異世界で生きていく。

モネ

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第ニ章の話

嵐の前触れ

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スパでマッサージしてもらってから入ったバスがすごく良い香りのバスオイル入りのジャグジーみたいなもの。
魔石でできてるらしくて、更に癒された。
全身ツルツルスベスベそして良い香り!
ケイさんの宿はなんて素敵なんだろう。
私はルンルンでレンさんたちのところへ行った。

「戻りましたー!」
「おかえり。随分ご機嫌だな。」
「おかえりなさいませ。どうでしたか?スパは。」
「はい!とっても大満足です!最後のバスも素敵でした!」
「それは良かったです。またご利用くださいね。」
「はい!是非!!」
「クッ。美味い飯食った時見てーな顔してんな。」
「そうかもです!それくらい幸せな時間でした!ツルツルスベスベになったし、良い香りだし!」
「そうなのか?確かに横に座ると良い香りしてくるな。」
「ほんとですか?なんか今日気持ちよく眠れそうです!」
「なんだそれ。なんか飲むか?喉乾いただろ?」
「あっ、はい。んー、あっアイスアップルミントティーを。」
「かしこまりかした。」
しばらくして飲み物が来たので飲んだ。
「んー、美味しい!幸せです。」
「モエをみてると見てる方が幸せになるよ。」
「そうかもですね!幸せが伝染してきます。」
「そうですか?私はケイさんの作るドリンク飲むのも幸せです!」
3人で話していると宿のお客様がいらしたようで、カウンターのところにいた。
「宿泊したいが空いているか?」
「いらっしゃいませ。はい、宿泊ですね。お1人様ですか?」

ケイさんがやりとりをしている。
「あの、レンさん。今日はもう特にすることはありませんか?」
「あぁ、今日はこっちに戻るのとギルド報告だけだったからな。あとはもうない。どっか行きたいのか?」
「あっ、いえ。せっかくだから早めからだけど飲みませんか?と思って。」
「そうだな、少し明るいけどたまには早めから飲むのもいいだろう。ケイが戻ってきたら頼もう。」
「はい!」
「珍しいな、モエから飲む誘いは。」
「あっ、はい!依頼達成して無事戻ってきましたからお疲れ様会を!」
「そうか。よし、今日は時間あるからゆっくり飲もうぜ。」
「はい。レンさんは明日からまた依頼ですか?」
「あぁ、いや。特にはない。なんかあれば受けるくらいだ。」
「私もそうしようかな。バタバタと急いで依頼受けないとでもないですし。」
「それがいいかもな。」

話していると、ケイさんがお客様を案内するためにこちらの方に来た。
「こちらがカフェダイニングです。テーブル席は屋内、屋外とございます。本日はお天気も良いのでテラス席がオススメですよ。」
「あぁ、ならテラス席にするよ。」
ケイさんと背が高くて浅黒い肌の人の男性が来た。
どうやら食事をするらしい。
そのお客様は冒険者なのかガッチリとしていて背中に大きな剣を持っている。
ブルーとシルバーが混ざったような色の短髪。
そして整った顔立ちの人だった。
瞳もブルーとシルバーが混ざった色だ。
綺麗な色だな。

バチっとその男性と目が合ってしまった。
みすぎたかな、気分を害してないといいけど。
さっと目を逸らした。
「彼女はお客さん?」
「こちらに滞在している私の知人です。」
ケイさんがそう答えてくれた。
「そうか。」
私のところにきてじっと見つめられる。
じっと見られるのは苦手だ。
居心地が悪い。
するとレンさんが手をだしてかばってくれた。
「あまり女性を見つめるな。困っている。」
「ん?あっ悪い。あまりにも美人だからつい。睨んでたわけではない。申し訳ない。」
「あっ、いえ。」
「初めまして。俺はジェイド。ルキア王国から来た。マリン祭が開催されるからその関係で。」
「俺はレン、冒険者だ。」
「私はモエです。冒険者です。」
「よろしく。同じ宿ならまた会えそうだ。こんな美人に出会えるなんて今年はついてるな。祭りを楽しもう。じゃあ。」
そう言ってジェイドさんは去っていった。
ケイさんは苦笑いをしてジェイドさんを席に案内しに行った。
「モエ、大丈夫か?」
「はい。なんか嵐のような人ですね。」
「あぁ。ルキアから来たと言っていたな。」
「ルキア王国って。」
「あぁ、ルキアはマリンから船で行けるんだ。ルキア大陸はあたたかい大陸だ。祭りの関係できたと言ってたな。パレードなのか露店なのか。」
「はい。なんかグイグイくる感じでしたね。そういえばマリン祭!ゴダの街から聞いてました。大きなお祭りだとか。なんか北の森から帰ってきたときから北も南も通り沿いが飾りがたくさんしてあって。あれマリン祭のですか?」
「確かに押しが強そうな奴だ。あっ、あぁ。そうから初めてだもんな。マリン祭のだ。街中がライトアップされたり、いろんな飾りが飾ってある。これからもっと華やかになるんだ。祭りの3日間が1番すごいんだ。」
「楽しみです!私たちはなんかするのですか?」
「いや、冒険者は特に何も。手伝いとかはしていい。むしろ忙しくてギルドに依頼が多くなるはずだ。店の手伝いとか露店の手伝い。あとは荷物運びとかも多くなる。」
「そうなんですね!」
私はマリン祭に心を弾ませた。

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