きっと、叶うから

横田碧翔

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低学年編

出会い

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 僕の通っていた幼稚園にはNPO法人のサッカーチームがついていた。幼稚園でサッカーをやっている友達は、みんなそこに入っている。サッカーをやると決まってからの両親の行動力は抜群で、次の日曜日には体験生として、僕は練習場にいた。

 二度と行きたくない。それが素直な感想だった。ボールを蹴るどころか、足にも当たらなかった。もはや、サッカーをしたとすらいえない。それもそのはずで、みんなは三歳くらいからサッカーをやっていて、二年分も練習量に差があるのだ。それに加えて、僕はとびきり小さくて、とびきり運動音痴だった。前ならえでは、必ず腰に手を当てていたし、マラソン大会では周りに誰もいなかった。そんな僕が、サッカーが上手いわけもなく、サッカー人生初日にして大きな挫折を経験した。しかし、母はすぐに違うチームを見つけてきて、体験を申し込んでくれた。そのチームは、地元からは少し離れたところにある、試合ができる人数ギリギリの弱小チームだった。体験に行くと、当然ながら全員知らない子達なのだが、サッカー経験者は少なく、練習も遊びのようでとても楽しかった。先週がつまらなすぎたせいもあって、僕にはそのチームがとても魅力的に感じた。両親にお願いして、その日のうちに入部した。練習は土日の週二日で一日二時間程度。サッカーを始めたばかりの僕にはちょうどよかった。


 それから一ヶ月くらいしてチームメイトとも仲良くなった。そんな頃、新しい体験生がやってきた。その子は背が高く、角刈りのいかつい雰囲気だが、くりっと大きな丸い目が特徴の、怖いのかかわいいのか分からないやつだった。真守という名前でサッカー経験者だった。いや、経験者以上だった。ポジションはキーパーだったのだが、小学校入学前のこの時期でフロントダイブをしていた。キーパー以外をやっても、誰よりも上手かった。後で聞いた話だが、真守のお父さんはプロサッカーのゴールキーパーの選手だったらしい。僕は心の底から真守に憧れた。同い年であんなに上手になれるものかと。あれだけ上手かったら、今よりもっとサッカーが楽しくなるだろうと。このとき、僕は初めて「上手くなりたい」と思った。
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