陽のあたる場所

こたろ

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崩壊の序曲

崩壊の序曲12

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「ぅう…うっ……

ぁ…うっうぅ……っ」


なんだよそれ?

意味わかんねぇよっ!!


「幸子はねぇ、

慎二郎が生まれた時からいっつも慎二郎の面倒みてくれて…

子供の時からいつも面倒見良くて、"偉いな"ってお母さんいつも思ってたのよ?」


「…っう…ぅ…ぅう…。」


「いつも面倒みてくれて、いいお姉さんだなって…

お母さんも感心してたのよ?


兄弟の誰よりも慎二郎のこと面倒見てくれて

お母さんの方が見習わなきゃって…

幸子のおかげですごく勉強になってたのよ?」


「…ぅ…うぅ……」


なんで今そんな事言うんだよ…?


「幸子は中学の時もいつもお母さんと一緒にボランティアに来てくれて…

高校から献血にも行ったりして…


いつも幸子は人の為人の為…って頑張ってて、

凄いなって思ってたのよ?」


「うぅ…ぅ…うっ…ぁ…うぅっ」


違うよ?お母さん…

俺はそんなたいそうな人間じゃないんだよ…?


もうボランティアも辞めてしまったし…

献血だってホル注打ってから全く行かなくなってしまっていたんだよ…。



"人の為"とか偽善的なことをもうする気はねぇよ。

自分が幸せじゃなきゃ意味がないんだ…。


俺は"自分の為"に生きるってもう決めたんだよ…!?


「幸子は優しいからいつも自分の事より人の為に頑張って…


だから幸子には幸せになって欲しいのよ?

幸子は幸せになっていいのよ?



ちゃんと結婚して、子供を産んで、幸せになっていいのよ?」
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