1 / 5
第1話 転生と初改変(1-1)
しおりを挟む
俺の人生は、いつも暗い部屋の隅っこで終わっていた。
佐藤真一、名前だけSSのオッサン三十八歳。
引きこもり歴二十五年。
何をやるのもめんどくせぇ。
寝るのすらめんどくせぇ。
外に出る理由なんて、コンビニの新作カップ麺くらいしかない。
今日もいつものように、モニターの青白い光に顔を照らされながら、動画サイトの自動再生に身を任せていた。
「はあ……もう深夜か。腹減ったな」
買い置きはないし、冷蔵庫も空。
仕方なく財布をつかんで、久しぶりに外に出る。
夜の街は静かで、街灯がオレンジに道を染める。
信号が青に変わって一歩踏み出す。
――その瞬間だった。
ブオオオオオン!!
巨大なトラックが、まるで世界が歪むような轟音を立てて突っ込んできた。
ブレーキの音も、クラクションも、何も聞こえない。
体が宙を舞い、コンクリートに叩きつけられる衝撃。
運転席のおっさんと目が合った瞬間、視界が真っ赤に染まり、すぐに真っ暗に落ちた。
あーぁ……めんどくせぇ。
死ぬのも、めんどくせぇわ。
ま、二度と起きなくていいんだから、ありがてえか。
――次に目覚めたとき、俺は「浮いて」いた。
周囲は果てしない白。
雲みたいなふわふわした床。
重さも、痛みも、匂いもない。
魂だけの存在って、こんな感じなのか。
「え、えっと……ここ、どこだよ?」
天国?
そんな都合のいいことねえか。
ていうか、天国でも起きなきゃなんねえのか。
それもめんどくせぇな。
だったら地獄でもいいのに。
すると、白い空間の中心に、光の粒が集まり始めた。
ぽん、ぽん、ぽん、と三つの音。
光が弾けて、三人の女の人――いや、女神が現れた。
一人目は、金髪ポニーテールの元気娘。
白と金のフリルドレスがふわふわ揺れて、背中には小さな羽根の飾り。
青い瞳がキラキラ輝き、手に持ったハープがポロンポロンと鳴る。
「やっほー! 転生者さん! はじめまして! 私アテナ! よろしくねっ!!」
彼女はぴょんと跳ねて、魂となってふわふわする俺の肩にぽんっと手を置く。
魂なのに温かくて、ふわっとした感触が伝わる。
だけど、一言一言いちいちビックリマークがつく話し方がうざい。
「キミの魂バグりすぎててさ! 普通の転生無理だったから! 特別に“概念体”にしちゃった! えへへ、責任取ってね!」
責任ってなんだよ。
勝手に押しつけんなよ。
次に、赤髪のロングヘアが炎のように揺れる女神。
橙色の瞳がくっきりした二重まぶたでいたずらっぽく細まり、赤と黒のドレスは胸元が大胆。
腰の周りを小さな炎の玉がくるくる回ってる。
「ふふーん、私、フレア。炎と情熱の女神だよぉ」
フレアはふわふわな俺の腕に軽く絡みつき、耳元で熱い息を吹きかける。
「世界救うとかぁ、そういうのどうでもいいからねぇ。代わりに『概念操作権限』プレゼントぉ。好きに遊んでぇ、好きに壊してぇ、好きに作っちゃってぇ。私ぃ、応援してるからぁ」
言ってることはなんかすげえんだけど、語尾がだらしなくて、いちいちイラッとくる。
最後に、銀髪ショートカットのクールビューティー。
紫の瞳が星空みたいに深く、青と銀のドレスには星の刺繍が無数に輝く。
頭に小さなカチューシャみたいな冠。
静かに微笑みながら、指先でほわほわした俺の頬をそっと撫でる。
ひんやりして、心地いい。
「……ルナ。女神……夜と静寂の」
短い言葉。
でも、その声は鈴みたいに澄んでいる。
「即座に世界法則……実現。制限なし……君が思ったこと。見ていたい……少し」
こいつくらいはちょっとはまともかと思ったのに、なんで言葉がひっくり返ってんだよ。
微妙な間もイラッとくるし。
そんな女神が三人とも、俺のまわりをふわふわ浮かんでる。
アテナはくるくる回って、フレアは炎のハートを指で描いて、ルナは静かに微笑む。
佐藤真一、名前だけSSのオッサン三十八歳。
引きこもり歴二十五年。
何をやるのもめんどくせぇ。
寝るのすらめんどくせぇ。
外に出る理由なんて、コンビニの新作カップ麺くらいしかない。
今日もいつものように、モニターの青白い光に顔を照らされながら、動画サイトの自動再生に身を任せていた。
「はあ……もう深夜か。腹減ったな」
買い置きはないし、冷蔵庫も空。
仕方なく財布をつかんで、久しぶりに外に出る。
夜の街は静かで、街灯がオレンジに道を染める。
信号が青に変わって一歩踏み出す。
――その瞬間だった。
ブオオオオオン!!
巨大なトラックが、まるで世界が歪むような轟音を立てて突っ込んできた。
ブレーキの音も、クラクションも、何も聞こえない。
体が宙を舞い、コンクリートに叩きつけられる衝撃。
運転席のおっさんと目が合った瞬間、視界が真っ赤に染まり、すぐに真っ暗に落ちた。
あーぁ……めんどくせぇ。
死ぬのも、めんどくせぇわ。
ま、二度と起きなくていいんだから、ありがてえか。
――次に目覚めたとき、俺は「浮いて」いた。
周囲は果てしない白。
雲みたいなふわふわした床。
重さも、痛みも、匂いもない。
魂だけの存在って、こんな感じなのか。
「え、えっと……ここ、どこだよ?」
天国?
そんな都合のいいことねえか。
ていうか、天国でも起きなきゃなんねえのか。
それもめんどくせぇな。
だったら地獄でもいいのに。
すると、白い空間の中心に、光の粒が集まり始めた。
ぽん、ぽん、ぽん、と三つの音。
光が弾けて、三人の女の人――いや、女神が現れた。
一人目は、金髪ポニーテールの元気娘。
白と金のフリルドレスがふわふわ揺れて、背中には小さな羽根の飾り。
青い瞳がキラキラ輝き、手に持ったハープがポロンポロンと鳴る。
「やっほー! 転生者さん! はじめまして! 私アテナ! よろしくねっ!!」
彼女はぴょんと跳ねて、魂となってふわふわする俺の肩にぽんっと手を置く。
魂なのに温かくて、ふわっとした感触が伝わる。
だけど、一言一言いちいちビックリマークがつく話し方がうざい。
「キミの魂バグりすぎててさ! 普通の転生無理だったから! 特別に“概念体”にしちゃった! えへへ、責任取ってね!」
責任ってなんだよ。
勝手に押しつけんなよ。
次に、赤髪のロングヘアが炎のように揺れる女神。
橙色の瞳がくっきりした二重まぶたでいたずらっぽく細まり、赤と黒のドレスは胸元が大胆。
腰の周りを小さな炎の玉がくるくる回ってる。
「ふふーん、私、フレア。炎と情熱の女神だよぉ」
フレアはふわふわな俺の腕に軽く絡みつき、耳元で熱い息を吹きかける。
「世界救うとかぁ、そういうのどうでもいいからねぇ。代わりに『概念操作権限』プレゼントぉ。好きに遊んでぇ、好きに壊してぇ、好きに作っちゃってぇ。私ぃ、応援してるからぁ」
言ってることはなんかすげえんだけど、語尾がだらしなくて、いちいちイラッとくる。
最後に、銀髪ショートカットのクールビューティー。
紫の瞳が星空みたいに深く、青と銀のドレスには星の刺繍が無数に輝く。
頭に小さなカチューシャみたいな冠。
静かに微笑みながら、指先でほわほわした俺の頬をそっと撫でる。
ひんやりして、心地いい。
「……ルナ。女神……夜と静寂の」
短い言葉。
でも、その声は鈴みたいに澄んでいる。
「即座に世界法則……実現。制限なし……君が思ったこと。見ていたい……少し」
こいつくらいはちょっとはまともかと思ったのに、なんで言葉がひっくり返ってんだよ。
微妙な間もイラッとくるし。
そんな女神が三人とも、俺のまわりをふわふわ浮かんでる。
アテナはくるくる回って、フレアは炎のハートを指で描いて、ルナは静かに微笑む。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
異世界転移からふざけた事情により転生へ。日本の常識は意外と非常識。
久遠 れんり
ファンタジー
普段の、何気ない日常。
事故は、予想外に起こる。
そして、異世界転移? 転生も。
気がつけば、見たことのない森。
「おーい」
と呼べば、「グギャ」とゴブリンが答える。
その時どう行動するのか。
また、その先は……。
初期は、サバイバル。
その後人里発見と、自身の立ち位置。生活基盤を確保。
有名になって、王都へ。
日本人の常識で突き進む。
そんな感じで、進みます。
ただ主人公は、ちょっと凝り性で、行きすぎる感じの日本人。そんな傾向が少しある。
異世界側では、少し非常識かもしれない。
面白がってつけた能力、超振動が意外と無敵だったりする。
ただのFランク探索者さん、うっかりSランク魔物をぶっとばす 規格外ダンジョンに住んでいるので、無自覚に最強でした
むらくも航
ファンタジー
旧題:ただのFランク探索者さん、うっかりSランク魔物をぶっとばして大バズりしてしまう~今まで住んでいた自宅は、最強種が住む規格外ダンジョンでした~
Fランク探索者の『彦根ホシ』は、幼馴染のダンジョン配信に助っ人として参加する。
配信は順調に進むが、二人はトラップによって誰も討伐したことのないSランク魔物がいる階層へ飛ばされてしまう。
誰もが生還を諦めたその時、Fランク探索者のはずのホシが立ち上がり、撮れ高を気にしながら余裕でSランク魔物をボコボコにしてしまう。
そんなホシは、ぼそっと一言。
「うちのペット達の方が手応えあるかな」
それからホシが配信を始めると、彼の自宅に映る最強の魔物たち・超希少アイテムに世間はひっくり返り、バズりにバズっていく──。
最強賢者の最強メイド~主人もメイドもこの世界に敵がいないようです~
津ヶ谷
ファンタジー
綾瀬樹、都内の私立高校に通う高校二年生だった。
ある日、樹は交通事故で命を落としてしまう。
目覚めた樹の前に現れたのは神を名乗る人物だった。
その神により、チートな力を与えられた樹は異世界へと転生することになる。
その世界での樹の功績は認められ、ほんの数ヶ月で最強賢者として名前が広がりつつあった。
そこで、褒美として、王都に拠点となる屋敷をもらい、執事とメイドを派遣してもらうことになるのだが、このメイドも実は元世界最強だったのだ。
これは、世界最強賢者の樹と世界最強メイドのアリアの異世界英雄譚。
Gランク冒険者のレベル無双〜好き勝手に生きていたら各方面から敵認定されました〜
2nd kanta
ファンタジー
愛する可愛い奥様達の為、俺は理不尽と戦います。
人違いで刺された俺は死ぬ間際に、得体の知れない何者かに異世界に飛ばされた。
そこは、テンプレの勇者召喚の場だった。
しかし召喚された俺の腹にはドスが刺さったままだった。
1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!
マツヤマユタカ
ファンタジー
23年5月22日にアルファポリス様より、拙著が出版されました!そのため改題しました。
今後ともよろしくお願いいたします!
トラックに轢かれ、気づくと異世界の自然豊かな場所に一人いた少年、カズマ・ナカミチ。彼は事情がわからないまま、仕方なくそこでサバイバル生活を開始する。だが、未経験だった釣りや狩りは妙に上手くいった。その秘密は、レベル上げに必要な経験値にあった。実はカズマは、あらゆるスキルが経験値1でレベルアップするのだ。おかげで、何をやっても簡単にこなせて――。異世界爆速成長系ファンタジー、堂々開幕!
タイトルの『1×∞』は『ワンバイエイト』と読みます。
男性向けHOTランキング1位!ファンタジー1位を獲得しました!【22/7/22】
そして『第15回ファンタジー小説大賞』において、奨励賞を受賞いたしました!【22/10/31】
アルファポリス様より出版されました!現在第四巻まで発売中です!
コミカライズされました!公式漫画タブから見られます!【24/8/28】
マツヤマユタカ名義でTwitterやってます。
見てください。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる