伯爵令嬢に生まれ変わった元騎士は憧れの人に恩返しをしたい

羽山コウリ

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白い魔女

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真っ白な髪の魔女は
王都の外れにある森に住んでいた

少女の姿をしているが歳は100を超えていて、自分の眷属のウサギと狼と
暮らしていた

ウサギはたまに喋る

「ねぇ、テレージア、こっちから人の匂いがする」
白いウサギの耳がピンと立って

サッと茂みの中に入っていった

「えーもう好奇心旺盛なんだから」
仕方なくウサギの後をついていく、狼もまたそれに従った

ガサガサと茂みを抜けると

金色の髪の親子が座り込んで抱き合っている
2人ともだいぶ衰弱している

子供を引っ張って様子を見ると意外に元気そうだったので、狼の背に放った

母親を見る

腹や腕に火傷を負っている
爛れた皮膚は治りかけ、または化膿し熱も出ていた

テレージアは仕方なく2人を自分の家に運んだ


子供の方は衰弱しているがまぁ食事と睡眠で元に戻るだろう

母親の方は傷よりも内臓の病で長くないように思われた

魔女は薬草を煎じ、苦手な治癒魔法をかけて様子を見ることにした

子供はよく食べよく寝るとすぐに元気になった

そして母親もなんとか持ち直し、話をすることができるようになった

「竜の谷、か、話は聞いたことがあったが実際行ってみたことはない土地だ」

レイリーはもとはレイリー・アルディンという、王都の伯爵家の娘で、谷から行商に来ていたカル・スヴェードと出会って恋に落ち駆け落ち同然に竜の谷で結婚したという

夫が亡くなって間もないというのに、その谷の恐ろしい儀式で子供が生贄にされそうになり、逃げる途中だと話してくれた、長男のフリードを助けれれなかった事をずっと悔やんでいた

魔女は人と触れ話すことがとても久しぶりだった

レイリーを気に入り、彼女に優しく接した

子供の方はなんだか物騒な魔力が滲み出ていて、たまに暴走するという

逃げる途中に、暴走し知らぬ間に人を殺めてしまったとも聞いた

テレージアはレアードに聞く

「魔法使いになるかい?」

「いや、おれは騎士になりたいな」

「騎士?」

「うん、昔、父さんが話してくれた、竜の谷を守る竜騎士の伝説」

「ふうん、そうかじゃあ魔法使いにはならないんだね」

「ならない!」

では問題ない

「レイリー、君の言うとおり魔力は消してしまうよ」

「ええ、お願いします」

そんなものなければ、生贄などに選ばれることもなかったはずだ

レイリーはフリードを思うとまた涙を流した
フリードはカルの血を濃くついでおり、魔力もとても多いとカルが言っていた

テレージアはレアードの背中に手を当てて魔力無効化の陣を転写した

「これで魔力は常に無効化されて表に出ることもないだろう」

レイリーはそれから3年生きた

生きている間、穏やかに過ごしていたが

毎日フリードを思って泣いていたように思う

そうして

テレージアはレイリーという大事な友人を失うと

8歳のレアードを16歳まで育てた



「レアード、王都に行って立派な騎士になるんだよ」
レイリーが生前書いてくれたメモを渡す

「君のお祖父さんが住んでいる家の場所だ、王都で頼るといい」
メモと一緒にレイリーが持っていたペンダントを渡す
「これはレイリーが身につけていたものだよ」
結婚する前から身につけていたと言っていたから身の証となるだろう

「うん、今まで育ててくれてありがとう」

レアードが旅立つと

テレージアは荷造りを始める

「どこにいくの?」

ウサギが尋ねると、テレージアは答える

「竜の谷」
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