124 / 126
義兄にドキドキするなんておかしい!!
18)初めての魔物
いつもより身軽な服装に丈夫な靴。晴れた天気は俺の門出を祝福しているみたいだ。
母には長時間森に入るからと、虫除けと日焼け止めを嫌というほど塗られた。
で、魔物退治に必要なものといえば格好いい防具や剣だが…
「お父様、何で僕には鎧も剣もないのですか!?」
初めての戦闘に初期装備すらないなんて。今の俺の格好はピクニックに行く時とほとんど同じだ。
父が俺をなだめるように声をかける。
「ナハトにはまだ…早いと思ってな…」
「ええ!?僕も一緒に戦いたいんですが!!」
「戦うにしても、ナハトは剣を振るほど筋力がないだろう?戦闘だって魔法が主体のナハトにとって剣は邪魔になる」
「じゃ、じゃあ、鎧は?」
「鎧も同じ理由だよ。重いからずっと着ていると疲れてしまうだろう?」
「うう~」
思っていた魔物討伐とは違って少しがっかりする。
そんな俺をなだめるように父が言う。
「ナハトがもう少し大きくなったら軽量化した鎧でも作ってあげよう。今はこれで納得してほしい」
「いいんですか、お父様!ありがとうございます!」
機嫌が良くなった俺に父がほっと胸を撫で下ろす。父も俺の機嫌を取るのが上手になったものだ。
それに乗る俺も俺だが。
公爵家の正門近くまで来るとたくさんの騎士が俺たちを待っていた。
「お待ちしてました。公爵様」
「うむ。問題は何もないな」
「ハッ、準備は万全です」
「お父様格好いい~」
息子の棒読みの褒めにもデレデレになる父に騎士たちは驚いている。ここ数年で父のこの情けない姿を見る機会は少なくはなかったはずだが、まだまだ慣れないようだ。それにしても騎士の数が多いような気がする。
「お父様?魔物討伐にこんなに騎士が必要なんですか?」
「……魔物討伐は何があるかわからないからな…」
「お~と~う~さ~ま~???」
事前に今回の魔物討伐は簡単なものだと聞いている。街の周りにたまに出てくる低級の魔物で、数が増えたからうちの騎士団で毎年数を減らしに魔物討伐をしているらしい。
騎士たちの話によると、今回の魔物討伐で出会う魔物よりも父のほうが強いし怖いらしい。逆に魔物と出会って俺ががっかりするんじゃないかという人のほうが多いくらいだ。だというのにここまで騎士を連れて行こうとしていたなんて…
「お父様は、僕が自分の身はある程度自分で守れることを知っていますよね」
「知っている…知っているがお父様は心配なんだ。ナハトの綺麗な肌に少しでも傷がついたらと思うと胸が締め付けられるんだ」
「うわぁ…」
この後、集まりすぎた騎士たちを自分の持ち場に帰らせた。低級の魔物しか出ない魔物討伐に公爵家の優秀な騎士たちを大勢連れて行くわけにはいかない。
「…お母様には後できっちり叱ってもらわないと…」
一悶着あったが、俺たちは何とか魔物討伐に出発した。
落ち込んでいる父は無視することにした。
母には長時間森に入るからと、虫除けと日焼け止めを嫌というほど塗られた。
で、魔物退治に必要なものといえば格好いい防具や剣だが…
「お父様、何で僕には鎧も剣もないのですか!?」
初めての戦闘に初期装備すらないなんて。今の俺の格好はピクニックに行く時とほとんど同じだ。
父が俺をなだめるように声をかける。
「ナハトにはまだ…早いと思ってな…」
「ええ!?僕も一緒に戦いたいんですが!!」
「戦うにしても、ナハトは剣を振るほど筋力がないだろう?戦闘だって魔法が主体のナハトにとって剣は邪魔になる」
「じゃ、じゃあ、鎧は?」
「鎧も同じ理由だよ。重いからずっと着ていると疲れてしまうだろう?」
「うう~」
思っていた魔物討伐とは違って少しがっかりする。
そんな俺をなだめるように父が言う。
「ナハトがもう少し大きくなったら軽量化した鎧でも作ってあげよう。今はこれで納得してほしい」
「いいんですか、お父様!ありがとうございます!」
機嫌が良くなった俺に父がほっと胸を撫で下ろす。父も俺の機嫌を取るのが上手になったものだ。
それに乗る俺も俺だが。
公爵家の正門近くまで来るとたくさんの騎士が俺たちを待っていた。
「お待ちしてました。公爵様」
「うむ。問題は何もないな」
「ハッ、準備は万全です」
「お父様格好いい~」
息子の棒読みの褒めにもデレデレになる父に騎士たちは驚いている。ここ数年で父のこの情けない姿を見る機会は少なくはなかったはずだが、まだまだ慣れないようだ。それにしても騎士の数が多いような気がする。
「お父様?魔物討伐にこんなに騎士が必要なんですか?」
「……魔物討伐は何があるかわからないからな…」
「お~と~う~さ~ま~???」
事前に今回の魔物討伐は簡単なものだと聞いている。街の周りにたまに出てくる低級の魔物で、数が増えたからうちの騎士団で毎年数を減らしに魔物討伐をしているらしい。
騎士たちの話によると、今回の魔物討伐で出会う魔物よりも父のほうが強いし怖いらしい。逆に魔物と出会って俺ががっかりするんじゃないかという人のほうが多いくらいだ。だというのにここまで騎士を連れて行こうとしていたなんて…
「お父様は、僕が自分の身はある程度自分で守れることを知っていますよね」
「知っている…知っているがお父様は心配なんだ。ナハトの綺麗な肌に少しでも傷がついたらと思うと胸が締め付けられるんだ」
「うわぁ…」
この後、集まりすぎた騎士たちを自分の持ち場に帰らせた。低級の魔物しか出ない魔物討伐に公爵家の優秀な騎士たちを大勢連れて行くわけにはいかない。
「…お母様には後できっちり叱ってもらわないと…」
一悶着あったが、俺たちは何とか魔物討伐に出発した。
落ち込んでいる父は無視することにした。
あなたにおすすめの小説
【完結】悪役令嬢モノのバカ王子に転生してしまったんだが、なぜかヒーローがイチャラブを求めてくる
路地裏乃猫
BL
ひょんなことから悪役令嬢モノと思しき異世界に転生した〝俺〟。それも、よりにもよって破滅が確定した〝バカ王子〟にだと?説明しよう。ここで言うバカ王子とは、いわゆる悪役令嬢モノで冒頭から理不尽な婚約破棄を主人公に告げ、最後はざまぁ要素によって何やかんやと破滅させられる例のアンポンタンのことであり――とにかく、俺はこの異世界でそのバカ王子として生き延びにゃならんのだ。つーわけで、脱☆バカ王子!を目指し、真っ当な王子としての道を歩き始めた俺だが、そんな俺になぜか、この世界ではヒロインとイチャコラをキメるはずのヒーローがぐいぐい迫ってくる!一方、俺の命を狙う謎の暗殺集団!果たして俺は、この破滅ルート満載の世界で生き延びることができるのか?
いや、その前に……何だって悪役令嬢モノの世界でバカ王子の俺がヒーローに惚れられてんだ?
2025年10月に全面改稿を行ないました。
2025年10月28日・BLランキング35位ありがとうございます。
2025年10月29日・BLランキング27位ありがとうございます。
2025年10月30日・BLランキング15位ありがとうございます。
2025年11月1日 ・BLランキング13位ありがとうございます。
第13回BL大賞で奨励賞をいただきました。これもひとえに皆様の応援のおかげです。本当にありがとうございました。
平凡な俺が完璧なお兄様に執着されてます
クズねこ
BL
いつもは目も合わせてくれないのにある時だけ異様に甘えてくるお兄様と義理の弟の話。
『次期公爵家当主』『皇太子様の右腕』そんなふうに言われているのは俺の義理のお兄様である。
何をするにも完璧で、なんでも片手間にやってしまうそんなお兄様に執着されるお話。
BLでヤンデレものです。
第13回BL大賞に応募中です。ぜひ、応援よろしくお願いします!
週一 更新予定
ときどきプラスで更新します!
【完結】我が兄は生徒会長である!
tomoe97
BL
冷徹•無表情•無愛想だけど眉目秀麗、成績優秀、運動神経まで抜群(噂)の学園一の美男子こと生徒会長・葉山凌。
名門私立、全寮制男子校の生徒会長というだけあって色んな意味で生徒から一目も二目も置かれる存在。
そんな彼には「推し」がいる。
それは風紀委員長の神城修哉。彼は誰にでも人当たりがよく、仕事も早い。喧嘩の現場を抑えることもあるので腕っぷしもつよい。
実は生徒会長・葉山凌はコミュ症でビジュアルと家柄、風格だけでここまで上り詰めた、エセカリスマ。実際はメソメソ泣いてばかりなので、本物のカリスマに憧れている。
終始彼の弟である生徒会補佐の観察記録調で語る、推し活と片思いの間で揺れる青春恋模様。
本編完結。番外編(after story)でその後の話や過去話などを描いてます。
(番外編、after storyで生徒会補佐✖️転校生有。可愛い美少年✖️高身長爽やか男子の話です)
妖精です、囲われてます
うあゆ
BL
僕は妖精
森で気ままに暮らしていました。
ふと気づいたら人間に囲まれてました。
でもこの人間のそばはとても心地いいし、森に帰るタイミング見つからないなぁ、なんて思いながらダラダラ暮らしてます。
__________
妖精の前だけはドロ甘の冷徹公爵×引きこもり妖精
なんやかんやお互い幸せに暮らします。
死ぬだけの悪役令息に転生したら、待っていたのは攻略対象達からの溺愛でした。
きうい
BL
病でで死んでしまった優は、気が付いたら読んでいた小説の悪役令息として転生していた。
それもどのルートでも十五歳という歳になると、死ぬ運命にある悪役———フィオレン・オーレリウス。
前世で家族に恵まれず、家族愛とは程遠い世界で生きてきた優は、愛されたいという願望を捨て、ひとりで生きることを決意する。
しかし、家族に対して表情と感情を隠し、言葉も発さず、一人で生きて行く術を身につけようと家族から距離をとるフィオレンとは裏腹に、家族や攻略対象達は異常なほどの愛を注ぐ。
フィオレンの知らない所で、小説のシナリオとは正反対の道を辿ることになるも、愛に無頓着で無自覚なフィオレンは溺愛されていき………?
なぜ処刑予定の悪役子息の俺が溺愛されている?
詩河とんぼ
BL
前世では過労死し、バース性があるBLゲームに転生した俺は、なる方が珍しいバットエンド以外は全て処刑されるというの世界の悪役子息・カイラントになっていた。処刑されるのはもちろん嫌だし、知識を付けてそれなりのところで働くか婿入りできたらいいな……と思っていたのだが、攻略対象者で王太子のアルスタから猛アプローチを受ける。……どうしてこうなった?
お決まりの悪役令息は物語から消えることにします?
麻山おもと
BL
愛読していたblファンタジーものの漫画に転生した主人公は、最推しの悪役令息に転生する。今までとは打って変わって、誰にも興味を示さない主人公に周りが関心を向け始め、執着していく話を書くつもりです。
人気アイドルの俺、なぜかメンバー全員に好かれてます
七瀬
BL
デビュー4年目の人気アイドルグループ「ECLIPSE(エクリプス)」に所属する芹沢 美澄(せりざわみすみ)は、昔からどこか抜けていてマイペースな性格。
歌もダンスも決して一番ではないはずなのに、なぜかファンからもメンバーからも目を離されない存在だった。
世話焼きな幼なじみ、明るく距離の近い同い年、しっかり者で面倒見のいい年上、掴みどころのない自由人、そして無言で隣にいるリーダー——。
気づけば、美澄の周りにはいつも誰かがいて、当たり前のように甘やかされていく。