の『神』は意味が分からないけど、その『最強』ってスキルは『鑑定眼』でも詳細が分からないんだ。たぶん、名前だけのお飾りなんだよ……きっと」

 京子が腕を胸の前で組んで、眉間にシワを寄せている。

「──貴史たっくんはこのスキルの詳細を知りたいの?」

「そりゃ知りたいけど、知る術がないからどうしようもないよ。それに、知ったところでなんの意味もないだろうし……」

「普通は自分の保有してるスキルなら、感覚でどう使うか分かるはずよ。それが貴史たっくんは分からないのよね?」

 そんなこと初めて聞いた。

「へ~、そうなんだ。でも、俺の『最強』ってスキルは、感覚どころかなんにも感じないんだよ。このスキルって使えるやつなのかな? さっきも言ったけど、ただ名前がついてるだけのお飾りスキルじゃないかと俺は思ってるんだけど」

 京子が口角を上げて少し悪い顔をしている。

「私のスキル『情報漏洩じょうほうろうえい』だったら、たぶん詳細が分かると思うわよ」

「えっ? 本当に? だったらやってみてよ!」

 京子が真顔になった。

「じゃあやってみるね。こんどは『最強』の情報っと」

 そう呟くと、ステータスを見た時と同じく目の前の空間に手をかざしスキルを発動した。

情報漏洩じょうほうろうえい

 京子の目がゆっくりと左右に動いている。恐らく自分にしか見えていない文字を読んでいるのだろう。

「──えっ!? 何このスキル、チートすぎるわ……。貴史たっくん、驚いちゃ駄目よ。貴史たっくんは呪われてなんかいない、全くの逆よ。貴方はモンスターを一掃出来る救世主かもしれないわ」

 京子があまりにも大袈裟なことを言うので、笑ってしまった。

「はははっ、救世主って大袈裟だな。価値の無い俺が世界を救える訳ないだろ? 京子、それより早く教えてよ」

 京子がゆっくりと口を開く。

「その前に……お願いがあるの。私達、出会ったばっかりだけど、こんな状況で二人しかいないじゃない? ──でね、あの、えっと……わ、私と……な、仲間になってほしいの!! あっ、貴史たっくんのステータスとスキルの詳細を見たから、仲間にしてほしいって言ってるんじゃないからね! 仲間のことを言い難かったから、何となくステータスを見せてって言っただけなの……」

 京子が目をギュッと閉じ、顔を真っ赤にして俺に言葉を投げ掛けた後に、誤解を解こうと両手を左右に振った。

 俺はまさかの言葉に狼狽えてしまう。

 誰かと仲間になりたいとは思ったことがあるが、仲間になってと言われたのは初めてだから。
 せっかくのお誘いは嬉しいが、俺の方が足を引っ張りそうで「うん」とは言い難い。

「ははっ、俺のステータスを見て仲間になりたいなんて言う人はいないだろうから、疑ってなんかないよ。──う~ん、気持ちは嬉しいけど、俺を仲間に誘うのは止めておいた方がいい。価値が0円の俺じゃあ京子と仲間になったとしても、邪魔になると思うから。俺が京子と一緒にいると、京子の足を引っ張っちゃうだけだよ……」

 俺の言葉に対して、京子が顔を赤くしたまま首を左右に力強く振った。

貴史たっくんが私の足を引っ張るだなんて、そんな事絶対にないわ! ──あのね、私のスキルなんだけど……って、いきなり説明しだしてごめんね。私のスキルは『隠滅いんめつ』っていうの。このスキルは、一度発動すると解除できないのよね。──で、もうすでに発動しちゃってるから、私と仲間になっちゃうと、その人のステータスが開示出来なくなっちゃうの。私はこんなスキルを持ってるから、たぶんこの先も仲間なんて出来ない。だから、仲間になってってお願いしてるけど、私が貴史たっくんの足を引っ張っちゃうのよ……」

 『隠滅いんめつ』というスキルの説明を聞くと、京子にとってかせにしかならないスキルだと思った。

 深刻な表情をしているのも理解出来る。

「そうなんだ……。仲間が出来そうにないのはお互い様ってことか。──その『隠滅いんめつ』ってスキルは厄介だな。保有してるだけで損なスキルってあるんだ……。でも、俺には丁度いいかも」

 変なことを言ったつもりはないが、京子が不思議そうな顔をしている。

「丁度いいって、『隠滅いんめつ』が? 貴史たっくん私の話聞いてた? もし私と仲間になっても、貴史たっくんに損はあっても得な事は何一つ無いスキルなのよ? ステータスが見えないってことは、価値もランクも総合力も、状態さえも分からなくなるから、何かしら身体に不具合が起きても対処法が分からないのよ?」

 京子が言いたいことは分かる、だが俺は自分のステータスを人に見られない方が都合がいい。

「他の人には損だろうなと思うけど、俺は自分のステータスを人に見られるとどうせ面倒くさいことを言われるだろうから嫌なんだ。京子も言ってただろ、俺は呪われてるって」

 京子が「それは……」と言って俯いてしまった。

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