異世界で商売はじめました。(〇豚は異世界に出荷よー(´・ω・`)そんなー! )

ヒロ三等兵

文字の大きさ
88 / 198

78話.貴族の憂鬱

しおりを挟む
 私の名をボルグという……
 このサドタの街を治める貴族の父のサポートを主にしている。

 いや違うな……この街の内政は私がやっている。

 父は悪評を高める悪癖を持っており――
 私が氷の大陸から帰ってきた時も、父は悪癖を見せつけるように褐色の肌の少女を弄んでいた。

「父上!! このような行為は褒められたものではありません。慎んで下さい!!」

「フン、息子のお前がワシに口出しするでないわ」

 胡散臭い商人による『氷の大陸ツアー』に行って解った事がある。

 あの胡散臭い商人の二階堂ハジメは――我々、貴族を敵視しているという事だ。

 しかも、その原因が今現在、私の目の前で行われている行為だ。
 嘆かわしい!! 誰かこの豚を殺してくれないものか……
 私の母は正室だが、この男の悪癖に意見をあげた際に暴力で意見を封じられ、それ以上の言及はできないでいた。

「それはそうと……
[セカンタの町]のエミリーとシェリーは、いつになったらウチに来るのだ?
 あの神父がエミリーはシスターにすると言って断り続けたが、シェリーはウチに来る頃だろう?」

 
 …………!?
 何を急に言いだすんだ!! この豚は!!
     
 この豚は、あの男の……否、いや、あの獣の尾をこの豚は踏もうとしている。
 それだけは阻止せねば!! あの男に暴れさせれば、この街を一人で破壊されかねない。

 あの男には、街の中を指定して動ける【転送魔法】を所持している。
 即ち、この街は奴の射程圏なのだ……それに加えて、あの練度の高い魔法もある。

 更に、あの男は手の内を隠しているような節もあったし。
 寝ている虎…否、いや、龍を起こす必要はあるまい。

「父上。[セカンタの町]のシェリー嬢は良い殿方に養子として引き取られたそうです」

「なにぃ、あのタヌキ神父め!!
 私に譲らず、得体も知れぬ奴に譲るというのか!!
 今すぐに、シェリーをココに連れてこい!!」

 ……と、父が怒気を込めた声で叫んでいる。

「私どもで、シェリーの所在を調べますので……今しばらくお待ちください」

「うむ」

「それなら、エミリーはどうじゃ? すでに、シスターをしているんだろう。
 それなら強引に連れてこれるじゃないか」

 ……
 …………

 この豚が!! この街を、そんなに血の海に変えたいというのか!!

「お待ちください!! 
 エミリー嬢は良い殿方と出会われて結婚されて、今は教会にいないようです」

「そんな男など殺してでも、エミリーを連れてこい。
 今までワシを待たせたんだ……そう簡単に壊れんだろう」

 こんな言葉をあの男に聞かせたら――この豚の命はないだろう。

「嫁ぎ先までは解りませんので、調査して解り次第報告します」

「まぁいい……あの教会にはキャリーがいたよな。
 アレを連れてこい」と言って、この豚は舌なめずりをする。

「キャリー嬢は今年成人になるということで、仕事を見つけて独り立ちされたとの事です」

 [セカンタの町]の教会関連は、すでにあの男はの手の内である。
 この豚の好きにさせてはいけない……

「何をーーー!!」と叫び、豚は怒り狂った。
 豚は、褐色の肌の少女に暴力を振るい怒りを発散する。

「おやめください。父上」

「なんじゃ、ワシに意見するというのか!!」
 ……と言って、父は私に殴りかかってきた。

 私はソレをそのまま顔面に受けながら……

「戯れは、そこまでにしてください。
 次はないですよ!! 父上」

「不快じゃ、不快じゃ!!
 兵よ!! この男を地下牢に叩き込め」

 兵士達は顔を見合わせて『どうする?』と、困惑していた。

「何をモタモタしておる。早くこの男を牢に叩き込まぬか!!
 それとも、お前たちは首を落とされたいのか?」

 兵士たちは、豚の脅しに屈し私を捕獲した。

「すいません。坊ちゃん」と、兵士が私に謝ってきた。

「仕方ないさ……気にするな」

「お前さえいなければ……口うるさい奴もいなくなるからな!!
 2ヶ月後にワシは[セカンタの町]に行く用事があるので、その時に三人ともワシが連れてくる」

 そんな父の言葉を聞きながら私は地下牢へ投獄された。

 ……
 …………

 しばらくすると、執事のセバスチャンが地下牢に降りてきた。

「やあ、セバス。
 すまないが……ここで大人しくさせてもらうよ。
 それと父が言っていた。2ヶ月後というのは何があるのだ?」

「[セカンタの町]の新町長への挨拶に、当家の当主は毎回参加されるのですよ」
 ……と、セバスが答えた。

「父の言い分だと……私をここから2ヶ月の間、出す気が無いと見える」

 もし1ヶ月以上、私がこの牢から出されないようなら――私も動くしかないだろう。

「セバス!! 
 今から二通の手紙を書く、紙と書くモノを用意してくれ」

「かしこまりました、急ぎ用意致します」と言って、セバスは駆け足で地下を出て行った。

 そして、駆け足でセバスは地下室へ戻ってきた。

「お待たせしました。ボルグ様」

「セバスは私の事を、坊ちゃんと呼んでくれないのだな」

 ……と会話をして、セバスから紙とペンを受け取った。

 まずは、母への手紙だ。

 これには、父に投獄されてはいるが心配するなと書いた。
 次に、[セカンタの町]にいる商人への手紙だ。

 この手紙には私の決意が書かれている。

 私は、すでに城の地下牢に投獄されており。
 父を止める手段がない、貴公に父が危害を加えるというのなら迷わず討ってくれと文を認めるしたためる

「セバスよ。
 1ヶ月以上、私がココに投獄されるようなら……
 この二通の手紙を母と[セカンタの町]にいる。二階堂ハジメに届けてくれ」
 ……と言って、私は手紙をセバスに渡した。

「必ずや、お二人に届けてみせます。坊ちゃん」
 ……と言って、セバスは最後に礼をして懐に重要な手紙を忍ばせて、地下室を出て行った。

 私が街の内政をやらねば、我が家の評判は下がるだけになるではないか。
 ハァ……とため息をつき頭を抱えていた。

 しかし、一週間もせず投獄が解けた。
 案の定、内政の悪化と仕事をできる人間がいないため、私に頼ってきたのである。
 地下室から出るときに、私を出迎えてくれたのはセバスだった。

「坊ちゃん。この手紙は……」

「それを二人に渡す必要があると判断した時に、二人に渡しに行ってくれないか?」

「かしこまりました」

 軽くセバスと会話をして――
 私の部屋に入ると、天井にまで届きそうな勢いの書類が山が私の机に乗っていた。

 こんな状態、地下牢の方がマシなんじゃないのか?
 この街は腐っている、私の手で建てなおすしかない。
 ……と考えながら、私は書類の山を見てため息をついていた。

 次に、あの男と会う日までに色々と体裁を整えておかねばな……
 再び、あの男と出会う日まで貴族の息子ボルグの憂鬱な日常が続くのであった。
しおりを挟む
感想 32

あなたにおすすめの小説

スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~

深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】 異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!

【改稿版】休憩スキルで異世界無双!チートを得た俺は異世界で無双し、王女と魔女を嫁にする。

ゆう
ファンタジー
剣と魔法の異世界に転生したクリス・レガード。 剣聖を輩出したことのあるレガード家において剣術スキルは必要不可欠だが12歳の儀式で手に入れたスキルは【休憩】だった。 しかしこのスキル、想像していた以上にチートだ。 休憩を使いスキルを強化、更に新しいスキルを獲得できてしまう… そして強敵と相対する中、クリスは伝説のスキルである覇王を取得する。 ルミナス初代国王が有したスキルである覇王。 その覇王発現は王国の長い歴史の中で悲願だった。 それ以降、クリスを取り巻く環境は目まぐるしく変化していく…… ※アルファポリスに投稿した作品の改稿版です。 ホットランキング最高位2位でした。 カクヨムにも別シナリオで掲載。

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?

はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、 強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。 母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、 その少年に、突然の困難が立ちはだかる。 理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。 一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。 それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。 そんな少年の物語。

神様、ちょっとチートがすぎませんか?

ななくさ ゆう
ファンタジー
【大きすぎるチートは呪いと紙一重だよっ!】 未熟な神さまの手違いで『常人の“200倍”』の力と魔力を持って産まれてしまった少年パド。 本当は『常人の“2倍”』くらいの力と魔力をもらって転生したはずなのにっ!!  おかげで、産まれたその日に家を壊しかけるわ、謎の『闇』が襲いかかってくるわ、教会に命を狙われるわ、王女様に勇者候補としてスカウトされるわ、もう大変!!  僕は『家族と楽しく平和に暮らせる普通の幸せ』を望んだだけなのに、どうしてこうなるの!?  ◇◆◇◆◇◆◇◆◇  ――前世で大人になれなかった少年は、新たな世界で幸せを求める。  しかし、『幸せになりたい』という夢をかなえるの難しさを、彼はまだ知らない。  自分自身の幸せを追い求める少年は、やがて世界に幸せをもたらす『勇者』となる――  ◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 本文中&表紙のイラストはへるにゃー様よりご提供戴いたものです(掲載許可済)。 へるにゃー様のHP:http://syakewokuwaeta.bake-neko.net/ --------------- ※カクヨムとなろうにも投稿しています

はずれスキル念動力(ただしレベルMAX)で無双する~手をかざすだけです。詠唱とか必殺技とかいりません。念じるだけで倒せます~

さとう
ファンタジー
10歳になると、誰もがもらえるスキル。 キネーシス公爵家の長男、エルクがもらったスキルは『念動力』……ちょっとした物を引き寄せるだけの、はずれスキルだった。 弟のロシュオは『剣聖』、妹のサリッサは『魔聖』とレアなスキルをもらい、エルクの居場所は失われてしまう。そんなある日、後継者を決めるため、ロシュオと決闘をすることになったエルク。だが……その決闘は、エルクを除いた公爵家が仕組んだ『処刑』だった。 偶然の『事故』により、エルクは生死の境をさまよう。死にかけたエルクの魂が向かったのは『生と死の狭間』という不思議な空間で、そこにいた『神様』の気まぐれにより、エルクは自分を鍛えなおすことに。 二千年という長い時間、エルクは『念動力』を鍛えまくる。 現世に戻ったエルクは、十六歳になって目を覚ました。 はずれスキル『念動力』……ただしレベルMAXの力で無双する!!

攻撃魔法を使えないヒーラーの俺が、回復魔法で最強でした。 -俺は何度でも救うとそう決めた-【[完]】

水無月いい人(minazuki)
ファンタジー
【HOTランキング一位獲得作品】 【一次選考通過作品】 ---  とある剣と魔法の世界で、  ある男女の間に赤ん坊が生まれた。  名をアスフィ・シーネット。  才能が無ければ魔法が使えない、そんな世界で彼は運良く魔法の才能を持って産まれた。  だが、使用できるのは攻撃魔法ではなく回復魔法のみだった。  攻撃魔法を一切使えない彼は、冒険者達からも距離を置かれていた。 彼は誓う、俺は回復魔法で最強になると。  --------- もし気に入っていただけたら、ブクマや評価、感想をいただけると大変励みになります! #ヒラ俺 この度ついに完結しました。 1年以上書き続けた作品です。 途中迷走してました……。 今までありがとうございました! --- 追記:2025/09/20 再編、あるいは続編を書くか迷ってます。 もし気になる方は、 コメント頂けるとするかもしれないです。

異世界で美少女『攻略』スキルでハーレム目指します。嫁のために命懸けてたらいつの間にか最強に!?雷撃魔法と聖剣で俺TUEEEもできて最高です。

真心糸
ファンタジー
☆カクヨムにて、200万PV、ブクマ6500達成!☆ 【あらすじ】 どこにでもいるサラリーマンの主人公は、突如光り出した自宅のPCから異世界に転生することになる。 神様は言った。 「あなたはこれから別の世界に転生します。キャラクター設定を行ってください」 現世になんの未練もない主人公は、その状況をすんなり受け入れ、神様らしき人物の指示に従うことにした。 神様曰く、好きな外見を設定して、有効なポイントの範囲内でチートスキルを授けてくれるとのことだ。 それはいい。じゃあ、理想のイケメンになって、美少女ハーレムが作れるようなスキルを取得しよう。 あと、できれば俺TUEEEもしたいなぁ。 そう考えた主人公は、欲望のままにキャラ設定を行った。 そして彼は、剣と魔法がある異世界に「ライ・ミカヅチ」として転生することになる。 ライが取得したチートスキルのうち、最も興味深いのは『攻略』というスキルだ。 この攻略スキルは、好みの美少女を全世界から検索できるのはもちろんのこと、その子の好感度が上がるようなイベントを予見してアドバイスまでしてくれるという優れモノらしい。 さっそく攻略スキルを使ってみると、前世では見たことないような美少女に出会うことができ、このタイミングでこんなセリフを囁くと好感度が上がるよ、なんてアドバイスまでしてくれた。 そして、その通りに行動すると、めちゃくちゃモテたのだ。 チートスキルの効果を実感したライは、冒険者となって俺TUEEEを楽しみながら、理想のハーレムを作ることを人生の目標に決める。 しかし、出会う美少女たちは皆、なにかしらの逆境に苦しんでいて、ライはそんな彼女たちに全力で救いの手を差し伸べる。 もちろん、攻略スキルを使って。 もちろん、救ったあとはハーレムに入ってもらう。 下心全開なのに、正義感があって、熱い心を持つ男ライ・ミカヅチ。 これは、そんな主人公が、異世界を全力で生き抜き、たくさんの美少女を助ける物語。 【他サイトでの掲載状況】 本作は、カクヨム様、小説家になろう様でも掲載しています。

転生してしまったので服チートを駆使してこの世界で得た家族と一緒に旅をしようと思います

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
俺はクギミヤ タツミ。 今年で33歳の社畜でございます 俺はとても運がない人間だったがこの日をもって異世界に転生しました しかし、そこは牢屋で見事にくそまみれになってしまう 汚れた囚人服に嫌気がさして、母さんの服を思い出していたのだが、現実を受け止めて抗ってみた。 すると、ステータスウィンドウが開けることに気づく。 そして、チートに気付いて無事にこの世界を気ままに旅することとなる。楽しい旅にしなくちゃな

処理中です...