主人公の義弟兼当て馬の俺は原作に巻き込まれないためにも旅にでたい

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義兄にドキドキするなんておかしい!!

18)初めての魔物

いつもより身軽な服装に丈夫な靴。晴れた天気は俺の門出を祝福しているみたいだ。
母には長時間森に入るからと、虫除けと日焼け止めを嫌というほど塗られた。

で、魔物退治に必要なものといえば格好いい防具や剣だが…

「お父様、何で僕には鎧も剣もないのですか!?」

初めての戦闘に初期装備すらないなんて。今の俺の格好はピクニックに行く時とほとんど同じだ。
父が俺をなだめるように声をかける。

「ナハトにはまだ…早いと思ってな…」

「ええ!?僕も一緒に戦いたいんですが!!」

「戦うにしても、ナハトは剣を振るほど筋力がないだろう?戦闘だって魔法が主体のナハトにとって剣は邪魔になる」

「じゃ、じゃあ、鎧は?」

「鎧も同じ理由だよ。重いからずっと着ていると疲れてしまうだろう?」

「うう~」

思っていた魔物討伐とは違って少しがっかりする。
そんな俺をなだめるように父が言う。

「ナハトがもう少し大きくなったら軽量化した鎧でも作ってあげよう。今はこれで納得してほしい」

「いいんですか、お父様!ありがとうございます!」

機嫌が良くなった俺に父がほっと胸を撫で下ろす。父も俺の機嫌を取るのが上手になったものだ。
それに乗る俺も俺だが。

公爵家の正門近くまで来るとたくさんの騎士が俺たちを待っていた。

「お待ちしてました。公爵様」

「うむ。問題は何もないな」

「ハッ、準備は万全です」

「お父様格好いい~」

息子の棒読みの褒めにもデレデレになる父に騎士たちは驚いている。ここ数年で父のこの情けない姿を見る機会は少なくはなかったはずだが、まだまだ慣れないようだ。それにしても騎士の数が多いような気がする。

「お父様?魔物討伐にこんなに騎士が必要なんですか?」

「……魔物討伐は何があるかわからないからな…」

「お~と~う~さ~ま~???」

事前に今回の魔物討伐は簡単なものだと聞いている。街の周りにたまに出てくる低級の魔物で、数が増えたからうちの騎士団で毎年数を減らしに魔物討伐をしているらしい。

騎士たちの話によると、今回の魔物討伐で出会う魔物よりも父のほうが強いし怖いらしい。逆に魔物と出会って俺ががっかりするんじゃないかという人のほうが多いくらいだ。だというのにここまで騎士を連れて行こうとしていたなんて…

「お父様は、僕が自分の身はある程度自分で守れることを知っていますよね」

「知っている…知っているがお父様は心配なんだ。ナハトの綺麗な肌に少しでも傷がついたらと思うと胸が締め付けられるんだ」

「うわぁ…」

この後、集まりすぎた騎士たちを自分の持ち場に帰らせた。低級の魔物しか出ない魔物討伐に公爵家の優秀な騎士たちを大勢連れて行くわけにはいかない。

「…お母様には後できっちり叱ってもらわないと…」

一悶着あったが、俺たちは何とか魔物討伐に出発した。
落ち込んでいる父は無視することにした。
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