~前世の知識を持つ少女、サーラの料理譚~

あおいろ

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幕話2 三日前の山の異変

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 そうして場所は移り変わり、ーー
 此処は山の中腹、雑木林の中。辺りは異様な程に静かである。虫のさざめきや野生動物の鳴き声、吹き行く風の音もしない。月の明かりも射し込まない程に木立が密集しており、強烈な苔むした香りが漂っている。
 それらが余計に、辺りの不気味さを醸し出していたのだった。
 だが女は頻りに周囲を見渡しながら、宛もなく歩き続ける。前へ前へと進む度に、近場の薮を掻き分けては、
 「何もない。…」
 と溜め息を吐いて肩を落とし、再び歩きだすのを繰り返している。不意に自身の腹の虫が鳴る音がしたと共に足取りが重くなり、ふらふらと覚束なくなるが決して立ち止まる事はしなかった。
 ガサガサ。ガサガサ。
 すると離れた位置の茂みから音が聞こえてきて、何かが近づいてくる気配を感じる。
 女は咄嗟に身構えた。ついでに足元に落ちていた長い木の棒を見つけて、すぐさま拾い上げると先端を前に突き出している。
 ガサガサ。ガサガサ。ガサガサ。
 やがて先程よりも茂みの音が近くなる。ハッキリと大きく聞こえる様になってきて、大きな影が飛び出してきた。
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