【R18】無口な百合は今日も放課後弄ばれる

Yuki

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無口な百合は視られる①

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百合は困っていた。
具体的に言えば、目のやり場に困っていた。

百合の前で横座りという一般的にお姉さん座りと呼ばれる形で床に座っている末樹。
その末樹のスカートが短いのである。
スカートの中が見えそうなのである。

末樹は普段スカート丈は百合程ではないが長く、まさに校則をギリギリ守っている程度。
未久はかなり短い方だが、それでも今の末樹はそれ以上に短い。

「ぇと……」

「百合ちゃん!ここに頭をのせて、横向いて寝転んで」

お姉さん座りしたまま太陽の笑顔で自分のふとももをぽんぽんと叩く。

シミひとつないすべすべのふともも。
細く、しかし肉付きのあるふともも。
白く、しかし温たかそうなふともも。

そのふとももに頭を乗せ、横向いて寝転ぶ。

そう。それはキスにも性行為にもない。
ただ、ただただただ『癒し』だけを得る事のできる。


――膝枕。


「ぇ…?えっ…!?」

意味を理解すればするほど意味が分からなくなっていく。

「ほーら!はーやーくー!」

少し頬を膨らませ百合はまたふとももをぽんぽんと叩く。

そしてまた一つ不思議な事がある。
こうやって百合の行動が遅くなった時、
未久が必ず催促する。
のだが、なぜか未久の姿はなく。教室には末樹と百合の2人だけだった。

「ぇと…お邪魔します…」

「へへっ、なにそれ」

おそるおそる膝へ頭を落とす。
末樹の身体の方に顔を向ける勇気はさすがになかったので、末樹の身体に頭を向ける形となる。

普段スカートで隠れているすべすべしていて柔らかくて温かいふとももが百合の頬にむっちりと接触する。

ドキドキが止まらない。
どうすればいいのだろう。
手はどこにおけばいいだろう。
末樹の足は痛くないだろうか。
何か言わないといけないだろうか。

顔をこわばらせ、頭をフル回転させていると、その頭を優しく何かが触れ、動き始めた。
いや、これは、末樹が百合の髪の毛を撫で始めたのだ。

「へへっ」

「ぁ…あのう…」

「なーに?」

「ぇと…」

訊きたい事が沢山ありすぎて何から聞けばいいか分からない。
なにより頭を撫でられる事でふわふわして何も考えられない。

身体の動きも頭の思考も何もかもが止まりそう。
ただ一つ、心臓だけがどんどん激しく鼓動する。

「ねえねえ百合ちゃん!耳かきしていい?」

「ふぇ…」

訳が分からなさ過ぎて訳の分からない程情けない声がでた。

「んー?でも百合ちゃんの耳綺麗だねえ」

末樹が撫でていた手を止め、耳に指が触れる。
多分その指は暖かいのだろうけど、自分の耳が熱くなりすぎて体温が分からない。

「じゃあふわふわの梵天だけでごそごそーってしようかな?」

直視できないが、それでも太陽の様な天使の笑顔をしているのが分かる。

今は放課後金曜日だ。

腋をくすぐられながら耳に息を吹きかけられ、
足の裏をくすぐられた後、舐められ、
鼻の穴に指をいれられながら耳を舐められ、
身体全身を舐められ、
毎週濃厚なとろけるキスをされる、あの放課後の金曜日だ。

それが

「いくよー、もし痛かったりしたら言ってね?」

耳をふわふわした梵天で、優しく気持ちよく耳かきしてくれている。
ただただ癒しの時間となっているのだ。
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