出会った頃からずっと

モネ

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打ち合わせ

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翔くん、久々の陸くん。
陸くんはあまり変わりないが、顔立ちが大人っぽくなった。
あとの2人は初対面だった。
グループを調べるときに画像などで見ただけだった。
「おっ、来たな。晴人は?」
「えっ知らない。先に行くって言ってたけどきてませんか?」
「飲み物準備しに走っていったんだよ。まったく。そのうち来るだろ。」
「萩原さん、相沢さん。先に紹介しますね。
幸田陸、長谷川智樹、小橋純です。」
黒髪でシュッとした陸くん。
茶色い髪を少し流している智樹くん。
短髪のスポーツマン風な純くん。
なるほど、タイプの違う感じの子たちでアイドルグループか。
でもみんな整った顔立ちでさすがアイドルだ。
「よろしくお願いします!」
「よろしくお願いします。」
「お願いします。」
3人とも丁寧に挨拶してくれた。
「萩原です。よろしくお願いします。」
「相沢です。よろしくお願いします。」
私たちも挨拶をした。

「本当に、美人だ。晴人がうるさいわけだ。」
「確かに。」
「おい!私語。」
注意する翔くん。

「みんなー、飲み物持ってきたよ!」
晴人くんがみんなの分の飲み物を持ってきてくれた。
「晴人、どこ行ってたんだよ。」
「飲み物持ってきたの。美咲さんが差し入れくれたし。」
無邪気な晴人くん。

「さて、打ち合わせを始めましょう。」
中村さんが仕切ってくれて打ち合わせを始めた。
打ち合わせは順調に進み、時間は撮影となる。
「相沢。ちょっと中村さんと別件の打ち合わせを別室でしてくる。待っててくれるか?」
「はい、わかりました。」
萩原さんと中村さんが退室した。

「ねぇ、美咲さん!お茶タイムにしよ!」
晴人くんがコーヒーとお菓子を出してくれた。
「あっ、ありがとう。」
「美咲さんが持ってきてくれたシュークリームも食べよー!」
「晴人!はしゃぐなって。」
注意してる翔くん。
「晴人。無理だって、晴人楽しみにしてたんだからさ。」
「晴人懐いてるな、犬みたい。」
「犬。」
みんなではしゃいでいる。
仲良いんだな。

「みんな仲良いんですね。」
「あっ、はい。高校生くらいからずっと一緒なんで。」
「なんか兄弟とか友達とかそんな感じかもです。」
「末っ子は晴人だ。」
「えー、陸にしようよ。」
「陸は大人びてるからな。」
「フフッ。」
みんな本当に仲が良い。
素敵なグループだな。

「ねぇねぇ、美咲さん!湊くん元気?」
「うん。あっ画像あるから見る?」
「見る見る!わぁ、大きくなってる!可愛い!」
「フフッ。可愛いよね!私も今はたまにしか会えないんだけどね。」
晴人くんはニコニコ笑顔で可愛い。
「なんかお姉ちゃんと弟って感じだな。」
「確かに。」
「なんだよぉー、俺そんな弟キャラじゃないよ。」
「いや、弟だな。」
みんなにいじられる晴人くんが可愛い。

先輩が戻ったので帰り支度をして挨拶をして事務所を出た。
「若い奴に囲まれて、賑やかだっただろ。」
「はい、みんな元気ですよね。面白かったです。」
「まぁ年近いか。」
「そうかもです!」
「結衣ちゃん達と同じ感じですね。」
「あぁ、アイツらもキャッキャしてるよな。」
「仲良くしてあげてくださいね!」
「仕事は仕事だろ。」
「先輩ももう少し笑顔増えると優しく見えますよ!」
「うるせぇ。」
多分先輩とこんな感じで話せるのは数少ないだろう。

会社に戻ってまた企画を考える。
今日も残業かな。
コーヒーを飲んで一息つきながら外を眺めた。
あの夏からみんな大人になってたな。
あの時はまさか再会するなんて思ってなかったな。
しかも仕事で。
そしてまさか、芸能人だなんて思わなかったな。
でもあの日の花火は忘れない。
いつも見ている花火が特別に見えた。
1日だけの夏の思い出だと思っていたけど。

「センパーイ!」
結衣ちゃんだ。
「お疲れ様。結衣ちゃんもコーヒー?」
「私はカフェオレですけどね♪今日の打ち合わせはどうでした?全員とご対面ですよね?」
「あっうん。礼儀正しい子たちだったよ!」
「じゃなくてぇー。イケメンでしたよね?」
「あぁ、そうだね!ブレイクすると思うな。みんなかっこよかったし、楽しかった。」
「いいなぁ。よし!萩原先輩にとりいっときますね!撮影同行できるように!」
「フフッ。」
「あー、なんか雨降りそうですね!」
「えっ?雨?」
窓から空を見ると少しどんよりしてきていた。
雨か。土砂降りにならないといいけど。



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