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タバコとの出会い

まず、初めに

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まず初めに、私が20代のころはタバコは吸って当然のものだった。吸わないものは変人みたいな扱いをうけていた。

私も高校生になって自販機(そのころは買えたのだ)で、かっこいい従弟が吸っていたピースを買って、ふかして遊んでいた。

ちなみにピースは独特のにおいがあり、自分ではいい匂いと思っているが、吸われたほうはすさまじくクサイ。大学に入学して、運動部に入部した。高校のころは硬式テニスをしていたが、大学のテニス部はチャラいと思って、合気道部に入部した。運動している時は吸っていなかった。あくまでふかしているだけだった。吸わない時期が多かった。

20代のころは、たばこを吸っても嫌だという彼女はいなかった。ただ一人「タバコはやめて」と言われたが、「うん、いいよ」とあっさりやめた。

今では考えられない。今は、タバコが身の回りにないと不安でたまらないし、ライターも3つくらい持っている。いざというときに火がつかないとどうしようってなる。恐怖に近い。

色々あって、40代になり、恋愛というものでもないな、と思い、では婚活課に行ってみた。

「レイジさん、喫煙しているのならばすぐにやめてください。喫煙している人で婚活が成功した人はいませんよ」

ときたもんだ。相当悩んだ。喫煙は生活の一部だったからだ。すぐに禁煙外来にいった。
なんとなくやめれそうだったが、2回目の受診前、車からおりて、診察へ行こうと思っている間に吸っていた。
めでたく、禁煙外来での失敗が決定したのである。

さて、どうしたものか。カウンセリングにも行っているが、自分を振り返ることが必要だという。

20代から40代になにがあったのか。それをあいまいな記憶とともに紐解いていく。

私はいまだに喫煙している。もうそんな時代ではないのに。どうして時代の潮流に乗れなかったのか。20代には簡単にやめられたタバコが、今では完全にニコチン依存症になっている。どうしてこうなった。


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